映画『ロック・オブ・エイジズ』の概要:ブロードウェイの人気同名ロックミュージカルを映画化。シンガーになる夢を持つ若者達と、愛を失った大物ロックシンガーの足掻きを懐かしナンバーと共に描いている。若手から大物まで、出演者の歌声と演技が素晴らしい。
映画『ロック・オブ・エイジズ』の作品情報
上映時間:123分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ミュージカル
監督:アダム・シャンクマン
キャスト:ジュリアン・ハフ、ディエゴ・ボネータ、ラッセル・ブランド、ポール・ジアマッティ etc
映画『ロック・オブ・エイジズ』の登場人物(キャスト)
- シェリー・クリスチャン(ジュリアン・ハフ)
- シンガーになる夢を抱き、オクラホマからハリウッドへやって来た金髪美女。ステイシーの大ファン。スーツケースを盗まれ無一文になった際、ドリューに助けられる。
- ドリュー・ボレー(ディエゴ・ボネータ)
- バーボンルームにてバーテンの見習いをしている青年。実はバンドを組んでおり、シンガー志望。ステイシーの大ファン。シェリーに惹かれる。
- ステイシー・ジャックス(トム・クルーズ)
- アーセナルというロックバンドのシンガー。謎の言動が多く、本音なのか冗談なのか判別がつかない。怠惰な様子で大物然としており、時間にはかなりルーズ。本物の愛を見つけられず、寂しさを抱えている。
- デニス・デュプリー(アレック・ボールドウィン)
- ロックハウス、バーボンルームの経営者。シンガー志望の従業員は雇わない。体格が良く壮年の男性。苦楽を共にしてきたロニーに友情以上の思いを持つ。
- ロニー(ラッセル・ブランド)
- バーボンルームの従業員でデニスと長年、苦楽を共にしてきた男性。黒髪の長髪で髭を生やしている。デニスの親友だったが、時を経て思いが恋へと昇華する。
- パトリシア・ホイットモア(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)
- 市長の妻でロックを伝染病と称し、子供にとって安全な街を作るという名目で浄化作戦を決行する。実は、過去にステイシーと関係を持つも、捨てられた経験がある。
映画『ロック・オブ・エイジズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ロック・オブ・エイジズ』のあらすじ【起】
1987年、オクラホマ州からハリウッドへやって来たシェリー・クリスチャンは、ここが自分の夢を叶える場所だと期待に胸をときめかせていた。彼女の夢はシンガーになること。しかし到着早々、スーツケースごと荷物を盗まれてしまう。たまたまそこにいた青年ドリュー・ボレーが助けてくれるも、シェリーは無一文に。
ドリューもシンガーを目指す若者だったが、ロックハウスとして名を馳せるバーボンルームのバーテン見習いをしていた。彼は無一文になったシェリーを、バーボンルーム経営者であるデニス・デュプリーへ紹介。雇ってもらえるよう話した。デニスはシンガー志望なら雇わないと言うも、今しがたウェイトレスが1人辞めてしまったため、仕方なくシェリーを雇うことにするのだった。
同じ頃、市長選に勝利した夫の妻パトリシア・ホイットモアは、演説にてロックは町の悪で伝染病だと宣言。子供達のために安全な街づくりを推奨し、浄化作戦を決行しようとしていた。
ドリューとシェリーは伝説的なロックバンド、アーセナルの熱狂的なファンだった。中でもバンドのシンガー、ステイシー・ジャックスは神にも相当する。だが、ドリューはあがり症でライブが苦手だった。ロックンローラーがライブを苦手と思うなど、ある意味致命的である。ドリューとシェリーは互いに惹かれ合い、急速に距離を縮めていく。
パトリシアはバーボンルームを目の仇として教会の婦人部を焚きつける。店の前には連日、抗議の集団が立った。
そして、金曜日。その日はバーボンルームにてアーセナルの解散ライブが行われようとしていた。しかし、パトリシアの妨害にて前座のバンドメンバーが全員、入院するアクシデントが発生する。それは時間まで2時間と迫った時だった。シェリーはデニスへドリューにチャンスを与えて欲しいと必死に食い下がる。デニスは手間を考え、仕方なくそれを了承した。
映画『ロック・オブ・エイジズ』のあらすじ【承】
バーボンルームはステイシーがデビューするきっかけとなった店である。故に、アーセナルの解散ライブの場所として、バーボンルームを選んだのである。彼は経営者のデニスに会場を熱く燃やしてやると宣言。ステイシーの言動は本音か冗談か誰も分からないが、燃やすほどに盛り上げてくれるなら、人格に難があろうともそれに越したことはない。
本番前にステイシーへ雑誌の取材が入る。女性記者はステイシーのことを本物の愛を知らない寂しい人だと言う。最初こそ否定も肯定もしていなかったステイシーだが、辛辣な口を利く記者に対し次第に本音を語るようになる。
彼は世間やファンから求められる自分を演じていた。故に、本物の愛を見つけることも探すこともできない。そんな彼を女性記者は理解してやれると言う。2人は盛り上がり危うく身体を重ねようとしてしまうが、ふと冷静に戻った記者は自分の失態に気付き、部屋から出て行ってしまう。
そこへ、ステイシーに頼まれて酒を持って来たシェリーが入室。誤って彼にぶつかってしまい酒瓶を壊してしまう。ステイシーはシェリーを気遣ってくれるが、上衣の肩紐がずれ落ちてしまうのだった。
