12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』の概要:2ちゃんねるの掲示板にハンドルネーム「マ男」が同名のスレッドを立ち上げ、ブラック会社の実態を書き込む。これが話題となり、後に書籍化される。このペンネーム黒井勇人の原作を佐藤祐市監督が映画化した。2009年公開の日本映画。

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』の作品情報

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

製作年:2009年
上映時間:101分
ジャンル:ヒューマンドラマ、コメディ
監督:佐藤祐市
キャスト:小池徹平、マイコ、池田鉄洋、田中圭 etc

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』の登場人物(キャスト)

大根田真男(小池徹平)
通称マ男。プログラマー。いじめが原因で高校を中退。その後8年間ニート生活を続け、その間にプログラマーの国家資格を取得。母親が交通事故で亡くなったのをきっかけに黒井システム株式会社に就職。父親と2人暮らし。
藤田巧己(田辺誠一)
黒井システムで唯一まともな社員。有能で人格も優れており、大根田を常に支えてくれる。弁護士を目指していた。
阿部道大(品川祐)
通称リーダー。黒井システムのリーダー。横暴で口が悪く、態度もでかい。“バーカ”が口癖。会社をブラックにしている大きな原因。
井出哲也(池田鉄洋)
阿部の腰巾着。ガンダムオタクで無能だが、阿部の機嫌をとることで生き残っている。
上原学(中村靖日)
プログラマーとしては有能だが、奴隷のように扱われ常に仕事を押し付けられている。ワキガでドモリ。
瀬古さだ子(千葉雅子)
黒井システムの経理も担当。社長の愛人だが、全く色気はない。
中西亜矢子(マイコ)
派遣社員。美人で仕事もできるが、かなりイタイ性格。
木村翔太(田中圭)
業界大手に勤めていた新入社員。自信家で、会社の乗っ取りをねらっている。

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』のあらすじ【起】

黒井システム株式会社に就職してから半年。大根田は限界を感じていた。身も心もボロボロになった大根田はネットの掲示板に「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」というスレッドを立ち上げ、これまでの大変な日々を書き込み始める。

いじめが原因で高校を中退した大根田は、親のスネをかじる引きこもりになっていた。このままではいけないと思いプログラマーの国家資格は取得したが、外へ出る勇気は出ない。そんな息子を心配する母親に“あんたが死ぬまでには働いてやるよ”と反抗した直後、母親は大根田のスーツを買った帰りに交通事故で死亡する。これをきっかけに大根田は就活を始めるが、中卒のニートだったことが災いしてどこも雇ってくれない。そんな中、大根田の話を親身に聞いて社員に採用してくれたのが、黒井システム株式会社の社長だった。

初出社の日。現場のリーダーである阿部に出身を聞かれて大根田は“早稲田”と答えてしまうが、それは実家のある場所だった。大根田は早稲田大学出身と勘違いされたまま、“マ男”と呼ばれていきなり大量の仕事を押し付けられる。大根田のデスクにいた前の社員は“殺される”と大量に書いたノートを残して、行方不明になっていた。

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』のあらすじ【承】

初日から残業となり、阿部には“定時なんて都市伝説だ”と罵られる。大根田はいきなり「デスマ=デスマーチ=死の行進」に放り込まれ、自分がブラック会社に就職したことを悟る。しかし息子の就職を喜んでいる父親に真実は言えず、翌日も出社する。

阿部と井出は大根田が出社してくるか賭けをしていた。2人はさらに嫌がらせとしてワキガの上原の隣に大根田のデスクを移し、クーラーを全開にする。このピンチを藤田が救ってくれ、大根田は藤田に感謝する。阿部が自分を追い出そうとしていることを知った大根田は、“自分には後がない”と必死で仕事に立ち向かう。不眠不休で期限内にシステムを完成させ、大根田は実力と根性を認められる。

社長はこの成果を評価し、入社2週間の大根田を次のプロジェクトのリーダーに指名する。普通なら220日かかる仕事を1ヶ月で仕上げるという無茶苦茶なプロジェクトのリーダーにされてしまった大根田は、藤田に励まされ何とか前向きに計画を立てる。派遣の中西もスタッフに加わり、全員が必死でこの仕事と戦い始める。

途中で阿部と井出にワキガを中傷された上原が辞めると言い出したり、井出が大失態をして大きなロスが生まれたりしたが、全員の頑張りで何とか納期を守ることができた。大根田はこのブラック会社にカオスを感じながらも、少しずつ会社に馴染んでいく。

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』のあらすじ【転】

そんな時、エリートの木村が新入社員として入社してくる。みんなは業界大手にいた木村が、なぜこんな弱小ブラック会社に就職してきたのか不思議がる。大根田は木村の教育係を任され、木村の秘密を知る。野心家の木村は30歳までに起業したいと考えていた。それには零細企業を乗っ取るのが1番早いと考え、黒井システムにやってきたのだ。

