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映画『スペル(2009)』あらすじとネタバレ感想

映画『スペル(2009)』の概要:2009年に製作されたサム・ライミ脚本、監督のホラー映画。主演はアリソン・ローマン。不気味な老婆に呪いをかけられてしまった女性が、追い詰められていく様子を描いた。

映画『スペル』 作品情報

スペル

  • 製作年:2009年
  • 上映時間:99分
  • ジャンル:ホラー
  • 監督:サム・ライミ
  • キャスト:アリソン・ローマン、ジャスティン・ロング、ローナ・レイヴァー、ディリープ・ラオ etc

映画『スペル』 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『スペル』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『スペル(2009)』のあらすじを紹介します。

銀行に勤めるクリスは、男性というだけで優位に立つ新人のスチュに次長職を奪われかけていた。
恋人のクレイとは結婚も考える間柄だが、実家が農家のクリスに彼の母親は猛反対。

そんな時、薄汚い老婆シルビア・ガーナッシュが、自宅を担保にしているローンの返済延長を求めてきた。
自分の評価を高くしたいがために、ガーナッシュの頼みを断ってしまう。
恐ろしい形相でクリスにつかみかかったガーナッシュは、その場では警備員に連れられていった。
しかしクリスの車内で待ち伏せして襲い掛かってきたガーナッシュは、クリスのコートのボタンを引きちぎって不気味な言葉を発した。
抵抗したクリスが気が付くとガーナッシュの姿は無かった。

ふと気になって入った占いの店で、クリスは呪われていると言われてしまう。
信じなかったクリスとクレイだったが、それから彼女の周囲ではおかしなことが起こるようになり、不幸ばかりが舞い込むようになる。
原因はガーナッシュだと思ったクリスは謝ろうとしたが、彼女は亡くなっていた。

全て諦めてしまおうと思ったクリスだったが、その呪いと縁がある霊媒師ショーン・サン・ディナを紹介され、助けを求めることにする。
ショーン・サン・ディナの命をかけたお払いの後、クリスにはやらなければいけないことがひとつ残されていた。

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映画『スペル』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『スペル(2009)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

怖さと笑いが紙一重になったホラームービー

窓口にやってきた老婆にマニュアル通りの対応をしたが、勝手に怒った老婆が呪いをかけてくるというなんとも不条理なストーリー。
「ラミア」という呪いの呪文(スペル)によって残り数日の命になり、その後は地獄に落とされると知ったクリスが最後に助けを求めるのは霊媒師ショーン・サン・ディナ。
彼女が最初に「ラミア」のスペルと対決して負けるシーンが冒頭に流れている。
クリスの恋人のクレイは冷やかしのような台詞が多く、心理学者らしい説明をするシーンが一切出てこないのがツッコミどころ。
最終的には、スペルの元になっているボタンの所有者を変えれば、クリスは助かるというオチで、亡くなっているガーナッシュにも有効だと知ったクリスの豹変っぷりは笑いを誘う。

笑いと怖さは紙一重という言葉を上手く表現したストーリーだが、ツッコミ所が多すぎるのが玉に瑕。
助かったはずのクリスが大どんでん返しにあう設定には、上手く練られたストーリーだと再確認させられる。

クリスとガーナッシュしか印象に残らない

主人公のクリストファー・ブラウン役を演じたアリソン・ローマンの、冴えない感じがピッタリの作品。
ガーナッシュの孫から、昔は太っていたという真実を暴かれたり、クレイの母親と顔を合わせるまでは”農家出身の育ちが悪い娘”と皮肉を言われていたり、苦労人だからこそ他人の目が気になって臆病になっているクリスという女性像がしっかり表現されている。
テレビ番組を中心に活躍しているローナ・レイヴァーが演じる、異様な雰囲気を放つ老婆ガーナッシュの見た目もすさまじい。
だが、ガーナッシュの鬼気迫る見た目によって、本来なら存在感のあるクレイ、ショーン・サン・ディナといった人物たちの印象が薄くなってしまっている。

身代わりという言葉に捕らわれたクリスが猫を殺めてしまったり、お祓い中にクリスの口から猫が出現するなど、驚きの展開もある。
しかし、クレイの両親と食べている料理からハエが出てくるなど、見ていて気持ちの良いものではない場面も多く存在する。


ある意味衝撃を受けるオカルトホラー作品です。
老婆の理不尽な逆恨みによって呪いをかけられてしまった女性の苦しみを描いた作品で、次々と奇妙な現象に襲われていきます。しかしそれが老婆の体液が付着するようなものであったりと、目を背けたくなるような気持ち悪いシーンが多数。最後まで耐えられない方も少なくないと思います。とはいえ、全体的にホラーというよりコメディタッチで描かれており、クスっと笑える映画で嫌いにはなれない作品です。(女性 20代)


ホラーなのに笑えるシーンが多くて個人的にはすごく好きな作品です。笑えるというのもコメディチックなハッピーな笑いではなくて、こんなことになるの…?と言う失笑です。
とりあえず理不尽な呪いをかけてくるガーナッシュのビジュアルがめちゃくちゃクオリティが高くて怖いんです。それなのに老婆らしいところを残すという意味不明なことをしたせいで、入れ歯が飛んで来たりします。絶対に必要ないでしょと感じるシーンにこだわる所もサム・ライミらしいですが。
ホラーが苦手な方にも楽しめる作品になっているでしょう。(女性 30代)

映画『スペル』 まとめ

クリスが大雨の中、ガーナッシュのお墓を掘り返して暴言を吐きながらボタンを口に詰め込むシーンが印象に残る作品。
私はこのシーンを見たいがために、何度も「スペル」を見ているが、DVDパッケージにもある、ガーナッシュの画像の印象を覆すような、鬼気迫る生者の強さが面白い。
その後のどんでん返しで、ボタンがまだ手元にあってクリスが線路に落ちていく、というのも上手くできてきる。

ホラー映画なのだが、入れ歯が飛んできたり、クリスが葬儀の途中のガーナッシュの遺体に抱きつくハメになって、謎の液体をかけられたりと笑いどころが多くあるので、あまりホラーが得意でなくとも見やすい作品だろう。

今作の監督サム・ライミといえばホラー映画の王道「死霊のはらわた」からヒーロー映画「スパイダーマン」まで、幅広い作品を作っているが、「スペル」は異色を放っている。

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