映画『人狼村 史上最悪の田舎』の概要:西暦1901年。スペインのアルガ村のマリーニョ侯爵夫人は、旅芸人の1人と無理矢理契りを交わし子供を身籠った。侯爵夫人は子供の素性を隠すため、旅芸人の一団を皆殺しにした。怒った旅芸人の妻は、侯爵夫人の子供に呪いをかけた。
映画『人狼村 史上最悪の田舎』の作品情報
上映時間:99分
ジャンル:アクション、ホラー
監督:フアン・マルティネス・モレノ
キャスト:カルロス・アレセス、マベル・リベラ etc
映画『人狼村 史上最悪の田舎』の登場人物(キャスト)
- トマス・マリーニョ(ゴルカ・オトクソア)
- 売れない作家。100年以上前にアルガ村の領主だった、マリーニョ家の末裔。
- カリスト(カルロス・アレセス)
- トマスの親友。トマスが町を出てから、15年間疎遠になっていた。悪戯好き。村の外で生まれた子供のため、第2の呪いにかからず人狼に変身しない。
- マリオ(セカン・デ・ラ・ロサ)
- トマスの担当編集者。いい加減な性格で、トマスに給料を払わず揉めている。
- エヴァリスト(マヌエル・マンクイナ)
- トマスの叔父。アルガ村の村長でもあり司祭でもある。人狼の呪いを解くため、トマスを村に呼び寄せる。
映画『人狼村 史上最悪の田舎』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『人狼村 史上最悪の田舎』のあらすじ【起】
西暦1901年、スペインのアルガ村のマリーニョ侯爵夫人は、独裁的に地域を支配する人物だった。政略結婚の後、土地を守る跡継ぎを望むが、夫との間に子供は恵まれなかった。痺れを切らしたマリーニョ侯爵夫人は、男なら誰とでも寝るようになった。気の弱い夫は文句を言うことはできなかった。ある晩、アルガの村に旅芸人の一団が来て、芸を披露した。マリーニョ侯爵夫人はナイフ投げの男に惚れ、色目を使って誘惑した。しかし、男が靡かなかったため、マリーニョ侯爵夫人は家来を使って男を拉致した。そして、男を鎖で縛りつけ、無理矢理ベッドを共にした。その後、マリーニョ侯爵夫人は妊娠したが、父親が誰であるか世間に知られるのを恐れ、旅芸人を皆殺しにした。我が子を失ったナイフ投げの男の妻は、死に際呪いをかけた。9か月後、マリーニョ侯爵夫人は男児を出産した。その子供が10歳の誕生日を迎えたとき、呪いが効き始め子供は狼に変身した。
トマス・マリーニョは村から招待を受け、久しぶりに故郷のアルガ村へと戻った。祖母のローサは村人達がわざわざ招待するなんておかしいと訝しむが、トマスは作家だから尊敬されているのだと気にした様子もなかった。トマスはついでに村に何日か泊まり、新作を執筆することを決めていた。
トマスは久しぶりの実家の中を、愛犬のヴィト共に回った。その時、屋根裏部屋で、幼馴染のカリストから聞いた怖い話を思い出す。タンスに住んでいる魔女の話で、扉を開けた子供の肺を食べてしまうのだ。ヴィトがタンスを向いて吠え出した。トマスは誰もいないと思っていたが、突然タンスのドアが開いて中から人が飛び出してきた。トマスは驚くが、出てきた人はカリストだった。安堵が怒りに変わり、脅かすなとカリストを叱った。
トマスは村で叔父のエヴァリストと再会を果たす。エヴァリストは村長であり、司祭でもあった。トマスはエヴァリストに誘われ、バーでお酒を飲んだ。次の日、二日酔いだったが、カリストに起こされる。トマスは森の中を散歩しながら、いつエヴァリストが司祭になったのかカリストに尋ねた。エヴァリストが司祭になったのは、前司祭が村を去ってからだった。その時、トマスは森の地下道を見て、幽霊がいると噂されていたことを思い出す。そこに本当にあるのは、無政府主義者の武器庫だった。さらに、トマスは祖父が納屋に100歳を超える化物が住んでいると話していたことも思い出す。トマスはその納屋に行こうとするが、カリストに止められる。カリストは厳しい表情で、この村では信じられないことが起こり得るのだと忠告した。
