映画『パディントン2』の概要:クマのパディントン実写化、第2弾。ブラウン一家に受け入れられロンドンの生活に馴染んだパディントンは、叔母ルーシーの誕生日プレゼントとして飛び出す絵本を買おうと決める。だが、その絵本は財宝の隠し場所を描いた地図だった。
映画『パディントン2』の作品情報
上映時間:104分
ジャンル:コメディ、アドベンチャー
監督:ポール・キング
キャスト:ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ブレンダン・グリーソン、 ジュリー・ウォルターズ etc
映画『パディントン2』の登場人物(キャスト)
- パディントン(ベン・ウィショー)
- ペルー大森林の奥地からやって来た、二律歩行をして言葉を話す世にも珍しいクマ。性格は非常に明るく前向き。心優しく正義感に溢れ愛情深い。ブラウン家に家族として受け入れられ、周囲から愛されている。
- ヘンリー・ブラウン(ヒュー・ボネヴィル)
- ブラウン家家長。妻メアリーと娘ジュディ、息子ジョナサンの父。中年に差し掛かり、健康やホスピタリティに目覚め若さを保つために奮闘中。現実主義者。
- メアリー・ブラウン(サリー・ホーキンス)
- ブラウン家の母。ヘンリーの妻でジュディとジョナサンの母。挿絵の仕事をしており、現在は遠泳の練習をしている。柔軟な心の持ち主で家族愛が深い。
- ジュディ・ブラウン(マデリン・ハリス)
- ブラウン家長女。今時の女子高生。現在は古い印刷機を利用して、女子だけの新聞を作っており、ネタ探しに夢中。
- ジョナサン(サミュエル・ジョスリン)
- ブラウン家長男。中学生男子で発明家。現在は蒸気機関車に夢中で精密な模型を作っては楽しんでいるが、それが地味な趣味であることを自覚している。学校ではクールなキャラで通しており、あだ名はJドック。
- フェニックス・ブキャナン(ヒュー・グラント)
- ブラウン家の近所に住む落ちぶれた俳優。口が上手く演技力に長けており、様々な役になりきる。飛び出る絵本に隠されたヒントから、財宝を手に入れようと画策し、パディントンを陥れる。手品師の家系でマジックが得意。
- サミュエル・グルーバー(ジム・ブロード)
- 骨董品店を営んでおり、古いおもちゃなどを収集している。パディントンとは親友。移動遊園地の経営者と親戚。
映画『パディントン2』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『パディントン2』のあらすじ【起】
ロンドンのウィンザー・ガーデン。言葉を話し二律歩行をする世にも珍しいクマのパディントンは、家族として受け入れてくれたブラウン一家と幸せに暮らしていた。パディントンは前向きで明るい性格を周囲から愛され、町でも人気者だった。
そんなある日、叔母ルーシーの誕生日プレゼントを探していたパディントン。サミュエル・グルーバーの骨董品店にて、手作りの飛び出す絵本を見つける。それはグルーバーの曾祖母が手ずから作ったものだと言う。故に世界に1つしかなく、金額もかなり高額だった。
そこで、パディントンは絵本を買うために働いてお金を貯めようと考える。手始めに理髪店で雇ってもらったが、客に迷惑をかけてしまいクビになってしまう。
その日の夜は数年に1度訪れる移動遊園地が開催。開会宣言はブラウン家の近所に住む、落ちぶれた俳優フェニックス・ブキャナンが行ったが、パディントンから絵本の話を聞き密かにある計画を企てるのだった。
翌日から窓拭きの仕事を開始したパディントン。しかし、目標額の半分までお金が貯まった頃、仕事帰りに絵本を眺めていたパディントンは、骨董店に強盗が入るのを目撃。しかも、強盗の狙いはあの絵本である。パディントンは必死になって強盗を追ったが、捕まえることができなかった。その上、警報で駆け付けた警察に犯人と間違われ逮捕されてしまう。そうして、パディントンは強盗の罪で監獄に入れられてしまうのであった。
映画『パディントン2』のあらすじ【承】
パディントンは前向きに考え、監獄でも一生懸命頑張ろうと気持ちを切り替える。
囚人達の食事も囚人が作っているが、料理長は棟を仕切るボスだった。食事のまずさに異を唱えたパディントンは、怒った料理長に胸倉を掴まれ、咄嗟に帽子の中に隠してあった非常食のマーマレードサンドを彼の口に押し込めた。すると、特製マーマレードに感動した料理長は態度を一変させ、パディントンに危害を加える者は許さないと宣言するのである。
その頃、ブラウン一家は真犯人を探すため、モンタージュを町中に貼り出す作業を行っていた。そこで、メアリーはグルーバーから犯人の目的が絵本だったと聞かされる。一家は全員で話を聞きに移動遊園地へ。グルーバーの従姉でもあるマダムから絵本にまつわる話を聞いた。
グルーバーの曾祖母はサーカスの花形だった。彼女は一代で財を成したが、一団に所属していた手品師がその財宝を狙って彼女を殺害。まんまと鍵を奪うことに成功する。だが、宝箱の中には1冊の絵本しか入ってなかった。それが、ロンドンの12カ所の名所を描いた飛び出す絵本だったのである。その後、追われた手品師と財宝は行方知れずとなっていた。
絵本は財宝を探すための宝の地図で犯人はそれを知っていたのだ。恐らく手品師の末裔に違いない。メアリーはそう推察した。
朝方、料理長に叩き起こされたパディントンはマーマレードを作れと命令される。パディントンは料理長と2人で特製マーマレードを作製。そして、初めて作ったマーマレードが絶賛されたことで気分を上げ、他の囚人からデザートのレシピを募った。
すると、その日から囚人達の食事の質が一気に向上。食堂や牢屋には色とりどりの花が飾られ、喧嘩や不穏な空気は鳴りを潜め笑顔溢れる監獄生活が展開された。
映画『パディントン2』のあらすじ【転】
そうして、1カ月後。ブラウン一家との面会日。捜査の進展を話し合った一家とパディントンだったが、犯人逮捕に繋がる手がかりは見つからず。料理長曰く、指名手配されている犯人像を見るに、強盗はギャングの仕業ではないらしい。
パディントンが消えたウィンザー・ガーデンは誰もが苛立ち、ピリピリとしている。犯人を捜しているブラウン一家を応援する人々もいる中、ブキャナンに自宅へ招かれたメアリー。彼女は彼と会話をしていてふと気づいてしまう。これまで3人の犯人が現れたが、性別や年齢は様々だった。だが、3人に共通して変わらないのは瞳と目元である。モンタージュはブキャナンの目とそっくりだったのだ。
ブキャナンが犯人だと確信したメアリーは、家族会議にて事件の推測を話した。しかし、ヘンリーは妻の話に否定的で、推測の域を出ないのでは納得できない。メアリーの話には一理あるものの、ジュディもジョナサンもヘンリーの意見に賛同した。
翌月の面会日前日。牢屋の換気管を通じて料理長たちが脱獄計画を企てていると聞いたパディントン。彼の無実を証明するためには、料理長たちの手助けが必要でそのための脱獄だと言う。だが、パディントンはブラウン一家を信じているので、脱獄の話には乗らなかった。
翌日、ブキャナンが犯人である証拠を探すため、メアリーと子供達は策を講じてブキャナン邸への潜入を試みた。途中からヘンリーも加わり、屋根裏に犯人が着用していたと思われる衣装を発見する。どうにか逃走に成功した後、一家はその足で警察へ向かったが、証拠不十分として出動できないと言われてしまう。しかも、彼らは犯人捜索に夢中で、その日のパディントンとの面会時間に間に合わなかった。
映画『パディントン2』の結末・ラスト(ネタバレ)
ブラウン一家を家族同然に思い、信じていたパディントン。面会室で待ちぼうけとなってしまい、寂しさを募らせる。パディントンは料理長たちが企てる脱獄計画へ乗ることにした。
消灯後、ランドリーシュートから洗濯場へ抜け出し、荷物保管場所から自分達の荷物を入手。そして、時計塔から密かに作っていた気球に乗り込み見事、脱獄を成功させる。
だが、料理長がパディントンの無実を証明するために脱獄したのではないことを知ったパディントン。彼は脱獄犯となってしまい、ブラウン家に帰ることもできなくなってしまった。
囚人達と別れたパディントンは、近くの公衆電話からブラウン家の留守電にメッセージを残した。すると直後に折り返しの電話がかかってくる。電話の相手はメアリーだった。一家は犯人がブキャナンであることを突き止め、移動遊園地が所持する大型オルゴールに隠された財宝を手に入れようとしていることを明かす。移動遊園地はその日の夜にパディントン駅から列車にて出発する予定だった。
