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映画『夢売るふたり』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『夢売るふたり』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『夢売るふたり』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『夢売るふたり』の結末までのストーリー
  • 『夢売るふたり』を見た感想・レビュー
  • 『夢売るふたり』を見た人におすすめの映画5選

映画『夢売るふたり』の作品情報

夢売るふたり

製作年:2012年
上映時間:137分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:西川美和
キャスト:松たか子、阿部サダヲ、田中麗奈、鈴木砂羽 etc

映画『夢売るふたり』の登場人物(キャスト)

市澤里子(松たか子)
貫也の妻で、小料理屋「いちざわ」の女将。火事で店を失くし、夫にも裏切られる。夫に結婚詐欺をさせることで、お店再建の資金を得ることを画策する。徐々に手口が陰湿になり、再び夫に裏切られる。元々は献身的な良き妻。
市澤貫也(阿部サダヲ)
里子の夫で、小料理屋「いちさわ」の板前。妻を裏切ったことをきっかけに、結婚詐欺をさせられる。板前としてのプライドが高く、素直で嘘のつけない性格。
棚橋咲月(田中麗奈)
独身で実家暮らしの女。結婚できないことを妹に非難される。貫也に出会い、惹かれていく。結局騙されて、探偵を雇って貫也を追いつめる。大人しい性格。
睦島玲子(鈴木砂羽)
「いちさわ」の常連客。不倫相手から縁を切られ、やけをおこす。勢いで貫也と関係を持ってしまう。貫也を殴る代わりに、不倫相手からもらった手切れ金を渡す。気の強い性格。
太田紀代(安藤玉恵)
風俗嬢。男に貢ぐ癖があり、前夫にもお金をむしり取られている。貫也と話が合い、お金を渡そうとする。カナダへ留学したいという目標がある。
木下滝子(木村多江)
ハローワークで働くシングルマザー。貫也と再会し、息子共々貫也に心を許していく。父と息子と三人で暮らし。
皆川ひとみ(江原由夏)
ウェイトリフティングの選手。お見合いパーティーで里子に会い、貫也を紹介されて騙される。自身の見た目にコンプレックスを抱いている。
岡山晃一朗(やべきょうすけ)
貫也の友人。火事の現場に居合わせており、被害を受ける。病院のベッドで意識朦朧とする中でも、貫也を励まそうとする。

映画『夢売るふたり』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『夢売るふたり』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『夢売るふたり』のあらすじ【起】

早朝の青果市場。夫婦で小料理屋を営んでいる市澤貫也と里子の二人が、手分けをして仕入れをしている。

いつものように店を営業していた二人。店は賑わい、二人は忙しく働いていた。しかし、少し目を離した隙に、焼き鳥を焼いていた火がメニューの短冊に着火してしまう。そして、お店はそのまま全焼してしまう。

馴染みで、火事の当日にお店で飲んでいた岡山晃一朗は病院に運ばれてしまう。晃一朗を見舞いに行った貫也夫婦。晃一朗の妻から、時間をあけずにお店を始めた方がいいとアドバイスを受ける。

財産の尽きた夫婦は、アルバイトに出て再出発を図る。里子はラーメン屋で、貫也は日本料理屋で板前を始めた。しかし、料理人のプライドがある貫也は、魚を雑に扱う板長と揉めてクビになってしまう。

貫也は、お店が全焼したことを友人に言い出せずにいた。さらに、真面目に働く里子に愚痴をこぼすようになる。

その頃、貫也のお店の馴染みだった睦島玲子という女が、事故にあった不倫相手を見舞うために病院にいた。しかし、医者だった不倫相手の弟が、玲子に手切れ金を渡す。

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映画『夢売るふたり』のあらすじ【承】

酔いつぶれた玲子は、駅のホームで同じく酔っていた貫也に出くわす。お互いの寂しさを埋めるかのように、二人は関係を持ってしまう。

貫也は玲子に、里子が不憫でならないと語る。話を聞いた玲子は、一発殴る代わりに手切れ金を貫也に渡す。

貫也を一晩中探し回っていた里子のもとに、お金を持って喜んでいる貫也が帰ってくる。友人が貸してくれたこのお金で店を始めようと喜んでいる貫也だったが、すぐに嘘だとバレてしまう。怒った里子は貫也を非難する。そして、ある企みを思いつく。

