映画『サード・パーソン』の概要:3組のカップルが織りなす群像劇。作家のマイケルは、若い作家のアンナと愛人関係だった。ホテルで情事を重ね言葉を交わすが、アンナにはマイケルとは別に、秘密の関係を続けている男性の存在があった。
映画『サード・パーソン』の作品情報
上映時間:137分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、ミステリー
監督:ポール・ハギス
キャスト:リーアム・ニーソン、ミラ・クニス、エイドリアン・ブロディ、オリヴィア・ワイルド etc
映画『サード・パーソン』の登場人物(キャスト)
- マイケル(リーアム・ニーソン)
- 作家。アンナとは愛人関係。アンナと電話中に目を離してしまい、息子を亡くしている。スランプに陥っている。日常で起こったことなどを全て小説にしている。
- ジュリア(ミラ・クニス)
- 客室係。かつて息子の殺害未遂で罪に問われており、精神鑑定を受けている。女優として働いていたが、息子を産むために辞めている。
- リック(ジェームズ・フランコ)
- 画家。ジュリアの元夫。現在は息子のジェシーを引き取り、恋人のリサと育てている。だが、ジェシーに懐かれておらず、手を余している。
- スコット(エイドリアン・ブロディ)
- 不正にデザイン画を入手して販売している。仕事の電話中に目を離している隙に娘を亡くしている。現在もそのことが忘れられず、苦しんでいる。
- アンナ(オリヴィア・ワイルド)
- 作家。恋人関係になって傷つくことを恐れており、既婚者のマイケルと付き合うようになる。父親のダニエルともセックス関係にある。
- モニカ(モラン・アティアス)
- ロマ族の女性。娘を密航船から降ろすお金を用意するため、バーで出会ったスコットを利用する。
- テレサ(マリア・ベロ)
- スコットの元妻。ジュリアの担当弁護士。娘を死なせたスコットのことを許していない。
- エレイン(キム・ベイシンガー)
- マイケルの元妻。水恐怖症でプールに入れない。2週間前にマイケルと離婚している。
- サム(ローン・シャバノル)
- リックの恋人。ジェシーに懐かれており、実の親子のような関係。
映画『サード・パーソン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『サード・パーソン』のあらすじ【起】
ジュリアは過去に子供の殺害未遂で罪に問われており、1年たった今でも息子のジェシーに面会ができない状態だった。弁護士のテレサに相談しているが、無実を信じてくれてはいなかった。ジュリアは自分を助けてくれないテレサに対して、腹立たしさを覚える。
リックは息子のジェシーを引き取って育てていた。ジェシーはリックの恋人のサムに懐いているが、自分に対しては我儘な態度を取るため、手を余していた。アメリカ人のスコットはイタリアに飛び、不正にデザイン画を入手して売り捌いていた。とあるバーで飲んでいると、美しい女性(モニカ)が入店してきた。スコットはモニカに目を奪われる。
作家のマイケルは、若い作家のアンナと愛人関係にあった。自身がスランプのため、アンナが新作を読んで欲しいと頼んできたとき、憮然とした態度を取って追い返してしまう。だが、マイケルはすぐに部屋を飛び出し、アンナを呼び戻した。
スコットはモニカと言葉を交わし、一杯のお酒を奢り合った。スコットは徐に携帯を取り出すと、娘がいることを話しモニカに写真を見せた。モニカも娘がいることを話すが、2年も会えていないのだと淋しそうに呟いた。だが、明日会う予定なのだと嬉しそうに微笑んだ。その時、バーにモニカ宛の電話が掛かってきた。モニカは電話で少し話した後、慌ただしく店を出ていった。
アンナには秘密の恋人(ダニエル)がいた。ダニエルからラインのメッセージが届くが、マイケルがシャワーから出てきたため慌てて携帯を隠した。
映画『サード・パーソン』のあらすじ【承】
