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映画『ミスティック・フェイス』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ミスティック・フェイス』の概要:テレビ局に勤める主人公は運命の女性と出会うが、ひょんなきっかけから超能力番組の代理を務めることに。そのせいでヒロインに呪いをかけてしまい、全能の力を得ようとする魔術師から手玉に取られてしまう。真実の愛を描いたロシア製ダークファンタジー。

映画『ミスティック・フェイス』の作品情報

ミスティック・フェイス

製作年:2016年
上映時間:82分
ジャンル:ファンタジー、ホラー
監督:イヴァン・コルドザヤ、ヴィチェスラフ・リスネフスキー
キャスト:アレクサンドル・ペトロフ、ディアーナ・ポジャールスカヤ、エカテリーナ・カバク、セルゲイ・ブルノフ etc

映画『ミスティック・フェイス』の登場人物(キャスト)

アレックス(アレクサンドル・ペトロフ)
テレビ局で働く好青年。『超能力バトル』という番組の製作に関わっている。ターニャと出会い恋に落ちるが、魔術師ルスタムの罠に陥りターニャへと呪いをかけてしまう。
ターニャ(ダイアナ・ポツハースカヤ)
スポーツ用品店にて働く女性。金髪で美しい。フィギアスケーターであったが、呪われる運命にあると告げられ、スケーターとしての道を閉ざされてしまう。孤独の呪いをかけられる。アレックスとは運命の相手。
ルスタム(セミョン・ロパーチン)
運命の恋人を引き裂き全能の力を得ようとする魔術師。シャーマンとは長い時をかけて戦い続けている。手の平サイズのマラカスを呪具として魔術を行う。
シャーマン(キリル・コザコフ)
運命をあるべきものとして守る者。運命を壊す魔術師ルスタムと長い時をかけ戦い続けている。狼の毛皮を身に着け、古代より伝わる方法にて魔術を行う。

映画『ミスティック・フェイス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ミスティック・フェイス』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ミスティック・フェイス』のあらすじ【起】

ロシア、モスクワ。皆既日食があったその日の夜、テレビ局で働くアレックスはパーティーに参加し、金髪の美しい女性ターニャと出会った。彼女とアレックスは後に真実の愛を育む仲であったが、彼らの運命の時が動き出すのは、これより3年後だった。

その運命を知るルスタムという魔術師は、彼らの運命を引き裂こうと考えている。そして、ルスタムの行いを止めようと立ち塞がる老齢のシャーマンは、運命をあるべきものとして守る責務を負っていた。彼らはその時がくるまで、ありとあらゆる勝負で互角の戦いを展開したが、とうとう3年目にしてシャーマンはルスタムに1歩後れを取ってしまうのである。

車を運転していたアレックスは突然、ブレーキの故障にて看板に激突してしまう。その看板は目前のスポーツ用品店のものだったが、店番をしていたターニャに助けられる。店のオーナーでもあるターニャの母は、看板の弁償をしろとアレックスに迫ったが、大金をすぐに用意できない。アレックスは自分が製作に関わる『超能力バトル』という人気番組の観覧へ、ターニャと彼女の母を招待することにするのだった。

番組はその日の夜、生放送される。会社へ向かったアレックスは、出演者のシャーマンが出演できなくなって困っている同僚と遭遇。代理の出演者には高額の報酬をくれると言うため、自分が代理で出ることにした。他の出演者は確かに能力者で、客席を物色。出演者の中にはルスタムも紛れ込んでいた。

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映画『ミスティック・フェイス』のあらすじ【承】

そうして、本番開始。シャーマンに扮したアレックスは、他の出演者が舞台裏で言っていたことを口にし、最後にターニャをターゲットにしたが、そこでルスタムが魔術を発動。奴がアレックスの言葉に魔力を与えてしまい、そのせいでターニャに孤独の呪いをかけてしまう。

出演を終えたアレックスに同僚は大喜び。だが後日、ターニャが働く店へ顔を出したアレックスは、番組で呪われていると言われたせいで、彼女が周囲から白い目で見られていることを知る。そこで、彼は衣装部からシャーマンの衣装を持ち出し、ターニャの名誉を回復しようと考えた。だが、そこへルスタムが現れアレックスを引き止める。曰く、ターニャの呪いは完成してしまった。故に、解決法はないらしい。ルスタムはアレックスに何かあった時のために連絡先を渡し、立ち去るのであった。

番組のせいでターニャは新聞にも面白おかしく記事にされる始末。彼女の元へ向かっていたアレックスは突如、見知らぬ男に声をかけられる。彼は本物のシャーマンで事態を重く見ており、アレックスにアドバイスをして姿を消す。

シャーマンの衣装を身に着けたアレックスは、ターニャの呪いを解くと言ったが、すぐに正体を見破られてしまう。そして、彼女に全てを明かして真摯に謝罪。番組で口にした呪いなどないと断言した。すると、少しだけ気分を良くしたターニャは、アレックスを連れてアイスホッケーの試合へと向かうのだった。
会場にて急遽、試合へと参加することになった2人。束の間、試合を楽しむ。

映画『ミスティック・フェイス』のあらすじ【転】

ターニャは3年前、フィギアスケーターとして恋人とペアを組んで試合に臨んでいたが、大会前日に占い師から呪われる運命にあると告げられてしまう。翌日は大会だったが、試合中に恋人から落とされてしまい、結果は散々に終わる。彼女はそのまま、恋人にも捨てられスケーターとしての道も閉ざされてしまう。

