映画『オルフェ(1949)』の概要:詩人の男が出会った死の世界の王女。詩人は妻を愛しながらも王女の魅力に惹かれて行く。生者と死者の禁断の恋。ギリシャ神話を元に創られた、ジャン・コクトーによるオリジナルシナリオの一本。
映画『オルフェ』の作品情報
上映時間:112分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:ジャン・コクトー
キャスト:ジャン・マレー、マリア・カザレス、フランソワ・ペリエ、エドアール・デルミ etc
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映画『オルフェ』の登場人物(キャスト)
- オルフェ(ジャン・マレー)
- 詩人。出会った死の世界の王女に惹かれる。さらに、死の世界から届く謎の暗号の読解に熱中する。妻を愛しているが、死の世界という人知を超えた何かに熱狂してしまう。気の強い男でアーティスト気質。
- ユリディス(マリー・デア)
- オルフェの妻。王女の差し金で殺されてしまう。オルフェを愛しながらも、死の世界に魅了されたオルフェの愛が戻らないことを悟る。献身的にオルフェを愛する一途な女。
- 王女(マリア・カザレス)
- 死の世界の王女。生者のオルフェを愛してしまい、死の世界の法を犯しながらオルフェに近づく。最終的に、生と死の壁を乗り越えることができなかった。強がりで不器用だが、愛には純粋な女。
- ウルトビイズ(フランソワ・ペリエ)
- 王女の運転手。死人でありながら、ユリディスに恋をしてしまう。オルフェとユリディスの間に立ち、二人を献身的に支える。王女に対して嫌悪感を持っている。
- セジェスト(エドゥアール・デルミ)
- 死の世界の詩人。王女の命令に従う男。死の世界から、ラジオを通して詩を送り続ける。若手有望株の詩人として、生の世界で人気がある。
映画『オルフェ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『オルフェ』のあらすじ【起】
セジェストという名の詩人と共にカフェへやってきた王女。詩人の集まりの為にカフェへとやってきた同じ詩人のオルフェは、セジェストの態度に苛立っていた。
セジェストがカフェで仲間と喧嘩を始める。警察が来てその騒動を収めるのだが、その騒動のさなかにセジェストが車に轢かれて死んでしまう。王女は車にセジェストの遺体を運び入れると、近くにいたオルフェを呼び車に乗せて走り去って行くのだった。
道中、王女は車の中でラジオをつける。すると、周りの景色の色が反転するのだった。さらにセジェストを轢き殺した犯人が車に近づくと、王女はお疲れ様と声をかけるのだった。
ある建物に着いたオルフェ達。王女は、セジェストの遺体を部屋へと運ぶ。オルフェは王女に説明を求めるが、王女は何も答えない。別室へ行き、王女はセジェストの遺体の前に立つ。するとセジェストが突然蘇る。生き返ったセジェストと王女は鏡の中へと消えて行く。それを目撃したオルフェは驚き、鏡を確認するがそれは普通の鏡だった。
映画『オルフェ』のあらすじ【承】
鏡にぶつかり気を失ったオルフェが目を覚ますと、そこには自分がいた建物が消えていた。オルフェは近くにいた車の運転手であるウルトビイズに、自宅まで送って行くと言われる。オルフェの妻であるユリディスは、行方不明になったオルフェを心配していた。
オルフェが自宅へと帰ってくる。自宅にはユリディスや警察が待っていた。色々尋ねるユリディスに、オルフェは何も答えないのだった。
ウルトビイズがオルフェの自宅を訪れ、ユリディスに上手いことオルフェのことを説明してユリディスを安心させるのだった。その夜から、毎夜王女がオルフェの枕元に現れる。
翌日からオルフェは、ラジオから流れてくる暗号の読解に夢中になる。そこに、何か詩よりすごいものがあるのではないかと期待していたのだ。そして、王女に惹かれているのだった。ユリディスはオルフェの心がどんどんと離れて行くことを心配していた。
オルフェは街中で王女を見つける。後を付けるオルフェだったが、王女は姿を消したり突然現れたりする。結局捕まえることができないのだった。
映画『オルフェ』のあらすじ【転】
セジェストの事件について、カフェにいた詩人の仲間達はオルフェが犯人だと警察に訴えている。警察は証拠が少ないとそれを突き返すのだった。
ある日、ユリディスが何者かに轢き殺されてしまう。それを目撃していたウルトビイズは部屋へと遺体を運ぶ。するとそこへ、鏡の中から王女とセジェストが現れるのだった。王女とウルトビイズは言い争いをする。王女はウルトビイズに、死人なのにユリディスに恋をしてしまった愚か者と言い、ウルトビイズは王女に、死人なのにオルフェに恋をしてしまった愚か者と言い返すのだった。
ウルトビイズはオルフェに、ユリディスが倒れたと伝える。しかし、オルフェはラジオに熱中して聞く耳を持たないのだった。
王女はユリディスを死の世界へと連れて行ってしまう。オルフェはやっとユリディスの死に気づき、後悔する。ウルトビイズはオルフェに、助ける方法が一つだけあると言う。そして二人は鏡の中へと入って行くのだった。
映画『オルフェ』の結末・ラスト(ネタバレ)
死の世界では裁判が開かれていた。そこでは、王女がユリディスを殺して死の世界へと連れ来たことが違反だとして裁かれていた。するとそこへ、オルフェ達が現れる。王女はオルフェを愛していると判事達に告げる。
オルフェは王女の愛を受け入れる。しかし、死人である王女は生ある人を愛せないのだとオルフェに言うのだった。
裁判の判決が出る。ユリディスは、オルフェがユリディスの姿を二度と見ないことを条件に生き返る事ができると言われるのだった。
再び生の世界へ戻って生活を始めたオルフェとユリディスとウルトビイズ。しかし、ユリディスはオルフェの愛を取り戻すことができないと悟り、自らオルフェの視界に入り死の世界へと行ってしまうのだった。
セジェストを返せと言って詩人のグループがオルフェのもとへと押し寄せる。その騒動の最中、オルフェは銃で撃たれて死んでしまうのだった。
死の世界でオルフェを待っていた王女。二人は抱き合い、愛を確認し合う。しかし、王女は死の世界の法を犯し、オルフェを生の世界へと返すのだった。
生の世界へと帰ったオルフェの前にはユリディスの姿があった。二人にはもう過去の記憶はなく、今までのように愛し合う二人に戻っていた。そして、王女は死の世界で逮捕されるのだった。
映画『オルフェ』の感想・評価・レビュー
「生者」と「死者」の禁断の恋を描いた不思議なストーリー。普通の世界で生きる詩人のオルフェと死者の世界の王女が惹かれ合うという展開が、今まで見た事の無い世界観で描かれています。1949年の作品でありながらとても「新しい」感じがしました。
死の世界の人間は生きている人間を愛することは出来ないという掟を破り、危険を冒しながらもオルフェを愛してしまう王女は、切ないながらも物凄く「魅力的」でした。
ラストはとても幸せな結末になっていたので、心が暖かくなる作品です。(女性 30代)
オープニングから既に芸術的です。ギリシャ神話、オルフェウスをパリ風にアレンジしています。監督、脚本を手掛けたジャン・コクトーとオルフェ役のジャン・マレーは、長年に渡り愛人関係にあったそうです。そのためか、ジャン・マレーが眩く妖艶に映されています。鏡の中に入る演出には、大いに胸が躍りました。他にも、映像トリックが幾つも見受けられ、チャレンジ精神旺盛な作品といえます。カーラジオから流れるミステリアスなポエムも忘れられません。(女性 30代)
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