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映画『父の祈りを』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『父の祈りを』の概要:IRAの爆弾テロの罪を被せられたジェリー・コンロンが冤罪を晴らすまでの実話を映画化したドラマ。 ジェリーは15年間の服役生活を送り、一緒に有罪にされた父は獄中死を遂げた。アイルランド出身のジム・シェリダン監督の渾身作。

映画『父の祈りを』の作品情報

父の祈りを

製作年:1993年
上映時間:133分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ジム・シェリダン
キャスト:ダニエル・デイ=ルイス、エマ・トンプソン、ピート・ポスルスウェイト、ジョン・リンチ etc

映画『父の祈りを』の登場人物(キャスト)

ジェリー・コンロン(ダニエル・デイ・ルイス)
コソ泥ばかりしている無鉄砲な若者。父に反目しているが、刑務所で一緒に生活する過程で父へ心を開き、更生していく。
ジュゼッペ・コンロン(ピート・ポスルスウェイト)
ジェリーの父親。裁判で有罪になっても挫けず、嘆願活動を続ける。ずっと身体が弱く、刑務所に入って体調を悪化させてしまう。
ギャレス・ピアース(エマ・トンプソン)
コンロン親子の再審を引き受けた弁護士。2人の無罪を信じて調査をし、決定的な無罪の証拠を掴む。

映画『父の祈りを』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『父の祈りを』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『父の祈りを』のあらすじ【起】

ベルファストで民家の屋上に上って金属を盗もうとしていたジェリーはイギリス兵から狙撃者と勘違いされて銃撃されてしまう。ジェリーは街中を逃げ回るが、そのせいでイギリス兵と住民の間で騒乱が起きてしまう。ジェリーはIRAに呼び出され脚を撃たれそうになるが、ジュゼッペが助けに駆け付けてきて難を逃れる。ジュゼッペはジェリーをイギリスに追いやることにする。

ジェリーはイギリス行きの船で親友に出会う。ジェリーはロンドンに暮らすヒッピー仲間の元を訪ねる。そして叔母に挨拶に行く。街ではIRAによる爆弾テロが頻発していた。無一文になってしまったジェリーと親友は、夜中に公園のベンチで休んでいた。そこに風浪者がやって来て、自分のベンチだと主張して2人をどかしてしまう。ちょうどその頃パブで大規模な爆破テロが起こる。寝床に困っていたジェリーは売春婦の家に侵入して大金を盗む。ジェリーは派手な服を着てベルファストに戻ってくる。一方、パブ爆破事件を捜査していたイギリスの警察はジェリーの親友とヒッピー仲間の関与を疑い拘束する。ジェリーの家にも警察が踏み込み、ジェリーを拘束してイギリスに連れ戻す。

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映画『父の祈りを』のあらすじ【承】

警察はジェリーに爆弾事件の被害者の写真を見せて尋問を開始する。ジェリーは暴行をされて、厳しく取り調べられる。親友やヒッピー仲間も同様の扱いを受ける。ジュゼッペはジェリーを救い出すためにイギリスに渡り、叔母の家にやって来る。しかし、ジュゼッペや叔母まで共犯として警察に拘束されてしまう。警官の一人がジェリーの耳元で父親を殺すと脅し、ジェリーは渋々自供書に署名をする。

ジェリーが拘置所に収容されているとジュゼッペも移送されてくる。ジュゼッペはジェリーに犯人かどうかを問いただすが、ジェリーはきっぱり否定する。それを聞いてジュゼッペは安心する。しかし、ジェリーはジュゼッペに八つ当たりを始めてしまう。ジュゼッペはそんなジェリーを優しく宥める。裁判が始まり、証言台に立ったジェリーは無実を主張し、事件の時間には公園で風浪者に会ったと説明する。しかし、警察は風浪者を確認できなかったと証言する。全員に有罪の判決が下り、ジェリーは無期懲役、ジュゼッペは懲役12年の刑に処される。

映画『父の祈りを』のあらすじ【転】

ジュゼッペは無罪を証明するために控訴審で戦う決意をする。一方、ジェリーは腐ってしまい、刑務所で新しい友達を作り麻薬に手を出す。ジュゼッペはハイになっているジェリーを叱りつけ、ジェリーは更生することを約束する。同じ頃、パブ爆破の真犯人の男が捕まる。しかし、警察はそのことをもみ消してしまう。ジェリー達と同じ刑務所に送られてきた真犯人は、ジェリー達に事情を説明する。ジュゼッペは関わりを持つことを拒否する。ジェリーはジュゼッペが実力行使の抵抗をしないことが不満でならない。

真犯人は刑務所での処遇改善を求め暴動を起こす。しかし、たちまち機動隊が踏み込んできて鎮圧される。刑務所にピアースが視察にやって来てジュゼッペと話す。ジェリーはピアースと面会し、ジュゼッペに無駄な希望を吹き込まないように求める。ジュゼッペはどんどん体調が弱くなっていく。真犯人は暴動の一件で看守長を恨み、焼き殺そうとする。ジェリーは残忍な真犯人に怒りを露わにする。それ以降、ジェリーはジュゼッペの嘆願活動を手伝うようになる。

映画『父の祈りを』の結末・ラスト(ネタバレ)

ジェリーは事件までの経緯をテープに録音して、ピアースに聞かせる。ジェリーはジュゼッペの介抱をするようになる。ジュゼッペは毎晩、母と一緒にベルファストの街を散歩することを想像していると打ち明ける。そして知らない人に囲まれて刑務所で死ぬことを怖がる。ピアースはジュゼッペの移送を要請するが拒否される。ジュゼッペは夜中に突然呼吸困難に陥り、病院に搬送される。神父がジェリーの所にやって来て、ジュゼッペが亡くなったことを告げる。

ジェリーはピアースにプレッシャーをかけ続けるように求める。嘆願運動は日に日に勢いを増していく。ジュゼッペの死によりジュゼッペの調書が公開され、ピアースは調書を調べる。ある日、手違いによりピアースはジェリーの調書を読む機会を得て、新証拠を入手する。ジェリーや親友らの再審が始まり、ピアースは警察が公園にいた風浪者を聴取していた証拠を示す。その調書によればジェリーのアリバイは逮捕の1か月後には明らかになっていたのだ。検察は裁判長に特別に休廷を求める。しばらくして裁判が再開され、裁判長はジェリーらに無罪を言い渡す。ジェリーはジュゼッペら事件に関わった全員の無罪を勝ち取るまで戦い続けると宣言する。

映画『父の祈りを』の感想・評価・レビュー

実際の冤罪事件を描いているだけに、観賞後には大きな衝撃を受ける。イギリスでこのようなずさんな捜査が行われたということが信じられず、15年という月日の重さは計り知れないものがある。今作はジェリーとジュゼッペの親子関係に焦点を当てることで冤罪映画の典型的なストーリーに陥らず、観客の普遍的な共感を呼ぶことに成功している。アイリッシュミュージシャンが参加した音楽も単なる添え物にならず、力強いメッセージを発している。(MIHOシネマ編集部)


冤罪によって失われた15年と父親の命は二度と戻ってくることはありません。この怒りや悲しみは誰にぶつけたらいいのだろうと考えると、やるせない気持ちになりました。
これが実話だと言うのだから驚きですよね。警察は味方だという時代はもう終わったのかもしれません。私たちの知らない警察内部は汚職やずさんな体制が蔓延っていて、私利私欲のために動く警官ばかりなのかも知れません。
そう考えるととても悲しいですが、生きることを諦めない気持ちはものすごく大切なのだとこの作品から学びました。(女性 30代)

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