映画『サビ男サビ女』の概要:4本の短編映画から成るオムニバス形式の映画。タイトルの『サビ』とは音楽のサビのことで、突然サビから歌うような衝動性を表している。どの短編映画も、個性的でアクの強いキャラクターが描かれている。
映画『サビ男サビ女』の作品情報
上映時間:91分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:藤田容介、松梨智子、呉美保、関口現、筧昌也
キャスト:桜庭ななみ、川村エミコ、白鳥久美子、中村倫也 etc
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映画『サビ男サビ女』の登場人物(キャスト)
- チハル(桜庭ななみ)
- 『ハゲマシガールズ』の登場人物。大学の友人と「ハゲマシガール」を結成しており、悩みを抱える人を全力で励ます。高校までは落ち込みやすい性格だったが、大学デビューを機に明るい性格になった。
- サナエ(川村エミコ)
- 『ハゲマシガールズ』の登場人物。「ハゲマシガール」の一員。
- マミコ(白鳥久美子)
- 『ハゲマシガールズ』の登場人物。「ハゲマシガール」の一員。
- 村椿幸之助(中村蒼)
- 『Boy? meets girl.』の登場人物。根暗で存在感がない。香織のことが好き。
- 城山香織(蓮佛美沙子)
- 『Boy? meets girl.』の登場人物。学年1の美少女。写真部の部長。
- 楠原繭子(友近)
- 『くれえむないと!』の登場人物。自分の意見が正しいと思い込んでいる。
- 葛西秀樹(福田転球)
- 『くれえむないと!』の登場人物。コールセンターの責任者。
- 岡田真弓(小泉今日子)
- 『せびろやしき』の登場人物。可哀想な人や動物を放っとけない性格。
- 平田克彦(森下能幸)
- 『せびろやしき』の登場人物。リストラされたサラリーンマン。妻にそのことを秘密にしている。
- 岡田義男(田中哲司)
- 『せびろやしき』の登場人物。真弓の夫。
映画『サビ男サビ女』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『サビ男サビ女』のあらすじ【起】
ハゲマシガールズ
大学生のチハルは友人のサナエとマミコと共に、「ハゲマシガール」として活動していた。喫茶店に行き、マスターに今日励ました人数を報告した。その人数は23人にも上り、マスターはすごいと微笑む。それを受けてサナエとマミコは、すごいのはチハルだとダンスで表現した。チハルはマスターに誰か励ましたい人がいないか尋ねた。すると、マスターは野球選手の小金崎が写るポスターを指差した。小金崎は52歳の現役の選手で、マスターはこの選手のファンだった。だが、先月ついに2軍落ちしてしまい、マスターは励ましたいと思っていた。
「ハゲマシガール」は川原で練習をしている小金崎に会いに行った。マミコは中学でソフトボールをした経験から、小金崎の不調の理由を捲し立てた。しかし、励まし人としてアドバイスをするのはダメだと、チハルはマミコを背負い投げして止めた。そして、「ハゲマシガール」として小金崎を励ました。
マスターは「ハゲマシガール」にお礼として、山盛りの料理とマスターそっくりのこけしをプレゼントした。だが、チハルは「ハゲマシガール」の行動理念は100%純粋なボランティアでないといけないと話し、料金の支払いをマスターに申し出る。そして、こけしは子供達の施設に寄付してくれと頼んだ。マスターはその心意気に感動した。
「ハゲマシガール」は喫茶店の客から励ましの依頼を受ける。その客は部下が大きなミスを犯したときに怒ってしまい、その日のうちに部下が自殺したことを気に病んでいた。「ハゲマシガール」の応援を受け、客は涙を流した。
チハルは恋人と共に「ハゲマシガール」のインタビュー映像を見た。「ハゲマシガール」は元々大学のチアガールだったのだが、応援を必要としている人達に元気を少しでも分け与えたいと思い、大学以外でも活動を始めたのだ。だが、売れない役者として頑張っている恋人は、チハルがテレビ出演したことに嫉妬して八つ当たりをする。そして、偽善者と罵って部屋を出て行った。
チハルは落ち込み、テンションを上げるためにテレビを点けた。すると、アナウンサーが小金崎の引退インタビューを行っていた。小金崎は川原での励ましをおちょくられたと誤解して、引退を決意したのだ。
サナエ達は家に引き籠ってしまったチハルのことを心配していた。サナエは今のチハルの明るさは、大学デビューがきっかけなのだとマスターに打ち明けた。チハルが部屋でダラダラしていると、喫茶店の客から励まして欲しいという電話を受ける。その依頼を断ろうとしたとき、心の中のチハルが励ましを行いチハルは再び立ち上がる。
星村の依頼は自殺の応援だった。サナエ達は引き止めようとするが、チハルは世間の常識よりも依頼主の依頼が大事だと話した。そして、星村の飛び降り自殺を全力で応援する。その気迫に星村は自殺を思い留まり、生きることを決意する。
映画『サビ男サビ女』のあらすじ【承】
Boy? meets girl.
