12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『最後の忠臣蔵』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『最後の忠臣蔵』の概要:誰もが授業で学ぶ、赤穂浪士事件。数多くの武士の命を奪ったその事件であるが、実は2人の生き残りがいた。使命によって生かされてきた彼らがその使命を果たした時、待ち受けている運命とは。

映画『最後の忠臣蔵』の作品情報

最後の忠臣蔵

製作年:2010年
上映時間:133分
ジャンル:ヒューマンドラマ、時代劇
監督:杉田成道
キャスト:役所広司、佐藤浩市、桜庭ななみ、山本耕史 etc

映画『最後の忠臣蔵』の登場人物(キャスト)

寺坂吉右衛門(佐藤浩市)
赤穂事件の生き残りの一人。討ち入り自体には参加していたが、大石内蔵助からの命を受け切腹を免れ、遺族を探す旅をしていた。
瀬尾孫左衛門(役所広司)
赤穂事件の生き残りの一人。寺坂吉右衛門とは違い、討ち入り自体にも参加しなかった。実は、とある人物より密命を受けていた。
大石内蔵助(片岡仁左衛門)
赤穂事件の際、寺坂吉右衛門や瀬尾孫左衛門にとある密命を下した人物。彼らにとっては恩人のような存在。
可音(桜庭ななみ)
瀬尾孫左衛門に育てられた少女。美しく、茶屋修一郎の目に留まる。しかし、実はその出生にはとある秘密があった。
茶屋修一郎(山本耕史)
有名な豪商、茶屋四郎次郎の息子。美しい可音に見惚れ、結婚を申し込む。
ゆう(安田成美)
瀬尾孫左衛門と共に可音を育ててきた気品ある女性。瀬尾孫左衛門に密かに恋心を寄せていた。

映画『最後の忠臣蔵』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『最後の忠臣蔵』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『最後の忠臣蔵』のあらすじ【起】

元禄15年、日本の歴史に名を残す事件が起こる。吉良義央とその家臣が、突如として乗り込んできた47人の武士によって殺害された、赤穂事件である。そんな事件を引き起こした武士達、通称赤穂浪士達は切腹を命じられ全滅したと思われていたが、実は密かに生き残りがいた。

その一人が、当時伝令として動いていた寺坂吉右衛門である。なぜ寺坂吉右衛門が生き残ったのか、それは大石内蔵助からの命によるものだった。大石内蔵助は、寺坂吉右衛門に自分が見聞きした赤穂事件の真実を後世に伝え、そして、亡くなった浪士達の遺族を援助せよ、という命を下したのであった。

そして、切腹をせずに生き延びることとなった寺坂吉右衛門は、長きにわたり遺族を援助する旅に出ることになる。しかし、遺族達はバラバラに散っており、彼らを探し出すことは容易ではなかった。そして、もう一人、寺坂吉右衛門以外に赤穂事件の生き残りがいた。瀬尾孫左衛門という名の武士である。

映画『最後の忠臣蔵』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『最後の忠臣蔵』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『最後の忠臣蔵』のあらすじ【承】

切腹は免れたものの討ち入り自体には参加していた寺坂吉右衛門とは違い、瀬尾孫左衛門はそもそも討ち入りの前日に。仲間には何も告げずに突如として姿を消していた。周りはそんな瀬尾孫左衛門のことを、恐怖で逃げ出した臆病者、と考えていた。しかし、実は瀬尾孫左衛門も、寺坂吉右衛門と同様にとある命を受けていたのだ。

一方、長きにわたり遺族を探し求める旅を続けていた寺坂吉右衛門は、とうとう最後の一人を見つけ出した。こうして、16年に渡った彼の任務は無事に果たされたのである。そして、赤穂浪士達の17回忌が執り行われる頃、寺坂吉右衛門は法事のために京を訪れていた。そこで、なんと寺坂吉右衛門は親友であった瀬尾孫左衛門の姿を見かけるのであった。

実は、あの事件以降瀬尾孫左衛門は、武士という身分を捨て、古美術商としてひっそりと暮らしてきた。そんな彼には美しい妻であるゆう、そして、そんな母の美貌と気品を受け継いだ娘、可音がいた。

映画『最後の忠臣蔵』のあらすじ【転】

そして、そんな可音の美貌は、とある人物の目に留まる。知らぬ者はいないほどの豪商、茶屋四郎次郎の子供である修一郎である。可音を妻として迎え入れたいというその申し出に、これ以上の玉の輿はない、とゆうは大喜び。しかし、一方の瀬尾孫左衛門の表情は冴えない。実は、可音にはとある秘密があったのだ。

可音は本当は瀬尾孫左衛門の子供ではなく、大石内蔵助が京に身を隠していた時に愛人との間にできた子供だったのである。つまり、大石内蔵助に自らの子供を託された瀬尾孫左衛門は、誰にも知られることなく、仲間からも罵倒されながら16年間にわたり彼女を育ててきたのである。

