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映画『ラ・チャナ』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

家族との時間を楽しむラ・チャナは、ごく普通の老婦人に見えた。だが、ひとたびステップを踏めば、フラメンコダンサーとしての姿が顔を出した。彼女は71歳と高齢でありながら、「フラメンコの女王」として活躍していた。

映画『ラ・チャナ』の作品情報

ラ・チャナ

タイトル
ラ・チャナ
原題
La Chana
製作年
2016年
日本公開日
2018年7月21日(土)
上映時間
83分
ジャンル
ヒューマンドラマ
ドキュメンタリー
監督
ルツィヤ・ストイェビッチ
脚本
不明
製作
ルツィヤ・ストイェビッチ
デオドア・タワーズ
製作総指揮
不明
キャスト
ラ・チャナ
アントニオ・カナーレス
カリメ・アマジャ
製作国
スペイン・アイスランド・アメリカ合作
配給
アップリンク

映画『ラ・チャナ』の作品概要

71歳と高齢でありながら、現役で活躍しているフラメンコダンサーがいた。彼女の名は「ラ・チャナ」。「フラメンコの女王」と呼ばれる彼女のステップは革新的で、観客達は皆彼女の虜になった。今作品はそんなラ・チャナの波乱に満ちた人生にスポットを当てている。なぜ彼女は絶望から這い上がれたのだろうか?なぜフラメンコへの情熱を捨てなかったのだろうか?ルツィヤ・ストイェビッチ監督の元、ラ・チャナの素顔が紐解かれていく。

映画『ラ・チャナ』の予告動画

映画『ラ・チャナ』の登場人物(キャスト)

アントニア・サンティアゴ・アマドール
「ラ・チャナ」という名は、フラメンコ・ギタリストだった叔父の名を継いだものである。「フラメンコの女王」という異名を持つ、天才的なフラメンコダンサー。71歳の現在も、現役である。
カリメ・アマヤ
天才舞踏家であるカルメン・アマヤの孫娘。ラ・チャナのダンスに憧れを抱いている。

映画『ラ・チャナ』のあらすじ(ネタバレなし)

ラ・チャナは家族と食事に出かけたり、おしゃべりを楽しんだり、ごく普通の老婦人だった。だが、ひとたびステップを踏めば、伝説のフラメンコダンサーへと姿を変える。ラ・チャナが踏むステップは革新的で、観客達は皆彼女の虜になった。彼女は「フラメンコの女王」と呼ばれていた。

天才舞踏家のカルメン・アマヤの孫娘であるカリメ・アマヤは、ラ・チャナの踊りに憧れてステップを真似るようになった。ラ・チャナの昔のステップを真似ても、古臭さを感じることはなかった。

ラ・チャナは71歳の今も、椅子に座りながらステップを踏み、フラメンコに情熱を注ぎ続けた。だが、そんな彼女の人生は、とても悲劇的なものだった。元夫に無理矢理引退させられたり、家庭内暴力に苦しんだり、差別を経験したりした。彼女はいかにして、絶望から這い上がってきたのだろうか?

映画『ラ・チャナ』の感想・評価

71歳にして、現役のフラメンコダンサー

若い頃にフラメンコダンサーとして名声を得るというのは、体力もあり素早く動く体もあるため、特別驚くようなことではないかもしれない。だが、彼女は71歳の今も現役でフラメンコダンサーとして活躍し、皆から「フラメンコの女王」と呼ばれるほど素晴らしいステップを踏むのだ。言葉だけ聞いていると、過去の栄光なのではと思うかもしれない。だが、実際に映像で見ると、えっ!と驚くほど足が素早く動いている。足元を見ただけなら、若い頃と区別がつかないほどである。しかも、それを椅子に座って行うのである。「フラメンコの女王」と呼ばれるのにふさわしい技術を持っている。ラ・チャナが舞台上でステップを踏む姿は、年齢を感じさせないほどの迫力とカッコよさがある。

ドキュメンタリー作品

素の笑顔や苦悩している様子、必死にステップを踏んでいる表情など、ノンフィクション作品のため、嘘くさいと違和感を感じる要素が一つもないところが一番のポイントだと思う。この作品では、フラメンコダンサーとして名を馳せているラ・チャナの、ごく普通の日常生活が垣間見える。家族と食事をしたりおしゃべりをしている様子は、はっきり言って近所のおばあちゃんといった雰囲気である。だが、フラメンコダンサーとしてステップを踏み始めると、一気にピリッとした空気が辺りに漂う。そんな、プロのダンサーとしてカッコいいラ・チャナと、愛嬌のあるおばあちゃんのようなラ・チャナ。色んな表情を持っているラ・チャナに、映画を見た人は一気に引き込まれると思う。