木村の入社後すぐに、大根田が中卒のニートだったことが社員たちにバレてしまう。阿部や井出のみならず、他の社員たちも大根田を白い目で見るようになり、大根田は精神的に追い込まれていく。

大根田が限界を感じていた頃、藤田が声をかけてくれる。有能で人格者でもある藤田がなぜこの会社にいるのか大根田はずっと不思議だった。藤田は初めて自分が弁護士を目指していたが挫折し、その後生きる目的を見失って5年間ニートだったことを話してくれる。藤田は大根田を“自分で思っているよりもずっと強い人間だ”と励ましてくれる。さらに父親がリストラされていたという事実も発覚し、大根田に迷っている余裕などなかった。大根田は歯を食いしばって、仕事を続ける。

ついに木村が本性を現し、とんでもない仕事を取ってくる。木村は自分の仕切りで史上最大のデスマを強引に推し進めようとするが、社員たちは疲労困憊していく。大根田が心身ともにボロボロになりかけた頃、父親が胃がんであることがわかる。病院から会社へ戻った大根田は、藤田と社長の会話を聞いてしまう。それは藤田が退職するという話だった。

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』の結末・ラスト(ネタバレ)

唯一の支えだった藤田が退職すると知り、ついに大根田は切れてしまう。泣きながら自分の本音を社員たちにぶつけた大根田は、退職宣言をして会社を飛び出していく。

父親の病院にいた大根田を中西が訪ねてくる。藤田に告白して振られていた中西は、藤田から聞いた過去を語る。藤田には自分が路頭に迷っている時期にずっと支えてくれたプログラマーの彼女がいた。彼女もブラック会社で苦しんでいたが、藤田を気づかって自分のつらさを語らないまま自殺してしまった。藤田は黒井システムで働くことで、何もしてやれなかった彼女に謝り続けていたのだ。その夜、大根田は会社へ戻って仕事を始める。そこには藤田の姿もあった。

みんなが一丸となって仕事に取り組み、なんとか納期を守ることができた。朝、大根田と藤田は屋上で話をする。藤田は弁護士事務所に就職が決まっていたが、大根田のためにもう少し会社に残ると言ってくれる。大根田はずっと自分を抑えてきた藤田に“これからは自分のために生きてください”と言う。藤田は“崖っぷちでがむしゃらに生きているマ男を見て、辞める決心をしたんだ”と答える。ここでの経験や出会いを通して生きる厳しさを知った大根田は“まだ俺はがんばれるかもしれない”と思い、過去の甘ったれた自分と決別する。

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』の感想・評価・レビュー

2ちゃんねるから生まれたブラック会社の実情を描いた作品。一般人が書いた内容である為、多少脚色はされているのだろうが、現実味を帯びた表現についつい考えさせられてしまう。当時はまだ、働き方改革といった動きが表立ってないせいもあり、こういった労働時間=納品までといった働き方がしっかりと問題視されてなかった分、本当に人が過労死しかねない世の中だったのだと感じてしまう。社会で生きていく上で、一度は見ておくべき作品だと思う。(男性 30代)


あまりにも現実味を帯びていて少し怖くなった。2ちゃんねるの掲示板から生まれたため、かなりデフォルメ化されている。実際にこんな会社があったらすでに潰れているだろう。自分は引きこもりを経験したことがないため共感しづらい部分もあったが、実際に引きこもりを経験していたらまた違った感じ方をしたかもしれない。
デフォルメされているおかげでコメディ映画として成り立っている。色々考えさせられたが、自分がこんなブラック企業に入らないように気をつけたいと切実に感じた作品だった。(女性 20代)


一言で言うと「ブラック企業怖い」だ。ブラック企業あるあるとコメディタッチで描いていて笑えるが、ふと恐怖が後から押し寄せる感覚に襲われる。きっとそれは、今この瞬間に現実に起こり得ていることだからかもしれない。純粋に楽しめる人はブラックな環境をネタとして聞きかじっている人で、体験者は笑うに笑えない。

ニートであることも辛いし、ブラックな職場で働くことも辛い。小池徹平演じる主人公の気持ちに共感したが、頼むからそんな仕事早くやめてくれと思った。オチを下手に美談にしたせいで、複雑な気持ちにもなる。(男性 30代)


本作は、2chのスレッドを基に、ブラック会社に勤める男を描いたコメディーヒューマンドラマ作品。
信頼できる上司のいない会社ほど絶望的なものはない。
コメディーだけでなく最後にウルっとくる場面もあり程よい重さのある作品だった。
結局自分自身が頑張らなければならないわけで、明日からまた仕事を頑張ろうと思えたと同時に転職する時は会社選びは慎重に行おうと思った。
甘えた自分との決別を図りブラック会社に居続ける決断に至ったのは想定外だったが、仲間の大切さが身に染みた。(女性 20代)

みんなの感想・レビュー