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映画『スウィート17モンスター』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『スウィート17モンスター』の概要:17歳のネイディーンは、親友の存在だけが救いの冴えない女子高生。ところが、その親友が大嫌いな勝ち組の兄と付き合うことになり、ネイディーンの暴走が始まる。こじらせ女子の青春をコミカルに描いた秀作で、主人公を演じたヘイリー・スタインフェルドのリアルな演技も素晴らしい。

映画『スウィート17モンスター』の作品情報

スウィート17モンスター

製作年:2016年
上映時間:104分
ジャンル:青春、コメディ、ラブストーリー
監督:ケリー・フレモン・クレイグ
キャスト:ヘイリー・スタインフェルド、ヘイリー・ルー・リチャードソン、ブレイク・ジェナー、キーラ・セジウィック etc

映画『スウィート17モンスター』の登場人物(キャスト)

ネイディーン・フランクリン(ヘイリー・スタインフェルド)
17歳の高校2年生。幼い頃からコンプレックスの塊で、ひねくれた性格になってしまった。親友のクリスタ以外に友達はおらず、彼氏いない歴も17年。強がっているが、実はかなり甘えん坊で、人を頼りまくって生きている。しかしそれを自覚していない。
クリスタ(ヘイリー・ルー・リチャードソン)
ネイディーンの親友。心優しい癒し系の少女で、ずっとネイディーンの心の支えになってきた。ネイディーンの兄と付き合うことになり、彼女から絶交される。
ダリアン(ブレイク・ジェンナー)
ネイディーンの兄。イケメンのスポーツマンで、学校でも人気者。ネイディーンは自分と正反対の兄を嫌っており、兄妹仲は悪い。口には出さないが、死んだ父親に代わって、母親と妹を守っていかなければと思っている。
ブルーナー(ウディ・ハレルソン)
ネイディーンの担任教師。無口で無愛想だが、なぜかネイディーンに懐かれ、彼女の悩みや妄想を聞かされる。妻子を大事にしている優しい父親。
アーウィン・キム(ヘイデン・セットー)
ネイディーンのクラスメイト。両親は韓国人の実業家で、家は大豪邸。学校では目立たない存在だが、実は絵の才能があり、自主制作のアニメーション映画を作っている。ネイディーンに好意を持っている。
モナ(キーラ・セジウィック)
ネイディーンの母親。4年前に頼りにしていた夫を亡くし、女手ひとつで2人の子供を育ててきた。ネイディーンは母親に嫌われていると思い込んで反抗ばかりしているが、実は娘を溺愛するあまり過保護になっている。息子のダリアンだけが頼り。
ニック(アレクサンダー・カルヴァート)
ネイディーンが片思い中のクールなイケメン男子。ペットショップでアルバイトをしている。同じ高校に通っているが、ネイディーンのことは全く知らなかった。

映画『スウィート17モンスター』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『スウィート17モンスター』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『スウィート17モンスター』のあらすじ【起】

17歳のネイディーンは、まだ7歳の時に、人間には勝ち組と負け組の2種類がいることに気づいた。いじめられっ子の自分は負け組で、世渡り上手で学校でも人気者の兄のダリアンは明らかに勝ち組だった。そんな兄へのコンプレックスもあり、ネイディーンはひねくれた少女に育つ。母親のモナは反抗的な娘に手を焼いていたが、温厚な父親はネイディーンを理解し、いつも優しく見守ってくれた。

ずっと独りぼっちだったネイディーンに、ある日クリスタという少女が声をかけてくれる。2人はすぐに意気投合し、なんでも話せる大親友になる。ネイディーンにとって、クリスタは天使のような存在だった。

ネイディーンが13歳の時、大好きな父親が車を運転中に心臓発作を起こし、そのまま帰らぬ人となってしまう。その時も、クリスタだけがネイディーンの支えだった。

それから数年、17歳になったネイディーンは、クリスタと同じ高校の2年生となる。相変わらず友達はクリスタだけだったが、彼女さえいてくれたらネイディーンは満足だった。ところが、母親が出会い系サイトで知り合った歯科医と旅行に出かけた週末、ネイディーンにとって、とんでもない事件が起こる。

