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映画『獣は月夜に夢を見る』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『獣は月夜に夢を見る』の概要:自分の体に起こった変化の謎を探る女性が、母から受け継いだものを知り、愛する人と共に生きていこうとする姿を描いた。北欧発のダークファンタジー映画。カンヌ映画祭などで高い評価を得ている。

映画『獣は月夜に夢を見る』の作品情報

獣は月夜に夢を見る

製作年:2014年
上映時間:85分
ジャンル:ファンタジー、ホラー、ラブストーリー
監督:ヨナス・アレクサンダー・アーンビー
キャスト:ソニア・スール、ラース・ミケルセン、ソニア・リクター、ヤーコブ・オフテブロ etc

映画『獣は月夜に夢を見る』の登場人物(キャスト)

マリー(ソニア・スール)
病気の母の世話をする、美しく孤独な女性。母の病名は知らされていない。漁港で働き始め、ダニエルと出会い恋するようになる。体中が毛深くなり攻撃的になる、母と同じ病気に罹る。白目は黒く、瞳は金色になり、半獣のような姿に変身する。
ダニエル(ヤーコブ・オフテブロ)
漁港で働く青年。町の人々とは距離を置いている。漁港で出会ったマリーに惹かれていき、どんな姿でも奇麗だと告げるようになる。
マリーの父(ラース・ミケルセン)
妻の病気について、マリーには秘密にしていた。濃くなった毛を剃るため、お風呂の世話だけは自分がしていた。
マリーの母(ソニア・リクター)
昔はとても美しく、恐れられていた女性。船でやって来たロシア人に襲われ、殺してしまった過去を持つ。ラーセン医師の処方する注射のせいか、体はほとんど動かず、車いす生活をしている。

映画『獣は月夜に夢を見る』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『獣は月夜に夢を見る』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『獣は月夜に夢を見る』のあらすじ【起】

胸にアザのような発疹が出来たマリーは、ラーセン医師の診察を受けた。
マリーの母親は病気で、話すことも食べることもできない車椅子生活。
母の面倒を見るのはマリーの役目だ。

マリーは漁港で働くことになる。
荒っぽい歓迎を受け、これで仲間だと言われる。

帰宅すると、ラーセンが父に書類を渡しているのを見てしまう。
マリーは、書類をくすねる。

漁港には不良のエスベンたちや、町の人々と距離を置くダニエルがいた。
エスベンは、強気なマリーに性的な嫌がらせをする。

その日の夜、シャワーを浴びていたマリーは、アザの部分に毛が生えているのを見つける。
胸元を父に見せると、ラーセンがやって来る。
マリーは母親と同じ病気で、体中が毛深くなり、感情面にも変化が現れるだろうと言う。
薬を飲むことを強く勧められるが、拒絶するマリー。

胸元の毛を剃って家を飛び出すと、1隻の廃船を見つける。
くすねた書類の中にあった写真は、その船の中で撮られたものだった。

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映画『獣は月夜に夢を見る』のあらすじ【承】

同じ漁港で働くフェリックスに、廃船のことを聞くマリー。
持ち主はロシア人で、国に帰ったというフェリックス。
母がその船に関係していたか尋ねるが、美しく、同時に恐れられていた母については口を閉ざす。

一緒にクラブに行くと、ダニエルがいた。
怪物になる前に抱かれたいと思ったマリーは、ダニエルを誘う。

マリーのお気に入りの場所に行くが、肩も毛深くなっていた。
驚くダニエルだったが、マリーを綺麗だと言う。
そして抱かれるマリーの体は、背骨に沿って濃く毛が生えていき、白目は黒くなって瞳は金色に変化した。

帰宅してベッドにもぐりこんだマリー。
すると、父とラーセンが無理やり注射をしようとする。
嫌がるマリーを助けたのは、動けないはずの母だった。
母はラーセンの喉元に噛みつき、殺してしまった。

庭にラーセンの遺体を埋め、母の体についた血を洗い流すマリーと父。
マリーは父に、ロシア人も始末したのかと尋ねる。
港にある廃船の持ち主に襲われた母は、相手を殺してしまったのだ。

映画『獣は月夜に夢を見る』のあらすじ【転】

翌日、ラーセンが失踪したと聞いた町民が押しかけてくる。
服を脱がせて下着姿にし、爪や歯茎まで調べようとする。
調べる姿をマリーが笑ったと言い、徹底的に監視すると脅して去っていった。

その後、マリーの母はバスタブに沈んだ姿で見つかる。

葬式の途中、爪の付け根から血が滲んでいることに気付いたマリー。
母の死に安堵するような町民の言葉を耳にしたマリーは、苛立ちを隠せない。
父によって無理やり家に帰されるが、ガラスのコップをかみ砕いてしまう。

仕事に向かうマリーを止める父だったが、マリーは家を出てしまう。
毛深くなったマリーの姿を凝視する漁港の人々。
ダニエルだけは、マリーに微笑みかけた。

仕事が終わると、マリーのロッカーには捨てる分の魚が詰め込まれていた。
掃除をして、家に帰ろうとするマリー。
しかし外で待ち伏せしていたエスベンたちが、バイクに乗ってマリーを追い回す。
漁港の近くに住むフェリックスに助けを求めるが、無視される。

映画『獣は月夜に夢を見る』の結末・ラスト(ネタバレ)

追い詰められたマリーは、エスベンの喉元に噛みついた。
ダニエルと結ばれた場所へ逃げ、眠ってしまったマリー。
ダニエルに起こされ、エスベンを殺したことが騒ぎになっていると教えられる。

マリーとダニエルは、島の外へ逃げる約束をする。
ダニエルは船の調達に行き、マリーは家に戻って荷物をまとめ、母の写真と書類を持った。
父はマリーを綺麗だと言い、去っていくのを止めなかった。

ダニエルとの待ち合わせ場所で、待ち伏せていた町民に気絶させられたマリー。
その様子を目撃したダニエルは、こっそり後をつける。

船の中に閉じ込められたマリーは、獣のような姿に変化していた。
その船を出港させる町民。
船に乗り込んだダニエルは、マリーが閉じ込められていた場所の扉を開け放った。
フェリックスたち町民を殺していくマリー。

ダニエルは、マリーを綺麗だと言って抱きしめる。
マリーはそのまま眠ってしまった。

やがて朝日が昇り、船の上には毛深いままのマリーに寄り添うダニエルがいた。

映画『獣は月夜に夢を見る』の感想・評価・レビュー

デンマークとフランスの合作映画で、北欧ならではの淡々としたストーリー展開と中盤以降のショッキングな事実が魅力的な作品。前半は淡々とした流れでヒロインと彼女の一家を取り巻く状況が描かれる。ヒロインは年頃の娘で、病を患い薬漬けの母親の世話を一心に行っている。ただ、そんな中でも不穏なのは、彼女の身体に発生した小さな異常。母親は薬のせいでほとんど動けないが、どこか不気味な雰囲気があるし、作品の根底には常に重い空気が漂っている。淡々としているが故に退屈ささえ感じてしまう作品ではあるが、前半の流れがあるからこそ、後半の急転直下な流れが生きてくるのかもしれない。スピード感はないが、時間がある時にじっくり観るといい作品。(女性 40代)


本作は、主人公マリーが思春期に自身の身体が変態し、その原因を探ろうとする様子を描いたデンマークのミステリーホラー作品。
美しい少女が恋愛するも自身の身体の変化に苦悩や葛藤する様子、ダニエルとの関係性も素敵だった。
また、劇中の「魚」を使った演出や、マリーの神秘的なヴィジュアルが美しく魅力的だった。
物語は静かで悲しみを含んでおり、どんよりと仄暗くてアンニュイで北欧の雰囲気がとても好みで面白かった。(女性 20代)


暗くてどんよりした空気が漂っているのに、映像がものすごく美しい今作は、謎の病を患う親子の物語でした。
ある日突然自分の身体が毛むくじゃらになり、性格が凶暴化してしまったら…。自分の気持ちを抑えることも出来ず、変化した身体に順応することも出来ず、ただ本能のままに人を攻撃し殺してしまうマリーは本当に可哀想でした。
秘密を知る父やダニエルがいてくれたことがせめてもの救いでしたが、なんとも報われないストーリーでモヤっとした気持ちが残ります。(女性 30代)

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