ドリューが前座にて出演寸前だった。肩紐を上げるシェリーがステイシーの部屋から出て来る。ステイシーはステイシーで女性記者のせいでパンツの前を外されており、整えていた。その様子を目にしたドリュー。咄嗟に2人の関係を勘違いしてしまう。
映画『ロック・オブ・エイジズ』のあらすじ【転】
動揺を押し隠しステージに立ったドリューは、憤りや不安をぶつけるかのように熱いライブを披露。ステージは大成功を収める。シェリーも大喜びで彼の元へやって来るが、ドリューは彼女を疑いきつい言葉を浴びせてしまう。すると、ショックを受けたシェリーは店を辞めると怒鳴り、出て行ってしまうのだった。彼はすぐさま追いかけようとするも、ステイシーのマネージャーが前を塞ぎ、スカウトしてくる。ステージではステイシーのライブが始まっていた。
ドリューは店を辞めることにしてスカウトに応える。ステイシーのライブは大成功を収め、経営難に陥っていたバーボンルームもこれで救われると思われた。しかし、そこへマネージャーが現れ、売り上げを全て奪ってしまう。デニスは愕然とし、またもバーボンルームは振り出しに戻ってしまうのだった。
外では雨が降り始めている。恋人から浮気を疑われ飛び出して来たシェリーは、ナイトクラブを経営する黒人女性に拾われる。シェリーは頼み込んで、ナイトクラブの給仕係として働かせてもらうことになった。
ステイシーと同じ音楽事務所と契約し、夢への一歩を歩き出したドリュー。一方、シェリーはナイトクラブで働きつつ、昼間の仕事も探し始める。2人は互いに互いのことを思いながら、それでも前へ進もうとしていた。
経営難に陥り税金すら払えなくなったバーボンルームは最早、風前の灯だった。ここにきて、デニスの長年の親友ロイが彼に対して愛を告白。長い間、親友として従業員としてデニスの傍で苦楽を共にしてきたロイ。いつしか、思いは愛情へと昇華。その告白になんと、デニスも応えてくれるのだった。
映画『ロック・オブ・エイジズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
時が経つにつれ、状況は刻々と変化する。時代はロックではなく、ポップスを求めているため、ドリューもポップスシンガーとして売り出されることになり、男に絶望したシェリーはナイトクラブのステージにダンサーとして立つことを決意。
同じ頃、ステイシーの取材をした女性記者が記事を掲載。その記事には、ステイシーのマネージャーがバーボンルームでの売り上げを全て奪ったことが赤裸々に書かれていた。
記事を読んだステイシーは、汚いやり方をするマネージャーと決別することにする。
ある日の夜、ドリューとシェリーはLAの街が見下ろせるハリウッドの看板裏で遭遇。その場所は2人にとっても思い出のある場所だったが、今はもう別れた恋人同士。ドリューはアイドルだし、シェリーはストリッパー。それでも、シェリーに対し後悔の念を抱いていたドリューは、前のバンドと録音した歌のテープを渡し聞いて欲しいと願った。
テープを受け取ったシェリーは、ドリューと別れて仕事へ向かう。シンガーの夢は絶たれ、絶望しかけていたシェリーだったが、そこへ数枚のレコードが届けられる。ドリューからのプレゼントだった。彼は彼女を思い、諦めるなと励ましのメッセージを送ってくれる。
女性記者が勤める雑誌社へ電話を入れたステイシー。彼はそこで初めて記者の名前を知り、更にバーボンルームで自分のライブがあることを知る。女性記者もそこへ取材に行ったと言うので、すぐさまバーボンルームへと向かった。
同じ頃、バーボンルーム前でのストが激化。パトリシア率いる教会婦人会とロイ率いるロックファンが激突していた。そこへ突如、ステイシーが姿を現しパトリシアと対峙。実はパトリシアは学生時代、ステイシーに弄ばれ捨てられた過去を持っていた。故に、彼を憎みロックを憎んでいたのである。ロイはそのことに気付き、テレビにて真実を明らかにした。
バーボンルームへ無事に入ったステイシーは、女性記者を発見し熱烈なキスを交わす。
ステージではライブの前座として、アイドルとなってしまったドリューがステージに立つもブーイングの嵐を浴びる。彼は観客の中にシェリーを発見し、彼女と仲直り。そこへ、ステイシーのSPが金を持って現れ、デニスへと返金してくれるのだった。
悪徳なマネージャーは排除され、ステージには新たにシェリーとドリューがシンガーとして登場。やはり、ドリューにはロックが似合う。彼は再びギターを手にして熱い歌を唄う。その歌を聞いたステイシー。彼は数か月後、自分のライブで2人をゲスト出演させるのであった。
映画『ロック・オブ・エイジズ』の感想・評価・レビュー
ブロードウェイのミュージカルを映画化した作品で、作中で流れる懐かしいナンバーも魅力。
ヒロインのジュリアン・ハフがとても可愛らしく魅力的で、トム・クルーズのブラックな感じもいい。若い男女がそれぞれに歌手を目指して奮闘する姿を描いており、ミュージシャンの裏の顔やマネージャーの陰謀などにも巻き込まれる。胸を痛めるシーンも多いが、目指す先を諦めずに突き進むヒロインと青年の姿が共感を呼ぶ。加えて音楽も素晴らしく懐かしい曲が多く、わくわく感も味わえる。とても素敵な作品だと思った。(女性 40代)
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