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映画『ストレイト・ストーリー』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『ストレイト・ストーリー』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ストレイト・ストーリー』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ストレイト・ストーリー』の結末までのストーリー
  • 『ストレイト・ストーリー』を見た感想・レビュー
  • 『ストレイト・ストーリー』を見た人におすすめの映画5選

映画『ストレイト・ストーリー』の作品情報

ストレイト・ストーリー

製作年:1999年
上映時間:111分
ジャンル:ヒューマンドラマ、伝記
監督:デヴィッド・リンチ
キャスト:リチャード・ファーンズワース、シシー・スペイセク、ハリー・ディーン・スタントン、ジェームズ・カダー etc

映画『ストレイト・ストーリー』の登場人物(キャスト)

アルヴィン・ストレイト(リチャード・ファーンズワース)
アイオワのローレンスで暮らす76歳の老人。妻に先立たれ、娘と二人暮らし。足腰が弱り、杖無しでは歩けない。
ローズ・ストレイト(シシー・スペイセク)
アルヴィンの娘。軽度の障害があるが、心優しく純粋な女性。
ライル・ストレイト(ハリー・ディーン・スタントン)
ウィスコンティンのマウント・ザイオンに住むアルヴィンの兄。10年前の口論がきっかけで、現在はアルヴィンと疎遠になっている。
トム(エヴェレット・マッギル)
ローレンスのトラックディーラー。
ダニー・レオダン(ジェームズ・ケイド)
アルヴィンを手助けする温和な男性。農機メーカーに勤めていた。
ヴァーリン(ウィレイ・ハーカー)
ダニーの友人の老人。歳の近いアルヴィンと懇意になる。
神父(ジョン・ローダン)
ウィスコンティンの神父。

映画『ストレイト・ストーリー』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『ストレイト・ストーリー』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ストレイト・ストーリー』のあらすじ【起】

76歳の老人アルヴィンは、アイオワ州のローレンスで娘ローザと共に穏やかに暮らしている。アルヴィンは、足腰が弱って杖無しでは歩けない上に、長年の不摂生がたたって内臓に疾患を抱えている。娘思いのアルヴィンは、ローザに持病について何も話さないでいる。
ある日、アルヴィンは、兄ライルが病気で倒れたとの知らせを受ける。些細なことがきっかけで、アルヴィンとライルは10年以上音信不通になっている。自分の余生が短いことを承知しているアルヴィンは、ライルに会いに行くことを決意する。

アルヴィンは、農作業用の小型トラクターで、ローレンスからライルの住むウィスコンティンのマウント・ザイオンまで行くことを決める。ローレンスからウィスコンティまでは約560kmもあり、トラクターの時速は8kmである。ローザの心配をよそに、アルヴィンは農作業用の古いトラクターを整備し、食料やガソリンをトレーラーに詰め込んでトラクターに繋ぐ。

出発前夜、アルヴィンとローザは夜空を眺めて語り合う。家族の重要さを知っているローザは、アルヴィンの旅に賛成する。

翌朝、街の住人達が好奇の目を向ける中、アルヴィンは意気揚々と出発する。一番近い街グロットの手前でトラクターが故障し、アルヴィンは立ち往生する。アルヴィンは、グロットの住人のトラックに乗せられ、壊れたトラクターと共に帰宅する。

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映画『ストレイト・ストーリー』のあらすじ【承】

アルヴィンは、壊れたトラクターを銃で撃って燃やす。アルヴィンは、トラックディーラーのトムに相談し、中古のトラクターを格安で譲り受ける。アルヴィンは新しいトラクターにトレーラーを繋ぎ、再び出発する。

アルヴィンは、昼はトラクターで移動し、夜は畑に入ってトレーラーで休む。ある日、アルヴィンは、家出中のヒッチハイカーの少女と出会う。焚き火を囲みながら少女の身の上話を聞いたアルヴィンは、何も咎めず、家族は一緒にいることが大事だと語る。翌朝、アルヴィンが起きる前に、少女は実家に向かって出発する。

