映画『ひるね姫 知らないワタシの物語』の概要:女子高生のココネは機械産業が盛んなハートランド王国という世界を、度々夢で見ていた。そんなある日、父のモモタローが突然逮捕されてしまう。そして、父から託されたタブレットを守らなければいけなくなる。
映画『ひるね姫 知らないワタシの物語』の作品情報
上映時間:110分
ジャンル:SF、青春、アニメ
監督:神山健治
キャスト:高畑充希、満島真之介、古田新太、釘宮理恵 etc
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映画『ひるね姫 知らないワタシの物語』の登場人物(キャスト)
- 森川心羽(高畑充希)
- 通称、ココネ。女子高生。幼い頃に母を亡くしており、あまり覚えていない。楽観的な性格。勉強は苦手。
- エンシェン・ト・ハート(高畑充希)
- 通称、エンシェン。ココネの顔によく似ている。ハートランド王国の姫。魔法使い。国に災いをもたらすとして、ガラスの塔に幽閉される。活発な女の子。
- 佐渡モリオ(満島真之介)
- ココネの幼馴染。東京の大学に通っている。現在は夏休みのため帰省中。ココネに振り回されている。
- 渡辺一郎(古田新太)
- 志島自動車の取締役専務執行役員。オリンピックのデモカーが上手く使えなかったため、イクミが開発した自動運転車の制御プログラムのオリジナルコードを盗もうと画策する。同時に、会長の失脚を目論んでいる。
- ベワン(古田新太)
- 夢の中の渡辺。ハートランドの大臣。国を手中に収めようと画策する。エンシェンを幽閉させるよう国王を言葉巧みに操る。
- 森川モモタロー(江口洋介)
- ココネの父親。自動車整備工場の工業技術者で、1人で工場を切り盛りしている。寡黙な人物。
- ピーチ(江口洋介)
- 夢の中のモモタロー。ハートランドのルールに疑問を抱いている。エンシェンに気に入られ、鬼を退治するために行動を共にする。
映画『ひるね姫 知らないワタシの物語』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ひるね姫 知らないワタシの物語』のあらすじ【起】
昔々、ハートランドという全ての人が機械産業に携わっている国があった。機械製作のため、人々は24時間体制で働いていた。城主のハートランド王は、機械作りの技術に絶対の自信を持っていた。そして、機械こそが全ての人を幸せにすると信じていた。
お城に出勤する人は、自動車を作っていた。皆同じ時間に家を出るため、渋滞が起こり遅刻は日常茶飯事だった。そして、遅刻した分は給料から天引きされるのだった。さらに、職場では自動車に乗って出勤するというルールがあり、新車に乗り換える時期も決まっていた。青年ピーチは城で働き始めるが、そんなルールに馴染むことができなかった。
ハートランド王は娘のエンシェンが国に災いをもたらす魔法使いとして生まれてきたことに苦悩していた。エンシェンは3歳の頃、父から貰ったぬいぐるみにジョイと名付け魔法で動けるようにした。さらに6歳の頃には、町中の機械に魔法をかけ、勝手に動くようにした。ハートランド王は魔法のタブレットを取り上げ、エンシェンをガラスの塔に閉じ込めた。
女子高生のココネは母を亡くしており、父のモモタローと2人で暮らしていた。モモタローは自動車整備工場の工業技術者で、1人で工場を切り盛りしていた。ココネが2人分の朝食を作る中、テレビでは東京オリンピック開催3日前であるというニュースが流れていた。
ハートランド王国は度々巨大な「鬼」の襲撃を受けていた。それは、エンシェンが国にいるために起きている災いだった。ハートランド王はエンシェンを国外に追放するよう異端審問官に言われていたが、さすがに娘を国の外に追い出すことはできなかった。その代わり、鬼を退治するための巨大機械兵・エンジンヘッドを開発した。
