映画『タイム・トゥ・ラン』の概要:愛する娘の命を救うため、カジノから犯罪組織の金を奪った男は、バスをハイジャックして、命がけの逃走を続ける。主人公にジェフリー・ディーン・モーガン、カジノを仕切るボスにロバート・デ・ニーロがキャスティングされた渋いクライム・アクション。
映画『タイム・トゥ・ラン』の作品情報
上映時間:92分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ、フィルムノワール
監督:スコット・マン
キャスト:ジェフリー・ディーン・モーガン、ロバート・デ・ニーロ、ケイト・ボスワース、デイヴ・バウティスタ etc
映画『タイム・トゥ・ラン』の登場人物(キャスト)
- ヴォーン(ジェフリー・ディーン・モーガン)
- ポープが仕切るカジノでディーラーをしている。娘のライリーは小児がんで、高額な治療費が必要だが、金が用意できない。コックスに誘われ、カジノの金庫から金を盗む。本来はポープの後継者になる男だったが、愛のために何もかも捨てた。元軍人。
- ポープ“教皇”(ロバート・デ・ニーロ)
- カジノのボス。末期ガンを患い、引退を決意する。冷酷な男だが、娘のことは愛しており、カジノの権利の半分を娘に譲りたがっている。しかし家族はバラバラで、娘からも拒絶されている。
- クリス(ジーナ・カラーノ)
- 巡査。深夜のパトロール中、ヴォーンたちがバスをハイジャックする現場に遭遇し、追跡を開始する。ヴォーンに信用される。
- コックス(デイヴ・バウティスタ)
- カジノで犯罪組織の資金洗浄が行われていることに気づき、ヴォーンに金庫強盗の話を持ちかける。乱暴な大男で、すぐに激昂する。
- デリック(モリス・チェスナット)
- ポープの右腕で、カジノの後継者。ポープからカジノやビジネスのやり方を教わった。
- マルコーニ(マーク=ポール・ゴスラー)
- 刑事。警察側のリーダーとしてハイジャック事件を統括する。
映画『タイム・トゥ・ラン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『タイム・トゥ・ラン』のあらすじ【起】
深夜。バスが武装した3人組の男にハイジャックされる。男たちは何者かに追われており、運転手を銃で脅して、バスを走らせる。
1週間前。カジノクラブの「スワン」では、ボスの引退を祝う盛大なパーティーが開かれていた。スワンのボスは、周囲の人々からポープ“教皇”と呼ばれているやり手だった。パーティーには大勢の人々が集まっていたが、ポープの娘のシドニーは来てくれなかった。
ここでディーラーをしているヴォーンは、仕事を終えてから、入院中の娘を見舞う。娘のライリーは小児がんを患っており、手術するためには高額な治療費が必要だった。ヴォーンは“金曜までに必ず全額を支払う”と病院に約束し、娘の治療を続けてもらう。
最近カジノで働き始めたコックスは、定期的にやってくる客を観察し、犯罪組織がカジノで資金洗浄していることに気づく。コックスは古株のヴォーンに、表沙汰にできない金を金庫から奪おうと持ちかける。しかしポープの恐ろしさを知り尽くしているヴォーンは、“自殺行為だ”と言って、その話を断る。
ヴォーンは、長い付き合いのポープに、30万ドルの借金を頼む。ポープは、ヴォーンの事情を把握していたが、冷酷にその申し出を断る。カッとしたヴォーンはデリックを殴り、カジノを解雇される。追いつめられたヴォーンは、コックスの話に乗る。
映画『タイム・トゥ・ラン』のあらすじ【承】
ヴォーンは、翌日すぐに作戦会議を開く。コックスは勝手にダンテとミッキーという仲間を連れて来て、ヴォーンを不快にさせる。ヴォーンは銃を使うつもりはなかったが、コックスは自分がリーダーだと言い張り、ヴォーンの忠告を聞こうとしない。
ヴォーンは、警備が手薄になる深夜の3時25分に、金庫から金を盗み出す計画を立てる。ミッキーは逃走用の車を用意して外で待ち、ヴォーンたち3人が金庫に忍び込む。作戦は途中までうまくいくが、逃走する前にデリックたちに気づかれ、壮絶な撃ち合いとなる。銃声を聞き、ミッキーは3人を見捨てて逃げてしまう。ダンテが腹を撃たれるが、何とか国道まで逃げ出した3人は、発車間際のバスをハイジャックして、逃走を始める。
パトロール中だった女性巡査のクリスは、すぐにパトカーでバスの後を追う。クリスの通報を受けて、警察はパトカーで路上封鎖を試みる。頭に血が上ったコックスは、何をしでかすかわからなくなっていた。
ヴォーンは客の携帯番号をバスの窓に書き、クリスに電話をかけさせる。ヴォーンは“封鎖をやめないと乗客を救えない”と冷静に話す。クリスはヴォーンを信用できると判断し、自分のパトカーを衝突させて、封鎖を解除する。
デリックから報告を受けたポープは、金を取り戻すよう命じる。ハイジャックのニュースは、テレビでも報道され始める。
ヴォーンは妊婦の女性と少年を気遣いつつ、コックスが暴走しないよう見張っていた。そして、獣医学生のレベッカに、ダンテの治療を頼む。ナイフを持っていた乗客は、コックスが電話をかけているすきに、反撃を試みる。ヴォーンはコックスに気づかれないよう男を取り押さえ、助かりたければ大人しくしているよう諭す。
映画『タイム・トゥ・ラン』のあらすじ【転】
コックスはバスでテキサスまで行き、知り合いが用意してくれた貨物飛行機で、メキシコへ高飛びする計画を立てる。しかしバスの燃料が切れそうで、ヴォーンは警察と取引をする。
勝手な行動をしたクリスは上司に叱られるが、本部から派遣されてきたマルコーニ刑事が彼女をかばってくれる。クリスはヴォーンに指名され、給油車で燃料を運ぶ。ヴォーンは燃料と交換に、妊婦と少年を解放すると約束していた。
デリックは、女と一緒にいたミッキーを見つけ出し、首謀者がコックスであることを聞き出す。ミッキーと女は、その場で射殺される。
クリスが到着し、バスへの給油が始まる。ヴォーンは約束通り妊婦と少年を解放し、バスの外でクリスと話をする。ヴォーンは自首を拒むが、車内を見たいというクリスの頼みは聞き入れる。クリスは乗客の安全を確認し、車内の様子をマルコーニに報告する。
ポープはシドニーに会いに行く。ポープは末期ガンを患っており、カジノの51パーセントの権利を娘に譲るつもりでいた。しかしシドニーは、カジノ経営のせいで家族がバラバラになってしまったことを恨んでおり、汚れた金は受け取らない。
妊婦は警察で事情聴取を受け、すぐに解放される。デリックは、ヴォーンの娘をさらって脅すのが最善策だとポープに報告する。しかしポープは、子供を巻き込むことを許さない。マルコーニは、クリスがカジノを捜索することをなぜか拒む。
ヴォーンの要求で、マルコーニが走行中のバスにダンテの治療薬を届ける。しかし用意された注射を打った途端、ダンテは絶命してしまう。コックスは激昂し、マルコーニを拘束する。そこへポープからヴォーンに電話が入る。
ポープは、マルコーニが自分の手下だと明かし、コックスを射殺して、ライリーの治療費を差し引いた金をマルコーニに渡し、そのまま消えてもいいと取引を持ちかける。しかしヴォーンはポープを信用せず、その取引を断る。ヴォーンは興奮するコックスを止め、マルコーニを車外へ放り出す。
映画『タイム・トゥ・ラン』の結末・ラスト(ネタバレ)
マルコーニは腹を立て、いよいよ強硬手段に出る。バスには視界を遮るガスが投げ込まれ、屋根から特殊部隊が突入してくる。ヴォーンたちは特殊部隊を車外に放り出すが、タイヤがパンクされ、バスは高速の柱に激突して停車する。
ヴォーンはすぐに窓をスプレーペンキで塗りつぶし、外から中が見えないようにする。警察はバスを取り囲むが、マスコミが一部始終を生放送しているため、下手に動けない。コックスは運転手に銃口を向けてテレビ局に電話をかけ、“乗客を全員殺す”と騒ぐ。マルコーニは突入の指示を出すが、誰かが車内で頭を撃ち抜かれたのを見て、突入を中止する。しかし射殺されたのは運転手ではなくコックスで、彼を撃ったのはヴォーンだった。
クリスはライリーの病院を訪れ、ヴォーンに娘の声を聞かせてやる。ずっと冷静だったヴォーンが、娘の声を聞いて取り乱す。自分を救ってくれたヴォーンのため、運転手はある提案をする。
ヴォーンは警察と取引し、タイヤを直す代わりに乗客を解放すると約束する。タイヤは修復され、乗客は解放される。マルコーニは、ポープの手下たちとバスを追いつめ、空き地で停車させる。しかし中にいたのは、運転手だけだった。
ヴォーンは乗客に紛れて車外へ出て、車でテキサスへ向かう。しかしそこにはデリックが待ち構えており、ヴォーンはバスへ連れ戻される。
バスの車内には、マルコーニとポープがいた。ポープは、“手を引きたい”と言い出したマルコーニを射殺する。ヴォーンは自分も殺されると知りながら、なぜか穏やかに微笑んでいた。
実は、あの妊婦はヴォーンの妹で、妊娠も偽装だった。彼女はバスの車内で密かにヴォーンから金を受け取り、お腹に隠して最初に解放されていた。彼女はヴォーンの代理として病院に治療費を支払い、ライリーの命は救われることになる。
満足そうなヴォーンに怒りを感じたデリックは、“お前の娘をいたぶってやる!”と言って、ヴォーンを生きたまま燃やそうとする。ポープは子供のことを持ち出したデリックが許せず、デリックを射殺する。
ポープはヴォーンを解放し、自分の車で病院へ行かせてやる。ヴォーンはクリスからの電話で、今からライリーの手術が始まることや、乗客全員が“犯人は2人だ”と証言していることを知る。そのおかげで、ヴォーンは逮捕を免れる。クリスは治療費を支払いにきた女性の正体に気づいていたが、彼女を見逃していた。
バスに残ったポープは、健康のためにやめていたタバコをうまそうに燻らす。
映画『タイム・トゥ・ラン』の感想・評価・レビュー
ただ逃走劇を描いているのではなく、家族愛も描かれていて見応えがある作品だった。ヴォーンがやったことはダメなことだが、娘のライリーのことを思うと一概に責めることはできないなと思った。バスジャックを起こしたときも乗客を守ろうと動いており、彼が本当は優しい人なんだろうなというのが伝わってきた。
ポープは恐ろしい人物だったが、娘への愛だけは嘘偽りのないものだったのだろうと思う。ハッピーエンドで物語が終わるので、スッキリした気持ちで見終わることができる。(女性 30代)
マフィアと強盗団とSWATが繰り広げる逃亡劇。ロバート・デ・ニーロはやっぱり貫禄と迫力がありますね。ホープという役どころが彼のイメージにぴったりで、厳しくて怖い部分もあるけど、家族や大切な人たちに向ける愛はしっかりとあるのだろうなと感じました。
もうダメだ終わりだと思っていたら、しっかりと計画は上手く進んでいましたという観客をも巻き込む展開は非常に面白かったです。ハラハラドキドキしながら楽しんで見られました。(女性 30代)
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