映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の概要:1987年香港制作の映画。中国の奇書「聊斎志異」を元に、偶然に出会った青年と妖女との恋模様をSFXの技術を利用しワイヤーアクション満載で描いたホラーアクションファンタジーである。
映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』 作品情報
- 製作年:1987年
- 上映時間:93分
- ジャンル:アクション、ファンタジー、ラブストーリー、ホラー
- 監督:チン・シウトン
- キャスト:レスリー・チャン、ジョイ・ウォン、ウー・マ、ラム・ウェイ etc
映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
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映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』のあらすじを紹介します。
日銭暮らしで何とか生き延びていた寧。
ある日廃寺で一夜を過ごそうとした寧は、道士のトラブルに巻き込まれ寺を後にする。
そんな時琴の音のする一軒家を見つけた。
そこには小倩(ジェイ・ウォン)という妖しく美しい女性と出会う。
彼女は先ほど寧があった道士の1人である夏を妖術で虜にし、精気をすいとり屍にしてしまっていた。
そのことを知っていた燕は、寧に関わるなと忠告する。
しかし恋は盲目。
彼女を愛し始めた寧には誰の言葉も届かなかった。
二入は恋に落ちていく。
しかし小倩もまた吸血鬼により利用され、若い青年を捕まえていたのだ。
そして魔王の花嫁にされようとしていた。
これを知った寧は燕に何とか助けてくれるよう懇願する、そして燕はこういった。
彼女の墓を掘り起こし、明け方までに壺に帰れば再び人間に戻ることができると。
しかし彼女は魔界の力で連れ去られてしまった。
急いでおいかける寧と燕。
しかし魔界の力は強く命をとられるかどうかの瀬戸際、彼女は自ら燕の剣を持ち出し魔王に刺した。
そして3人は助かることができたのだが、二人には悲しい別れが待っていたのだった。
映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ジョイ・ウォンの美しさよ永遠に
80年代の香港映画と言えば、もっぱらカンフー映画かドリフのような古典的なギャグが盛り込まれたコメディ映画が主流だった。
その中で一際目を引いたのが本作品。
CMで流れる美しく切ない音楽に、空を飛ぶ妖女がなんとも興味深く思わず見たいという衝動にかられたものだった。
実際の中身はCGも甘く、いかにも80年代の香港特撮という雰囲気満々なのだがこれが中々味があって良い。
なんといっても主役のスーシンを演じているジョイ・ウォンの美しさたるや驚異的であった。
黒く長引く髪の毛にやや上に上がった目、整った顔立ちが東洋人ならではのクールビューティーっぷりを発揮していた。
今思うとそれが東洋人女性の美しさを称える最初だったのではないだろうか?
ラブシーンはもちろん、白い着物を身にまといしなやかに動く姿はまさに女性が見てみため息がでるものだった。
ジョイ・ウォンの美しさを堪能するだけで十分な映画であると言えるだろう。
悲恋だからこそ感動的
ギャグシーンもあり怪物の出てくるシーンもありの何でもSFだが、結末がハッピーエンドにならないところがこの映画の憎いところ。
ここでハッピーエンドだと少々物足りない感があるが、そこは人間と妖女の関係性をきちんと守ってくれているのだ。
最後はどうなるのかとドキドキはするのだが、顔も見ず別れを告げるスーシンが切ない。
しかしここで観客は納得できるのである。
「忘れていたけど、人間と妖女だもんね」と。
これが説得力があり、どんなにチープに見えてもまたもう1度観たいと思う作品にしている。
映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』 まとめ
本作からのチャイニーズ・ゴーストストーリーシリーズは香港映画を新しいものにするための映画になったと言っても過言ではないだろう。
ジョイ・ウォンの美しさで興味を引き独特のホラー感、オリジナリティー溢れる中国の小説感を良い感じで作り上げたと思う。
もちろん技術的な面では安っぽく、CGもそれなりで子供だましの部分もあるにはあるがそこがこの映画の良さであるとも逆に言えば言える。
これが下手にクオリティーが高かったらそんなにおもしろくないのでは?と。
今見ると昔ほど面白いとはもちろん思わないが、不思議なことにつまらないとも思わない。
懐かしさを抜いても話としては今でも斬新に思えるし、よくある話のようでいて中々無い雰囲気がまた味わい深いのである。
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