映画『女は男の未来だ』の概要:奇才ホン・サンス監督が独特のタッチで描く男と女の三角関係。シナリオ無しで描かれた本作は、リアルな男女の仕草、言葉、息遣いを深く抉り出す。ヨーロッパで最も期待される監督の代表作。
映画『女は男の未来だ』の作品情報
上映時間:88分
ジャンル:ラブストーリー
監督:ホン・サンス
キャスト:ユ・ジテ、キム・テウ、ソン・ヒョナ、キム・ホジョン etc
映画『女は男の未来だ』の登場人物(キャスト)
- ムノ(ユ・ジテ)
- 大学の美術講師。生徒達に慕われるが、自分の意見を持っているが故に衝突することも。ホンジュンの後輩で、ソナとは体の関係がある。
- ホンジュン(キム・テウ)
- 若手映画監督。ソナとは恋人関係にあったが、ホンジュンのアメリカ留学をきっかけに別れることに。大学を卒業し、久しぶりに故郷へと帰って来る。ムノは大学時代の後輩。
- ソナ(ソン・ヒョナ)
- 大学を中退し、ホステスをしている。ムノ、ホンジュンとは男女の関係がある。ホンジュンの帰郷をきっかけに二人に再会、再び二人を受け入れてしまう。
映画『女は男の未来だ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『女は男の未来だ』のあらすじ【起】
アメリカから故郷の韓国へ帰って来た若手映画監督のホンジュンは、大学時代の後輩であるムノの自宅へと訪れる。
喫茶店へと入りお茶をする二人。ホンジュンは、映画を作りたいのだとムノに言う。映画学科で学んだ大勢の生徒達は将来どうなるか心配だと、大学の美術講師であるムノは嘆く。そんな他愛もない会話の流れで、かつてホンジュンの恋人であったソナの話になる。
数年前、ソナは道端で偶然に先輩と遭遇する。そして、無理やりタクシーに乗せられてしまう。
翌日、カフェにはお茶をするソナと恋人のホンジュンの姿がある。ソナは先輩にストーカーされ、ホテルで強姦されたのだとホンジュンに訴える。その後、ホンジュンはソナの身体を丁寧に洗ってやるのだった。
ホンジュンがアメリカへ発つ日、ソナは空港へとホンジュンに会いに来る。ホンジュンはソナに、待っていて欲しいと言うのだった。
同じ時期、ムノは友人の結婚式にソナが来ることを知ってやって来る。そこでムノはソナを家へと誘う。そしてその日、二人は男と女の関係になるのだった。
映画『女は男の未来だ』のあらすじ【承】
ムノは、ソナが大学を中退し今はホステスとして働いているとホンジュンに言う。喫茶店から出たホンジュンは、ソナに会いに行こうと言い出す。ムノは決して乗り気ではないが、結局会いに行くことになる。
バーに着き、ソナを訪ねた二人は、仕事終わるまで待っていて欲しいとソナに言われ近くの酒場で待つことにする。お酒も進み、ホンジュンとムノはソナのことで言い争いを始める。そして夜も更けて来た頃、ようやくソナが二人の元へとやって来る。
自宅のアパートへと二人を誘ったソナ。三人はお酒を飲みながら昔話を始める。そこへ突然、ヨガの先生だという隣に住む女が部屋へと入って来る。
ムノはソナに、幸せに暮らしているのかと尋ねる。そして、ホンジュンを誘ったのも本当は自分がソナに会いたいからだったと言い出す。
途中、ホンジュンは泥酔してしまう。そのうち自分がソナを置いてアメリカへと行ってしまったこと、その間待っていたソナの気持ちを蔑ろにしたこと、とにかく全てを後悔し騒ぎ出す。隣に住む女は帰り、ムノがソファに横になった後、ホンジュンはソナをベッドへと誘うのだった。
映画『女は男の未来だ』のあらすじ【転】
夜明け前、ムノがソファから目を覚ますとソナが寝室から出て来る。二人きりなった後、ムノは自分のものを舐めて欲しいとソナに頼む。ソナは少し笑った後、ためらいもなくムノのものを舐める。そして二人で別の部屋へと入って行くのだった。
朝目を覚ましたホンジュンとムノの前には何事もなかったかのように料理をしているソナの姿があった。そし三人は家を出て、近くの山へと向かう。
途中グラウンドに立ち寄った三人の前で、ムノの教え子達がサッカーをやっている。彼らに一緒に飲みに行こうと誘われるムノはグラウンドに残り、そこで待っているからと言ってホンジュンとソナを二人で山に行かせるのだった。
生徒達に囲まれたムノは、友人の恋愛の清算を手伝っていたと話す。そして君たち生徒がいれば何も悲しいことはない、と生徒達に話すのだった。生徒達は、ムノの事を尊敬し、慕っている。そしてムノはホンジュン達を待たず、生徒達と一緒に飲みにいくのだった。
映画『女は男の未来だ』の結末・ラスト(ネタバレ)
山登りを終えたホンジュンとソナはグラウンドへと戻る。しかし、そこにムノの姿はなかった。その事で言い争いになるホンジュンとソナ。そしてホンジュンは、本当は昨日は一睡もしていないのだと叫びながらソナのもとを走り去る。
ムノは、生徒達との飲み会の席で一人の生徒に下品な質問をする。その事で別の生徒と言い争いになる。それをきっかけに、慕っていたはずの生徒達が次々にムノに対する不満をぶちまけるのだった。
帰り道、ムノを一人の女生徒が呼び止め一杯飲みに行こうと言い出す。雪の降る中、歩き出す二人が向かったのは一軒のホテルだった。
ホテルで行為中だったムノ達の部屋にノックの音か響く。それは先ほど言い争った生徒の一人で、ホテルに入る二人を見ていたのだ。しかしムノがドアを開けると、そこにはすでに誰もいないのだった。
ホテルを出た二人。さっきのノックは、ノムと言い争ったミンスという名前の生徒だと思う、と言い出す女生徒。そしてタクシーで帰る女生徒を見送り、ふっと溜息をつくのだった。
映画『女は男の未来だ』の感想・評価・レビュー
自分勝手でどうしようもない男たちの物語。『女は男の未来だ』というタイトルですが、きっとこれは、今作に出てくる「どうしようもない」男たちの戯言なのだと感じます。
女性に対する「愛情」と「欲望」を勘違いしている男たち。女性のためにとか、心配してなんて「言い訳」をして女性と関係を持ち、結局は「性欲」を満たしているだけなのです。
悪びれる様子も無く、自分勝手に生きていく男たちの姿に呆れてしまいましたがこういう男性に「母性本能」を擽られ、惹かれてしまう女性もいるのかも知れません。(女性 30代)
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