都内の高級料亭で働き出した貫也達。お店で食事を摂っていた棚橋咲月は、妹に結婚しないことを非難されていた。里子は白い手拭いを貫也に渡し、貫也は咲月が流した涙をその手ぬぐいで拭く。里子の思いついた企みとは、玲子のように寂しい思いをしている女を見つけ、結婚という夢を与えることでお金を巻き上げるという企みだった。

同時に複数の女性を騙していた貫也達。咲月も同様に上手く騙されていた。そして、お金を巻き上げられるのだった。咲月が店に行くと、貫也達はすでにお店を辞めていた。

映画『夢売るふたり』のあらすじ【転】

貫也達は、騙した女から取ったお金の借用書を貼っていた。それを見て、いつか倍にして返そうと二人は誓う。

再び資金集めのために働き始め、詐欺を企む貫也達。しかし、今度の店はお客が少なくてターゲットが見つからない。そこで里子は、お見合いパーティーに参加して新たなターゲットを探す。

お見合いで会った皆川ひとみという女に近づく里子。彼女はウェイトリフティングの選手だった。兄だと偽って、ひとみと貫也を引き合わせた里子。その場で里子は貫也に、ひとみの姿が見苦しく、貫也がかわいそうだと言い出す。貫也はそれに怒り、そんなことを考える里子の方が気の毒だと突きかえす。

順調にひとみを騙す貫也達。里子は、自分たちのお店でひとみに自分が病気だと嘘をつく。そんな姿を見て、貫也はシャレになってないと里子を非難する。シャレになってないのは私達だと言い返す里子。まだまだ足りないと言う里子に、その足りないはお金じゃなくて腹いせだと貫也は言い返す。

それでもひとみからお金を借りようとした貫也。しかし、医療制度に詳しかったひとみに嘘が通用せず、誤魔化すために怒ってその場を逃げ去る。ひとみは、私は怪物じゃないと言って貫也が去っていくのを見つめている。

以前に出会った、デリバリーヘルスをしている紀代のもとへと向かった貫也。紀代はカナダへと留学するためにお金を貯めていたが、すぐに貫也にお金を渡そうとする。紀代は、前の夫からお金をむしり取られており、お金を渡すことに抵抗がないかのようだった。そこへ前の夫が訪ねてくる。話し合いの末に前の夫は去り、紀代は貫也にお金を渡す。

映画『夢売るふたり』の結末・ラスト(ネタバレ)

物件も見つけ、新しいお店への準備が進む貫也達。その頃、ひとみが足を怪我してしまう。病院へお見舞いへと行った貫也。そこには、ひとみから里子の手術代として300万円が用意されていた。

次のターゲットを、木下滝子という女に決めた貫也。その頃、咲月が堂島という探偵を雇って貫也のことを調べていた。

滝子のもとへ行ったきり、お店に帰ってこなかった貫也。翌日、里子は滝子のもとを訪れる。そこには、工場の一員として働く貫也の姿があった。雨の中、里子はその場を去る。そして道端で玲子を見つけ、一礼される。

貫也が滝子の息子である恵太と料理をしているときに、咲月を連れた堂島が訪れてくる。修羅場になったところで、恵太が堂島の背中を刺してしまう。

幾月か経ち、恵太の罪を被った貫也は傷害罪で刑務所に入っていた。ひとみはウェイトリフティングの指導者になり、紀代のもとには前の夫が姿を現す。咲月は一人暮らしを始め、恵太と滝子は元の生活に戻っていた。玲子のもとには、市澤のマークの入った現金入りの封筒が届けられる。

