映画『ハッピー・ゴー・ラッキー』の概要:小学校の教師をしているポピーは、笑顔の絶えない明るい女性だった。人から冷めた目で見られても自転車を盗まれても、落ち込まなかった。ポピーは自転車が無くなって移動手段に困ったため、自動車免許の取得を目指すことにした。
映画『ハッピー・ゴー・ラッキー』の作品情報
上映時間:118分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:マイク・リー
キャスト:サリー・ホーキンス、エディ・マーサン、エリオット・コーワン、シルヴェストラ・ル・トゥーゼル etc
映画『ハッピー・ゴー・ラッキー』の登場人物(キャスト)
- ポーリン・“ポピー”・クロス(サリー・ホーキンス)
- 30歳。小学校の教師。天真爛漫。習い事にも積極的に挑戦する、パワフルな女性。人から冷たい視線を向けられても、嫌そうな顔をされてもへこたれない。
- スコット(エディ・マーサン)
- 自動車教習所の教官。政治や社会に不満を抱いており、常に苛々している。自分の指示に従わないポピーに腹を立てながらも、次第に明るい彼女に惹かれていく。
- ゾーイ(アレクシス・ゼガーマン)
- ポピーの親友であり、同僚。ポピーと同居している。ポピーの良き理解者であり、相談相手。子供達のことを何よりも大切にしている。
- ティム(サミュエル・ルーキン)
- ソーシャルワーカー。明るい性格で、ポピーと意気投合する。
映画『ハッピー・ゴー・ラッキー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ハッピー・ゴー・ラッキー』のあらすじ【起】
ポピーは本屋を訪れた。気軽に店員に話し掛けるが、無視されてしまう。それでもポピーはめげずに店員に話しかけ続けた。ポピーは店員に不愉快そうな顔をされても、店先に置いていた自転車が盗まれても、明るく笑っていた。
小学校の教師をしているポピーは、子供達に“鳥”について教えた。そしてその後、一緒に鳥の被り物を作った。ポピーは生徒達と一緒になって、はしゃいで楽しんでいた。一方、ポピーの親友であり同僚のゾーイは、同じように鳥の被り物を作っていたが、自由な生徒達の対応に手を焼いていた。
ポピーは自動車免許を取ることにした。教官のスコットは堅物で、ニコリともしない人だった。ポピーは気にせず明るく話し続けた。そして、毎週土曜日に教習を受ける約束を取り交わした。スコットは土曜日の半日だけ仕事をして、残りの時間を読書の時間に当てていた。ポピーは何の本を読んでいるのか尋ねるが、スコットは硬い表情で“本”としか言わなかった。
ポピーはブーツを履いていたため、運転には向かないとスコットから注意を受ける。だが、ポピーは気にした様子もなく、ブーツでダンスも踊れると言い返した。スコットは苛々した様子で、運転の仕方を教えた。その後、ポピーはスコットのことを、笑わせてくれる面白い人だとゾーイに話した。スコットが怒っていたのも緊張していたからだと思っているぐらいだった。だが、ゾーイは長年の経験から、スコットが苛々して怒ったことに気づく。
映画『ハッピー・ゴー・ラッキー』のあらすじ【承】
ポピーは働いた後、トランポリンをして体を鍛えていたのだが、腰を痛めてしまう。ゾーイに付き添われながら整体師の元に向かった。普通の人なら痛みで気分も塞ぎがちになるのだが、ポピーは明るいままだった。痛みを伴う整体も、笑顔で乗り切った。
ポピーは予定を変更してもらいスコットの教習を受けるが、スコットは苛々した様子だった。今朝教えた子が、遅刻した上に料金を払わず、スコットのことを罵って帰ったことに腹を立てているのだ。スコットはその子の悪口を言い続けた。ポピーは笑顔でその話を聞き、生きていくのは大変だと笑った。
ポピーは以前から興味があったフラメンコを習うため、同僚が通っている教室に一緒に行ってみることにした。先生のロシータ・サントスは、明るく朗らかに話す陽気な女性だった。しかし、ポピーが先生の話の邪魔をして、頭についていたサングラスを椅子に置きに行ったため、睨まれてしまう。教室内も微妙な空気が漂った。ポピーは全く気にせず、フラメンコの授業を楽しんだ。フラメンコは何世紀も制圧されてきたジプシーが生みだした踊りのため、ロシータは“情熱”や“激しい憎しみ”を籠めるよう生徒達に教えた。しかし、生徒達に教えている内に、ロシータは自分が恋人に裏切られたことを思い出してしまい、泣きながら教室を出て行ってしまう。生徒達は呆然としながら、その姿を見送った。