アルヴィンは自転車レースの一団に遭遇し、選手達のキャンプ場に迎え入れられる。レースに出場している若者達は、アルヴィンの含蓄ある言葉に耳を傾ける。

ある街の手前で、アルヴィンは一人の女性が飛び出してきた鹿と追突する場面を目撃する。女性は、この道で不本意にも何度も鹿を撥ねており、自分の不幸を嘆いて車で走り去っていく。その夜、撥ねられた鹿の肉を焼くアルヴィンの周りに、鹿の群れが集まってくる。

映画『ストレイト・ストーリー』のあらすじ【転】

ある町に差し掛かる急勾配の坂で、アルヴィンのトラクターはブレーキが効かなくなる。トラクターはスピードを出して坂を下り、ようやく停車する。

町の住人ダニーや友人ヴァーリン達が、アルヴィンに駆け寄ってくる。トラクターの修理には時間がかかるため、アルヴィンはしばらくダニーの自宅の庭に野営する。

アルウィンはローザに電話をかけ、修理費のために、年金用の小切手を送るよう伝える。アルヴィンを心配するダニーは、マウント・ザイオンまで車で送ると申し出るが、自力で兄の家まで行くと決めているアルヴィンは、丁寧に辞退する。

ヴァーリンはアルヴィンをバーに誘い、二人は戦時中の思い出を語り合う。第二次世界大戦中に狙撃手だったアルヴィンは、誤って仲間を撃ってしまった秘密の過去を打ち明ける。
アルヴィンは、整備工のオルセン兄弟を言葉巧みに丸め込み、トラクター修理にかかる費用を値切る。喧嘩ばかりしているオルセン兄弟に、アルヴィンは兄弟の大切さを語る。

出発前夜、アルヴィンはダニーの親切に心から感謝する。ダニーもアルヴィンとの出会いを喜んでおり、二人は堅く握手する。翌朝、アルヴィンは夜が明けると同時に出発する。

映画『ストレイト・ストーリー』の結末・ラスト(ネタバレ)

ウィスコンシン州へ入ったアルヴィンは、酪農地帯を抜け、ミシシッピー川を渡る。

アルヴィンは、マウント・ザイオンに近い教会墓地の一角に野営する。アルヴィンは、夕食を差し入れた神父と焚き火を囲んで語り合う。ライルは神父の教区に住んでおり、ライルが倒れて病院に搬送されたとき、神父は偶然居合わせていた。

アルヴィンは、ライルとの幼少期の思い出を神父に語る。仲の良かったアルヴィンとライルは、10年前に些細なことから口論になりお互いに酷く傷つけあって以降、疎遠になっている。アルヴィンは、ライルに会いたいと切実な想いを口にする。

アルヴィンは町のパブに立ち寄り、10年振りにビールを飲む。アルヴィンはパブの主人からライルの家の場所を聞く。

マウント・ザイルの森の中で、突如、トラクターのエンジンが止まる。美しい紅葉の中で、アルヴィンはしばし足止めされる。一台の大型トラクターが通りかかり、再び動き出したアルヴィンのトラクターをライルの家まで案内する。

アルヴィンはライルの家の前でトラクターを停め、ライルに向かって呼びかける。歩行器で体を支えながら、ライルが家から出てくる。

アルヴィンとライルは、ポーチの椅子に腰掛ける。アルヴィンが古いトラクターで遠路はるばるやって来たことを知り、ライルは感極まる。

二人は、子供の頃と同じように一緒に空を見上げる。

映画『ストレイト・ストーリー』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

家族の大切さをシンプルに訴えかけるロードムービーでした。
長い旅の先々で出会う人々の人間模様、そんな彼らに真っ直ぐな言葉で伝えます。アルヴィンと偶然にも出会えた人たちは幸運だと思います。観ていて、聞いているだけでも心に響くものがありました。アルヴィンの頑固オヤジキャラもクスッと笑える良いスパイスです。なにがなんでもトラクターで自力で行く、その芯の強さは素晴らしいです。(女性 20代)


