映画『美しい絵の崩壊』の概要:幼い頃からの親友ロズとリルは、それぞれお互いの息子達と関係を持ってしまう。閉鎖的な愛は長く続かず、四人の関係は次第に破綻していく。オーストラリアの美しい海辺の街を舞台に、禁断の愛の行方を描く。
映画『美しい絵の崩壊』の作品情報
上映時間:111分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:アンヌ・フォンテーヌ
キャスト:ナオミ・ワッツ、ロビン・ライト、ゼイヴィア・サミュエル、ジェームズ・フレッシュヴィル etc
映画『美しい絵の崩壊』の登場人物(キャスト)
- ロズ(ロビン・ライト)
- オーストラリア東部の海辺の街に住んでいる女性。トムの母親。妙齢に差し掛かった現在でも美しさを保っている。リルとは、幼い頃から姉妹以上の親友。画廊に勤めている。
- リル(ナオミ・ワッツ)
- ロズの親友。イアンの母親。ロズの近所に住んでる。ロズに劣らず美しい女性。イアンが幼い頃、夫と死別した。街の広告代理店に勤めている。
- イアン(ゼイヴィア・サミュエル)
- リルの息子。ロズの息子のトムとは、幼い頃からの親友。幼少時に父親と死別した。どこか物憂げなところのある青年。母親同然のロズに長らく想いを寄せている。趣味は、トムとサーフィンに出かけること。
- トム(ジェームズ・フレッシュヴィル)
- ロズの息子。イアンとは同じ歳で親友。演出家志望。陽気で落ち着いた青年。リルに密かな恋心を抱いている。イアンとサーフィンをすることが好き。
- ハロルド(ベン・メンデルスゾーン)
- ロズの夫。多忙な舞台監督で、仕事でよく家を空けている。ロズを深く愛しているが、ロズが何かにつけてリルを優先することに少なからず嫉妬している。
- ソール(ゲイリー・スウィート)
- リルの同僚の男性。離婚歴がある。リルに片想いしており、しつこく言い寄る。
- メアリー(ジェシカ・トヴェイ)
- シドニーでトムと出会う若手女優。才能があり、抜群の歌唱力を持っている。
- ハンナ(ソフィー・ロウ)
- イアンの同級生。イアン達と同じ街に暮らしている。素朴で純粋な少女。
映画『美しい絵の崩壊』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『美しい絵の崩壊』のあらすじ【起】
オーストラリアの東部の美しい海辺の街。ロズとリルは、幼い頃から姉妹以上の大親友である。大人になって結婚し、それぞれ一人息子を生んだ後も、二人は故郷に住んで毎日のように会っている。結婚から数年後、リルの夫は交通事故で命を落とす。ロズはリルにずっと付き添い、立ち直る手助けをする。
時が経ち、ロズの息子トムと、リルの息子イアンは、それぞれ立派な青年に成長する。ロズとリルは、息子達を誇りに思っている。イアンとトムも親友同士で、4人はいつも一緒に楽しく過ごしている。ロズの家にはイアンの部屋があり、イアンはよく寝泊まりしている。
ロズの夫ハロルドのシドニーへの転勤が決まり、ハロルドは、ロズとトムもシドニーへ一緒に来るよう要求する。街から離れることに抵抗があるロズは、ハロルドの誘いに戸惑う。
リルの同僚ソールは、リルに片想いしている。ソールは、自分の誕生日パーティーにリルを誘うが、ソールを疎ましく思っているリルは、嘘を吐いて断る。
ロズがシドニーへ引っ越すことを躊躇っていることに気付いたハロルドは、ロズが夫よりもリルを優先していると嫉妬し、ロズとリルがレズビアンなのではないかと疑っている。ロズとリルは、男性の短絡的思考を笑う。
ハロルドがシドニーでの2週間の出張に発った後、ロズは海へ泳ぎに行き、先に来ていたイアンと会う。ロズはイアンから煙草をもらい、20年ぶりに喫煙する。イアンはロズに熱い視線を送り、ロズはイアンを強く意識し始める。
映画『美しい絵の崩壊』のあらすじ【承】
