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映画『きみへの距離、1万キロ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『きみへの距離、1万キロ』の概要:米国からロボットを遠隔操作しながら、北アフリカの油田の監視員をしているゴードン。ある日、砂漠で落ち込んでいる女性を発見する。彼女は恋人がいたが、親が決めた相手と結婚しなくてはならなくなり、途方に暮れていた。

映画『きみへの距離、1万キロ』の作品情報

きみへの距離、1万キロ

製作年:2017年
上映時間:91分
ジャンル:ラブストーリー
監督:キム・グエン
キャスト:ジョー・コール、リナ・エル・アラビ、ファイサル・ジグラ、ムハンマド・サヒー etc

映画『きみへの距離、1万キロ』の登場人物(キャスト)

ゴードン(ジョー・コール)
米国、デトロイト在住。遠隔操作で北アフリカの油田パイプラインの監視員をしている。恋人に別れを告げられ、落ち込んでいる時、アユーシャの存在を知る。恋人とパリへと逃げる計画を立てていることを知り、応援したいと思いだす。
アユーシャ(リナ・エル=アラビ)
北アフリカの銀行員。カリムという恋人がいるが、親が決めた相手と結婚しなくてはならなくなり、悩む。

映画『きみへの距離、1万キロ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『きみへの距離、1万キロ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『きみへの距離、1万キロ』のあらすじ【起】

デトロイトに住むゴードンは、北アフリカの砂漠にある油田パイプラインの監視員の仕事をしている。彼はアメリカに居ながら、遠隔操作でロボットを動かし、油田を守っていた。監視ロボットは蜘蛛のような足で地面を這い回って移動ができた。暗視機能で暗闇にも対応、自動翻訳機能で現地のアラビア語で会話することも可能で、更には、石油泥棒を退散させるための威嚇射撃機能も備わっている優れものだ。

最近、ゴードンは恋人に別れを告げられて落ち込んでいた。そんな彼に出会いを与えようと、上司のピーターはゴードンのスマートフォンに出会い系アプリを勝手にダウンロードし、登録する。何人かの女性が連絡をくれたが、ゴードンは遊びの恋には興味がなかった。ゴードンはアメリカから出たことがなく、相手の女性がパリのヴェール・ギャラン公園の話をしてくれても、そこがどれほど有名で素晴らしい場所なのかもピンとこない。

ゴードンは夜勤専門で、アメリカの夜は北アフリカでは昼間だった。ある日、砂漠の中で密会する恋人同士を目にする。

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映画『きみへの距離、1万キロ』のあらすじ【承】

北アフリカで銀行に勤めるアユーシャは、恋人のカリムと砂漠で密会していた。二人は愛し合っていたが、ある日、親が勝手に結婚相手を決めてくる。相手はアユーシャの父親と同じくらいの高齢だった。好きでもない人と結婚などしたくないアユーシャは悩み始める。

砂漠の中で一人、途方に暮れているアユーシャを見かけたゴードンは、規約違反だと知っていたがロボットを操り、アラビア語で声を掛けた。だが、驚いたアユーシャはその場から逃げていってしまう。

アユーシャに興味を持ったゴードンは、過去の映像からカリムとの会話を見つけ出すと、出会い系でアラビア語に詳しい女性と知り合いになり、言葉を翻訳してもらった。そして、彼女がとても悩んでいることを知る。

ある日、油田の敷地内に盲目の老人が侵入してきた。迷子だと気がついたゴードンは、老人を道路まで先導することにした。老人は盲目のため、相手がロボットだと分からなかったが、何でも質問してみろと気さくに話しかけてきた。そこでゴードンは、運命の人を見極めるにはどうすればよいかと尋ねた。老人は、うなじの匂いを嗅ぎ、キスをしてみろと答えた。それが気に入らなければ、会話しても意味はないとのことだった。

老人を送り届けたゴードンは、アユーシャを探してみた。カリムと一緒にいるところを発見した彼は、翻訳機能で二人の会話を盗み聞きする。結婚を逃れるため、二人はパリへ逃げようと考えていた。旅費を作るために、カリムは危険な仕事をすると言い、三日後に金を持ってくると約束した。

二人の去り際、初めてフードを取ったアユーシャの顔を見たゴードンは、その顔に去って行った恋人の面影を感じて驚いてしまう。ゴードンは監視ロボットの一台に“ジュリエット3000”という名前を付け、アユーシャの専用機にした。

映画『きみへの距離、1万キロ』のあらすじ【転】

翌日、ピーターを睡眠薬で眠らせると、ゴードンはアユーシャを尾行し始めた。だが、銀行まで追跡した時にロボットが故障してアユーシャに発見されてしまう。不審がる彼女にゴードンは、君たちの恋は本物だ。だから応援したい、と話しかけた。その時、初めてゴードンはアユーシャの名前を知る。仕事が終わると、彼はアユーシャ宛にパリまでの旅費を送金した。

