5年前、悟は猫のナナと運命的な出会いを果たし、それからずっとひとつ屋根の下で幸せに暮らす。ところが、ある事情から悟はナナを手放さなければならなくなり、ナナの新しい飼い主探しの旅が始まる。TVドラマ『フリーター、家を買う』や、『図書館戦争』などで話題の人気作家・有川浩の同名ベストセラー小説『旅猫リポート』が実写映画化。
映画『旅猫リポート』の作品情報
- タイトル
- 旅猫リポート
- 原題
- なし
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2018年10月26日(金)
- 上映時間
- 118分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
- 監督
- 三木康一郎
- 脚本
- 有川浩
平松恵美子 - 製作
- 不明
- 製作総指揮
- 大角正
吉田繁暁
津島敬介 - キャスト
- 福士蒼汰
高畑充希
広瀬アリス
大野拓朗
山本涼介
前野朋哉
田口翔大
二宮慶多 - 製作国
- 日本
- 配給
- 松竹
映画『旅猫リポート』の作品概要
2012年に単行本化され、第34回吉川英治文学新人賞、第26回山本周五郎賞候補作、第4回ブクログ大賞、第4回山田風太郎賞最終候補ノミネート作など、話題になった一作。1人の青年と愛猫のナナが、新しい飼い主を探すためにワゴンで旅に出る物語。原作者・有川浩自ら脚本を手掛け、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』でメガホンを取った三木康一郎が再び監督を担当。心優しく“秘密”を抱える青年・悟を福士蒼汰、猫のナナの声を高畑充希が担当する。
映画『旅猫リポート』の予告動画
映画『旅猫リポート』の登場人物(キャスト)
- 宮脇悟(福士蒼汰)
- ナナの飼い主の30代男性。交通事故に遭ったナナを助け、それから5年一緒に生活する。
- ナナ(高畑充希)
- 交通事故で足を怪我した際、悟に助けられ悟の飼い猫となる。人語を理解するなど、頭がいい。
- 法子(竹内結子)
- 悟の母方の叔母で、早くに両親を亡くした悟の母親代わりになってくれた人。猫が苦手。
映画『旅猫リポート』のあらすじ(ネタバレなし)
その野良猫は、毎日をのんびり過ごしながら、それでも気位の高い野良猫のプライドを持ちながら過ごしている。そして、あるマンションの近くに住む青年にだけは、少しだけ気を許していた。
ある日、野良猫は車に轢かれてケガをしてしまう。(いたい!)と叫んだとき、マンションからその青年は急ぎ足で助けに来てくれる。青年の名は悟。そして助けられた野良猫は、尻尾の特徴から「ナナ」と名付けられて、それ以来1人と一匹は同じ屋根の下で暮らす。
そうして5年が過ぎた頃、悟とナナは悟のワゴンに乗って旅に出る。ナナの新しい飼い主を探す旅だ。小学校の同級生・コースケ、中学校の同級生・ヨシミネ、高校の同級生のスギとチカコ、そして自分を育ててくれた親代わりの叔母・ノリコ。
悟とナナは、長い旅路を愛車のワゴンに乗りながらのんびりと進む。悟との最後の旅で見た景色を、ナナはその煌めく瞳にしっかりと焼き付け、出会った悟の大切な人たちのことをその脳にしっかりと刻みつけながら。2人の最後の瞬間が、訪れないようにと願って。
映画『旅猫リポート』の感想・評価
脚本を、原作者・有川浩が担当
有名作家の作品を映画化することはよくあるが、原作者が脚本を担当することはあまりない。そして、映画製作者側の都合で作者が意図していた設定が勝手に変えられたり、ストーリーを変えられたりということがある。それらは、原作者側がノータッチならば連絡が来ることもない。作品が完成して、実際に見るまで変更があったことすら分からないのだ。
映画オリジナルと言うのも、ある意味監督の手腕の見せ所と言ったところだが、ファンから反感を買うこともしばしば。そうかと思えば、原作そのままの映画化だと、「見どころがない」や「原作通り」と嫌味を言われることも。