ある夜、ロズ達は、ロズの家で4人で夕食をとる。リルは一人で帰宅し、イアンは酒を飲みすぎたトムを介抱するといってロズの家に泊まる。トムを寝かしつけた後、イアンはロズに長年の恋心を告白し、二人は一線を越える。
夜半過ぎ、目を覚ましたトムは、ロズがイアンの部屋から出てくるところを目撃し、ロズとイアンが関係を持ったことを察知する。トムは夜の海に出かけ、一晩を過ごす。
翌朝、トムはリルの家へ行き、シドニーに引っ越したくはないことを打ち明ける。リルに想いを寄せていたトムは、おもむろにリルにキスをする。トムは、取り乱すリルに、ロズとイアンが関係を持ったことを教える。リルは、始めは抵抗を見せるが、トムの熱意にほだされ、二人は体を重ねる。
翌日、帰宅したトムは、ロズとイアンの関係を知って自分もリルと同じことをした、とロズに告白する。ロズとリルは相談し、異常な交際はこれきりにしようと約束する。リルはイアンに、ロズとの恋愛関係を止めるよう忠告するが、イアンはロズへの愛を諦めないと言い切る。
数日後、ロズは自宅にやってきたイアンを拒もうとするが、二人は再び愛し合う。一方、リルもトムと離れることができずに逢瀬を重ねている。ロズとリルは、それぞれの息子達と恋人になってから生活が充実していることを確かめ合い、このまま関係を続けていくことに同意する。
出張から帰ってきたハロルドは、トムの様子が変わったことに気づき、彼女ができたことを言い当てる。ハロルドは、シドニーでの新生活の準備を順調に進めているが、ロズは、トム共々、街から離れる意志がないことをはっきりとハロルドに伝える。ハロルドはロズに別れを告げ、単身シドニーへ越す。
ある日、ソールはリルの自宅を訪ね、リルに告白する。ロズがリルを代弁してソールの申し出を断ると、ソールはロズとリルがレズビアンだと勘違いして去っていく。ロズとイアン、リルとトムは、4人だけで満ち足りた日々を過ごす。
映画『美しい絵の崩壊』のあらすじ【転】
2年後、21歳になったイアンはリルと同じ職場で働き、トムは地元の劇場で演出監督の助手をしている。ロズと離婚したハロルドは、自身がプロデュースする劇の演出助監督にトムを指名し、一ヶ月間、シドニーで働くようトムを招待する。
劇のオーディションで、トムは若い女優メアリーと出会い、二人は恋に落ちる。リルは、一ヶ月会わない間に、トムが都会で新たな恋を始めたのではないかと不安になっている。
ハロルドのミュージカルは成功し、トムは故郷に戻る。トムは真っ先にリルに会いに行き、二人は再会を喜ぶ。
トムは、次回作のために再びシドニーに戻ろうと考えている。ある日、トムのもとにメアリーから電話がかかってくる。その様子を目にしたリルは、トムに新しい恋人ができたことに気付く。
トムの誕生日に、ハロルドはメアリーを連れて街にやってくる。バースデーパーティーで、リルはメアリーと楽しそうに踊るトムの姿を目撃する。トムは、メアリーをリルとイアンに紹介する。傷ついたリルは、一人で帰宅する。トムは、メアリーの宿泊先のホテルで一夜を過ごす。
翌朝、リルはロズに、トムの心変わりについて相談する。ロズは、リルの悲しみを分かち合うため、自身もイアンとの関係を終わらせようと決意する。
映画『美しい絵の崩壊』の結末・ラスト(ネタバレ)
ロズとリルは、イアンとトムを交えて話し合う。ロズとリルは、4人の現在の状態を終わらせて、普通の親子と親友の関係に戻るべきだと話す。リルとトムは別れる覚悟をするが、ロズへの想いを断ち切れないイアンは、ロズの決定に失望する。
やがて、トムとメアリーは結婚する。トムの結婚式で、イアンはロズに見せつけるために同級生のハナに接近する。イアンは気落ちしているオロズに話しかけ、ロズが破滅を招いたとなじる。
式の後、イアンはロズの家の扉を叩いて、中に入れてくれるようロズに懇願するが、ロズはイアンを拒む。
翌朝、やけになったイアンは荒れた海でサーフィンをし、足を骨折して病院に運び込まれる。ロズとリルは病院にイアンを見舞いに行くが、イアンはロズに会おうとしない。ハナがイアンを何度も見舞い、やがて二人は恋人関係になる。