地味な幸之助は、写真部の部長であり学年で1番美しい香織に恋をしていた。付き合うことは無理でも、せめて1度でいいから話したいと願っていた。ある日、幸之助が写った写真を見ながら、香織が友人と会話している内容を聞いてしまう。それを悪口だと勘違いした幸之助は、ショックを受けてその場を立ち去る。しかし、香織は地味だけどすごく綺麗だと、幸之助のことを褒めていたのだ。
自殺を決意した幸之助は友人の加藤にそのことを伝える。だが、加藤は死ぬ前にやらせてくれと幸之助を襲った。そして、幸之助の顔に化粧をする。加藤は前から幸之助の顔が美人だと思っていたことを話し、女性の格好で明日一緒にデートしてくれと頼んだ。
幸之助は女性の格好で加藤とデートを行う。だが、加藤にキスされそうになって、慌てて逃げだした。すると、可愛い女性から写真のモデルを頼まれる。幸之助は女装をした自分に自信を持つ。家に戻った幸之助は、加藤にメイクの仕方を教えてもらう。そして、女装姿で香織に会うことを思い立つ。
幸之助は女装をして香織に会いに行き、写真のモデルを頼まれる。モデルとカメラマンとして友情を育むことになり、幸之助は自分の体に磨きをかけた。1か月後、香織からなぜ協力してくれるのか聞かれ、幸之助は香織のファンだと伝えた。
幸之助は香織と共に、山に写真を撮りに出掛ける。加藤はメイク担当として2人に付いていったが、飲み物を買いに下山している間に2人が行方不明になってしまう。その頃、幸之助は暗闇の中、必死に香織の姿を探していた。香織は悲鳴を上げて崖から落ちたが、奇跡的に助かった。幸之助は香織の無事を見て安心すると、泣きながら香織を抱きしめた。
香織が家で幸之助が女装した写真を眺めていると、家族から女の子なのにおちんちんが付いていると指摘される。次の日、香織が幸之助の姿を写真に収めていると、モデルの女の子の姿が重なった。その時、幸之助は香織に嘘を吐いていたことを謝罪した。香織は幸之助の姿も女装姿も綺麗だと褒めて、好きだと告白した。だがそれは、友達としての好きだった。
映画『サビ男サビ女』のあらすじ【転】
くれえむないと!