エンジンヘッドは各駆動部分に多くの運転手を配して操縦していた。体の部位を動かすとき、司令官が運転手に指令を出すのだ。エンシェンは魔法でエンジンヘッドを動かさなければ、鬼を倒すことはできないと確信していた。そんなある日、エンシェンはピーチが生身のまま鬼に立ち向かっていく姿を目撃する。魔法のタブレットで動かしたサイドカーに乗り、ピーチと合流した。ホームルームの最中に昼寝をしていたココネは先生に起こされ、エンシェンとピーチが合流したところで目を覚ました。
映画『ひるね姫 知らないワタシの物語』のあらすじ【承】
先生から父が逮捕されたと聞かされ、ココネは慌てて警察署に向かった。しかし、父に会うことはできなかった。ココネが落ち込みながら母の墓に行くと、部屋にあるはずのぬいぐるみ・ジョイが置いてあった。ジョイの中には、ひび割れたタブレットが入っていた。
エンシェンはピーチと行動を共にし、機械に心を与える魔法「ココロネの魔法」を完成させようとしていた。なかなか上手くいかない中、ハートランドの大臣・ベワンに見つかり魔法のタブレットを奪われそうになる。ココネはそこで目を覚ました。その時、家に怪しげな男達がやって来る。ココネが携帯を確認すると父からメッセージが入っていた。そこには渡辺一郎が写っている写真と共に、「こいつは悪い奴だ」と書かれていた。そして、タブレットを取られるなと改めてメッセージが入る。
渡辺にタブレットが入ったジョイと携帯を奪われてしまう。ココネは様子を見に来てくれた幼馴染の佐渡モリオと一緒に渡辺の後を追った。そして、渡辺の荷物と共にジョイを奪い返すことに成功する。渡辺は犯人の娘が証拠を持って逃亡したと警察に連絡を入れ、ココネを指名手配することにした。
ココネ達は渡辺の荷物の中を確認し、名刺を見つける。渡辺は志島自動車の取締役専務執行役員だった。ココネは母の旧姓が志島だったことを思い出す。しかし、事件と関係があるとは思えなかった。ココネはモリオの父を待っている間に、モリオの傍で眠りについた。
モリオは夢の中でエンシェンと出会う。エンシェンはココネとしての自我があった。そこにモリオの父や知り合いが現れるが、モリオのことは知らない様子だった。モリオの父たちはピーチがベワンに捕まったことを教え、エンシェンに危機を知らせた。エンシェンはモリオと共にピーチを助けに行くことにした。この夢の世界は、昔モモタローがココネに聞かせていた物語の世界と同じだった。
映画『ひるね姫 知らないワタシの物語』のあらすじ【転】
エンシェン達はサイドカーで空を飛んでいたが、燃料切れで墜落してしまう。ココネとモリオが目を覚ますと、なぜか高松から大阪に移動していた。モリオはサイドカーに付いていた自動操縦の運転機能によって移動していたことに気づく。
モリオの父はココネに連絡を入れ、渡辺から聞かされたことを話した。ココネの母は志島自動車の会長・志島一心の娘だった。モモタローはココネの母と駆け落ちし、一心と絶縁状態にあった。そんな中、モモタローは志島自動車から重要なデータを盗み、逮捕されたのだった。ココネは父が盗みをするとは思えなかったため、一心に直接会いに行って話をすることにした。
タブレットに父からメッセージが入る。ココネはお金が無くて新幹線に乗れず、困っていることを返信した。すると、新幹線のチケットを預かっていると言って、駅員が持って来る。ココネ達はわけが分からず困惑するが、チケットを受け取って新幹線に乗り込んだ。ココネは現実の世界でも魔法が使えるようになったと喜んだ。
ココネが眠りにつくと、目の前をエンシェンとピーチがサイドカーに乗って去っていった。ココネは今までとは違う現状に戸惑う。エンシェン達はエンジンヘッドに忍び込み、魔法を使って動かした。しかし、司令官達の抵抗に遭い、エンジンを止められてしまう。エンシェンは甲板に出てエンジンを動かすが、鬼の攻撃を受け落下してしまう。エンシェンの顔はココネの母の顔に代わっていた。モモタローが話していたエンシェンの物語は、ココネではなく母のイクミのことを表していたのだった。