映画『人狼村 史上最悪の田舎』のあらすじ【承】
トマスの家に担当編集者のマリオが訪ねてきた。賃金の未払い問題で2人は揉めており、裁判沙汰にまで発展していた。だが、マリオは裁判所の召喚から逃げてきていた。2人が口論していると、エヴァリストが村人共に家にきた。トマスが戸惑っていると、彼らに襲われマリオと共に拉致されてしまう。
エヴァリストは村の呪いを解くため、トマスを生贄にしようとしていた。トマスは訳が分からないまま、マリオと共に納屋の中にあった穴の中に落とされてしまう。カリストは納屋から出てくる村人達をこっそり確認した後、ヴィト共にトマスを探した。
トマス達が落ちた穴の中は地下空間が広がっていた。奥に進んでいくと、布に包まれた遺体を発見する。トマスがその布をはぎ取ろうとすると、遺体が急に動き出した。トマス達は急いで逃げ出した。その遺体は二本足で歩く狼だった。トマス達が恐慌状態に陥っていると、カリストとヴィトが現れ助け出される。トマス達はそのまま逃げ出した。
トマスはカリストに説明を求めた。カリストは100年前、村の所有者でありマリーニョ侯爵夫人が旅芸人を皆殺しにした話をした。殺された男の妻は、「侯爵夫人の息子が10歳のとき、人食い狼になる」という呪いをかけた。呪いを解く方法はただ1つ、100年後にマリーニョ家の血を引く男を食わすことだった。そうすれば息子は人間の姿に戻るが、その機会を逃せば村に更なる悲劇が起こるという話だった。そのマリーニョ侯爵夫人とは、トマスの祖母の叔母だった。トマスとマリオは馬鹿馬鹿しいと笑うが、目の前で人狼を見たため嘘とも言い切れなかった。人狼に変身した侯爵夫人の息子は、60年間の間に100人以上の村民を食べていた。40年前、何とか納屋に監禁したのだ。村民達は呪いの邪魔をすれば罰が当たると思い、人狼を殺せずにいた。人狼が100年もの間生きていたのは、村人達が巡礼者を食料として与えていたからだった。
映画『人狼村 史上最悪の田舎』のあらすじ【転】
人狼によって村民が4人殺されてしまう。エヴァリストは村民を連れ、トマスを探すためにカリストの家を訪ねた。トマスとマリオは隠れていたため、何とか見つからずにやり過ごすことができた。エヴァリストはトマスの車を壊し、道路を塞いで逃げられないようにしていた。
呪いの解除を失敗したため、人狼を殺すしか方法がなかった。エヴァリストは銃でマリオを脅し、人狼を閉じ込めていた地下空間の中の捜索に向かわせた。マリオはそこで裸の幼い子供(ディエゴ)を見つける。トマスはディエゴのことをエヴァリスト達には明かさなかった。一方、トマスは携帯の電波が通じるところを探し、ローサに助けを求めていた。話が通じたか分からない内に、電話は切れてしまう。
マリオはディエゴを連れて帰った。地下にいたことから、人狼であることは明らかだった。トマスは連れて帰ってきたマリオを怒るが、幼い子供の姿の人狼を殺すことはできなかった。しかし、夜になればディエゴは人狼に変わってしまう。そこで、マリオは体の一部を子供に食べさすことをトマスに提案した。トマスは抵抗するが、カリストとマリオに二人掛りで取り押さえられ、指を切り落とされてしまう。しかし、調理中にヴィトが食べてしまったため、トマスはもう1本指を切り落とすことになった。カリスト達はディエゴに指を食べさせた。