スコットはモニカが座っていた椅子の傍に、鞄が落ちていることに気づく。店員に託して店を出た。次の日、スコットが同じバーに行くと、モニカと店員が揉めていた。鞄の中に入っていた5000ユーロが無くなっていたのだ。店員は無実だと叫び、モニカを店から追い出した。スコットはモニカを心配して後を追いかけた。
マイケルは週末アンナと一緒に過ごす約束をしていた。だが、アンナは別のフロアに部屋を取っていた。マイケルが責めると、関係が噂されるのは嫌だと怒って去っていってしまう。
モニカが持っていた5000ユーロは、娘を密航船から降ろすのに必要なお金だった。スコットはモニカを心配するが、モニカはそれ以上詳しいことをスコットに話そうとはしなかった。暗くなったのでホテルを取ろうとするが、ロマ族のモニカを見て、客室が一杯だと断られてしまう。モニカは怒り、駅のベンチに向かった。スコットもモニカについて行き、モニカの隣に座った。
アンナは借りていたバスローブを着て、マイケルの部屋を訪ねた。マイケルはバスローブだけを受け取ると、ドアを閉めてしまう。アンナは裸のまま締め出されてしまい、急いで自分の借りている部屋に戻った。何だか可笑しくて、アンナは布団にくるまりながら笑い転げた。
ジュリアは客室係として働いていた。客室を掃除中にテレサから電話がかかってきて、医師との面談場所が変更になったことを教えられる。ジュリアは慌ててその場にあった紙にメモを取るが、お客様が戻ってきてしまったため、慌てて部屋を出ていった。その時、メモを置き忘れてしまう。
映画『サード・パーソン』のあらすじ【転】
マイケルはアンナに原稿を読んだ感想を伝えた。アンナらしさが出ていないと批判をしていると、元妻のエレインから電話が掛かってくる。携帯の番号が変わったと言われたので、メモの裏側に番号を書き留めた。そのメモは、ジュリアが客室に置き忘れた紙だった。アンナはマイケルが寝室で電話をしている最中に、メモをポケットに入れた。電話終了後、マイケルから2週間前に妻と別れたと聞き、アンナは激しく動揺する。
マイケルは出版社に勤める友人と会った。その時、マイケルの書いた小説は出版できないと断られてしまう。処女作は素晴らしかったが、2作目以降は自分の人生の言い訳を書いているだけだと批判され、マイケルは絶句した。
ジュリアはメモを置き忘れたことに気づき客室へと戻るが、自分が書いたメモが見つからなかった。テレサに何度も電話を掛け、住所を聞くと慌ててタクシーに飛び乗った。テレサはジュリアが来たので医師に鑑定をしてくれと頼むが、45分遅刻しており、無理だと断られてしまう。テレサはジュリアを無責任だと責め、会わないのが息子のためだと叱ってその場を去った。ジュリアは涙を流し、トイレに向かった。リサも偶々その場におり、リックの元妻だと知らないまま、ティッシュを渡し言葉を交わした。
スコットは5000ユーロを持ってモニカと共に交渉人の男(カルロ)の元に向かった。だが、スコットの身なりを見て、更なる金額を要求され、交渉が決裂してしまう。モニカは激しく怒り、スコットにお金を返せと迫り、持っていたお金を奪った。そこには、モニカがカルロの電話番号をメモお札があった。
アンナはダニエルと会うことを決める。マイケルからご飯を食べようと電話で誘われるが、アンナはそれを断った。すると、マイケルが追いかけてきて、行くなと引き止められる。アンナは既婚者ではなくなったマイケルと関係を続ける気はなく、新しい人を探せばいいと罵り、マイケルの手を振り切ってその場を立ち去った。
映画『サード・パーソン』の結末・ラスト(ネタバレ)