原作の『旅猫リポート』のあらすじは、多くの人が絶賛し涙を流している名作。それが映画化することになり、ドキドキしているファンもいるのではないだろうか。主人公・悟を演じる福士蒼汰には、かなり好意見が寄せられている。原作者・有川浩が担当する脚本によって、福士蒼汰の演じる悟とナナが、どんな旅を見せてくれるのか、楽しみである。
主人公・悟の底なしの優しさに隠された、壮絶な人生の軌跡
原作『旅猫リポート』に登場する主人公・悟は、幼い頃に実の両親から育児放棄され、育ての親に引き取られてからも小学生に上がった頃に死別、母方の叔母に引き取られるという人生を歩んでいる。
当時若かった叔母は、突然引き取ることになった小学生の悟に、両親と血が繋がっていないことを告白するも、悟は叔母に感謝の意を示す。それまで両親と血の繋がりがないなどと考えたこともなかった悟は、自分を引き取ってくれそこまで愛してくれていた両親に感謝していた。
あまりにも素直な悟の言動に、感服せざるを得ない。勝手な偏見かもしれないが、両親と血が繋がっていないという事実は、子供の成長に大きく影響を及ぼし兼ねない。心根がとても澄んでいて優しい悟だったからこそ、ナナは野良猫だった時分も悟に心を許していたのではないだろうか。人の美しさとは、内面に現れるものだと悟の存在が語っているようだ。
悟に引き寄せられる人と猫
悟はその見た目からも想像できる通り、とても心優しい青年だ。幼いころは壮絶な人生だったかもしれないが、そこで出会った人たちに対しても悟の優しさは変わらない。小学校の同級生、中学校の同級生、高校の同級生、それぞれの節目で出会った人たちが、悟の大切な願いのために名乗りを上げてくれる。
人として、こんなに嬉しいことはない。自分が大切にしているナナを次の人も大切にして欲しい。悟のその気持ちを汲んで、学友たちは自ら名乗りを上げてくれ、悟とナナのために思案してくれる。飼い猫のナナも、悟のことを誇りに思っているに違いない。自分は悟にとって代えがたい一匹の飼い猫。少しツンとしたところもあり、たまにデレるところもあるが、1人と一匹は間違いなく種族を超えて心を通わせている。
昔から、人間と動物が心を通わせる物語は感動的だ。多分に漏れず、『旅猫リポート』も原作を読んだ後は感動を呼ぶ。悟とナナの関係を観に、大人だけでなく子供も一緒にぜひ足を運んで鑑賞してほしい。
映画『旅猫リポート』の公開前に見ておきたい映画
植物図鑑 運命の恋、ひろいました
2016年6月に公開された、有川浩原作の『植物図鑑』の実写映画化。監督は、今作と同じ三木康一郎がメガホンを取っている。キャストには、三代目J Soul Brothersの岩田剛典が映画初主演を果たし、ヒロインは今作でナナの声を担当する高畑充希が担当する。高畑充希も、この映画で初主演を果たしている。
仕事でうまくいかない日が続くさやか(高畑充希)は、道端でお腹を空かせて倒れていた青年樹(岩田剛典)を自宅に居候させてあげる。苗字も樹の歳も詳しいことは何一つ知らないが、彼の作る料理が食べたくて2人は同居生活を続ける。植物にやたらと詳しい樹に、いつしか心惹かれていくさやか。2人の距離はつかず離れず、縮まっては離れてを繰り返す。その甘酸っぱい2人の生活は、観ていてほんわかしてしまう。
角川書店のケータイ小説サイト「小説屋sari-sari」で連載され、第1回ブログ大賞などを受賞、刊行後2年で80万部を突破した人気原作の映画化は、全国映画動員ランキング1位に輝くなど、おススメ度満載だ。
図書館戦争/図書館戦争 THE LAST MISSION
人気作家・有川浩の大人気ベストセラー小説『図書館戦争』の実写映画化。アイドルグループV6の岡田准一と、榮倉奈々主演で、法律によりメディア閲覧を制限されてしまった近未来の日本を舞台に、失われようとしている本を守るために自衛組織で戦う「図書特殊部隊」の若者たちの活動記録。
今作の主演福士蒼汰は、2013年に公開された『図書館戦争』と、続く2015年に公開された『図書館戦争 THE LAST MISSON』に出演。岡田准一や榮倉奈々と同じく、図書館特殊部隊に所属し、良書を守る手塚光と言う役をやっている。映画第1作目の『図書館戦争』では、女性初の図書特殊部隊に抜擢された郁(榮倉奈々)を、見下していたはずなのに交際を申し込み振られるという立場。