アレックスは彼女の過去を聞き恋心を募らせたが、呪いのせいでターニャが醜く見えてしまう。その上、良い雰囲気だったにも関わらず、言い訳をして帰ってしまうのだった。
呪いを体験したアレックスは翌日、ルスタムの事務所へ向かいターニャを助けてもらうよう頼んだ。だが、ルスタムは呪いをかけたのはアレックス本人であるため、解呪はできないと言う。ただし、彼女の呪いをアレックスに移し替えることは可能らしい。アレックスは頼みの綱とばかりに、ルスタムへそれを頼むことにした。

ルスタムが提示した条件は、アレックスがシャーマンとして『超能力バトル』にて、決勝へと進むことだった。ルスタムは魔術にて他の能力者の邪魔をし、アレックスが決勝へ進むよう魔術を使った。これにて2人は決勝へと進むことが決定してしまう。アレックスはターニャの名誉を回復する機会を得ることができず、ただルスタムの手の平の上を転がされているのだった。

翌日、シャーマンと再会したアレックスは、彼から孤独の呪いなどないと聞く。しかも、事態はもっと深刻で、ターニャには“見る者が最も恐れるものが見える”という呪いがかけられていると言う。更に呪いを解くことは不可能であり、死ぬまで誰かの元に残るらしい。もちろん、ルスタムが言う通り呪いを誰かに移すことはできる。だが、移すにはその呪いを自らの意思で受け入れた相手だけだと言うのだ。そして、シャーマンはルスタムが全てを仕組んだ元凶であり、その目的が全能の力を得ることだと明かすのである。だが、シャーマンは愛が全てに勝るものであることも口添えするのだった。

映画『ミスティック・フェイス』の結末・ラスト(ネタバレ)

そこへ、ルスタムが現れる。運命の恋人であるアレックス、全能の力を得ようとするルスタム、それを阻止しようとするシャーマン。3人が一堂に会する。アレックスはターニャの呪いを自分に移す決意をし、ルスタムと交渉。奴はそれを了承した。

1963年、ルスタムは大学の教授をしていたが、その時も運命の恋人たちを利用して儀式を行った。だが、そこへシャーマンが現れルスタムの画策を阻止。奴はまんまと逃げおおせ、そうして時を駆けた現代で、また同じことを繰り返そうとしている。不思議なことに奴は時を経ても年老いることがなく、その姿は現在も変わらぬままであった。

ターニャの前にシャーマンが現れ彼女へと助けを求める。アレックスとターニャは出会うべくして出会った運命の恋人たちである。互いを信じあえば、ルスタムの脅威に打ち勝てると言う。だが、ターニャは自分には荷が重いと言い、シャーマンの申し出を断ってしまう。

そうして、『超能力バトル』決勝。アレックスはターニャの呪いを自分に移すのが願いだと言う。そして、ビデオメッセージにて素顔を晒しターニャへと愛を告げた。ルスタムはスタジオの生放送で儀式の準備を行う。魔術師には現実とは違う目に見えない世界が見える。そこへ向かったアレックスは、力の源と言われる泉へと飛び込み、ルスタムによって閉じ込められてしまうのだった。そこは常に極寒の世界で泉には分厚い氷が張っている。

ルスタムは儀式を成功させ、全能の力を手に入れた。その時、スタジオへターニャが到着。アレックスのメッセージを観て駆け付けたのである。シャーマンは彼女を魔術師の世界へと誘い、アレックスを助けるよう力を貸した。
泉に閉じ込められたアレックスを発見したターニャは、彼をどうにか助けることに成功。

スタジオでは倒れたまま息を止めたアレックスに騒然となるも、ターニャの奮闘によりアレックスが復活。ルスタムの目論見は失敗し、ターニャとアレックスは互いに強い愛を確かめ合った。すると、魔術師の世界には春が訪れる。愕然としたルスタムは、静かに姿を消したが、シャーマンには懲りずに次の機会を狙うと言って去って行くのだった。

映画『ミスティック・フェイス』の感想・評価・レビュー

現実世界と魔術師たちの世界との違いを、はっきりと分けた演出がされている。魔術師たちの世界は常に冬景色で極寒の地である。なぜなら、ルスタムが運命の恋人たちを引き裂いているからだ。真実の愛には、全能の力があるという設定らしい。

故に、主人公とヒロインが結ばれると、魔術師たちの世界には春が訪れる。シャーマンは運命を守る魔術師らしいが、ルスタムとの関係がいつ頃から続いているのかまでは、描かれていない。1963年にはすでに戦いが展開されているので、恐らくはそれよりも前なのだろう。つまりこの作品は、愛は全てに勝り世界を救うということを描きたかったのだと思う。(MIHOシネマ編集部)


雪降りしきる極寒の地ロシアでの純愛は、非常にロマンチックでした。内容はディズニー映画のようで、恋仲になる二人が魔術によって引き剥がされるも、愛によって呪いに打ち勝つといったものです。幻覚は確かに怖いが、慣れてしまうとそうでもない。この作品のダークな部分は、魔術師の立場だと思います。力を得ることに失敗した魔術師は立ち去るのみで、彼へのしっぺ返しは無いのです。そもそも魔術が使えるのに、望むことが全能であることも違和感。ちょっとした暇つぶしで呪いをかけたと思うと怖いですね。(男性 20代)

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