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映画『世界の果ての通学路』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『世界の果ての通学路』の概要:世界の果てには、日本とは全く異なる環境で毎日学校に通う子供たちがいた。その道のりはあまりに遠く、あまりに危険なものだった。そこまでして彼らが学校に通う理由とは何か。その実態に迫るドキュメンタリー作品。

映画『世界の果ての通学路』の作品情報

世界の果ての通学路

製作年:2012年
上映時間:77分
ジャンル:ドキュメンタリー
監督:パスカル・プリッソン

映画『世界の果ての通学路』の登場人物(キャスト)

ジャクソン
ケニアのライピキアという場所に暮らす少年・妹を連れて、約15kmの距離を通って学校へと向かっている。通学路にいる野生動物達に襲われる危険と常に隣り合わせの状態で通っている。
カルロス
アルゼンチンのパタゴニアで、妹と共に学校へと向かっている。約18kmの距離を、愛馬のキベルトと共に乗り越えている。将来は獣医になるのが夢。
ザヒラ
モロッコにあるアトラス山脈で、22kmの距離を辿り学校へと通う少女。普段は学校にある寮に入っている。将来は医者になることが夢。
サミュエル
生まれたときに負った障害のため、車いす生活を余儀なくされている少年。兄弟と共に、1時間以上かけて様々なアクシデントを乗り越えながら学校に向かう。

映画『世界の果ての通学路』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『世界の果ての通学路』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『世界の果ての通学路』のあらすじ【起】

技術の発達に伴い、世界の中でも上位に食い込むほどの安全が確保されている日本。そんな日本から遠く離れた国々では、日本とは全く異なる環境が広がっていた。その影響は、まだ幼い子供達にも及ぶ。

ケニアのライピキアという場所には、サムブル族のジャクソンという少年が暮らしていた。11歳のジャクソンは、6歳の妹であるサロメを連れ、日々学校に通っていた。しかし、家から学校までの距離は凡そ15km。しかも、二人は徒歩で学校へと通うのである。当然通学には時間がかかり、彼らは毎日2時間もかけて学校へと向かうのだった。

そして、その道のりは容易なものではなかった。通学路にはサバンナ地帯が広がり、ジャクソンは毎日象やシマウマなどの野生動物に襲われる危険と戦いながら、日々学校に通っているのである。そんな厳しい生活の中でも、ジャクソンはサロメを守りながら、日々力強く生きていく。ジャクソンには、とある夢があった。それは、パイロットとなり、あらゆる世界を目にすることだった。

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映画『世界の果ての通学路』のあらすじ【承】

一方、アルゼンチン、パタゴニアにある牧場では、カルロスという11歳の少年が暮らしていた。彼も学校に通う年頃であるものの、学校の距離は家からなんと片道18kmもある。そんな道のりを、カルロスは6歳の妹、ミカイラと共に1時間半もかけて通っていた。

彼らは愛馬のキベルトの背中に乗り、険しい道のりを超えていく。勿論、彼らの利用する通学路が舗装されているわけもなく、彼らはデコボコだらけの足の悪い道を、ひたすら進み続けるのだった。しかし、キベルトとカルロス達の間には確かな絆があり、カルロスとミカイラは、共に助け合いながら毎日希望を持って学校に通っていた。

しかし、必ず安全に学校に辿り着くとは限らない。彼らは、通学路の途中にある小さな祠に毎日祈りを捧げ、自分たちが無事に学校へ辿り着けるように祈るのだった。そんなカルロスにも将来の夢があった。キベルトとの間に深い信頼を築いているカルロスは、いつか獣医となり、この地に住まう全てのものの役に立ちたいと願うのだった。

映画『世界の果ての通学路』のあらすじ【転】

一方、モロッコにあるアトラス山脈には、今回の映画に出演した子供達の中で最長の距離を辿って学校に通う子供がいた。彼女の名前は、イムリル谷という場所に暮らす12歳のザヒラという女の子だった。イムリル谷は学校からなんと22kmも離れており、流石に毎日その道のりを行き来することはできない。

そこで、ザヒラは毎週月曜日、まだ太陽も登っていない早い時間帯に目覚めると、友人らと共に約4時間をかけて学校を目指すのだ。そして、学校に着いた彼女は寮に入り、1週間を学校で過ごすのだった。そして、金曜日になると、彼女は同じ道を辿り、自宅へと帰るのだった。

そんな彼女の夢は、医師になり多くの人を救うことだった。実は、ザヒラの家には今まで学校に通っていた者はおらず、誰も字を読むことができなかった。そんな中、ザヒラはこの一家で初めての、学校に通う子供だったのである。家族はそんなザヒラの夢を心から支援し、彼女の安全と成功を願うのだった。

映画『世界の果ての通学路』の結末・ラスト(ネタバレ)

インドのベルガン湾の近くにある、クルサマンカドゥという漁村で生を受けたサミュエルも、毎日学校に通っていた。彼の家から学校への距離は凡そ4kmであったが、その道のりを行くために、彼らは1時間以上もかけていた。

この地域は、日本と比較して産婦人科の質も高水準とはいえない。そんな中、未熟児として誕生したサミュエルは、生まれながらにして足に障害を負ってしまっていたのだ。車椅子での生活を余儀なくされたサミュエル。そんなサミュエルが学校に通うため、サミュエルの二人の弟たちが、なんと毎日彼の車椅子を押しているのだった。

勿論、日本の街とは違い、彼らの通学路はコンクリート舗装されているわけでも、バリアフリー化がされているわけでもない。彼らには日々様々なアクシデントが起きるものの、それでも彼らは兄弟力を合わせ、日々学校に通っているのだ。障害者の苦しみを理解できるサミュエルは、将来医師となり、自分のように障害に苦しむ人々の力になりたいと願っていた。

映画『世界の果ての通学路』の感想・評価・レビュー

本作は、遠く危険な通学路を経て命懸けで学校へ通う子どもたちを描いたフランスのドキュメンタリー作品。
片道15㎞を歩く子や、通学中に象と遭遇する子、草原を馬に乗って通学する兄妹、でこぼこ道を友達の乗った車椅子を押しながら通学する子、そもそもお金がなくて学校にいけない子。
日本とは余りにも違いすぎる環境で、子どもたちがそこまでして学ぶ意味や学ぶことへの意欲や情熱に心打たれた。
ちょっとしたことで弱音など吐いていられない。
子どもには是非見て欲しい。(女性 20代)


幼い頃、学校までの30分の距離でも長いと感じていたのに、数十キロ離れた場所まで通う子供達がいると知って衝撃を受けた。しかも、数十キロ離れた場所まで歩く道のりはとても過酷で、大人でも耐えられるか分からない。人生を切り開こうと頑張る子供達に、切なさが込み上げて胸がいっぱいになった。頭が下がる思いだった。自分がいかに安全で守られた場所で生活していたのかがよく分かる。ジャクソン達のことを知れて良かったと思うし、忘れてはいけないと思った。(女性 30代)


『世界まる見え』で取り上げられそうな世界の様々な通学路を舞台にしたドキュメンタリー作品。日本はなんて恵まれた国なのだろうと感じるのと同時に、日本人の勉学に対する意識の低さが恥ずかしくなりました。
この作品に登場する子供たちは、険しくて危険な通学路を何時間もかけて歩き、学校に行きます。そこまで大変な思いをしてでも「学びたい」のです。冒頭のナレーションで「学校に通える喜びを噛みしめて欲しい」とありましたが、その一言にこの作品の全てが詰まっていました。(女性 30代)

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