また、『図書館戦争 THE LAST MISSION』では、手塚光の兄・手塚慧が文部科学省の名の下で暗躍し、郁や篤(岡田准一)を追い詰めていく。最終的には、憎んでいた兄の慧を、光は許し兄弟の絆を取り戻す。福士蒼汰は、「兄の存在」を許せず図書隊にて命を張って良書を守る複雑な隊員役を、見事に演じていた。その姿に、篤と郁のラブストーリーだけでなく感動した観客も多いだろう。
詳細 図書館戦争
詳細 図書館戦争 THE LAST MISSION
ひるね姫 知らないワタシの物語
『攻殻機動隊S.A.C』などで知られるアニメ監督・神山健治のオリジナル長編アニメーション映画。居眠りばかりしている主人公の女子高校生ココネの声を、高畑充希が担当している。この映画で高畑充希は初のアニメ声優をこなし、ココネの名で劇場主題歌も歌う。
ココネは岡山県倉敷市の児島で、車の改造を生業としている父親と2人で暮らす。時は2020年東京オリンピック開幕寸前。最近のココネは、常時眠気に襲われ家でも学校でも居眠りばかりしてしまっていた。更に、寝てしまうと不思議なことに毎回同じ夢を見る。そんなある日、たった一人の肉親である父親が逮捕され、東京に連行されることに。ココネは、父親の逮捕の謎を解くためにいざ東京へ向かう。
強くて行動力のある少女・ココネを通じて、物語は夢と現実の中を交錯しココネの知らない家族の謎を紐解いていく。舞台やテレビドラマなど数々の役をこなしてきた高畑充希の、活発な女子高校生ココネは、どこか惹きつけられるキャラクターに仕上がっている。
映画『旅猫リポート』の評判・口コミ・レビュー
映画 #旅猫リポート 観てきました😭猫ちゃん飼ってないけど有川浩さんの大好きな本だったから。原作読んでも号泣😭したけど映画も自然と涙が。もうナナが可愛すぎて、高畑充希ちゃんのセリフもぴったりで良かった〜。 pic.twitter.com/30UfAK0dZW
— ちろちゃん (@1Chacousa) 2018年10月28日
旅猫リポートすごく良かったです…!!観た後に家族にすごく会いたくなったし両親に感謝の気持ちを伝えたくなりました…
あと猫は元々大好きだったけど映画を観て更に大好きになりました…私自身弟みたいにずっと一緒にいた猫を今年亡くしたからそれも相まって見てて涙が止まらなかった
— あ︎こ (@ako_mofumofu) 2018年10月28日
旅猫リポート。猫好きにはたまらないいい映画でした。涙腺が緩みっぱなし。高畑充希さんの声、全く違和感無し。福士蒼汰くん、原作イメージピッタリで大好演。竹内結子さんの名演。
— ロードバイク休止中 猫大好き (@1966kensuke) 2018年10月28日
午前中、映画『旅猫リポート』を鑑賞して帰宅。けっこう観客は多かったです。ロードムービーかと思っていましたが、そうではなく、過去と現在のシーンが交互にあらわれるけっこう重たい映画で、最後はすすり泣きも聞こえました。
でも悲しい終わり方でも、猫に癒されました。コトリンゴの歌も最高。— あいままさふみ (@iima1123) 2018年10月28日
めっちゃめちゃ泣きました
心が温まりました
絶対見るべき
猫飼いたいとかずっと思っててこれ見てほんとに飼いたくなるような、でも切ないようなそんな感じでした
飼ってる人は絶対見るべき!#旅猫感想リポート #旅猫リポート— べるちゃ (@riku_belchia) 2018年10月28日
映画『旅猫リポート』のまとめ
『旅猫リポート』は、有川浩が「一生に1本しか書けない物語」と話すほど、彼女にとっても思い入れのある作品。今作は、当初舞台化を想定して執筆されており、2013年に当初の予定通り舞台化を果たす。今回映画化するにあたり、舞台とはまた違ったナナと悟が見られるとあって、ファンからも期待の声が上がっている。ハンカチを何枚も用意しなければ、劇場内で鑑賞するのが難しくなりそうだ。実物の猫がナナを演じるのも、映画が初めてとなるので、福士蒼汰と猫の演技に期待が高まる。
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