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映画『フリークス』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『フリークス』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『フリークス』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『フリークス』の結末までのストーリー
  • 『フリークス』を見た感想・レビュー
  • 『フリークス』を見た人におすすめの映画5選

映画『フリークス』の作品情報

フリークス

製作年:1932年
上映時間:65分
ジャンル:ホラー、サスペンス
監督:トッド・ブラウニング
キャスト:ウォーレス・フォード、オルガ・バクラノヴァ、ロスコー・エイツ、レイラ・ハイアムズ etc

映画『フリークス』の登場人物(キャスト)

ハンス(ハリー・アールス)
小人症の青年。恋人のフリーダの思いを知りつつ、健常者でもあり、同じ団員の美しき曲芸者クレオパトラに恋をしてしまう。
フリーダ(デイジー・アールス)
サーカスの一員で、ハンスと同じ小人症。彼とは将来を誓い合う仲ではあるが、彼の心がクレオパトラに日ごと向いていくのを感じ、嫉妬よりも彼女の下心に心配している。健気な性格で、何よりもハンスの幸せを願う。
フロソ(ウォーレス・フォード)
健常者で、サーカスではピエロ役を務めている。皆の親代わりのような存在で、同じく仲間であるヴィーナスと後に恋仲へ進展する。
ヴィーナス(リーラ・ハイアムス)
フロソと同じく健常者で、サーカスの芸者の女性。ハンスとの仲が上手くいっていないフリーダを心配する。
クレオパトラ(オルガ・バクラノヴァ)
客達の視線を集める、美貌のブランコ嬢。ハンスの思いを知りそれを利用しようと密かに交際している男、ヘラクレスと共にハンスの財産を狙おうとする。
ヘラクレス(ヘンリー・ヴィクター)
クレオパトラと水面下で恋人としての関係を結んでいる男。サーカスでは「怪力男」として知られている。
ヒルトン姉妹<デイジー(デイジー・ヒルトン)、ヴァイオレット(ヴァイオレット・ヒルトン)>
生まれつき身体の繋がったシャム双生児の姉妹。デイジーには吃音のある婚約者、ロスコーがいるが彼とヴァイオレットは非常に仲が悪い。神経も繋がっているのもあってか互いに五感を共有し合ってしまう。

映画『フリークス』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『フリークス』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『フリークス』のあらすじ【起】

とある見世物小屋。呼び込みの団員が観客達に向かい「おぞましい怪物を見せる」とその幕で遮られた向こうの箱を覗かせる。途端、湧き上がる悲鳴。団員の語りによれば、その「おぞましい怪物」とは、かつては大層美しい1人の女だったそうだ……女の名はクレオパトラ。宙を舞う孔雀と称された彼女は、サーカスのブランコ嬢として客の支持を集めていた。そんな彼女に恋焦がれていたのは、同じサーカス団に所属する小人症のハンスも例外ではなかった。ハンスには恋人であり婚約者でもある、同じく小人症のフリーダがいるが、心の底でハンスはクレオパトラにぞっこんだった。この頃のサーカスは今のような明るいものではなくどちらかと言えば「見世物小屋」という意味合いが強く、所属しているのもハンスのように先天性の障害や畸形を抱えている者達が多く存在していた。

フリーダはクレオパトラがハンスに色目を使っているのではないかと心配しているが、その通りでクレオパトラもまたハンスに自身の美貌と優しい言葉で徐々に誘惑していく。それも純粋にハンスに惹かれているのではなく、その真意はハンスが継ぐという莫大な遺産を手に入れることであった。そんな2人の様子が面白くないフリーダと、ハンスを酒の酒に呼びより距離を縮めていこうとするクレオパトラ。そしてそんなクレオパトラは、同じくサーカスの怪力芸を見世物にしている男・ヘラクレスと恋仲にあった。

ある日、サーカスの団長・テトラリニが団員達を外で遊ばせているとその土地の持ち主である男性らから出て行くよう怒鳴られる。テトラリニは畸形を持つ彼らを自分達の可愛い子供だと援護するが、男性らは差別の視線しか向けず「子供?化け物だ」と酷い罵り言葉を浴びせていく。そんな彼らに「神様、この子達をお守り下さい」と祈りを捧げるテトラリニ。

一方でハンスのクレオパトラに対する恋慕はいけないとは分かりつつ深まるばかりだった。花をあげ、その美しさも彼女には適わないと口説くハンスを利用し、クレオパトラは金をせびる。大喜びでそれを受け入れるハンス。

映画『フリークス』のあらすじ【承】

このサーカスにはハンス、フリーダのような小人症の奇形を持つ者が他にも多数存在していた。皆それぞれ身体的特徴を抱えており、差別を受けたり軽視されながらもサーカスでは活き活きと活躍し、皆を楽しませていた。彼らのような障害を持つ者以外にも、団には健常者で彼らの面倒を見ているピエロの男性・フロソと、演者の女性・ヴィーナスがおりサーカスはいつも賑わっていた。

ある晩、クレオパトラがヘラクレスと逢引きしている姿をこっそり見てしまう半陰陽者のジョセフィーヌ。構わずそんなジョセフィーヌを殴り飛ばし、それを見て笑うクレオパトラ。その晩も訪ねてきたハンスを「お風呂中なの」とあしらい、ヘラクレスと笑い合う。そんな2人の関係は知らず、ハンスはフリーダがいながらクレオパトラへの思いを捨て去れず日々思いを募らせる。フリーダは上の空の彼を心配し、言葉をかけるがつい「女が指図をするな」等と酷い言葉を返してしまう。今までの貴方とは違う、と言うフリーダに謝るハンス。

ヴィーナスもフリーダがハンスの件で落ち込んでいるのを察したのか彼女に事情を尋ねる。フリーダはクレオパトラがハンスに色目を使っていると相談し、またハンスがクレオパトラにいつも何かしら貢いでいることも話す。心配ない、ハンスはあんな女愛していないと励ますヴィーナスだったがフリーダはクレオパトラの方が上手くハンスを手の中で転がし、
簡単には離してはくれないだろうと懸念する。

ある日、フロソはクレオパトラのことが原因でヘラクレスに振られてしまったヴィーナスをさりげなく口説く。満更でもないのか少し嬉しそうなヴィーナス。少しいい雰囲気の元にとある知らせが団員であり、小頭症のスノー姉妹から入ってくる。「髭女」ことオルガが女の子を出産したらしい。父親は同じく団員のうちの1人でもある「生ける屍」ことピーターだった。ピーターは骨人間という名目で売り出されている一見異常な程に痩せ細った男だが、実は絶倫らしい。フロソは冗談っぽく、この子もまたいずれ髭が生えるに違いないと笑う。

映画『フリークス』のあらすじ【転】

その晩もハンスはクレオパトラの元へと通い、高級なワインを振る舞っていた。次第にクレオパトラの振る舞いも厚かましくなりつつあった。しかし夢中のハンスは下心のせいか彼女に高価な装飾品なども与え、それを聞いたヘラクレスはもしハンスがクレオパトラに何かしようものなら捻り潰すと嘲笑う。

一方でフロソとヴィーナスはデートの約束を交わす程にまでの仲に進展していた。しかし用事があるからとその約束を反故にしてしまったフロソに、機嫌を悪くするヴィーナス。彼女に謝り、ジョークを言いながら2人は初めてキスをした。2人にとっては初めてのキスだったが「気分は初めてじゃない」と笑うフロソ。ヴィーナスはその言葉に嬉しくなったよう、笑顔と共に彼と抱擁する。結ばれたのはこの2人だけではなかった。シャム双生児の姉妹、ヴァイオレットとデイジー。生まれつき身体の引っ付いた姉妹は感覚も共有しており一方が酒に酔えばもう一方も酔っぱらってしまう。互いのプライベートには干渉し合わないようにしている姉妹ではあるが、デイジーには夫で吃音を持つロスコーがおり、ヴァイオレットとは彼は馬が合わない。そのため、デイジーの気持ちとは裏腹に極力彼とは距離を置こうとする。夫婦が愛を語らう時もヴァイオレットは背を向け興味のないふりをするがデイジーとロスコーが唇を重ねた瞬間、感覚を共有しているヴァイオレットは同じよう幸福そうな笑顔を浮かべる。その後、ロスコーはフロソにヴァイオレットの愚痴をこぼしに行くが、その先でハンスがクレオパトラの部屋から出てくるのを目撃し浮気だと言う。まさか、と言わんばかりにフロソは大笑いして一蹴してしまう。それから、ヴァイオレットにもバジャという名の婚約者ができ、デイジーは嬉しそうにロスコーに報告する。