映画『人狼村 史上最悪の田舎』の結末・ラスト(ネタバレ)
トマス達は村から逃げようとするが、エヴァリスト達に見つかってしまう。カリストはエヴァリスト達に、人狼にトマスの指を食べさせたことを話した。呪いが解けたかどうか確認するまで、そのまま待つことになった。月が昇ってもディエゴは人狼に変わらなかった。しかし、エヴァリストは目撃者を始末するため、トマス達を殺そうと銃を構えた。その時、エヴァリスト達村民が苦しみ出し、人狼になった。指を食べさせるのが遅かったため、第2の呪いに掛かってしまったのだ。トマス達が恐怖に怯えていると、ローサが車に乗って現れ助け出される。
トマス達の乗った車は、人狼に襲われ動かなくなってしまう。何とかトマスの自宅に駆け込み、戸締りをして人狼の侵入を防いだ。その頃、ローサから通報を受けた警官がアルガ村を訪れていた。だが、亡くなった人狼に気を取られている隙に、生きている人狼達に囲まれてしまう。若い警官が撃ち損じてしまい、パトカーの無線を壊してしまう。しかも、逃げようとして人狼に襲われてしまう。年配の警官はそれを見て、自ら頭を撃ち抜いた。
トマス達の屋敷に人狼達が侵入してきた。トマス達が逃げ惑っていると、年配の警官が現れ助けられる。トマス達は教会の中に逃げ込んだ。年配の警官は人狼達を欺くため、頭皮だけを撃ち抜いていた。トマス達は教会内に侵入してきた人狼達と戦うが、ローサが襲われてしまう。トマスはカリスト達を地下から先に逃がすと、教会内にあった古いダイナマイトを使って人狼達を倒すことにした。トマスはダイナマイトに火を点けると、地下に逃げ込んだ。
マリオ達は外へと脱出するが、トマスの姿が見えなかった。トマスが死んだと思ったその時、地下から物音が聞こえた。マリオは腕を穴の中に入れてトマスを引っ張り上げようとした。だが、現れたのは人狼で、マリオは腕を食いちぎられてしまう。マリオ達が恐怖に慄いたその時、トマスが現れ人狼を倒した。全ての人狼を倒し終えた後、ディエゴが突然倒れた。ディエゴは少年から老人の姿に変身すると、静かに息を引き取った。
トマス達はローサを埋葬した。カリストは自分とマリオは人狼に噛まれてしまったため、変身するかもしれないと危惧していた。だが、トマスはそんなのは迷信だと笑い飛ばした。だが、確信は持てなかった。トマスは満月の夜にカリスト達を縛って様子をみることにした。カリスト達は変身しなかったが、トマスが変身してしまう。カリスト達は恐怖し、叫び声を上げた。
映画『人狼村 史上最悪の田舎』の感想・評価・レビュー
人狼も不気味だったが、呪いを解くためにトマスを生贄にしようと画策する村人達が怖かった。しかも、人狼の呪いが始まった理由も、マリーニョ侯爵夫人の身勝手な行いのせいである。そういうところに、人間が持つ残虐性を垣間見た気がする。幽霊を見たときの恐怖というよりかは、ゾクッと気持ち悪さを感じるようなホラー映画だった。
マリオやカリストはユニークなキャラクターで、クスッと笑える部分もあるのが良かった。(女性 20代)
狼男ってこんなに怖かったっけ?と人間味の強い「人狼」がめちゃくちゃ不気味でした。呪われた村にある人狼伝説ってだけで惹かれて鑑賞しましたが、怖くもないし、ハラハラもしない、ファンタジー的なストーリーで設定もかなり雑なので笑ってしまいました。
村人全員が人狼になるのには驚きましたが、噛まれると人狼になっちゃう設定だったっけ…?と見ているこちらが心配になってしまうようなあやふやな展開なので、期待しすぎずに見て欲しいなと思います。(女性 30代)
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