映画『パーティで女の子に話しかけるには』の概要:あるパーティで知り合った女の子は宇宙人だった。パンクに夢中になる少年が体験する、摩訶不思議な恋の物語。エル・ファニングのキュートさも良いが、パンクなニコール・キッドマンが見られるのは珍しいし、この役にぴったりだ。
映画『パーティで女の子に話しかけるには』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:ラブストーリー、コメディ
監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
キャスト:エル・ファニング、アレックス・シャープ、ルース・ウィルソン、マット・ルーカス etc
映画『パーティで女の子に話しかけるには』の登場人物(キャスト)
- エン(アレックス・シャープ)
- パンクミュージックに夢中になる高校生。ヴィックとジョンは、いつもつるんで遊ぶ悪友たちだ。母親と二人暮らし。父親は彼を捨てて家を出ていったが、それでも彼は父親のことを愛している。
- ザン(エル・ファニング)
- 地球にやってきた宇宙人の一人。エンと出会ったことで、外の世界に興味を持ち、一緒にさまざまなことをして知識という栄養を吸収していく。
- ヴィック(エイブラハム・ルイス)
- エンの親友。宇宙人たちのパーティに忍び込んだ際、性行為の最中に目の前の女が分裂したのを見て仰天してしまう。それ以来、彼らに警戒心を持っている。金髪。
- PTウォルド(トム・ブルック)
- 宇宙人で、ザンの保護者のひとり。宇宙人の子供たちは親に食べられる運命を背負っているのだが、ザンが妊娠したことにより、この運命を変えようとする。
映画『パーティで女の子に話しかけるには』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『パーティで女の子に話しかけるには』のあらすじ【起】
1977年のロンドン、クロイドン地区に住む高校生のエンはパンクミュージックに夢中だった。女の子と仲良くなりたいのだが、シャイな性格のため、なかなかうまくいかない。
ライブの打ち上げに忍び込んで女の子たちと楽しい夜を過ごそうと、友人のヴィックとジョンの三人で打ち上げ会場に向かう。だが、道に迷ってしまった。途方に暮れていると、どこからか音楽が聞こえてきた。その音楽は、ある屋敷から聞こえてきた。どうやらパーティをやっているらしい。
玄関をノックすると、未来的な服に身を包んだステラという美女が現れた。屋敷に招かれた三人は、戸惑いながらもパーティを楽しみだす。そこに集まっている人々は人間の形をしているが、どうやら人間ではないらしかった。彼らは宇宙人で、地球へ旅をしてきたのだ。
エンはザンという宇宙人の少女と出会う。ザンは現状に不満があり、刺激をほしがっていた。二人はパンクの話で盛り上がるが、そこにヴィックが大慌てでやってくる。彼は彼らの正体に気がつき、驚いてステラの元から逃げ出してきたのだ。三人は屋敷を後にするが、ザンがエンを追いかけてくる。そして言った。“あなたと一緒にパンクに行きたい”
映画『パーティで女の子に話しかけるには』のあらすじ【承】
時間はすでに真夜中、ライブハウスはとっくに閉まっていたため、二人はエンの家へと向かった。家へ着くと、ザンはカウチで眠ってしまった。翌朝、目覚めたエンは父が作ってくれたツリーハウスで、ザンにキスをする。
エンの母親と対面したザンは、彼女と一緒にパンケーキを作ったり、ダンスを踊ったりして、実に楽しそうだ。だが、ザンの保護者であるPTウォルドが、母親に憑依して忠告を言ってきた。“進化のためには脱線も必要だが、少々やりすぎだ”
エンと一緒に町に出たザン。エンとの時間は、今まで経験したことのない体験ばかり。ヴィックとジョンに彼女を紹介するが、ヴィックは警戒心を露にする。ジョンはカルト集団ではないかと言いだす。席を外したザンに、再びPTウォルドが子供に憑依して“早く帰ってこい”と話しかけた。
ザンには時間がなかった。早くパンクを見たいと言うので、エンはパンクバンドのプロデューサー・ボディシーアの元へと連れていった。ザンは宇宙人のため、様々な星に行ったことがあった。“以前はスターで、茶色の星にいたことがある”と言うと、ボディシーアはそれがアメリカのバンド名だと思い、ザンをシンガーだと勘違いしてしまう。
ステージで歌うように言われたザンは、自分のことを歌にした。エンのサポートで盛大にシャウトし、パンクライブは盛り上がっていく。エンとザンは“生きたまま食べられる、ママに、パパに”とステージ上で歌いながら精神的に結合していった。
ザンは、なぜ食べられることを知っているの、と尋ねてきた。訳が分からないエンは、“旅の終わりに私たちは親に食べられるの”と聞かされてショックを受ける。しかも、旅の終わりは明日だというのだ。
映画『パーティで女の子に話しかけるには』のあらすじ【転】
パンクのムードに当てられたザンは、開放感から誰彼かまわずにハグとキスを繰り返す。その姿に怒ったエンは、その場から立ち去って行った。
その夜、夢の中で宇宙人たちが子供を食べている姿を見たエンは、ザンの身に危険が迫っていることを改めて感じ取る。ヴィック、ジョン、ボディシーアたちに協力を求めると、彼女を救出する計画を立てる。
屋敷に突入したエンたちは、宇宙人たちの制止を振り切ってザンを捜しまわる。宇宙人たちのリーダー、PTファーストは事態を収束させるため、ザンの対応を急ごうとする。だが、PTウォルドが“総会”を提案。超音波で人間たちは眠らされたが、エンにだけは効かず、彼は総会に参加することになった。
PTウォルドは、天空法の修正をしたいと言いだす。親が子供を食べるという摂食の儀式を廃止したいと。子供たちは自由に生きて良いのだと提案。そうなれば、戦争や環境破壊が起きると否定する者もいた。PTファーストは、その成れの果てが我々だと言う。完全なる自由と平穏を手にするには、親が子を食べ、その親を自分が食べ、最後に自分で自分を食べることが一番良いのだと。
だが、それに対してエンは叫んだ。“ふざけるな、俺たちはちゃんと生きている。この世界はクソだが、生きたまま子供を食べるような親はいない”
映画『パーティで女の子に話しかけるには』の結末・ラスト(ネタバレ)
多数決が行われたが3対3となった。PTウォルドは、あと一人残っていると言いだす。実は、ザンは子供を身ごもっていた。父親はエンだった。親となれば、ザンにも投票権が与えられる。だが、そのためには地球を後にしなくてはならなかった。一度、戻ったら、二度と戻ってくることはできない。ザンはその場を飛び出してしまった。
ザンを追いかけたエンは、ここに残ってくれと言うが、彼女はこれから生まれてくる子供たちのために、帰ることを選択する。そして、マンションから飛び降り、そのまま消えてしまった。エンは一人、泣き崩れるばかりだった。
学校帰り、これからデートだというジョンからアドバイスをくれと言われる。エンとヴィックは、あの事件のおかげか少し大人な答えをジョンに返した。
1992年、あれから15年の歳月が経った。エンはあの時のことを本にしていた。サイン会が行われ、たくさんのファンが押し寄せる。その中に、ある集団がいた。彼らの名前を聞いていくと、有名なアーティストの名前ばかり。そして、一人の青年が“エン”と名乗った。その時、エンは彼らがザンの子供たちだということに気がついた。彼らは母親の勧めで、ここにやってきたのだそうだ。“バンドを組もうと思っている”と彼らは言った。子供たちを目の前にし、ザンを思い出したエンは、思わず涙で瞳を滲ませた。
映画『パーティで女の子に話しかけるには』の感想・評価・レビュー
本作は、内向的な少年エンと遠い惑星から来た少女ザンの48時間の恋の逃避行を描いたSFラブコメディー作品。
導入から異世界観があってつかみどころのない不思議な印象だったけれど、気が付けばこの世界観にのめり込んでいた。
思いの外SF要素が強めで、予想もしないとんでもない展開になっていくところが見どころ。
青春真っ只中の好奇心旺盛でキラキラとした2人の目は本当に綺麗だった。
しかし、ザンの種族が絶滅に向かうことを受け入れなければならないのは辛かった。(女性 20代)
題名は知っていたので何気なく見て、ヒロインが宇宙人と知って衝撃を受けた。最初は見たのは失敗だったかな?と失礼なことを思ったのだが、見終わると想像よりも遥に素敵な作品だったなと思った。
エンとザンが本気で惹かれ合っているのが感じられて、笑い合う姿がとても素敵だった。種族の違いによって上手くいかない部分もあり、きちんと「人間と宇宙人の恋愛」という設定が生きていたと思う。青春時代を思い出すような、甘酸っぱさを感じる作品だった。(女性 30代)
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