週末、母親がいないのをいいことに、ネイディーンとクリスタは酒を飲んで盛り上がっていた。ダリアンも自宅に友人たちを招き、酒盛りをする。飲みすぎたネイディーンはトイレで吐き、そのまま洗面所で眠ってしまう。クリスタは後片付けを手伝いながら、ダリアンといい雰囲気になる。

翌朝、ひどい二日酔いで目覚めたネイディーンは、兄と裸で抱き合っているクリスタを見て驚愕する。クリスタも混乱気味で、ネイディーンは自分の親友に手を出した兄を責める。ネイディーンは、ダリアンがクリスタを弄んだのだと思っていた。

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映画『スウィート17モンスター』のあらすじ【承】

週明け。最悪の気分で登校したネイディーンは、担任のブルーナーに、父親が死んだので宿題ができなかったと嘘をつく。ブルーナーは特に怒りもせず、ネイディーンの話を聞き流す。ブルーナーは、何を考えているのかよくわからない不思議な先生だった。

一方、ネイディーンに遠慮して、気まずいまま別れていたクリスタとダリアンは、学校で会って正直な気持ちを告白し合う。2人は、本気で惹かれあっていた。

ダリアンへの気持ちを抑えきれなくなったクリスタは、ネイディーンに「ダリアンが好き」と打ち明ける。ネイディーンは激怒して大反対し、クリスタを悲しませる。ネイディーンは、クリスタを独占していたかったのだ。

ネイディーンはクリスタに誘われ、ダリアンの仲間が主催するパーティに行ってみる。ダリアンはクリスタを仲間に紹介し、彼女もすんなりその場に打ち解ける。置いきぼりにされたネイディーンは、どのグループの輪にも入れず、モナに迎えにきてもらう。モナはモナで、歯科医が妻子持ちだったと知り、ひどく落ち込んでいた。

孤独に耐えきれなくなったネイディーンは、同級生のアーウィンを夜の遊園地に誘う。アーウィンは以前からネイディーンに好意を寄せていたが、ネイディーンはニックというイケメンに片思い中だった。ネイディーンはクリスタからの着信を無視して、アーウィンと楽しむ。アーウィンは快く、彼女の気晴らしに付き合ってくれる。

クリスタからダリアンと正式に付き合っていると聞かされ、ネイディーンは自分か兄のどちらかを選べとムチャを言い出す。自分を選ばないなら絶好だとまで言われ、温厚なクリスタもネイディーンのわがままに怒りを感じる。そして2人は大喧嘩をして決裂する。

クリスタから相談を受けたダリアンは、2人でよく話し合うようアドバイスする。ネイディーンはダリアンのことも「自分のことしか考えていないナルシストだ」と責め立てる。2人は兄妹喧嘩となり、ネイディーンは家を飛び出していく。

映画『スウィート17モンスター』のあらすじ【転】

町をうろついていたネイディーンは、ふと思い立って、ニックがバイトをしているペットショップに入ってみる。そこで初めて彼に話しかけてみるが、ニックの反応は鈍かった。

車の免許を持っていないネイディーンは、今までクリスタに送り迎えを頼んでいた。しかし彼女と絶交してしまったので、出勤前の忙しい母親に学校まで送らせる。昼休み、ニックに話しかけようとするが帰ってしまったので、寂しくなったネイディーンは、アーウィンを捜す。しかし彼も捕まらず、ネイディーンは仕方なく、教室にいたブルーナーを相手にランチを食べ始める。

ブルーナーは明らかに迷惑そうだったが、ネイディーンはおかまいなしにしゃべり続ける。ブルーナーに「君は嫌われっ子だね」と言われてしまい、ネイディーンは感情的になって一方的に先生を罵倒する。それでもブルーナーは怒ったりせず、ネイディーンにクッキーを半分くれる。ネイディーンは、少しだけ救われる。

家でテレビを見ていると、クリスタと一緒にダリアンが帰ってきたので、ネイディーンはアーウィンの家へ遊びにいく。驚いたことに、アーウィンの自宅は大豪邸で、温泉のようなプールまであった。プールで泳いでいた時、ネイディーンは「セックスする?」とアーウィンをからかう。アーウィンはムッとしていたが、それでも2人は楽しい時間を過ごす。アーウィンは自主制作映画を制作中で、土曜日の上映会にネイディーンを誘う。イラストを見せてもらったネイディーンは、彼の才能に感心する。