フラメンコ

フラメンコはスペイン南部のアンダルシア地方に伝わる舞踊である。ひとくちにフラメンコと言っても、リズムや曲調などの違いなどがあり、流す曲によって受け取る印象がガラリと変わる。例えば、「孤独」を由来に作られた「ソレア 」は、荘厳な雰囲気が感じられる。曲の種類や用語についても軽く調べてから映画を見ると、より楽しく感じられるはずである。

若い頃から71歳の現在まで、ラ・チャナのダンスシーンが見られる。若い頃の必死な表情のラ・チャナもとてもカッコいいのだが、現在の落ち着いた雰囲気のラ・チャナもとても素敵だと思う。若い頃よりも楽しそうにも感じるし、威厳も感じられる。ラ・チャナの人生にもスポットを当てているが、やはりダンスシーンは必見だと思う。

映画『ラ・チャナ』の公開前に見ておきたい映画

映画『ラ・チャナ』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『ラ・チャナ』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

FAKE

ドキュメンタリー映像作品。2014年、ゴーストライター騒動で連日のニュースを賑わわせた、佐村河内守の事件後の姿を取り上げた作品。ゴーストライター騒動とは、佐村河内守の代わりに作曲を行っていたと、音楽家の新垣隆が週刊誌に訴えたことが発端になっている。しかも、佐村河内が聴覚障害を持っているというのも嘘で、普通に会話を行えていたと証言している。

監督の森達也は真摯に佐村河内守と向き合い、事件について質問していった。森は佐村河内が抱える悲しみの気持ちを撮ろうとしていた。外国人ジャーンリストが、佐村河内に何故嘘を吐いたのかとズバリ問う場面もある。佐村河内は何を語り、何を感じるのであろうか?果たして、真実とは何なのだろうか?あなたはこの映画を見て、誰を信じ何を感じるのだろうか?

詳細 FAKE

マイケル・ジャクソン THIS IS IT

音楽×ドキュメンタリー映像作品。亡くなった現在も世界中の人々から人気を集めている、マイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」のコンサートにスポットを当てて作られている。マイケルが亡くなる前日まで行っていたリハーサル映像が使用されており、舞台に懸ける情熱や熱意が垣間見える。

マイケル・ジャクソンはコンサートリハーサルを行いながら、観客にどう見えるか、舞台の上をどんな風に動いて行くのか、1つずつ確認していった。演出・制作を担当したケニーや振付師のトラヴィス・ペインなど、コンサートに携わったスタッフ達のマイケルに対してのコメントも収録されている。マイケルは「THIS IS IT」のコンサートを成功させるため、また自分自身がエンターテイナーの世界にカムバックするため、熱い思いで挑んでいた。

詳細 マイケル・ジャクソン THIS IS IT

ブラック・スワン

サスペンス映画。『ブラック・スワン』(10)はバレエを題材にしているため、フラメンコとはまた一味違う、繊細で美しいダンスを楽しむことができる。世界中の映画祭で112部門ノミネートし、48部門受賞した人気作。主役のニナを演じたナタリー・ポートマンは、今作品でアカデミー賞主演女優賞を受賞した。

少女は娘が白鳥に姿を変えられる夢を見た。呪いを解く方法は愛だけなのだが、王子は黒鳥に恋をしてしまう。白鳥は絶望し、命を絶った。一流バレエ団に所属しているニナ・セイヤーズは、白鳥の女王役に抜擢される。美しくも臆病である白鳥を見事に表現するが、「悪の分身」である黒鳥を上手く表現することができなかった。そんな中、演出家のトマが、新人のリリーが踊った黒鳥の姿を気に入る。ニナは自分の役が取られそうになり、焦燥感を募らせていく。

詳細 ブラック・スワン

映画『ラ・チャナ』の評判・口コミ・レビュー

映画『ラ・チャナ』のまとめ

家族との時間を楽しむごく普通の老婦人に見えるのに、フラメンコを踊る瞬間に表情も空気もピリッと変える姿に度肝を抜かれた。71歳の高齢でありながらも、椅子に座ってステップを華麗に踏むラ・チャナの姿は、純粋にカッコいいと感嘆させられる。そんなラ・チャナの人生は、波乱に満ちたものだった。家庭内暴力や離婚など、様々な辛さがその身に降りかかった。それでもなお、フラメンコダンサーとして踊り続けたラ・チャナの情熱が、スクリーンを通って伝わってくる作品である。

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