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映画『裸のランチ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『裸のランチ』の概要:奇才ウィリアム・バロウズの代表作を、デヴィッド・クローネンバーグが鮮明なイマジネーションをもとに完全映像化。謎のドラッグに溺れる元作家のリーは、次第に現実と幻覚の区別がつかなくなり、自覚のないまま怪作を執筆する。

映画『裸のランチ』の作品情報

裸のランチ

製作年:1991年
上映時間:117分
ジャンル:ミステリー
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
キャスト:ピーター・ウェラー、ジュディ・デイヴィス、イアン・ホルム、ジュリアン・サンズ etc

映画『裸のランチ』の登場人物(キャスト)

ビル・リー(ピーター・ウェラー)
元作家の害虫駆除員。以前は重度の薬物中毒者で、一度は足を洗ったものの、妻が害虫駆除薬をドラッグとして使用し始めたことから自身も再び薬物に溺れ始める。謎のドラッグ『ブラック・ミート』に手を出したばかりに、妻を誤って殺してしまい、身を隠すために訪れた異国の地インターゾーンで諜報活動に関わることになる。
ジョーン・フロスト(ジュディ・デイヴィス)
リーの妻。重度の薬物中毒者で、リーが仕事に使う駆除薬を摂取している。ドラッグで酩酊したリーに射殺されるが、同姓同名で瓜二つの作家として、インターゾーンで再びリーの前に姿を現わす。
トム・フロスト(イアン・ホルム)
再び現れたジョーンの現在の夫。両性愛者の作家で、タイプライター『マルティネリ』を愛用している。近づいてきたリーの才能に興味をもち、ジョーンとの逢瀬を黙認する。
ベンウェイ医師(ロイ・シャイダー)
駆除薬中毒対策として、リーに『ブラック・ミート』を与える医師。インターゾーンの麻薬ビジネスに関与している様子。
ファデラ(モニーク・メルキューレ)
インターゾーンでジョーンが雇っている家政婦。ジョーンでも恋人でもあり、本職は呪術師。ベンウェイと親しいらしく、ブラック・ミートについての情報を握っている。
ハンク(ロバート・A・シルヴァーマン)
リーがインターゾーンで出会う実業家。ブラック・ミートを違法に精製し、密輸しようとしている。
イヴ・クローケ(ジュリアン・サンズ)
インターゾーンに滞在している富裕な青年。同性愛者で、リーにベンウェイに関する情報を提供する変わりに、リーの知人キキとの肉体関係を要求する。
キキ(ジョセフ・スコーシアーニ)
インターゾーンで暮らす男娼。リーの才能に惚れ込んで協力する。
ハンス(ニコラス・キャンベル)
リーの作家仲間。リーの才能を認めている。中毒にならない程度に薬物を常用している。
マーティン(マイケル・ゼニガー)
リーの作家仲間。ハンスと共に、常軌を逸れ出したリーの言動を心配する。

映画『裸のランチ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『裸のランチ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『裸のランチ』のあらすじ【起】

1953年のニューヨーク。元麻薬中毒者のリーは、現在は作家になるという長年の夢を捨てて、害虫駆除員として働いている。リーは未だに薬物に溺れる妻ジョーンと暮らし、作家仲間のハンクやマルティンと管を巻く鬱々とした日々を送っている。

リーは、仕事用に支給されている害虫駆除薬の減りが異常に早いことに気付く。ジョーンは、リーの駆除薬を盗み出し、ドラッグとして体に注射している。

ある日、リーは、駆除薬と称して麻薬を売っているという疑いで、警察に連行される。駆除薬がドラッグではあることを確かめるため、警官達は、用意していた巨大な一匹のゴキブリに駆除薬をまぶし、リーと共に取調室に閉じ込める。

人間の言葉を話すゴキブリは、自分はリーの上司だと名乗る。駆除薬にまみれて興奮したゴキブリは、悪徳組織インターゾーンのスパイであるジョーンを殺せ、とリーに命じる。リーは靴でゴキブリを叩き潰し、部屋の扉を破って脱出する。

駆除剤の副作用で、ジョーンは吐息でゴキブリを殺せるようになっている。帰宅したリーは、駆除薬を口に含みながらジョーンと睦み合う。リーは再び薬物中毒に陥る。

駆除薬を断つため、リーは同僚に勧められた医師ベンウェイを訪ねる。ベンウェイは、ムカデから精製したという黒い粉末『ブラック・ミート』をリーに与える。

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映画『裸のランチ』のあらすじ【承】

リーは、ブラック・ミートを自身とジョーンに打つ。高揚したリーは、頭に乗せたものを銃で撃つ遊び『ウィリアム・テル』ごっこで、誤ってジョーンの頭を撃ち抜いてしまう。

家を飛び出しバーに落ち着いたリーは、マグワンプという魚のような怪物に出会う。マグワンプは警察署で見たゴキブリと同じ声をしており、リーがジョーンを殺したことを知っている。マグワンプは、インターゾーンに身を隠してスパイ活動をするよう、リーに強要する。

リーは質屋へ行き、ジョーンを撃った銃と残りの銃弾に8ドルを足して、タイプライター『クラーク・ノヴァ』と交換する。

リーは、中近東の街のようなインターゾーンに到着する。マグワンプの指令通り、リーはインターゾーンの情報をタイプして報告書を作成するが、リーが意識しないまま、報告書は小説のような形態をとる。