映画『ハッピー・ゴー・ラッキー』のあらすじ【転】
ポピーは自動車教習を受けるが、スコットから注意力散漫だと注意を受ける。ポピーは道路を歩いていた老人や上半身裸の男、動物などにすぐ気を取られてしまうのだ。スコットは注意を聞いてくれないポピーが、小学校の教師であることに納得ができなかった。そこから学校の話になり、スコットは現在の教育制度の不満について話し始めた。自分で考えることを許さない、現在の教育の在り方に苛立ちを抱えていた。ポピーは苛められていたのか尋ねるが、スコットは口を閉ざし何も答えなかった。
1人の生徒(ニック)が突然同級生を苛めたり、暴力を振るい始めた。放課後、ポピーはニックを教室に残し、何に怒っているのか尋ねた。ニックは口を閉ざし、何も話そうとはしなかった。だが、ポピーはめげずに優しく問いかけ続けた。その夜、ポピーは何とも言えない気持ちで、暴力を振るう生徒がいることをゾーイに相談した。
ポピーはソーシャルワーカーのティムと共にニックの面談を行った。ニックはなかなか話そうとはしなかったが、ティムは優しくニックに問いかけ続けた。それにより、ニックが母親の恋人に対して不満を抱いていることが分かる。ニックは沈んだ表情で、母親の恋人が自分を殴ることを話した。
映画『ハッピー・ゴー・ラッキー』の結末・ラスト(ネタバレ)
ポピーはスコットと家族の話をしているとき、1人暮らしなのか質問される。ポピーはルームメイトと暮らしており、その彼女のことを愛していると話した。すると、スコットの表情が突然強張った。ポピーはどうしたのか尋ねるが、スコットは何も話そうとはしなかった。
ポピーは妹のスージーとゾーイと共に、妹のヘレン夫妻の新居を訪ねた。ヘレンは真面目な性格のため、子供を産むために人生設計をするべきだとポピーに苦言を呈した。幸せになって欲しいと言われるが、ポピーは今のままで十分幸せだった。2人が会話していると、主婦は気楽だと思っているのだろうと、ヘレンが自分を卑下し始めた。2人の会話を聞いていたスージーは、ヘレンの態度に苛立ち、人を支配しようとするのは止めろと注意した。ヘレンは皆から責められていると思い、ヒステリックに叫んで部屋を出て行ってしまう。
スコットはポピーの家を見てずっと佇んでいた。ポピーはそれに気づきスコットに声を掛けるが、逃げられてしまう。ポピーは自分のことが探られているようで、気味が悪くなった。
ポピーはティムとデートに出かけ、ティムの部屋で体を求め合った。次の日、教習に遅れそうだったため、ティムに送ってもらい自宅に帰った。ポピーはスコットにティムを紹介するが、スコットはティムの握手を拒み運転席に乗り込んだ。スコットは酷く荒い運転で車を走らせた。助手席にいたポピーは、ただ怯えていることしかできなかった。
ポピーはスコットと席を替わるが、車を走らせようとはしなかった。今のスコットに教わるのは危険だと判断したのだ。ポピーは車のキーを抜き運転できないようにするが、怒ったスコットはポピーの髪の毛を掴み取り返そうとした。ポピーは外に逃げ出し、落ち着いてくれと頼んだ。すると、スコットはポピーに対しての不満を叫んだ。自分の指示に従わないポピーに腹を立てており、何より男性と付き合っていることに傷ついていた。スコットはポピーのことが好きだったのだ。落ち着いたスコットは次の教習の日時について提案するが、ポピーはもうスコットに教わることはできなかった。ポピーはスコットに車の鍵を返した。スコットはティムが恋人なのか質問するが、ポピーには何も答えられなかった。だが、スコットはそれだけで全てを理解し、涙を浮かべて走り去った。ポピーは階段に座り込み、1人落ち込んだ。
ポピーはゾーイとボートに乗っていた。2人は自分達の幸せを噛みしめ、笑い合っていた。
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