映画『悪夢探偵』の概要:塚本晋也監督、松田龍平主演の2007年に公開された作品。眠りながら自殺するという怪事件の捜査にあたる女性刑事と、他人の夢に入り込める特殊能力を持った”悪夢探偵”が、事件の謎に迫る。
映画『悪夢探偵』 作品情報
- 製作年:2006年
- 上映時間:92分
- ジャンル:ホラー、ミステリー、SF
- 監督:塚本晋也
- キャスト:松田龍平、hitomi、安藤政信、大杉漣 etc
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映画『悪夢探偵』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『悪夢探偵』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『悪夢探偵』のあらすじを紹介します。
眠りながら自分の体を切り刻むという、不可思議な事件が立て続けに発生した。
共通点は、2人が自殺志願者だったという事と、「0(ゼロ)」という人物とコンタクトを取っていた事。
「0」が通話で暗示をかけていると考えられ、慎重な捜査が行われていく。
そして、別方面からの調査も同時進行で行われる。
その調査の協力者は、他人の夢の中に入り、悪夢を取り除くことが出来る青年、影沼だった。
自ら志願して現場捜査に配属された、キャリアの女性刑事、霧島は厄介払いで影沼の担当にされる。
やがて霧島の部下、若宮が「0」との接触に成功するが、彼は3人目の犠牲者となってしまう。
霧島に頼まれて、若宮を救うために彼の夢に入り込んだ影沼だったが、彼も大怪我をしてしまう。
霧島は自分から「0」に電話をし、嫌がる影沼に協力させようとする。
やがて眠りに落ちてしまった霧島は「0」の悪夢に追いかけられるが、そこに影沼が助けに現れる。
そしてトラウマが明らかになっていく中で、「0」は命を落とす。
そして影沼と霧島は、夢の中から無事、生還したのだった。
その頃、自殺を図って病院に運ばれ、治療を受けていた身元不明の男性が、命を落とした。
運ばれてからずっと意識不明だった彼の携帯には、なぜかたくさんの通話記録が残っていた。
映画『悪夢探偵』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『悪夢探偵』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ダークヒーローが映える設定
眠ると自殺してしまう、という怪事件を、他人の夢の中に入り込み、悪夢を取り除くことが出来る「悪夢探偵」に持ってくるという設定が面白い。
松田龍平演じる影沼が「悪夢探偵」と呼ばれるのは、序盤で”仕方なく”入り込んだ夢の中での1度だけなのだが、その名前がピッタリの特殊能力。
他人の心が見えてしまう事もあるが、その点に関してはあまり描かれておらず、夢に入って悪夢の原因を解決する事を嫌々ながらも頼まれて仕方なくやっている、という人物像になっている。
常にだるそうにしており、「嫌だ嫌だ」というのが口癖の、ダークヒーローのような設定だ。
キャリア組の女性刑事、霧島役で映画初主演のhitomiは、歌手が本業だからか、台詞がたどたどしいシーンがあまりにも多過ぎる。
だが、心の中を反映させた赤い服の女性の姿と、スーツ姿の時の凛とした印象の差はよく出ている。
監督、脚本、原作の塚本晋也が、正体不明の犯人「0(ゼロ)」役で出演しているのだが、目から血を流しながらナイフで襲い掛かるシーンには鬼気迫るものがある。
メリハリの効いた映像とストーリー
他人の夢の中に入るためには、水の中に落ちていくという映像を使っているのが印象に残る。
安藤政信演じる若手刑事の若宮の夢のシーンは、誰もいない道で謎の物体に襲われるという、まさに”悪夢”そのもの。
ほとんどのシーンが暗いイメージだが、美しい思い出の場面は淡い色使いでキラキラと光るような印象を覚える。
また、嫌がる影沼を無理やりラーメンに誘う霧島のやり取りや、無表情で若宮に愚痴をこぼす霧島など、笑えるシーンもある。
全てが気持ち悪い怪事件なのではなく、メリハリが効いている。
だが、自殺という重いテーマや、事件現場を見た後に”焼肉に行こう”と冗談を言う場面、血なまぐさい演出の多さには嫌悪感を覚える。
いつもだるそうでやる気のない影沼が松田龍平にぴったりな今作。夢に入ることができると言う能力を持っていながらも、それを人に見せびらかすことは無く「仕方なく」使うというスタンスがすごく好きです。
ホラーということですがそこまで怖くはなく、サスペンス要素のほうが強く感じられました。個人的には影沼の過去など気になる点が多く残るので続編も鑑賞してみようと思います。ダークヒーローと呼ばれる悪夢探偵の魅力が詰まった作品です。(女性 30代)
映画『悪夢探偵』 まとめ
名俳優と称される、故・松田勇作の長男の松田龍平が主演の、ダークヒーローのホラー映画。
他人の夢に入り込める主人公の目線で、”他人の悪夢”を見る事ができるストーリーは、なかなか面白いものがあります。
演技派俳優の大杉漣、原田芳雄など、脇役の豪華さもさることながら、原作、脚本、監督の塚本晋也が謎多き正体不明の犯人「0」役という、粋な設定も見ものです。
最近は露出が極端に無くなった、安藤政信の演じる若手刑事が本音を叫ぶ”悪夢”も圧巻。
悪夢探偵こと影沼のトラウマとされる母親との記憶や謎は、続編の「悪夢探偵2」で明らかになっているので、この作品では謎の事件の”悪夢”に集中できます。
主題歌としてエンドロールと共に流れるフジファブリックの「蒼い鳥」も、鬱蒼とした曲調で、映画のイメージにピッタリです。
関連作品
- 悪夢探偵2 次作
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