本作は、確執のある兄に会うため芝刈り機で500キロの旅に出るおじいちゃんの実話を基にしたデイビッド・リンチ監督によるヒューマンロードムービー作品。
兄との再会が近づくにつれて、おじいちゃんの思い出やこれまで歩んできた半生が垣間見えてきて、人生の重さや意味深いものを感じた。
また、アメリカの壮大な自然や、ノスタルジックのサウンドが心に沁みた。
そして、最後に再会を果たした2人が満点の星空を静かに眺める様子が素晴らしかった。(女性 20代)


実話を元に制作された作品ということに驚かされる。自分だったらきっとトラクターが故障して自宅に帰った時点で、挫折してしまっていると思う。トラクターは速く走るわけではないため、何度ももどかしい思いをしたのではないかと思う。それでも自分の覚悟を全うし、兄に会いに行ったアルヴィンには頭が下がる思いがした。喧嘩別れしてしまった後悔と、兄に対しての深い愛情が伝わってくる作品だった。
アルヴィンが道中で様々な人に会うのだが、彼らとの会話も興味深くておもしろかった。(女性 30代)


家族の大切さを教えてくれる素敵なロードムービーでした。長年疎遠になっている兄に会いに行く主人公のアルヴィン。頑固オヤジでひねくれ者っぽい一面もありますが、彼に起きた出会いや人との触れ合いによってこの作品は成り立っていました。
アルヴィンだから色々な人に出会えたし、アルヴィンだから兄と仲直りが出来たのだと思います。
2人で星空を眺めるラストシーンがものすごく素敵で、見終わってすぐにもう一度見たい!と思ってしまうような優しい気持ちになれる作品でした。(女性 30代)


芝刈り機に乗って兄に会いに行くという、一見風変わりなロードムービー。でも、その旅路には人生の重みが詰まっていました。高齢で足が悪くても、自分の手で和解の旅に出る主人公の姿に静かに心を打たれます。目的地に着いて「兄さん」と語りかけるシーンでは、思わず涙。派手さはないけど、人生をじっくり見つめ直す映画でした。(30代 男性)


穏やかで優しい時間が流れる映画でした。デヴィッド・リンチらしからぬ作品と言われていますが、彼の“人間観察”の力が存分に活きていたと思います。途中で出会う人々とのやり取りもあたたかくて、特に妊娠中の少女との会話は印象的。芝刈り機のエンジン音すら、人生のリズムのように感じられました。(40代 女性)


物語としてはとてもシンプル。でも、そこに込められた主人公・アルヴィンの後悔と希望が静かに胸に迫ってきました。兄との確執や、娘との関係、過去の戦争体験などが少しずつ明かされることで、彼の旅がただの“再会”ではなく“贖罪”の旅であることが分かり、深く考えさせられました。終盤の沈黙がすべてを語っていました。(50代 男性)


父にすすめられて観た作品でしたが、こんなに感動するとは思いませんでした。スマホも車もないおじいさんが、自分の信念だけで旅をする。その姿に、今の自分にはない強さを感じました。道中の人々との交流も、どれも素朴で優しくて癒やされました。無理に泣かせようとしない演出がかえって心に響く映画です。(20代 男性)


静かだけれど力強い映画。ゆっくりとしたペースの中に、たくさんの感情が詰まっていました。何より、主人公アルヴィンの背中が語る“人生”の深みがすごい。最後に兄と再会し、無言のまま星空を見上げるシーンは、言葉以上の重みがありました。観終わったあと、久しぶりに家族に連絡を取りたくなりました。(30代 女性)


学生の自分には少し地味に思えるかと思っていたけど、意外と引き込まれました。おじいさんがあんなに時間をかけて移動する理由が、観ていくうちにどんどん重くなってくる。兄との確執、自分の弱さ、過去の後悔…そういうものがすごく丁寧に描かれていて感情移入できました。音楽も景色もすごく美しかったです。(20代 男性)

映画『ストレイト・ストーリー』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ストレイト・ストーリー』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅

この映画を一言で表すと?