里子は魚市場で働くようになり、貫也は刑務所内の食事を作る係に割り当てられる。二人が働く空からは、カモメの鳴き声が聞こえる。

映画『夢売るふたり』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

結婚詐欺をテーマにした、夫婦の心の葛藤を描いた作品。
全体的に重々しく、ショックなシーンもある。セリフが少なく、何気ない日常の一面や細かい表情の変化で、心境が表現されている。夫婦役の、阿部サダヲと松たか子の演技がとても素晴らしい。
女性の悩みとして、結婚できない不安、他人への嫉妬心、取り残される孤独感などが描かれており、共感できる部分も多かった。
見終わった後はモヤモヤが残るかもしれないが、人間の欲について深く考えさせられる作品である。(女性 30代)


はじめはコメディっぽかったけれどだんだん笑えなくなってくる。途中までは身勝手な里子が目について仕方なかったのに、だんだん貫也の優柔不断さにもイライラした。男と女の嫌な部分が表現されている作品である。
容赦なく女性を騙していく里子に対して貫也が「お前は今が一番いい顔してる」と言い放つ場面が印象に残っている。どんなに許せないことがあっても、自分の価値を下げるような行動はしないほうがいいと思った。
松たか子の身体を張った演技には「ここまでやるんだ」と驚いた。鬱々とした空気の中に切り込んでくる探偵役の笑福亭鶴瓶の存在感も良い。(女性 40代)


夫婦で結婚詐欺を繰り返すという設定に最初は驚きましたが、観進めるうちに彼らの中にある「夢」や「葛藤」が浮かび上がってきて、ただの犯罪映画ではないと感じました。松たか子さんの演技が圧倒的で、夫に対して複雑な感情を抱えながらも冷静に計画を進めていく姿が怖くもあり、共感もできました。ラストのあっけなさは逆にリアルで、「夢」とは何かを考えさせられます。(30代 女性)


とにかく登場人物たちの心理描写がリアルで、観ていて気持ちがざわざわしました。夢を叶えるためという名目で、女性たちを利用する姿には嫌悪感を抱きつつも、詐欺に引っかかる女性たちの心情にも納得してしまう。この映画の凄さは「正しい・間違っている」では割り切れない曖昧さにあると思います。余韻が残る、いい意味で後味の悪い作品です。(40代 男性)


現代の「夫婦の形」や「夢の重さ」が詰まったような作品でした。夫の浮気心、妻の冷静な現実主義、それぞれの立場がとてもリアルに描かれていて、自分自身にも問いかけられているような気分になりました。松たか子さんの存在感がすごくて、彼女の心の揺れが終盤にかけて静かに爆発する感じに震えました。ラストは衝撃的ではないのに妙に印象に残ります。(20代 女性)


詐欺という犯罪行為を題材にしていながら、単なるサスペンスでは終わらないのがさすが西川美和監督。夫婦間のすれ違いや信頼の崩壊、そして一瞬だけ見える本当の優しさ…すべてが観る者の感情を揺さぶります。女性たちを騙す過程も淡々としているのにリアルで、逆にそれが怖い。倫理的に正しくはないけど、何かを得るために人はどこまで堕ちられるのかを見せつけられました。(50代 男性)


全体を通して静かなトーンなのに、ずっと緊張感があって目が離せませんでした。夢を追うことの危うさ、現実とのギャップ、夫婦の間にある信頼と裏切りが複雑に交錯していて、一筋縄ではいかない人間ドラマに引き込まれました。特に、松たか子さん演じる里子の冷たさと、時折見せる優しさのギャップが印象的で、心に残る作品です。(30代 男性)


女として、妻として、この映画は刺さりました。女性たちを騙す側に回る松たか子のキャラに、最初は嫌悪感すら抱いたけど、話が進むにつれて彼女もまた「搾取される側」だったと気づかされて胸が痛みました。夫の浮気を知っても黙って行動し続ける強さには尊敬すら覚えます。女性視点から見るとかなり複雑な作品で、観た後にいろんな感情が残りました。(40代 女性)


初めて観たときは正直、感情移入しにくい作品だと感じましたが、時間が経ってふと考えると、いろんな場面が頭に浮かんできます。夫婦とは、夢とは、誠実さとは何か…。表面的には結婚詐欺の話だけど、その裏にある「孤独」や「自己犠牲」が強く印象に残ります。何度も観ると味が出るタイプの映画だと思いました。(50代 男性)