一方、瀬尾孫左衛門に密かな恋心を抱いていた可音も、その縁談に対して渋い反応を見せる。しかし、瀬尾孫左衛門は可音のことを守るべき、自らの使命そのものと考えている。叶うはずのない自分の気持ちを悟った可音は、とうとう修一郎との縁談を受けるのだった。そして、とうとう可音が嫁ぐ日がやってきた。

映画『最後の忠臣蔵』の結末・ラスト(ネタバレ)

可音は最後に瀬尾孫左衛門に着物を送り、自らの気持ちに蹴りをつけた。可音を見届けた瀬尾孫左衛門は、ゆうと二人で酒を酌み交わしていた。ゆうは、「16年待った」と瀬尾孫左衛門に長く秘めていた思いを打ち明ける。しかし、瀬尾孫左衛門がその想いを受け取ることはないのだった。

その後、瀬尾孫左衛門は一人、家にある仏間へと入った。そこには大石内蔵助の位牌が飾られており、それを見ながら瀬尾孫左衛門は「遅ればせながらお供いたします」と呟いた。16年に渡る使命を果たした瀬尾孫左衛門は、死んでいった仲間の元へ向かうため切腹をしようとしていたのだ。

そこに、瀬尾孫左衛門が姿を消したことに気づいた寺坂吉右衛門が駆け込んでくる。しかし、既に瀬尾孫左衛門は腹に刀を突き刺した後だった。そして、瀬尾孫左衛門は寺坂吉右衛門から介錯を受けることなく、自らの首を掻き切り武士としてはこれ以上ないほどの最期を遂げたのだった。そんな瀬尾孫左衛門の姿を見た寺坂吉右衛門は涙を流しながら、親友の遺体に深々と頭を下げるのだった。

映画『最後の忠臣蔵』の感想・評価・レビュー

「最後の忠臣蔵」そういう意味の最後かと絶句した。
この時代の武士たちの忠義心は烈々たるものがある。

少人数から続々と大行列になっていく輿入れの様子に胸が熱くなった。
役所広司の苦悩の表情や声の出し方がとても染みた。
娘として育て上げ嫁へ嫁がせた後、切腹してしまうシーンの迫力はさすがだった。(女性 40代)


池宮彰一郎の同名小説を映画化。役所広司と佐藤浩市主演で赤穂浪士の吉良邸討ち入りのその後を描く。

歴史的大事件でありこれまで様々なメディアで題材として取り上げられてきた赤穂事件だが事件のその後と事件の裏側を描いた斬新な作品。
同じ志を持ちながら与えられた役割を懸命に果たす吉右衛門と孫左衛門の姿に胸を打たれると共に名誉に囚われず自らの意志を強く貫いた人間ドラマでもある。(男性 20代)


ドラマとして十分に面白いのだろうが取り立てて良いとはススメにくい映画。結局のところありそうなメロドラマの域をでておらず、この古臭い美意識には正直言って辟易する。時代劇で伝統的な美意識を描くこと自体は必要だが、価値観が80年代から一歩もすすんでおらず残念に思う。もちろん対象顧客では私がないせいもあるだろう。しかし、30代のオッサンが観て古臭いものを今更作る行為に進取の気風は見られない。映画とはそんなもんじゃないだろう。(男性 30代)


時代もの映画が好きで結構観に行くのですが、忠臣蔵を観てると日本人は忠誠心というのが昔から備わっているんだなと思い知らされます。お家のため、亡き殿のためにため戦う家臣達は尊敬する部分もあります。

家臣達の中には、お家存亡のためにと反発する者もいるけれど殿のためにここまで一致団結出来るのは凄いことです。(女性 30代)


仲間から非難されてもなお、大石内蔵助の命を守るために尽力を尽くした瀬尾孫左衛門の生き様が本当に凄いなと感じた。最後の最後まで、彼は武士だったのだろう。役所広司さんの演技が素晴らしく、まっすぐな心と腹に決めた覚悟が表情に滲み出ていた。
嫁ぐことを決めた可音の表情は子供から一人の女性へと変わり、白無垢を着た姿は切なくも美しいなと思った。凛とした立ち姿が素敵で、芯の通った心の強い女性だなと感じた。(女性 30代)


時代劇や歴史物があまり得意ではなく、忠臣蔵や赤穂浪士と聞いても知識が無くよく知らないため、興味を持てずにいました。
今作はそんな私にもとても見やすいストーリーで自分の役割や授けられた命令を最後の最後まで全うする男の姿は、私がイメージする日本の武士そのものでした。
周りに反対され、バカにされながらも仕えた人、恩を受けた人に人生をかけて尽くす男らしさやプライドに、とにかく感動しました。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー