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映画『ある天文学者の恋文』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ある天文学者の恋文』の概要:大学院生のエイミーは、教授のエドと不倫関係にあった。自由に会える関係ではなかったが、とても幸せだった。だが、エイミーが講義を受けているときに、エドが亡くなったと知らされる。その時、エイミーはエドからのメールを受け取っていた。

映画『ある天文学者の恋文』の作品情報

ある天文学者の恋文

製作年:2016年
上映時間:122分
ジャンル:ラブストーリー
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
キャスト:ジェレミー・アイアンズ、オルガ・キュリレンコ、ショーナ・マクドナルド、パオロ・カラブレージ etc

映画『ある天文学者の恋文』の登場人物(キャスト)

エイミー・ライアン(オルガ・キュリレンコ)
大学院生。エドと不倫関係にある。自分が運転中に事故を起こし、同乗者の父を死なせてしまった悲しい過去を持つ。罪の意識から、危険なスタントの仕事を行う。
エドワード・フィーラム(ジェレミー・アイアンズ)
通称、エド。天文学者。大学教授。エイミーと同じぐらいの娘と、小学生ぐらいの息子がいる。病に侵され亡くなってしまう。

映画『ある天文学者の恋文』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ある天文学者の恋文』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ある天文学者の恋文』のあらすじ【起】

大学院生のエイミーは、天文学者で教授のエドと不倫関係にあった。ホテルで会ったり、ネット電話で通話をしながら関係を深めた。ある日、エドはエイミーと通話を切る前、不安そうな顔をしていた。エイミーはそのことを気にするが、予定がありそれ以上会話をすることができなかった。不安そうなエドを心配しながら、通話を終了した。

エドがカリフォルニアで講義をするため、旅立っていった。エイミーはスタントの仕事をしたり柔道をしたりして時間を潰すが、エドと会えないことが寂しかった。しかも、エドが圏外の場所にいるらしく、連絡が途絶えてしまう。

エイミーの元にエドから映像を記録したディスクと「2009年1月18日を覚えてる?」と書かれたメッセージカード、そして花束が届いた。ディスクを再生するとエドの姿が写り、出会って6回目の記念日を祝福する言葉が伝えられた。エイミーはとても幸せな気持ちになった。

エイミーが講義に出席していると、エドからメールが届いた。それに返信していると、エドがエディンバラで数日前に亡くなったと告げられる。エイミーが驚いていると、エドから再びメールが届いた。エイミーはその場に留まっていられず、外に飛び出した。エドの携帯に電話を掛けるが、留守番電話のままだった。自宅へと電話を掛けるが、エドの家族相手に何て言っていいか分からずそのまま切ってしまう。エイミーはそのまま気絶するように倒れ込んだ。

エイミーがネットで調べると、1月15日にエドが死去したことが載っていた。そんな時、エドからの手紙が届く。エイミーはエディンバラ行の飛行機の中で手紙を開けた。手紙の内容はエイミーに対しての愛が綴られており、1月20日の日付が書かれていた。

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映画『ある天文学者の恋文』のあらすじ【承】

エイミーはエドの家に行くが、エドの家族に話し掛けることはできなかった。エドの墓を探すため墓地に向かうと、墓はなかったが1月20日に火葬されたことを知る。エイミーが気を落としていると、エドからメールが届いた。そこには、もし捜し歩いているなら、グレン・ダレルの弁護士事務所に行くよう書かれていた。

エイミーは事務所に行き、エドが生前残した封筒を渡される。そこには映像ディスクと手紙と指輪が入っていた。手紙には、同封した指輪が父の遺品であることが書かれていた。エイミーはその指輪を嵌めてみるが、大きすぎて親指にしか入らなかった。

エイミーは自宅に戻ると、映像ディスクを再生した。そこには、病に罹ったことを隠したのは、2人の付き合いに関係がないからだと話すエドの姿が写っていた。エドは死んでもエイミーのことを支えるつもりだった。ただ、その支えが鬱陶しくなったら、エイミーの名前を11回書いてエドのメールに送るよう告げられる。エイミーは困惑した表情でエドの姿を見ていた。

エイミーの元にエドから試験の合格祝いが届けられる。中に入っていたのは、2人で撮った写真と鍵、そして4月9日ボルゴヴェントーソで受け取れると書かれた手紙だった。その後、エイミーはいつもエドと利用しているボルゴヴェントーソの別荘を訪れた。そこには小包に包まれたノートパソコンと映像ディスクがあった。エドが一緒にいれないことが寂しいと言っているのを見て、エイミーも寂しくなった。

映画『ある天文学者の恋文』のあらすじ【転】

エイミーは眠れないまま夜を明かした。すると、階下で物音が聞こえた。エイミーはエドだと思って向かうが、そこにいたのは知人のアンジェラだった。アンジェラはエドに頼まれ、こっそり封筒を置きにきたのだ。エイミーはアンジェラが帰った後、封筒を開けた。ディスクを再生すると、エイミーが隠していた秘密についてエドが語り始めた。秘密とは、エイミーの家族の身に起こったとある事故についてだった。エドはエイミーに最後に会った後、エイミーの母に会いに行って話を聞いていた。エイミーはエドの話を最後まで聞くことができず、暖炉の中にディスクを放り投げた。だが、やはりそのままにしておけず、変形したディスクを回収した。ボートで島を離れながら、エイミーは11回自分の名前を書いてメールで送った。

エイミーは変形したディスクを元に戻そうとするが、データが破損していて不可能だった。内容を知るには、ビデオカメラに残っているデータを確認するしかなかった。その後、エイミーはいつも封筒を届けてくれる配達店を訪れた。そこで、他にも荷物が残っていたが、エドから返却するよう指示が出ていることを知る。

エイミーはグレンに会いに行った。彼はエドの友人で、荷物を送る手助けをした人物だった。だが、グレンはエドが作ったシステムから荷物の発送を中止するよう指示を受け取っており、それを無視する気はなかった。エイミーは落ち込んだ。だが、まだエドが発送を指示する可能性はあると言われ、エイミーはエドの携帯にエドの名前を11回書いて送ってみた。

エイミーは録画したビデオをパソコンで再生した。それは、エイミーが抱えている秘密を、エドに向けて話しかけている自分の姿だった。エイミーは父を乗せて、祖父母の家に向かうために車を走らせた。だが、途中で事故を起こしてしまい、父が亡くなってしまったのだ。動画を見ているときにエドから電話がかかってきた。エイミーは通話を押すが、相手は何も話さなかった。

映画『ある天文学者の恋文』の結末・ラスト(ネタバレ)

エイミーはエドの携帯から電話をかけてきたのが、エドの娘のヴィクトリアだと知る。思い切って会うことを決めるが、これ以上家族に関わらないでくれと冷たい表情で言われる。そして、エドが亡くなったことを認め、携帯に連絡を入れるなと叱られる。

エイミーはヴィクトリアから連絡をもらい、再び会うことになる。ヴィクトリアはエイミーのことを憎みながらも、父に深く愛された彼女に羨望の気持ちを抱いていた。協力すると言われ、エイミーは思い切ってエドが病に侵されていることを隠した理由を尋ねた。すると、家族にも隠そうとしていたことが分かった。ただ、家族はずっと傍にいたので気づいたのだ。エイミーは「エドとの通信手段」を復活させる方法を尋ねるが、ヴィクトリアにもそれは分からなかった。代わりに、ヴィクトリアはエドのビデオカメラをエイミーに渡した。

ビデオカメラにはデータが残っていなかった。エイミーは友人のジェイソンを頼って復元させようとするが、ハードディスクにはデータが残っていないと教えられる。エイミーは最後までエドが残した映像を見たいと望むが、どうすればもう一度送ってもらえるようになるか分からなかった。アンジェラに会うが、エドからの電報でグレンに封筒を送るよう指示されており、既に手元になかった。エイミーが消沈していると、舟乗りに声を掛けられる。彼は、エドが水に落とした袋を持っていた。その袋には、ビデオのSDカードが入っていた。エイミーはSDカードを再生した。水に落としたせいで映像が乱れていたが、少しだけ見ることができた。そこには、エイミーに何を話せばいいのか苦悩するエドの姿が映っていた。エイミーはそれを見て泣き崩れた。

エイミーは疎遠だった母に会いに行き、仲直りした。車で事故を起こすスタントにも挑戦し、無事に成功する。エイミーが家に帰ると、アパートの住民達は騒然としていた。強盗が入ったのだ。エイミーの部屋も荒らされていた。その時、メモ帳を見て、エドと最後にネットで通話したときに「10人の別の自分がいる」と言っていた話を思い出す。エイミーはエドの名前を10回書いてメールで送った。