ある日、胸の内を改めて話し合うためにハンスの元を訪れるフリーダ。彼女の葛藤は重く、「ハンスが幸せならそれが私の一番の幸せ。だけどクレオパトラとでは幸せになれない」と諭すも、ハンスの気持ちはもうほとんどクレオパトラに移っているようなものだった。彼女は自分のような男にも優しくしてくれる、というがフリーダは彼女の本性を見抜いており、クレオパトラは貴方を見下している、サーカスのみんなはそんな貴方を笑い者にしていると話す。彼女の説得にもハンスは頑なに「それでも構わない。クレオパトラを愛してしまった」と言いフリーダに謝る。フリーダは「貴方が幸せならそれでもいい」と彼の傍を離れていくのであった。

映画『フリークス』の結末・ラスト(ネタバレ)

ある晩。フリーダが直接クレオパトラに会いに向かう。ハンスは真剣に貴女を愛しているが皆が馬鹿にしていると。クレオパトラはそれを茶化し、「小さくて可愛いじゃない。結婚してもいいわ」と笑う。ハンスと同じ障害を抱えるフリーダは「そうすれば貴女も笑い者になるわ」と決して簡単なことではないと言うが、クレオパトラは高らかに笑い飛ばす。お金が目的なのね、とフリーダが切り込むと、その通りだと開き直るクレオパトラ。続けてフリーダは、クレオパトラがその事実を知っているのだと思いハンスには莫大な遺産が入るためそれを目的にしているのだろうと問う。当然知らなかった彼女はその事実を知っていたものとし、誤魔化してフリーダをあしらった。隠れて話を聞いていたヘラクレスと共にそれを手にするためハンスと結婚しそれを奪おうと目論む。クレオパトラは障害者達の身体の弱さにつけこみある計画を立てるのだった。

かくしてハンスとクレオパトラの結婚の祝宴が催される。団員のそれぞれが芸を披露している間、ワインに毒を仕込みハンスに飲ませるクレオパトラ。素直に幸せを吐露するハンスの前で、酔いが回り、遺産のこともあってか羽目を外しヘラクレスと接吻するクレオパトラ。更には彼を嘲笑するような言葉まで吐き、その場で浮かない顔をしていたフリーダは立ち上がり会場を出てゆく。更にはテトラリニに「女ギツネ!」と罵られ彼女もまたその場を去る。場は盛り上がり、団員に「これで君も俺達の仲間だ」と言われるや否や、それまで上機嫌だったクレオパトラは一転し本音を露呈してしまう。「私はお前ら醜い化け物の仲間じゃない!失せろ!」と集まっていた団員達をハンス、ヘラクレスだけを残し追い出してしまう。ハンスをなじるクレオパトラと、馬鹿笑いを続けるヘラクレス。宴の後、流石に計画が破綻するのを恐れたクレオパトラは、必死に「酔っていただけで冗談だったの」と弁解する。しかしここでやっと自分が彼女に本気で相手にされていなかったと悟り、己の愚かさを悔やむハンス。その矢先ワインの毒が回り、ハンスはその場で気を失う。そして甲斐甲斐しく介護するふりをして、ベッドで寝かすクレオパトラ。しかし、その様子を団員の仲間達は怪しむようにそれぞれじっと眺めていた。フリーダとヴィーナスは遠目にあのワインが怪しいのではないかと話し合う。医者も彼の症状を毒だと診断したため、ヴィーナスはクレオパトラにクレオパトラを警察に突き出すと言いに来る。呆れた妄想だと言い返すヘラクレスをじっと見つめる団員達、そして「さっさと自首しなさい」とヴィーナスは言い放つ。

クレオパトラは怪しまれないためにも、寝込んだきりのハンスを天使のような優しさで世話をする。が、全ては遺産のため、彼女は薬と称して毒を与える。ハンスは彼女の真意にもう気付いており、薬を飲むふりをして吐き出し、団の仲間達と既に復讐の計画を練っていた。クレオパトラがヘラクレスの部屋へと向かった瞬間、ハンスの元へと集まってくる団員達。復讐のプランは今夜決行する、とのことであった――「汚らわしい醜悪な化け物め」ハンスは宴の時、彼女が吐いた言葉と似たような台詞を吐き捨てるのだった。再び戻ってきたクレオパトラは部屋に上がり込んでいる団員達を「薬を与えるから」と追い出そうとする。しかし、ハンスに薬瓶が何かを見せるよう問われ狼狽える。部屋の中にいた仲間らはそれぞれ静かにナイフや銃を取り出す。瓶を差し出し、毒であることをハンスに突きつけられ思わず逃げ出すクレオパトラ。しかし、外にも既に馬車や積み荷の下に団員らは潜んでいた。

一方、雷雨が激しくなり夜の色が濃くなりつつある中。フロソとヴィーナスも異変を察知し馬車を走らせていたが、ヘラクレスが乗り込んでくる。フロソがヴィーナスを逃がそうと、ヘラクレスと取っ組み合いになっている内に団員達が現れフロソを救い出す。

やがて逃げ出したクレオパトラにも制裁が下される。潜んでいた仲間達と追いかけてきたハンスに捕らえられ、悲鳴と共に暗転する画面――映像は冒頭へと戻り、例の見世物小屋へと。冒頭で語られた「おぞましい怪物」へと成り果てたクレオパトラに当時の美しさは一欠けらも残されてはいない。下半身と、更には片目を抉られ、まるで鳥類のような鳴き声を上げるばかりの「アヒル女」へと変貌してしまっていたのだった……

映画『フリークス』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

本物の畸形者や障害者を役者として使用していることや、彼らが復讐のため殺人を起こすというショッキングな内容からほとんどの国で即上映禁止を食らったという作品。こう書くと重々しい話のように思えるがむしろ喜劇的ですらあり、サーカスで働く登場人物らも皆愛くるしく楽しそうで、ほっこりとする。今の世なら確実に差別だと騒がれてしまいそうだが、彼らの姿を見ていると差別とはどこまでがそうなのか分からなくもなってしまう。(MIHOシネマ編集部)


この映画は恐怖というよりも、人間の“偏見”を暴く映画だと感じました。サーカスの中で暮らす障害を持った人々が「フリークス」と呼ばれていながらも、彼らこそが真の人間らしさを持っている。一方、健常者である美女クレオパトラの方が醜悪な存在だったという構図が、皮肉たっぷりに描かれていて痛烈でした。最後の復讐劇はゾッとするけど、それ以上に彼らの悲しみが胸に残る作品です。(30代 男性)


最初はちょっと怖いイメージで観たけど、観終わってみれば深い感動が残った映画でした。見世物として扱われる人々が、自分たちの中で助け合い、絆を築いている様子がとても温かかったです。クレオパトラがヘラクレスと共謀して小人のハンスを騙す場面は本当に腹立たしかったし、彼女の末路は正直当然だと思いました。弱者が強者に勝つという逆転劇が痛快でした。(20代 女性)


『フリークス』は、単なるホラー映画ではない。むしろ、社会の中で排除された人々がどのように見られ、扱われてきたのかを考えさせられる作品でした。実際の障害を持つ俳優たちが出演していることで、リアリティと説得力が圧倒的。最後の「We accept her, one of us!」のシーンは名場面。真の怪物は誰か――というテーマが突き刺さりました。(40代 男性)


正直、観る前は偏見がありました。でも、観ていくうちに彼らの人間味、ユーモア、思いやりに惹かれました。特に、ハンスがクレオパトラに恋してしまうくだりは切なくて仕方なかったです。悪女の罠にはまっていく姿があまりに無防備で、守ってあげたくなるような気持ちになりました。恐怖よりも哀しみが勝る作品でした。(30代 女性)


戦前にこんなテーマの映画が作られていたことに驚きました。社会的マイノリティが堂々とスクリーンに登場し、自らの存在を肯定する姿は今観ても胸を打ちます。クレオパトラの冷酷な態度に対して、彼らが団結して制裁を下すシーンは本当に震える。恐怖というより、“報い”という言葉が似合うエンディングでした。(50代 男性)


父に勧められて観ましたが、想像以上に深い作品でした。ホラー映画と聞いていたけど、全然違う。むしろ道徳的なメッセージが強いと思います。「普通って何だろう」と考えさせられました。最後にフリークスたちが雨の中でクレオパトラに迫っていく場面は、怖いというより「正義」に見えたのが不思議です。(20代 男性)


人間の“異常”は外見ではなく、内面にあるということを強烈に描いた名作です。フリークスたちの姿に最初は驚きましたが、彼らの心の温かさにすぐに共感できました。逆にクレオパトラのように、美しくて“普通”に見える人間が最も残酷で恐ろしい。1930年代の作品とは思えない現代的な視点に驚かされました。(40代 女性)


ホラーとヒューマンドラマが絶妙に混ざった不思議な映画でした。ハンスの純粋な気持ちを踏みにじるクレオパトラに、怒りと憎しみを感じながらも、それを裁くフリークスたちの姿には人間の誇りすら見えました。特にクライマックスの“変貌”したクレオパトラの姿は強烈で、一生忘れられないインパクトでした。(50代 女性)


「不気味」と「感動」が同居する稀有な映画。観る前のイメージとは全く違って、見終えたときには完全にフリークスたちの側に心がありました。差別されることの苦しみや、それでも人を信じようとするハンスの姿が切なかったです。クレオパトラへの復讐が過激だったけど、最後まで観るとむしろ清々しささえ感じます。(20代 女性)

映画『フリークス』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『フリークス』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

エレファント・マン

この映画を一言で表すと?

外見に隠された人間の尊厳と美しさを描いた、心揺さぶる実話ドラマ。

どんな話?

19世紀のロンドンで、奇病により全身が変形した青年ジョン・メリックが見世物小屋から救い出され、医師との交流の中で人間としての尊厳を取り戻していく。実在の人物を基にした感動作です。

ここがおすすめ!

『フリークス』が問いかけた“本当の怪物とは何か”というテーマを、より繊細で人道的に描いた作品。デヴィッド・リンチによる重厚な映像と、ジョン・ハートの名演技が深い余韻を残します。外見と内面の対比が胸に刺さる名作です。

ミッドサマー

この映画を一言で表すと?

異質な“共同体”の狂気と美学に飲み込まれる、祝祭的フォークホラー。

どんな話?

家族を失った若い女性が、恋人と共にスウェーデンの田舎で行われる祭に参加するが、次第に異様な儀式と共同体の狂気に取り込まれていく。昼の光の中で進行する恐怖が新鮮なホラー映画。

ここがおすすめ!

『フリークス』と同様、集団の“内部ルール”に反した者への制裁が描かれます。異文化や共同体の価値観が正義になる恐ろしさは、『フリークス』のラストと強く響き合います。美しさと不穏さが共存する独特の世界観がクセになります。

怪人二十面相・伝

この映画を一言で表すと?

“異形”と“魅力”が同居するダークで幻想的な日本ミステリー。

どんな話?

江戸川乱歩の名作をモチーフにした、怪人二十面相と探偵・明智小五郎の対決を描いた幻想的サスペンス。戦前の日本を舞台に、怪人の美学と孤独、そして彼を取り巻く人々の関係が描かれる。

ここがおすすめ!

“異端”であるがゆえに排除される者の哀しみと、その中にある孤高の美学を味わえる作品です。『フリークス』に共通する「異形者の正義」が日本的美意識と共に描かれており、独特な雰囲気に引き込まれます。

パンズ・ラビリンス

この映画を一言で表すと?

現実の残酷さと幻想の美しさが交差する、ダークファンタジーの傑作。

どんな話?

1940年代のスペイン内戦下で、母と暮らす少女オフェリアが幻想世界に入り込み、“試練”を受ける。現実とファンタジーが交差し、子どもながらに過酷な運命を背負う少女の姿を描いた物語。

ここがおすすめ!

『フリークス』と同じく、虐げられた存在が独自の世界で抵抗する物語です。異形の存在たちが恐ろしくも魅力的で、彼らの価値観が現実の非道さを際立たせます。ギレルモ・デル・トロ監督ならではの幻想美も必見。

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(1968)

この映画を一言で表すと?

社会の不安と差別意識を浮き彫りにした、原点にして最も社会的なゾンビ映画。

どんな話?

突如として現れた“生ける死者”たちに人々が襲われる中、身を寄せた家で恐怖と疑心が渦巻いていく。パニック状況下でむき出しになる人間の本性を描いた、ホラー映画史の金字塔。

ここがおすすめ!

『フリークス』のように、見た目ではなく“誰が真の敵か”を観客に問う社会派ホラー。モノクロ映像と低予算ながら強烈な緊張感を持ち、差別や暴力といった社会の闇を鋭く暴きます。ジャンルを超えた重厚さがあります。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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