翌朝、モナの車で学校まで送ってもらったネイディーンは、クリスタが新しい友達と一緒にいるのを見て、車から降りたくないとゴネ始める。会社に遅刻しかけていたモナは、娘のわがままに腹を立て、そのまま会社まで連れていく。ネイディーンは会社でもずっとふてくされており、モナは思わず「パパは天国で失望しているわ」と言ってしまう。激怒したネイディーンは、モナの車のキーを奪い、無免許運転でどこかへ走り去ってしまう。

映画『スウィート17モンスター』の結末・ラスト(ネタバレ)

ネイディーンは興奮状態のまま、ニック宛に「あなたとやりたい」という挑発的なメールを打つ。もちろん送信するつもりはなかったのだが、間違って送信ボタンを押してしまい、完全なパニック状態に陥る。ネイディーンは混乱したまま、ブルーナーに助けを求める。

ブルーナーは「これから自殺する」というネイディーンを落ち着かせ、困ったら連絡するよう自分の電話番号を渡しておく。ところが、ニックから「君はステキだ、今夜出かけよう」という思いがけない返事がくる。ネイディーンは歓喜し、急いで家に帰ってシャワーを浴び、おめかしをして出かけていく。

ネイディーンと連絡がつかず、心配して自宅へ戻ったモナは、ぐちゃぐちゃに散らかった洗面所と娘の部屋を見て唖然とする。そしてクリスタとプロムへ出かけていたダリアンに助けを求める。ダリアンは大事なプロムを途中で退席し、クリスタと一緒にネイディーンを捜す。

一方、ニックの車に乗り込んだネイディーンは、完全に舞い上がっていた。しかし、ニックがやりたいだけなのだと知り、深く傷つく。性行為を拒んでニックに罵倒され、車を降りてしまったネイディーンは、思わず号泣してしまう。そしてブルーナーに来てもらう。

ブルーナーは、ひとまず自宅へネイディーンを連れていく。ネイディーンは、ブルーナーが優しい父親であることを知り、少しだけ癒される。そこへ、連絡を受けたダリアンがやってくる。ネイディーンは一旦帰ろうとするが、車にクリスタが乗っているのを見て、彼女と一緒は嫌だと再びゴネ出す。ずっと我慢してきたダリアンは、自分の苦しみを初めてネイディーンに打ち明け、そのまま帰っていく。ブルーナーは、黙ってネイディーンを自宅に送ってくれる。

ネイディーンは、自分だけが不幸なのだと思い込み、大切な人を傷つけていたのだと反省する。そしてダリアンに心から謝罪する。ダリアンは、照れ臭そうにネイディーンを抱きしめてくれる。

翌朝、ネイディーンは、ダリアンの部屋に泊まっていたクリスタと、普通に会話する。ネイディーンは、さっぱりした気持ちで自転車にまたがり、映画の上映会へ向かう。アーウィンの作った短編アニメーションは、素晴らしい出来栄えだった。ネイディーンは素直に彼の作品を褒め、花を贈る。アーウィンに仲間を紹介してもらい、ネイディーンは笑顔でその輪の中に入っていく。

映画『スウィート17モンスター』の感想・評価・レビュー

こじらせ女子高生の痛い学校生活がテーマの本作。学校生活特有の、他のイケてる生徒と比べてもどかしくなる気持ち。そこから家族にイライラしてしまいやつ当たりしてしまう気持ち。非常に共感しながら見ることが出来た。今、不必要に悩んでる学生が見たら、励みになる部分もあるような気がする。主演のヘイリー・スタインフェルドがネイディーンを等身大に好演していた。特徴ある声がまたこじらせ感を増しててよかった。(男性 20代)