人を騙すことで夢を叶えようとする姿勢には共感できませんでしたが、それでもなぜか登場人物たちに魅力を感じてしまうのがこの作品の不思議なところです。松たか子と阿部サダヲの夫婦がそれぞれに抱える孤独や虚しさが画面越しに伝わってきて、終盤には切なさすら感じました。心をえぐるような、重いけど大切な作品です。(20代 男性)

映画『夢売るふたり』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『夢売るふたり』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

誰も知らない

この映画を一言で表すと?

静かに心を締めつける、子どもたちの「現実」と「孤独」を描いた衝撃の実話ベース作品。

どんな話?

母親に置き去りにされた4人の兄弟が、誰にも知られずアパートで暮らし続けるという実話をもとにした作品。リーダー格の長男・明が幼い兄弟たちを必死に守ろうとする姿は切なく、日常の中に潜む社会の冷酷さを突きつけてきます。

ここがおすすめ!

是枝裕和監督による、抑えた演出とリアリティのある描写が胸を打ちます。『夢売るふたり』と同様、人間の弱さと生きる逞しさが共存する物語で、観る者に多くを語りかける静かな傑作です。

ゆれる

この映画を一言で表すと?

兄弟の愛と憎しみ、信頼と疑念が交錯する緊張感あふれる心理ドラマ。

どんな話?

弟の帰省をきっかけに再会した兄弟が、ある女性の死を巡って微妙な関係に揺れ動く。事故か事件か、真実はどこにあるのか…。兄弟の関係と心の奥底を巧みに描きながら、観る者に問いを投げかけてきます。

ここがおすすめ!

西川美和監督が手がけた本作は、『夢売るふたり』と同様に人間の複雑な感情と関係性に鋭く迫ります。淡々とした展開の中で次第に浮かび上がる真実と、それぞれの立場の揺らぎが見事です。

冷たい熱帯魚

この映画を一言で表すと?

静かな日常が地獄に変わる、実際の事件をもとにした衝撃のサイコスリラー。

どんな話?

熱帯魚店を営む男が、ある成功者と出会ったことをきっかけに狂気の世界へと巻き込まれていく。実在の事件「埼玉愛犬家連続殺人事件」に着想を得た作品で、道徳や常識が崩れていく様が生々しく描かれます。

ここがおすすめ!

園子温監督の強烈な演出と、登場人物の狂気がとにかくインパクト大。『夢売るふたり』で感じた倫理と現実の境界の曖昧さに惹かれた方には、この作品の破滅的な展開も刺さるはず。心の準備をして観るべし!

東京物語

この映画を一言で表すと?

「何も起きない」のに涙が止まらない、人間関係の本質に迫る日本映画の金字塔。

どんな話?

年老いた両親が子どもたちを訪ねて上京するが、それぞれが忙しく、冷たく扱われる…。日常の何気ない出来事を通して、家族のすれ違いや孤独を浮き彫りにしていく、深い余韻が残る作品です。

ここがおすすめ!

小津安二郎監督の代表作で、セリフや表情の一つひとつに日本的な情感が宿る傑作。『夢売るふたり』同様、日常の中に潜む感情の機微を描くことに長けており、静かで深い人間ドラマを味わいたい方におすすめです。

万引き家族

この映画を一言で表すと?

家族って何? 血よりも強い“絆”に揺さぶられる、現代社会への鋭い問いかけ。

どんな話?

社会の片隅で暮らす“家族”が、万引きで生計を立てながらも、温かな日常を送っていた。しかしある事件をきっかけに、その「家族」の真実が次第に明らかになっていく…。疑似家族の実態と、そこにある愛情の物語。

ここがおすすめ!

是枝裕和監督が現代の家族観を真正面から描いた作品。『夢売るふたり』と同様、「形では語れない人間関係」がテーマで、違法行為を通して描かれる“人間らしさ”が心に残ります。社会派ドラマとしても必見。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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