パディントンは通り掛かったゴミ回収車の友人を発見し駅へ。一家もまた、駅へ向かうことに。駅に到着したパディントンは移動遊園地の列車を発見し、変装したブキャナンが乗り込むのを目撃。自分も飛び乗った。
一方、駅へ到着したブラウン一家は発車に間に合わず。そこで、隣の線路に停車している豪華列車へ乗り込み、ジョナサンが運転することになった。
大型オルゴールの暗号を解き、財宝を発見したブキャナンだったが、背後にパディントンが迫っていることに驚愕。反動でオルゴールに触れてしまい、財宝は再び隠れてしまう。絵本がなくては暗号が思い出せない。逃げるパディントンを追うブキャナン。そこへ、並走する豪華列車から飛び移ったヘンリーとジュディ達が登場し、ブキャナンの足止めをした。その間に隣の列車へ逃れようとしたパディントンだったが、敢無く失敗。
パディントンは最後の車両に閉じ込められ、切り離されてしまう。しかし、どや顔のブキャナンをヘンリーが一撃で倒すことに成功する。
だが、パディントンは車両から逃げられず川へ落下。すぐさまメアリーが飛び込み助けようとするが、水中に沈んだ車両の扉を開けることができず。
そこへ、逃亡を考え直した料理長たちが現れ、パディントンを助けに入ってくれるのだった。
3日後、熱を出して寝込んでいたパディントン。ブキャナンが逮捕されたことで、無実が証明されたことを知らされる。彼はブラウン家への帰還を喜んだが、叔母ルーシーの誕生日にプレゼントを用意できなかったことに肩を落とした。しかし、家族は近所の人たちと協力し、パディントンのためにひと肌脱いでくれる。
1階では近所の人たちが集まり、パディントンの回復を喜んでくれた。そこへ、招待された叔母が到着。パディントンは感極まって抱き合うのであった。
映画『パディントン2』の感想・評価・レビュー
クマのパディントン、実写化第2弾。ロンドンの生活にも慣れ、周囲を明るく照らす彼は町でも人気者。とにかく天然素材で何かとトラブルを発生させるが、すこぶる性格が良く純朴であるため、憎めない。その存在は監獄でも一際、輝き囚人たちをも笑顔にさせる。
パディントンは情が深く、高齢の叔母ルーシーをとても心配している。同じようにブラウン一家もひたすら信じているが、窮地に追いやられ彼が落ち込む様は見ていても心が痛い。他にもパディントンのためにブラウン一家が奮闘する姿は、素人丸出しであるが故に笑いを誘う。ストーリー以外でも見どころは満載である。(MIHOシネマ編集部)
「親切な人に、世界は優しい」こんな当たり前なことなのに、なかなか実践できない、この世の全ての大人は絶対に観るべきだ。牢獄のボスまでも味方につけてしまうパディントン。あまりにもの健気さに涙が出てしまう場面も多々あった。
牢獄から気球で脱獄する時のロンドンの風景や、世界に一冊しかない飛び出す絵本など、ロンドンの街の美しさが表現されるシーンが多くて、夢が広がる作品だった。(女性 20代)
1が良作だったので、これは続編が来るだろうと思っていたら予想通り。しかも前作と同じくらい、下手をしたら前作以上の出来栄えで驚いた。純粋な主人公っていいよね。メンタルやられてる時見ると、癒されながらついつい泣いてしまう。
悪役のヒュー・グラントも、悪いのに憎めないキャラクターバランスが秀逸。自分もこんな優しい世界に住みたい。こんな熊が近くにいたら癒されるだろうな。続編をぜひ見たいと思える作品で、できたらシリーズ化して欲しい。(男性 30代)
実写版「パディントン」の第二弾。シリーズ物の続編は薄味になることも少なくないが、この作品は大丈夫。こんな続編が観たい、というツボを抑えた一本。
主役のクマ、パディントンはロンドンでできた新しい家族と引き続き幸せに過ごしている。その上で故郷に暮らす叔母に誕生日プレゼントを送ろうと思う…なんと優しいストーリーだろうか。しかも優しいストーリーでありながら、退屈ではないのが素晴らしい。悪役のハズのヒュー・グラントでさえチャーミングに描かれていて、安心して楽しめる良作。(男性 40代)
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前作 パディントン
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