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映画『誘拐報道』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『誘拐報道』の概要:実際に起こった宝塚市学童誘拐事件を基に製作された作品。犯人と被害者家族、そして加害者家族の切迫した状況に加えて、警察や報道関係者の対応もリアルに描かれており、ヒューマンドラマとしても見応えがある。萩原健一の鬼気迫る演技は一見の価値あり。

映画『誘拐報道』の作品情報

誘拐報道

製作年:1982年
上映時間:134分
ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
監督:伊藤俊也
キャスト:萩原健一、小柳ルミ子、岡本富士太、秋吉久美子 etc

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映画『誘拐報道』の登場人物(キャスト)

古屋数男(萩原健一)
経営していた喫茶店を借金のために奪われ、金に困って娘の同級生を誘拐する。娘の同級生名簿で被害者の父親が医師であることを知り、3千万円の身代金を要求する。警察に知らせたら子供は殺すと両親を脅迫していたが、子供を殺害できるほどの悪人ではない。
古屋芳江(小柳ルミ子)
古屋の妻。夫が働かないので、小さな造花工場で働きながら娘の香織を育てている。住まいは工場のすぐ隣の借家。夫に腹を立てつつも、女として古屋を愛している。
古屋香織(高橋かおり)
小学1年生になる古屋の娘。家が逼迫した状況であるにも関わらず、古屋の希望で学費の高い私立小学校に通っている。被害者の英之とは友達になったばかりだった。
三田村昇(岡本富士夫)
被害者の父親。西宮に診療所を持つ小児科医。息子の命を助けるため、あちこちに頭を下げて身代金の3千万円を用意する。
三田村緋沙子(秋吉久美子)
三田村の妻。古屋からの脅迫電話に対応し、息子の無事を確認しようと何度も食い下がる。
三田村英之(和田求由)
被害者の小学1年生の男児。腕白だが、人懐こくて可愛らしい少年で、古屋も英之に情が移っていく。誘拐されたのは、香織と別れた直後だった。

映画『誘拐報道』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『誘拐報道』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『誘拐報道』のあらすじ【起】

1980年1月。兵庫県宝塚市で小学1年生の三田村英之が豊中市にある私立小学校からの下校途中に誘拐される。英之の父親・三田村昇は宝塚市在住の小児科医で、西宮に診療所を持っていた。午後5時過ぎ、三田村家に犯人から3千万円の身代金を要求する脅迫電話があり、三田村の妻の緋沙子が応対する。犯人は警察に知らせたら子供は殺すと脅迫してきたが、三田村夫婦はすぐに所轄の宝塚署へ通報する。

午後8時15分、兵庫県警は集まった報道関係者に誘拐事件の概要を説明し、子供の命がかかっているので取材活動と報道を差し控えるよう要請する。子供の命がかかっていると言われたら断るわけにもいかず、読売新聞社をはじめとする報道各社は警察と正式に報道協定を結び、事件が解決するまで報道を自粛することを約束する。

この事件の捜査本部は所轄の宝塚署に置かれ、剣持県警捜査第一課長が陣頭指揮をとる。三田村家には犯人から2回目の電話があり、緋沙子が宝塚新大橋の先にある工事現場まで来るよう命じられる。指定された場所に到着した緋沙子は、パワーシャベルで掘られた穴の中に英之のランドセルと靴があるのを発見して泣き叫ぶ。犯人は両親が警察に通報したことに気づき、「警察に知らせたらどうなるかわかったやろ、今度こそ本当に殺すぞ」と電話をかけてくる。

録音された脅迫電話を何度も聞き直した剣持課長は、犯人に明らかな関西訛りがあることに気づく。剣持課長は、犯人が宝塚から半径40キロほどの範囲を車で移動していると考え、周辺道路での検問を徹底させる。

映画『誘拐報道』のあらすじ【承】

その頃、犯人の古屋数男は、愛車で故郷の丹後方面へ移動していた。丹後は雪が積もっており、古屋はタイヤにチェーンを装着していた。午前5時頃、古屋は海沿いの公衆電話から、今日は土曜日なので銀行が開いている午前中に金を用意しておくよう緋沙子に伝える。緋沙子は子供の声だけでも聞かせて欲しいと懇願するが、古屋は電話を切ってしまう。

読売新聞神戸支局の記者たちは、被害者宅や宝塚署から近い宝塚直配所を取材基地にして、警察や犯人に気づかれないよう慎重に取材を続ける。今はまだ何も報道できないが、協定解除に備えて万全の準備を整えておく必要があった。

崖の上から日本海を眺めていた古屋は、布団袋に包んでトランクに入れていた英之を、海に投げ込んで殺害しようとする。しかし、ちょうど崖下に海女さんがいたため、英之殺害を諦める。

そこから雪道を移動中、古屋は高校時代の友人に遭遇する。友人はトラックがスリップして立ち往生していたため、古屋の車で家まで送ってもらう。思いがけず生まれ故郷の町に帰ってきた古屋は、母親が1人で暮らしている実家に顔を出す。母親は突然帰ってきた息子を歓迎し、朝ごはんを用意してくれる。

一方、造花工場で働いている古屋の妻の芳江のところには、古屋が振り出した200万円の手形を持った借金取りが現れる。古屋は借金のカタに経営していた喫茶店を奪われており、それで借金は管財したはずだった。芳江は定職につかない夫の代わりに必死で働き、1人娘の香織を養っている。そんな状況にも関わらず、古屋は見栄を張って香織を英之と同じ私立小学校に通わせていた。

