映画『ジ、エクストリーム、スキヤキ』の概要:前田司郎の小説を、著者本人が監督・脚本した作品。「ピンポン」の窪塚洋介と井浦新が再共演した。15年ぶりに再会した大学時代の友人、洞口と大川が、古い友人と彼女を巻き込んで海へ向かう。
映画『ジ、エクストリーム、スキヤキ』の作品情報
上映時間:111分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ、青春
監督:前田司郎
キャスト:井浦新、窪塚洋介、市川実日子、倉科カナ etc
映画『ジ、エクストリーム、スキヤキ』の登場人物(キャスト)
- 洞口(井浦新)
- 15年前に大川と縁を切ったが、暇になって大川を訪ねてくる。会社を辞め、今は無職。大川と京子は大学時代の友人で、京子と付き合っていたこともあった様子。今でも京子に未練がある。橋の下に落ちた洞口との関係や時系列は不明。
- 大川(窪塚洋介)
- 映画を撮ることを目標にしているフリーター。京子と洞口の大学時代の友人。楓と同棲中。豚肉を煮たものをすき焼きと思い込んでいる。暇を潰すのが得意だった。
- 楓(倉科カナ)
- 大川の彼女で、大川と同棲している。感情が顔に出ない。寂しい学生時代を過ごしており、女友達が1人もいない。
- 京子(市川実日子)
- 洞口と大川の、大学時代の友人。洞口と付き合っていたこともあったと思われる。同僚の鈴木と付き合っているが、沖縄旅行から帰ったら別れる予定。
映画『ジ、エクストリーム、スキヤキ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ジ、エクストリーム、スキヤキ』のあらすじ【起】
大学時代から乗っている愛車の中で、本に挟まっていた1枚の写真を眺めていた洞口。
車を降りた洞口の姿は、いつの間にか橋の下に落ちていた。
大川と楓が一緒に暮らしているアパートに、15年前に縁を切っていたはずの洞口が訪ねてくることになった。
その話をしながらすき焼きを食べる大川に、豚肉はすき焼きにはならない、と楓は諭すように言った。
ほとんど乗れないスケボーを片手に訪ねてきた洞口。
やることが無くなったという洞口は、暇つぶしが得意だった大川を訪ねたのだという。
なぜか大川は、木を削って弓を作っていた。
弓を持って海外に行きたいと言い、ちょうど飛んでいた飛行機を指差す大川。
洞口が国内線の飛行機だと言うと、行き先は沖縄に変更された。
ジャングルで冒険するドキュメント映画を撮りたいと言う大川に、洞口は一緒にやろうと言う。
カメラを買うために秋葉原へ行く大川に付いていく洞口。
間違って河童橋を歩き回り、とりとめのない話をする。
映画『ジ、エクストリーム、スキヤキ』のあらすじ【承】
好奇心から仏具屋に入り、なんとなく仏像を買う洞口。
しかし家に帰り、仏像を買ったことを後悔する。
大川の作った弓は、楓の一言でブーメランになった。
車を持っている洞口を誘い、出かけることにした大川。
仏具屋の入り口にスケボーを忘れたことに気付き、取りに行ったついでに仏像を返品した洞口。
戻ってきたお金ですき焼き鍋を買った。
大川と洞口は、京子の家に押しかけて海へ行こうと誘う。
休日になり、洞口、大川、楓、京子は海へと出発した。
道の駅で、楓と京子は食事にしようと言う。
車の中で大学時代の思い出話を始めた洞口と大川。
当時から使っている車の天井に、金髪の髪の毛を見つける。
大川と洞口が縁を切るきっかけになった友人の髪の毛だと思い、2人は髪の毛をそのままにした。
道の駅で買い物をした後、洞口、大川、楓、京子は目的地の海に着く。
楓にとっては、生まれてはじめて実際に見る海だった。
冬の海に入らされる大川。
洞口は会社を辞めた事を京子に伝える。
映画『ジ、エクストリーム、スキヤキ』のあらすじ【転】