イアンは、久しぶりに街へ戻ってきたトムに会い、ハナを愛しておらず、ロズへの恋心をごまかすためにハナと付き合っていると打ち明ける。やがてハナは妊娠し、イアンは不本意のままハナと結婚する。
数年後、イアンとトムには、それぞれ一人娘がいる。未だ美しいロズとリルは、良き祖母として息子夫婦や孫に接しているが、イアンは今でもロズを想っている。
ある夏の休暇中、イアン親子とトム親子は故郷の街に滞在する。昼間は皆で浜辺で過ごし、夜、リルは一人で先に帰宅する。トムは散歩に出るふりをしてリルを追い、二人はリルの家で短い逢瀬を楽しむ。
リルとトムが隠れて関係を続けていたことに気付いたイアンは、メアリーやハナの前で、リル達の行為の責任をロズになすりつける。ロズとイアンの関係も露見し、夫達の秘密を知ったメアリーとハナは、怒り狂って娘達を連れて去る。ロズは、リルの家から戻ってきたトムに、メアリー達に全てが知られたことを告げる。
翌日、リルは、トムとの関係を続けていたことをロズに弁解する。ロズは、イアンがロズを責めていることをリルに打ち明け、自己嫌悪に陥る。ロズは一人で海岸を散歩し、その後をリルが追う。
4人は、それぞれお互いに離れられないことを認め合い、禁断の関係を続けていく。
映画『美しい絵の崩壊』の感想・評価・レビュー
幼い頃から親友同士の母親が、お互いの子どもと恋に落ちる物語。
現実ではあってはならない設定だが、お互いに公認なので禁断の恋というよりも純愛ラブストーリーという感じだった。
息を飲むほどのオーストラリアの美しい海辺と街並み、何一つ欠点のない美男美女という最高の条件がそろっているからこそ成り立った作品だと思う。
思いの外、ドロドロしていなくてスッキリとした印象なのが本作の不思議な魅力である。
最後まで自分に正直に生きる4人の生き様が羨ましく見えた。(女性 20代)
一番の見どころは風景の素晴らしさ、真っ青な海は本当に美しいです。あんな所に住んでみたいです。特に、海の上の床(?)に4人で寝ころんでいるシーンはとても印象的です。美しい母親たちと息子たち、シンプルでありながらとても複雑な関係です。でも、愛する4人だけの世界で暮らしていけるという事は究極の幸せかもしれませんね。開放的でいて、しっとりした雰囲気の美しく、大人な作品でした。母親役のナオミ・ワッツとロビン・ライトの鍛え上げられた体が素晴らしく、ビキニ姿がとてもカッコ良かったです。(女性 30代)
親友同士の女2人がそれぞれお互いの息子と関係を持ち…というなんとも衝撃的なあらすじをちょこっと読み、正直「気持ち悪い」と思いながらも惹かれてしまい鑑賞しました。
まず、こういう年の差の禁断の恋愛が成り立つのは「映画」だから。美しく、年齢を感じさせない女優と、美しく若々しい青年。そういう2人だから成り立つんです。鑑賞前に感じていた気持ち悪さは一切無く、むしろ美しかったです。
「映画」だから成り立つということを念頭に置いて、間違っても身近な存在と比べたりしないで見て欲しいです。(女性 30代)
幼なじみの青年二人が、それぞれの母親と関係を持ちます。現実的に考えて、すぐに物語が崩壊するのではないかと思いました。しかし、2年後もそれぞれ関係が続いていて、相当ビックリしました。青年二人は若い女性と結婚しますが、まだズルズルと関係が継続しており、驚きのあまり言葉を失います。あり得ないと思いながらも一瞬間も早送りできない程、先の展開が気になる映画でした。シドニーのビーチが絶景で、その日差しの強さや海水の透明感に開放的な心持ちになりました。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
誤字失礼しました。該当の部分、訂正しました。
(誤)リルとイアンが隠れて関係を続けていた
(正)リルとトムが隠れて関係を続けていた
「リルとイアンが隠れて関係を続けていたことに気付いたイアンは、メアリーやハナの前で‥」
イアン2人でてくるの?