映画『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』の概要:2016年公開のイギリス映画。有名な名探偵ホームズシリーズの最後の事件を実写化。93歳で隠居生活をしているホームズが、30年前の事件を思い出し忘れないように執筆するというミステリー。
映画『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』の作品情報
上映時間:104分
ジャンル:ミステリー、サスペンス、ヒューマンドラマ
監督:ビル・コンドン
キャスト:イアン・マッケラン、ローラ・リニー、真田広之、マイロ・パーカー etc
映画『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』の登場人物(キャスト)
- シャーロック・ホームズ(イアン・マケラン)
- 現在93歳のかの有名な名探偵。最後の事件をきっかけに引退し、現在は田舎で養蜂をしながら静かに暮らしている。最近認知症が酷くなって来ていることを気にしている。
- マンロー夫人(ローラ・リニー)
- ホームズの家で家政婦として働いている女性。気が強いが根は優しく、ホームズの気むずかしい性格にも上手く付き合っている。
- ロジャー(マイロ・パーカー)
- マイロ夫人の息子。ホームズを慕っている聡明で優しい少年。
- ミスター・ウメザキ(真田広之)
- ホームズのせいで父が英国から帰国せず、母親が苦労したと思っている日本人男性。
映画『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』のあらすじ【起】
かの有名な名探偵シャーロック・ホームズも現在93歳。
住み込みのマンロー夫人とその息子のロジャーと、養蜂をしながら穏やかに暮らしている。
いくらの名探偵でも年齢には勝てず、最近は昔のことも途切れ途切れにしか思い出せない。
そんな自分に恐怖を感じたホームズは、引退した理由でもある30年前のある事件について書き記そうと決めた。
ロジャーには幼いながらも探偵の素質があると見込んでいる。
ロジャーは、ホームズが書きかけている事件の詳細の執筆を楽しみにしていた。
ホームズも続きを書いては、ロジャーに読ませることをくり返すようになっていった。
一方で日本のウメザキという人物からホームズに手紙が届いた。
そこには、認知症に効くという山椒のことが書かれていたため日本に行くことにする。
ウメザキはホームズのファンだと言った。
戦争後の焼け野原をウメザキに案内されて歩くホームズは、その土地で山椒をみつける。
そして家族を亡くして悲しんでいる人が、自分の周りに石を置き、祈りを捧げている姿に感動する。
映画『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』のあらすじ【承】
30年前の事件とは何なのか。
ある日、ホームズの事務所を尋ねた男性がいる。
名はケルモットと言い、相談事は妻のアンのことだった。
彼女は流産を2回繰り返したことで、精神的にバランスを崩してしまった。
そこでケルモットは気分転換にと、グラスハープの練習を薦める。
アンは意外にもハープの虜となり、講師であるマダムにも夢中になった。
しかし、ケルモットはこの頃からアンの様子がおかしいことに気がつく。
もしかしたらマダムに陶酔しきって、変なことを吹き込まれているのでは?と心配したケルモットはレッスンを辞めさせたという。
このアンの様子がおかしい原因を調べて欲しいというものだった。
だがその後、アンがこっそり先生の家に通っているという事実を知る。
ホームズがアンを探しにマダムの家に行くと、そこにはアンの姿は無く、いたのは少年だけだった。
窓から中庭を覗くとそこにアンの姿がある。
急いでホームズはマダムの家を出て、アンを探す。
だが中庭に彼女の姿は既に無く、通りでウィンドウショッピングを楽しんでいた。
ホームズはアンを尾行した。
するとその後夫のサインを偽造し、銀行から大金を降ろすと法律所に出かけたアン。
そこでは夫の遺言に変わりは無いかと確認をしに行ったのだった。
そして駅に向かう。
駅で何者かに金の入った封筒を手渡すと、劇薬を薬屋で入手したアン。
夫殺害を疑える十分な証拠が揃った。
映画『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』のあらすじ【転】
アンとホームズは遂に対面する。
そこで犯罪を何とか食い止めようと、アンを止めようとしたホームズ。
アンは見抜いていた。
夫のケルモットがホームズに自分を調べさせているということを。
そのため、夫を殺害するかのように見せかけていたのだ。
しかしホームズは名探偵である。
アンがウィンドウショッピングをするような性格では無いことも知っていたし、駅で会った何者かの男も墓石販売者であることもわかっていた。
流産した子供2人と、劇薬で自殺をした自分の遺体を埋める墓石を買ったのだということも。
自殺を止め、愛する人の元に戻れと言うホームズに微笑みその場を去るアン。
しかしその後電車の飛び込み、亡くなってしまう。
ホームズは自殺させてしまったことを悔やみ、この事件を最後に引退することにしたのだった。
一方でウメザキと日本で会っているホームズは、自分のファンだと嘘をついているウメザキに気がついた。
目的はウメザキの父親のことだった。
外交官としてイギリスにいたウメザキの父親は、ホームズの助言により半永久的に英国滞在することにし母親は苦労をしたのだというのだ。
だが認知症を患ったホームズにはウメザキという名を思い出せない。
ホームズを恨んでいたウメザキは、ホームズに手紙を書き呼び出したのだった。
映画『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』の結末・ラスト(ネタバレ)
認知症を患いながらも、何とか執筆を終えたホームズ。
マンロー夫人はホームズの介護をするのは嫌だと、息子を連れて引っ越す予定だったがロジャーが養蜂の最中にスズメバチに刺されて重体になってしまいすぐには越せなくなる。
ホームズを責めるマンロー夫人だったが、ホームズもまたロジャーを「宝物」だと嘆き悲しむ。
その姿を見たマンローは、ホームズの意外な一面に驚きを隠せない。
ホームズは何故ロジャーがスズメバチに刺されたのかを解明した。
最近養蜂していたミツバチが死んでいることが多かった。
ロジャーはその謎を解こうと調査した結果、近くにスズメバチの巣がありミツバチに悪さをしていると気がついたのだ。
そして襲われるミツバチをスズメバチから守ったのだった。
ロジャーの足跡が巣を往復していたことから、ホームズは解明できたのだ。
運良くロジャーの容態は回復に向かった。
ホームズは自分の財産や家を全部マンロー夫人親子に譲りたいから、もう少し自分と一緒に暮らしてくれないかと頼んだのだった。
また、ホームズはウメザキの父親とのことも思いだし、立派な人だったと日本に手紙を出した。
芝生の上でホームズは、広島で見た人のように石で自分を囲み、祈りを捧げるのだった。
映画『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』の感想・評価・レビュー
世界一有名な私立探偵、シャーロック・ホームズ。その老後を描いた作品。誰もが歳を取るが、あのシャーロック・ホームズにも痴呆が訪れることを突きつけられると、それはそれでなかなかショックだ。ある意味これはホームズの終活なのだが、こうやって気がかりだったことに一つ一つ片を付けることができたら良いなと思う。
真田広之の登場も嬉しい。もう少し日本が本当の日本っぽく描かれていれば、とは思うものの、あのシャーロック・ホームズが日本に来たことがあると想像(妄想?)するのは面白かった。(男性 40代)
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