スコットはお金を用意してカルロの元に向かった。その場にはモニカの姿もあった。スコットはカルロにお金を渡し娘を返せと迫るが、更なるお金を要求される。スコットはモニカと共にその場を離れた。モニカは自分の家から拳銃を持ち出そうとしていたため、スコットが慌ててそれを止めた。そして、お金を置いて行ったのはわざとだろうとモニカに迫った。モニカはそれを認め、カルロが自分を憎んでおり、大金を要求されることが分かっていたことを打ち明けた。その後、スコットはモニカを連れてホテルへと戻った。フロントマンから止められるが、妻だと偽り平然と入っていった。2人はベッドの上で他愛のない話をした後、キスをした。
アンナはダニエルとセックスをした後、泣きながら服に着替えた。酷い顔色のままホテルに戻ると、たくさんの白い薔薇が部屋に飾られていた。マイケルの部屋に行き、プライドはないのかと責めた後、マイケルの腕の中で泣き喚いた。その後、アンナはダニエルに電話で別れを告げ、最後に父さんと呟いた。
スコットはお金を持ってカルロに会いに行った。カルロが乗っているバイクを見て、モニカのお金を追って尾行されていたことを知る。その後、スコットはモニカを呼び出し、カルロとの関係を問いただした。モニカは頑なに話そうとはしなかったが、娘のことは本当だと断言した。スコットは用意したお金をモニカに渡し、モニカが立ち去る様子を見ていた。
ジュリアはリックの家に行き、ジェシーに会わせて欲しいと頼んだ。リックは会わせる代わりに、息子を殺そうとしたことを自白しろと強要した。ジュリアは嫌がるが、息子に会うために自白をした。だが、リックは会わせようとせず、泣き叫ぶジュリアの足を引き摺ってエレベーターに乗せようとした。その時、別の部屋からリサとジェシーが現れる。ジェシーはエレベーターに飛び移り、ジュリアに抱きついた。ジュリアはジェシーにぬいぐるみを渡すと、家から出ていった。リックはジェシーを抱きしめ、どこにも行くなと懇願した。
スコットは元妻のテレサに久しぶりに電話を掛けた。自分の不注意で亡くしてしまった娘を忘れられず、苦しんでいる胸の内を吐露した。だが、テレサはスコットのことを許せず、早々に電話を切った。
マイケルは新たな小説を出版社の友人に見せた。友人から彼女がゴシップに追いかけられるぞと忠告されるが、マイケルは意に返さなかった。友人は小説の出版を決める。スコットのホテルにモニカが訪ねてきた。何も言わずに連れ去ってくれるか聞かれ、スコットはそれを了承した。ジュリアはジェシーにリックのことを託して立ち去っていた。リックはジュリアに電話を掛け、会わせることを約束した。
マイケルはエレインに電話を掛け、小説の感想を求めた。マイケルは自身の息子の死や、父親とアンナの関係を小説にしていた。エレインはひどい人だとマイケルを非難した。その時、マイケルの日記を見ていたアンナは、顔を強張らせながらマイケルの元を去った。マイケルはアンナを追いかけるが、アンナの姿は見つからなかった。後には、噴水の縁に座る男の子の姿があった。
映画『サード・パーソン』の感想・評価・レビュー
とにかく登場人物が多いです。3組のカップルの複雑すぎる関係を描いていますが、その3組のストーリーが絡み合ってくるわけでもないので、それぞれの物語を楽しむことができました。
電話中の不注意で子供を亡くしてしまうという、同じ境遇の人物を2人登場させたのはあえてだと思いますが、それによって関わりあってくるのかと期待してしまったので少し残念でした。
ラブストーリーと言うには複雑すぎますが、何か一つのものを失っても手放せない愛もあるのだなと感じました。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
子供達の死因が一緒なのは意味があります。
冒頭よりパリとアメリカ間で物理的に明らかに不可能な事が起きている時点で、大体予想はつくはず。映画とはいえ、偶然とは考えにくい事が起きているのだから。何が本当に起きた事で、空想なのか、誰が誰なのかを考察しながら観れば、何故同じ境遇の人物を登場させなければいけなかったのかは考えるまでもありません。
映画を観る時は、時系列、背景、セリフによく注意して観ると面白いと思います。