エイミーが観劇していると、エドからメールが届いた。それにはビデオメッセージが添付されており、仲直りを喜ぶエドの姿が映っていた。その後、エイミーはスタントの仕事を辞めた。そして、エドが預けていた封筒を母から受け取る。そこには、図書館に行くよう書かれていた。エドが用意していた本は「客星」について書かれているものだった。その時、エドから携帯にメッセージが届いた。エドは男性との食事を邪魔するために送ったことを告げた。その後、エイミーが男性の友人達と食事をしているときに、エドから携帯にメッセージが届き、図書館に行っているだろうと告げられる。エイミーはあべこべになっていることに大笑いした。

エイミーは「客星から超新星へ:死せる星との対話」という論文を書き上げ、優位学位を授けられることになった。卒業式には、母とヴィクトリアと彼女の弟のニコラスが来ていた。エイミーがヴィクトリア達に来てくれたことを感謝していると、エドからメールが届いた。指示された場所に向かうと、弁護士からエドの遺産を相続する権利があることを教えられる。その遺産とは別荘のことだった。遺族も了承していると言われ、エイミーは戸惑いながら書類にサインした。

エイミーが別荘に行くと、机に封筒が置いてあった。ディスクを再生すると、エドの後ろ姿が映った。エドが苦しそうにもっと早く出会いたかったと語る姿を、エイミーは涙を流しながら眺めた。

エイミーは美術の展示会を出た後、ジェイソンに声を掛けられる。エイミーが携帯の番号を変えていて連絡がつかなかったのだ。ジェイソンは飲みに誘うが、今度連絡を入れるからと言ってエイミーは断った。エイミーは必ず連絡することを約束して、笑顔で去っていった。

映画『ある天文学者の恋文』の感想・評価・レビュー

教授と不倫した学生が教授の死後一人で苦しむ姿は、観ていてとても悲しくて辛かった。
彼の精一杯の愛なのかもしれないが、未来ある彼女に付きまとっているようにも見えた。
一方的に色々と決める教授の姿に、もう少し彼女の未来を配慮した選択はできなかったのだろうかと感じた。
溺れるような恋は素敵だけれど、残された彼の家族や彼女にとってはあまり美しくない話なので、好き嫌いが分かれる作品だと思った。
しかし、映像や音楽の綺麗さが心地よかった。(女性 20代)


天文学者と学生の恋愛を描いた映画。主人公エイミーの繊細な感情の動きが印象的であった。喪失感を表情や動きで細かく表現されていて、見ている自分にもひしひしと伝わってきた。その悲しげな表情が非常に綺麗でかなり見入ってしまった。恋人の前だからできる表情もうまく表現しており役者にかなり感銘を受けた。
最愛の人と死別してしまう悲しみは失恋よりも大きいだろう。会いたいのに会えないもどかしさ、伝えたいのに伝わらない切なさ。終始、心を締め付けられる作品であった。(女性 20代)


天才と呼ばれる人って、自分の得意とする分野に精通していて、他の人には理解できないような知識や技術を持つ「すごい人」というイメージですが、そういう人ほど「愛」に対してはものすごくロマンチックで暖かく、沢山の愛に溢れているような気がします。
この作品で描かれる天文学者とその教え子の年の差カップル。秘密の愛を育んでいましたが、突然の訃報が…。
大事な人を急に亡くしてしまう悲しみは、本当に大きく耐えられないものだと思いますが、その悲しみをも全て理解して包んでくれるような彼の大きな愛情に感動しました。(女性 30代)


メールや動画でのやりとりでも、どこかクラシックな雰囲気が漂う作品。
監督・音楽担当が『ニューシネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレとエンニオ・モリコーネだと知って納得しました。
親子ほど歳の離れた教授と大学院生の秘密の恋。最初は安っぽいラブストーリーかと思いましたが、エドとエイミーの品格なのでしょうか、純粋な愛が静かに流れている作品でした。エドからエイミーに届けられる手紙やメール、ビデオのひとつひとつが知性と愛に溢れています。赤い封筒をエイミーが開封する瞬間がなぜか素敵で心に残っています。とても美しくて好きな映画のひとつになりました。(女性 40代)

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