リーは、ブラック・ミートをビジネスにしようとしている男ハンスに出会う。ハンスはリーにブラック・ミートの精製工場を見せ、ブラック・ミートの粉末を口にするよう勧める。

朦朧としながら自室に戻ったリーの前で、タイプライターは巨大ゴキブリの姿に変わる。ゴキブリはリーに語りかけ、自分の体を使って言う通りにタイプするよう要求する。

ある日、リーは、自分の妻と瓜二つで同姓同名の女ジョーンとその夫トムに出会う。リーは、男娼キキを介してあるパーティーに参加し、ジョーンやトムに接近する。

ブラック・ミートにより時折意識を失うようになったリーは、路上で倒れていたところをクローケに声をかけられる。クローケはリーに性的な興味を持つ。

映画『裸のランチ』のあらすじ【転】

ハンスがブラック・ミート密造の件で逮捕される。

ある日、トムはリーに自分のタイプライター『マルティネリ』を使ってみるよう勧めて貸し与える。リーの前で、ゴキブリ姿のクラーク・ノヴァは、同じく虫の形態になったマルティネリを、インターゾーンからのスパイだと言って食い殺す。クラーク・ノヴァは、調査を進めるためにジョーンを誘惑するようリーに命じる。

ジョーンの自宅を訪ねたリーは、ジョーンにブラック・ミートの粉末を舐めさせ、トムのタイプライターで卑猥な文章を打たせる。高揚した二人は関係を持ち、タイプライターは人体のような虫に姿を変える。家政婦ファデラによって二人は引き離され、虫は窓から外へ落とされる。

地面に落ちて壊れているタイプライターを発見したトムは、ジョーンとの情事を終えたリーに、マルティネリを返すよう要求する。リーとジョーンは、マルティネリを取りにリーの部屋へ向かう。

二人は、通りで呪術師の装いで呪いをしているファデラを発見する。ファデラと恋人関係にあるジョーンは、リーに別れを告げてファデラのもとへ向かう。

部屋へ戻ったリーは、ブラック・ミートを摂取し、小説のような報告書を作成する。痺れを切らしたトムが部屋へ押しかけ、壊れたマルティネリの代わりにゴキブリ状態のクラーク・ノヴァを捕獲して持ち去る。

前後不覚になったリーは、マルティネリの残骸を入れた袋を手に街を彷徨う。浜辺で意識を失っているリーのもとへ、ハンクとマルティンがやってくる。二人は、出版社に催促され、早く小説『裸のランチ』を書き上げるようリーを急かしにきたと言う。リーの残りの原稿を受け取り、ハンク達は帰っていく。

キキの案内で、リーは修理工場にマルティネリの残骸を持ち込み、マグワンプの頭の形となった新しいタイプライターを受け取る。リーが報告書を打っていると、タイプライターは話し始め、クローケを誘惑してベンウェイを探れ、とリーに命じる。

リーは、キキの仲介でクローケに近づく。クローケは、ベンウェイとファデラが親しいことを打ち明け、代わりにキキとの肉体関係を要求する。

映画『裸のランチ』の結末・ラスト(ネタバレ)

リーはトムの家へ行き、新しくなったマルティネリとクラーク・ノヴァを交換する。リーは、トムに拷問されて瀕死のクラーク・ノヴァから、ジョーンはファデラと共にハンスの旧工場にいることを知る。

旧工場では、大勢のブラック・ミート中毒者達が、マグワンプに似た怪物の頭から滲み出る液体を吸っている。工場に侵入したリーは、ファデラに奴隷のように扱われているジョーンと再会する。

ジョーンに導かれ、リーはファデラに対面する。ファデラは、実は変装したベンウェイであった。ベンウェイは、極東の国アネクシアでブラック・ミートのビジネスを展開するため、インターゾーンでブラック・ミートを精製して人体実験を行っており、リーは被験者の一人として選ばれた。

ベンウェイは、リーを雇ってアネクシアに派遣したいと考えている。リーは、ジョーンを連れていくことを条件に、ベンウェイへの協力を承諾する。

アネクシアの入り口で、リーは検閲官に車を止められる。職業は作家だと答えたリーは、作家であることを証明しろと検閲官に要求される。リーは、同乗していたジョーンにウィリアム・テルごっこをさせ、頭を撃ち抜く。リーは、アネクシアへの入国を許可される。

映画『裸のランチ』の感想・評価・レビュー

本作は、ウィリアム・S・バロウズの長編小説を映画化したもの。
主人公ウィリアム・リーは害虫駆除という正業の傍ら、長年の夢であった執筆活動に勤しんでいた。
一方で彼の妻は、深刻な麻薬中毒者で酷く怠惰な生活を送っていたため、リーも苦しくなり薬に手を出し自身も幻覚に襲われ、妻を殺してしまうというストーリー。
タイプライターが突然ゴキブリに変化して話しかけてくるというクローネンバーグ特有のグロテスクな描写が見どころだ。
観てる側も、そこで起こっていることが現実なのか幻想なのか混乱してしまうという面白さがあった。(女性 20代)

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