夫の実家に電話をかけた芳江は、偶然そこにいた古屋に手形のことを聞く。古屋は何かの間違いだと言い張っていたが、芳江はそれが嘘であることを突き止める。

映画『誘拐報道』のあらすじ【転】

古屋は実家の近所の公衆電話から、金は用意できたのかと5回目の脅迫電話をかける。三田村はあちこちに頭を下げ、必死の想いで3千万円の金をかき集めていた。

その後、人気のない海岸に車を停め、トランクを開けようとした古屋は、地元の女性にいたずらされ、車の鍵を奪われる。古屋はトランクの鍵を開けたまま、その女性と浮気していて、英之に逃げられる。英之を捕まえることはできたが、古屋はその時に財布を落としてしまう。

その後、英之が「おしっこ」と言うので、古屋は英之の立ち小便を手伝ってやる。アンパンを買い与えると、英之は「僕、ジャムパンが1番好きやけど、アンパンも好きや」と言いながら、うまそうにパンを食べる。古屋は、そんな英之に情が移っていく。

古屋は6回目の脅迫電話をかけ、6時に清荒神1丁目の「アミーゴ」まで紙袋に入れた金を持ってくるよう緋沙子に伝える。アミーゴは小さな喫茶店で、外から店内の様子が確認できる造りになっていた。紙袋を抱えた三田村夫婦の隣の席には、カップルを装った刑事が座っていた。古屋はそのカップルが刑事であることに気づく

アミーゴでの取引を諦めた古屋は、一旦、芳江と香織のいる家に帰る。芳江は嘘をつかれていたことに腹を立て、古屋を責め立てる。古屋は、近々まとまった金が入るのだと言い訳するが、芳江は泣き喚いていた。その時、古屋は香織と英之が友達だったことを知り、愕然とする。

家を出た古屋はアミーゴに電話をかけ、刑事が張っているから行けないのだと三田村夫婦を責める。しかし、もう一度だけチャンスが欲しいと泣きつかれ、伊丹空港に移動するよう指示を出す。

空港近くの空き地でトランクの中を見ると、英之はおもらしをしてしまったと言って泣いていた。古屋は英之がかわいそうになり、目隠しを取ってやる。英之は夜空を見て、星がきれいだと喜んでいた。古屋は英之の好きなジャムパンを買ってやるが、もともと風邪気味だった英之は寒さと疲労で高熱を出しており、急速に弱っていく。

映画『誘拐報道』の結末・ラスト(ネタバレ)

古屋は伊丹空港の取引場所に現れず、チケットロビーに電話をかけてくる。古屋は、アミーゴにいたカップルを空港でも目撃し、やはり刑事が来ているではないかと三田村夫婦を責める。緋沙子は動転し、その場で気を失ってしまう。

三田村夫婦は茫然自失の状態で自宅に戻り、なすすべもなく泣き崩れる。そこへ、古屋から電話がかかってくる。古屋も高熱を出して苦しむ英之を持て余し、精神的に追い詰められていた。古屋が子供を返したがっていると知った三田村は、最後の取引には必ず夫婦だけで行くと約束する。取引場所は、国道沿いのカーショップの前だった。

三田村は自宅に詰めていた警部に「ついてこないで下さい」と懇願する。警部は反対するが、三田村は英之さえ無事なら金なんてどうでもいいと思っており、絶対についてこないで欲しいと念を押して、夫婦だけで出かけていく。警部は三田村夫婦の気持ちを尊重し、剣持課長に手出しをしないよう頼む。しかし、犯人検挙を最優先に考える剣持課長は納得せず、金の受け渡し場所に刑事を送り込む。

古屋は車の中にいる三田村夫婦を確認し、金を受け取りに行こうとするが、物陰に数名の刑事らしき人物が隠れているのを見てしまう。古屋は金の受け取りを諦め、車でその場を去る。待ちぼうけを食らった三田村は、自分たちを見張っていた刑事たちに怒りを爆発させる。

ガソリン代もなくなってしまった古屋は、川沿いの道に車を停めて呆然としている所をパトカーに発見され、職務質問を受ける。古屋の様子がおかしいことに気づいた警官は、すぐにトランクの中を確認し、英之を発見する。英之は衰弱していたが、まだ生きていた。

英之発見の知らせを受け、三田村夫婦は歓喜する。犯人が緊急逮捕され、子供の無事も確認されたとの一報が入り、報道陣は一気に動き始める。警察は午前8時30分に報道協定を解除したが、読売新聞社ではその前にヘリと車で逮捕現場へ急行し、パトカーで護送される古屋の顔写真を撮影していた。

テレビのニュースで、古屋が誘拐事件を起こして逮捕されたことを知った芳江は、香織と自宅に身を隠す。自宅周辺には大勢のマスコミが詰め掛け、取材に応じろと騒いでいた。

翌日。芳江はまだ暗いうちに香織と家を出て、丹後の義母の所へ向かう。香織は暗闇の中で自分たちにカメラを向けてきた読売新聞の若手記者に対し、「うち、お父ちゃん好きや!」と叫ぶ。若手記者は香織の気持ちを考え、2人の写真は上司に提出しないでおく。

協定解除前に古屋の写真を撮影した読売新聞社は、兵庫県警の記者クラブから除名される。しかし、読売新聞社ではスクープ写真を撮影した若手記者の働きを評価し、上司は彼に労いの言葉をかけるのだった。

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