楠原は家が停電したため、電力会社に電話を掛けた。料金の未納分があり、電気の供給をストップしたことが判明する。だが、楠原は電話応対した女性に難癖をつけ、クレームをつける。応対していた女性は突然電話を切り、葛西という名の責任者が謝罪に訪れる。楠原がコールセンターの女性の対応が悪かったことを言い募ると、葛西は謝罪して手土産を渡した。だが、楠原は葛西がガムを噛みしめていることに気付いており、微笑みながら指摘した。
楠原は葛西を家に招き入れ、鹿児島産の黒豚などの食品がダメになったことを話した。すると、葛西はそれを写真に収めて家を出て行った。そして、高級豚肉とダメになった食品と同じ食品を買ってきた。楠原はそんな葛西の優しさに絆される。
楠原は葛西をしゃぶしゃぶに誘い、葛西もプライベートとしてそれに応じる。2人は仲良く食事をするが、いい雰囲気になったと思ったのは楠原だけだった。葛西は謝罪の言葉を口にして逃げ出してしまう。しかし、しばらくすると戻ってきて、葛西は楠原に文句を言った。楠原は人からここまでボロクソに言われたのは初めてだと感動して、葛西に抱きつく。だが、葛西がそれを突き飛ばし、2人は取っ組み合いの喧嘩を行う。
映画『サビ男サビ女』の結末・ラスト(ネタバレ)
せびろやしき
真弓が鼻歌を歌いながら公園を歩いていると、知り合いの平田がスーツ姿で座っていた。平田はリストラされたことを妻に内緒にしており、公園で時間を潰していたのだ。だが、真弓はずっと座っていたら日焼けをして奥さんにバレることを指摘した。平田が慌てて袖をまくると、既に日焼けをしていた。真弓は平田を家に誘う。
平田は真弓の家で厄介になるが、明日からの居場所がなくて困っていた。すると、真弓は家にくればいいと誘う。平田はその申し出を受け入れて帰っていった。その時、真弓の夫である義男が会社から帰宅して、家の方角から平田が現れたことを訝しむ。しかも、家に帰ると便座が上がっていた。だが、真弓は平田のことを義男に隠した。
次の日、真弓の家に平田が訪れた。真弓が買い物に出掛けると、公園でスーツを着た別の男性が座っていた。真弓はその男性(木戸)も家に連れ帰った。家で平田は真弓の家のアルバムを眺めていた。そのアルバムは、真弓が以前住んでいた家で飼っていた捨て猫22匹の写真だった。真弓は可哀想になると放っておけないのだと話した。それを聞いた平田と木戸は、複雑な気持ちになる。
真弓は公園で落ち込むスーツ姿の男性を、片っ端から家に連れて帰った。10人以上の男性が家に集まり、真弓は1人ずつ写真に収めるとアルバムを作った。義男は帰宅途中スーツ姿の団体とすれ違ったので、怪訝な表情をした。
平田達が何もすることがなくて手持ち無沙汰にしていると、ゴキブリが現れる。真弓は平田達に頼み退治してもらう。しかしその時、義男が帰ってくる。夜になり皆を帰らせた後、義男は真弓に事情を聞く。真弓は平田達のことを不憫に感じたのだと話したが、義男に怒られ2度としないと誓う。だが、よく見ると義男の腕には日焼け跡があった。
次の日、義男が出て行った後、いつものように平田達が訪れた。そして最後に、義男が元気よく挨拶して家に入ってきた。
映画『サビ男サビ女』の感想・評価・レビュー
『くれえむないと!』の友近さんの演技が上手かった。淡々とクレームを言うシーンが、リアルで怖かった。物語のラストで楠原と葛西が良い雰囲気で終わるのかと思いきや、喧嘩をして終わったのが衝撃的だった。一番印象に残っているのは、『せびろやしき』の物語。家に帰れずに困っているサラリーマン達が続々と現れるのだが、驚いたのと同時に切ない気持ちになる作品だった。義男まで会社に行っておらず、岡田家の今後の生活が心配になった。(女性 30代)
心温まるストーリーかと思いきや、『世にも奇妙な物語』を彷彿とさせるブラックコメディのような要素もありオムニバス形式だからこそ、サクッと見られる手頃さがちょうどいい作品でした。
友近がクレーマーを演じた「くれえむないと!」はこういう人いるよなあ…と感じてしまうほど友近の演技が上手く、普段芸人としてもモノマネなどをしている彼女だからこそ演じられた役だと思いました。
どの作品も面白いので、お気に入りが見つかるはずです。(女性 30代)
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