カリムが言っていた危険な仕事とは、油田パイプラインから石油を盗むことだった。警告が出たので急行したゴードンは、そこでカリムと遭遇。強奪を止めるように話しかけるが、彼はロボットを破壊しようとしてきた。だが、運の悪いことに、ロボットから出た火花で漏れた石油に引火し、辺りは火の海に。カリムも火だるまとなり、その場で焼死してしまう。焼死後、相手がカリムだと気がついたゴードンは、大きなショックを受けた。

朝、二人の待ち合わせ場所にやってきたアユーシャ。そこにゴードンが現れ、カリムの死を告げた。アユーシャは信じなかったが、事故現場を見せると泣き出し、あなたが殺したのだと喚いた。ゴードンは彼女を慰め、カリムのためにも国外へ脱出して幸せを掴むべきだと説得する。そして、自分が送金した金の暗証番号とパスワードを教えたのだった。

映画『きみへの距離、1万キロ』の結末・ラスト(ネタバレ)

次のパリ行きの舟は、二日後に来るという。その日の朝に、アユーシャの家まで行き、旅の門出を援護すると告げたゴードン。だが、そのやり取りをピーターに知られてしまう。彼に上へ報告すると言われたゴードンは、これは自分の人生にとって一番、重要なことかもしれない、と切り出し、二日間だけ報告を待ってくれないかとお願いした。

ゴードンからの送金を受け取ったアユーシャだったが、両親に逃亡することを知られ、部屋に監禁されてしまう。出発の日、アユーシャの家にやってきたゴードンは、彼女が監禁されていることに気づき、ロボットを操作して窓のカギを壊すと、彼女を脱出させた。

一緒に砂漠へと逃げてくると、ゴードンはアユーシャに、これから運命の人に必ず会える、その人と出会って幸せになってほしいと告げ、背中を押した。アユーシャから、なぜ助けてくれたのかと問われたゴードンは、自分の醜さや弱さを受け入れてくれる心の広い人がいるのだろうかと思っていた時、君に出会ったからだと説明した。

あなたに会ってみたいと言うアユーシャ。ゴードンは提案し、一年後の同じ日、同じ時間にパリのヴェール・ギャラン公園で待っていてほしいと約束した。二人はそこで別れ、アユーシャは舟に乗り、ゴードンは会社を辞めていった。

一年後、ヴェール・ギャラン公園にやってきたゴードンは、同じように誰かを探す女性を発見。それはあのアユーシャだった。二人は初めて顔を合わせたが、何かを話し出す前に、静かに抱きしめあった。彼女のうなじに顔をうずめたゴードンは、運命の人の匂いに優しく包まれていた。

映画『きみへの距離、1万キロ』の感想・評価・レビュー

ゴードンがアユーシャの逃亡の手伝いをするための動機付けが少し甘い気もするが、そこは運命的にビビビッと来たせいだと信じよう。上映時間も短く、無駄のないカットでコンパクトに纏められていて見やすいが、物語に大きな起伏が無いため、カタルシスはあまり感じられない。しかし、ハッピーエンドは気持ちいい余韻を生んでいる。一番のポイントはやはりロボットで、ジュリエット3000がちょこちょこと動き回る姿が愛らしく、それだけで面白さが増している。(MIHOシネマ編集部)


マッチングアプリや婚活サイトなど様々な方法で恋愛をスタートできる今の時代。今作で描かれるのは離れた場所にいる2人が、ロボットを通して出会うあまりにもロマンチックな出会い方でした。
ロボットを遠隔操作する男が出会った1人の女性。彼女に「運命」を感じ、彼女のことを調べ、助けて、恋に落ちるという展開は少しストーカーっぽい要素もありますが、とてもロマンチックだと感じました。しかも、最初は恋愛感情では無く「助けたい」という気持ちからスタートしているのもすごく良かったです。
ラストで顔を合わせたことのなかった2人が抱き合うシーンは、とても美しく心が揺さぶられました。(女性 30代)


石油パイプラインを監視する仕事に就く、主人公ゴードン。クモ型ロボットを通して見える砂漠の世界に、いつの間にか夢中になっていました。設定が物珍しくて、惹きつけられます。また、砂漠に現れた人々に道案内したり人助けしたりと、ゴードンの遺漏ない気配りに心が温まりました。ジョー・コールの澄んだ瞳と、ピュアな表情が堪りません。素敵な俳優です。「相手のうなじの匂いを嗅ぐと、運命の相手かどうかわかる」そうなので、気になる人がいたら是非お試しください。(女性 30代)

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