痛い。痛すぎる。
はじめは半笑いだった主人公の言動。でも、だんだん笑えなくなっていく。だって、自分と同じだと思うから。アメリカの17歳の少女の行動に共感できてしまう恥ずかしさ。恥ずかしいんだけど、また笑えてきて、最後には涙する。
それは、17歳の少女の痛い行動は、彼女と自分だけの問題じゃないことが分かるから。人と比べて自分はダメだなんて思わなくていい。そんな勇気をもらった気がした。(女性 20代)


ティーンが抱える恋や人間関係の悩みをキュートに描いた作品。
自分の居場所がなくて、自己中心的な態度をとってしまうネイディーン。そんな中でも、彼女を助けてくれる先生や家族の存在に愛を感じられた。そして、ラストには自分の嫌なところに目を向け、自分自身を好きになろうとする前向きな姿に励まされる。
きっと同じような悩みを抱えている人にはネイディーンに共感できるところが多く、劣等感を抱えている時に見ると元気をもらえる作品である。(女性 30代)


まるで10代の頃の自分を見ているようだった。私も「自分が世界で一番不幸で、それは全部まわりのせいだ」と思い込んでいた時があった。考え方ひとつで、世界がこんなにも違って見える。終盤、主人公が自転車で学校に向かうシーンの気持ちの良い空が、主人公の心が晴れていくのを表しているようで、見ている私も思わず笑顔になってしまった。

思春期をこじらせた暴走ヒロインは見ていてイライラするし恥ずかしくなってくるのだが、どこか可愛い。主演のヘイリー・スタインフェルドのその絶妙な演技が素晴らしかった。(女性 20代)


拗らせ女子の代表作。大人になって見るとネイディーンが恥ずかしいぐらい痛すぎ!と思いますが、ただ自分が思春期ぐらいだった時、周りのちょっとした事に苛立ったり、他人がとても羨ましくなったりして、悲劇のヒロインに変身してしまうことがあったなぁ~と思い出し、共感できるところも沢山ありました。今思うと、その恥ずかしい所が青春だったんだな~と思います。ただネイディーンは周りの人たちにとても恵まれていて良かったです。それに爽やかなラストで、少しホロっときてしまいました。これぞ青春ムービー、題名のモンスターというところにも納得(笑)確かに17歳ってモンスターですね。(女性 30代)


自分には兄弟がいないし、友達と家族が付き合うことに対してのネイディーンの複雑な気持ちはなかなか理解できなかったが、自分だけが苦しいと悩む気持ちや10代によくあるムシャクシャした気持ちは共感できた。

アメリカの女子高生だからか、主人公のネイディーンとは色々と境遇が違いすぎて共感は難しかったが、ティーンはこうやって悩んで、側からみれば痛い行動をして成長していくのかな、とほっこりした気持ちで見ていた。皆悩みがあるのは普通で自分だけが苦しいわけじゃないんだよと、悩めるティーンには見てもらいたい。

ちなみに客観的に見ても、アーウィンは親がお金持ちに関係なく、イケメンだし、身長も高いし、体型も筋肉が程良くて綺麗だし、爽やかだし、何がイケてないのか理解不能だった。アジア人だから、なのだとしたら結構差別的だと思う。(女性 20代)


空回っているネイディーンの姿を痛々しく思いながらも、分かる!分かる!と言いたくなるほど共感できる部分がたくさんあった。17歳って周囲と比べてばかりいて、落ち込むことが多かったような気がする。物語のラストで、ネイディーンがきちんと自分の言動を反省して、周囲と打ち解け合ったところが描かれていたのが良かった。
ウディ・ハレルソンが演じたブルーナーが、物語の中でも良い味を出していた。取り乱してもどっしり構えて話を聞いてくれる、良い先生だと思う。学生時代、こういう先生に出会いたかった。(女性 30代)


私はネイディーンのようなこじらせ女子とは正反対のタイプだったので、考え方や行動が驚くものばかりでした。将来への不安や恋など悩みはつきませんが、大人になってしまえばそんな悩みすら可愛く思えてしまうんですよね。
ティーンならではのモヤモヤや、理由のないイライラなど共感できる部分もあり、最後まで飽きずに見られました。ずっとネイディーンを見ているうちに、彼女が愛らしく思えてきて、うるうるしてしまうシーンもあるかもしれません。(女性 30代)

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