父と息子がモンタナからネブラスカへ、“当たらない宝くじ”を信じて旅する、静かな再生の物語。

どんな話?

アルツハイマー気味の父が「100万ドルが当たった」と信じてネブラスカへ向かう旅に、息子が付き添う。父と息子は旅の中で少しずつ心の距離を縮め、やがて互いに見落としていた絆の大切さを知る。モノクロ映像も味わい深い。

ここがおすすめ!

『ストレイト・ストーリー』と同じく、“家族と過去を見つめ直す旅”をテーマにしており、静かな感動を与えてくれます。ロードムービーながらもテンポはゆったりとしていて、人生の寂しさと温かさを同時に感じさせてくれます。

グリーン・ブック

この映画を一言で表すと?

偏見と誤解を超えて、まったく違う二人が心を通わせていく感動の実話。

どんな話?

1960年代、黒人ピアニストとイタリア系白人運転手がアメリカ南部を巡る演奏ツアーに出る。人種差別や生活の違いにぶつかりながらも、やがて互いを理解し、深い友情が芽生える。ユーモアと感動がバランスよく描かれた作品。

ここがおすすめ!

移動という行為が“心の変化”と密接に結びつく作品。『ストレイト・ストーリー』が描いたような“対話を通しての癒し”がしっかり詰まっており、観終わったあとの余韻も温かいです。実話を元にした点も共通しています。

リトル・ミス・サンシャイン

この映画を一言で表すと?

家族全員で夢に挑む旅路の先にある、笑って泣ける家族再生ドラマ。

どんな話?

ぽっちゃり少女オリーヴが美少女コンテストに出場するため、崩壊寸前の家族がバンに乗ってアメリカ横断の旅に出る。途中で巻き起こる様々なトラブルを通じて、家族の絆が少しずつ修復されていく。

ここがおすすめ!

旅という非日常の中で、登場人物が自分自身や家族と向き合うという点で『ストレイト・ストーリー』と重なります。笑いながらも、ふと涙が出るような優しさに満ちた映画です。ロードムービー好きなら必見の一本。

イントゥ・ザ・ワイルド

この映画を一言で表すと?

すべてを捨てて“自由”を求めた青年の旅が、やがて人生の真実にたどりつく。

どんな話?

裕福な家庭に生まれた青年が、大学卒業後すべてを捨ててアラスカへ旅立つ。人と出会い、自然と対話し、孤独の中で生きる意味を模索する。実在した青年の手記を元に映画化された、魂のロードムービー。

ここがおすすめ!

『ストレイト・ストーリー』の“なぜ人は旅をするのか”という根源的な問いに対し、真逆の若者の視点から描いた作品。静かで詩的な映像と、人生哲学が心に深く残ります。自然と向き合う描写も秀逸です。

アバウト・シュミット

この映画を一言で表すと?

退職を迎えた男が、空虚な人生に向き合いながら、人生の意味を探す旅に出る。

どんな話?

定年退職後、妻に先立たれたシュミットが、自分の居場所を見つけるためにキャンピングカーで娘のもとへ向かう旅を決意。孤独や無力感を抱えながらも、人との出会いや手紙のやり取りを通じて心の再生を果たしていく。

ここがおすすめ!

『ストレイト・ストーリー』と同じく、高齢者の“人生のやり直し”を描いた感動作。ユーモラスでありながら深みのある描写が多く、人生に迷うすべての人におすすめしたい一本です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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