映画『ひるね姫 知らないワタシの物語』の結末・ラスト(ネタバレ)
ココネ達が駅に辿り着くと、志島自動車の社員が待っていた。モリオはココネを逃がした。しかし、目の前にいる彼らは敵ではなかった。モモタローに扮してココネにメッセージを送ったり新幹線の切符を手配していたのは彼らだった。志島自動車の社員達は渡辺にタブレットを渡すつもりはなく、モモタローを助けようとしていた。タブレットの中身は、イクミが生前開発した自動運転車の制御プログラムのオリジナルコードだった。
ココネは志島自動車を訪れるが、門前払いされる。そんな中、偶然一心と出会う。一心はココネが孫だと気づかないまま、イクミの話をした。イクミは自動運転を推奨するが一心や役員の反対に遭い、会社を飛び出したのだった。
ココネは一心と別れた後、渡辺に捕まってしまう。モリオと志島自動車の社員は警察署に行き、モモタローにココネのピンチを知らせた。渡辺がタブレットの中身に目をつけたのは、オリンピックに使うデモカーが上手く走らなかったからだった。一方、現実と夢の世界が混ざっており、ココネはベワンと対峙していた。ベワンは国王を失脚させ、自分が王の座に就こうとしていた。ココネはベワンからタブレットを取り返すが、高所から落ちそうになる。
ハートランド王はイクミに贈ったジョイをココネが持っていることを知り、自分の孫だと気づく。ベワンを捕らえようとしたとき、建物が大きく揺れた。鬼が襲撃してきたのだ。ピーチはエンジンヘッドを動かしてココネを助け、鬼と戦った。ピーチが鬼を倒したように見えた。しかし、ベワンが魔法の言葉を使ったため、鬼が暴走して周囲が炎上してしまう。ベワン自身にも火が移り、燃え尽きた。
ココネは魔法のタブレットにハートランドを救うよう入力した。エンジンヘッドはパワーを増大させ、鬼と共に宇宙へと飛び立った。地上にいたココネ達は、ピーチが自力で戻ってこられないことに気づく。すると、サイドカーがそこにやって来て、二足歩行型のロボット・ハーツに変形した。ココネはハーツに乗って宇宙に向かった。
ココネはビルから落下しそうになっているところで意識を取り戻す。近くでは渡辺が逮捕されていた。モモタローがココネの腕を掴んで必死に耐えていると、サイドカーがやって来た。モモタローとココネは落下するが、ひとりでに走り出したサイドカーに救われる。ココネは記者に囲まれ、一心との関係について聞かれる。ココネは父と一心の手を掴み、3人で記者の前に立った。
東京オリンピックが閉会した。テレビでは志島自動車の自動運転車が活躍したことが放送されていた。モモタローとココネの家に一心の姿もあった。3人で仲良くスイカを食べていた。
映画『ひるね姫 知らないワタシの物語』の感想・評価・レビュー
夢の世界と現実の世界がただ入れ混じっているだけではなく、母のことを夢に見ていたという設定がとても興味深かった。イクミはバリバリのキャリアウーマンで、とてもカッコ良く素敵な女性である。ココネ、モモタロー、一心それぞれがイクミの死を悲しんでいるところが切なかった。渡辺の他人のことを何とも思わないところが、あまりにも酷いなと思った。親子の絆を感じられる作品で、家族で一緒に楽しめると思う。(MIHOシネマ編集部)
SFやファンタジーなど重厚な世界設定の中での人間ドラマを描いてきた神山健治監督が自ら原作・脚本を手掛けた初の劇場オリジナルアニメーション。
夢をテーマに現実と夢を行き来する少女が父を追って旅をすることで、出生の秘密を知るという中々に面白い設定。夢と現実の区別がつくよう、服装やキャラクター、世界観が異なるよう描かれているが、後半部分になると徐々にそれが曖昧になっていく。ある意味、ロードムービー的な要素もあり、終盤では両親の物語が描かれるため、真実に胸を打たれる。絶妙なストーリー展開だと思う。さすが神山健治監督である。(女性 40代)
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