作ったブーメランを海に投げた大川。
戻ってこないそれを見て、洞口は人生みたいで良いと言ったが、皮肉にもブーメランは戻ってきた。
目的を達成した洞口、大川、楓、京子。
肉を買って帰り、大川の部屋ですき焼きをする事にした。
京子と大川は、お互いの近況を話す。
洞口は変わっていないという京子に、変わっていない風を装っているだけに見えるという大川。
その後、大学時代から乗り続けている洞口の車の中で、置き忘れていた本を見つける京子。
大学時代の京子の話をしている間に、食事をしようという流れになる。
途中で見つけた八百屋で買い物をしているうちに、一晩泊まっていこうという話になった。
なかなかホテルが見つからない中、ようやく見つけたのは古びた民宿。
洞口と大川は、銭湯で長風呂をしながら楓の話をする。
楓は先天性の病気で死が決まっていた。
部屋に戻り、大川が映画を撮るという夢を叶えようと話し、楽しく騒ぐうちに、楓と大川は寝てしまった。
映画『ジ、エクストリーム、スキヤキ』の結末・ラスト(ネタバレ)
京子は洞口に、どうして自分に会いに来たのかと尋ねる。
会いたかったから、と言う洞口に対して、京子は過去を懐かしむよりも未来を見て進むべきだと語った。
洞口は、大川も自分と同じだと言う。
するとだいぶ前から起きていた大川が、自分は違うと反論した。
同様に起きていた楓も話に加わり、全部聞かれていたと知った洞口は慌てる。
その夜、隣の布団で寝る京子の手を握ろうとした洞口だったが、京子はやんわりと拒絶した。
橋の下に落ち、誰にも見つからないままだった洞口はようやく目覚めた。
翌朝、民宿を出た洞口、大川、楓、京子は外ですき焼きを始める。
洞口と京子は、大川はなんとなくすごいと褒める。
しかし、豚肉を煮た料理をすき焼きだと思っている事を楓にバラされてしまった。
橋の下から車の前まで、体を引きずりながら移動した洞口。
苦しみながらも本を手に取り、挟まっていた写真を再び手に取った。
出かけた帰りの車の中、忘れたいことを忘れられるほど都合よくできていない、と洞口は言った。
映画『ジ、エクストリーム、スキヤキ』の感想・評価・レビュー
ストーリーは面白いし、映画として面白くしようとする努力の跡はよく見えるが、製作者に一つ聞きたい、この話は日本人にしか受けない物語ですね。そしてこの話を特段見たい人は日本人の何割ですか?と。内省的な物語が悪いとは言わないが、一発当ててどーんと儲けよう。評価されて予算使い放題になったらこんな映画を作りたい!そんな野心が全く垣間見えない。早い話が元気がない。若者すべてに元気が必要という話ではなく、映画製作者には絶対的に必要な元気がない。(男性 30代)
平坦が続く、浮き沈みのない映画。
感覚的には「横道世之介」に似ているが、それよりは少し暗めの平坦な道をひたすら歩いているような作品だった。
全体的に締まりがなく、緩い印象を受けるが、これはわざとだろう。ハマる人にはハマるのかもしれない。ただハマらなかった人には、退屈な2時間が過ぎ去っていく。この空気感やリアルさ、ゆるさは、かなり好き嫌いが分かれると思う。
しかしそんな緩い映画の中でも、窪塚洋介の存在感は薄まっていなかった。(男性 20代)
正直、どこが面白いのかわからなかった今作。窪塚洋介も井浦新も大好きなので『ピンポン』のあの二人の共演作品は見るしかないと意気込みましたが、私には全くハマらず退屈な時間になってしまいました。
物語にあまり起伏がなく、世界観もかなりのんびりとぼやけているので見どころを見つけられませんでした。ハマった人からの評価は高いようなので機会があれば再チャレンジしようと思います。(女性 30代)
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