映画『パンとバスと2度目のハツコイ』の概要:パン屋で働く市井ふみは、中学生の頃の同級生である湯浅たもつと再会を果たす。たもつはふみの初恋の相手だった。会っていく内にふみはたもつに惹かれるが、たもつは別れた妻に今でも思いを寄せていた。
映画『パンとバスと2度目のハツコイ』の作品情報
上映時間:111分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:今泉力哉
キャスト:深川麻衣、山下健二郎、伊藤沙莉、志田彩良 etc
映画『パンとバスと2度目のハツコイ』の登場人物(キャスト)
- 市井ふみ(深川麻衣)
- 美大出身だが、絵を描くことをやめた。現在はパン屋で働いている。真面目すぎる性格。中学生の頃、たもつのことが好きだった。
- 湯浅たもつ(山下健二郎)
- ふみの中学生のときの同級生。バツイチで、子供は別れた妻が育てている。元妻のことを今でも愛しており、復縁を望んでいる。
映画『パンとバスと2度目のハツコイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『パンとバスと2度目のハツコイ』のあらすじ【起】
市井ふみがパン屋で働いていると、同僚で友人の高野理紗子と客の女性が揉め出した。理紗子が客の女性の旦那に思いを寄せていることが原因だった。客の女性が暴れる中、ふみは人を深く愛すことができる2人のことを羨ましく感じた。
ふみは恋人の柏木芯からプロポーズされるが、ずっと好きでいる自信もずっと好きでいてもらえる自信もなかったため受け入れることができなかった。柏木はふみの言い分に困惑する。
3か月後、ふみは眼科を検診していた。ふみは緑内障を患っており、右目の右上の部分が見えなかった。緑内障は視野の一部が欠ける病気で、絶対に完治しない病気だった。治療法は毎日1回決められた目薬を差すことだった。それを怠らなければ、失明することはなかった。
ふみの家に妹の二胡が上京してきた。二胡から柏木と別れた理由を聞かれるが、ふみは曖昧に誤魔化した。別れてから、柏木が可愛い女の子を連れてパン屋にやって来たことがあった。ふみはショックを受けることはなく、柏木に新しい恋人ができた事実を受け入れていた。
映画『パンとバスと2度目のハツコイ』のあらすじ【承】
ふみは仕事終わり、洗車中のバスを見ながらパンを食べるのが日課だった。ある日、いつものようにパンを食べていると、パンを入れていた袋が飛んで行ってしまった。その袋をバス会社で働く男(湯浅たもつ)が拾った。たもつは袋に書かれていた店名を見た。
たもつはパン屋を訪れ、中学の同級生だったふみと久しぶりの再会を果たす。2人は食事に出かけた。たもつはバツイチで、子供もいた。子供は別れた妻が育てていた。たもつは別れた妻のことを今でも愛している様子だった。ふみはたもつから近況を聞かれるが、話をはぐらかした。
洗濯機が壊れたため、ふみはコインランドリーを利用した。コインランドリーの中には本棚があり、「孤独」について書かれた書籍が目に入った。ふみは『孤独の発明』という題名の本を手に取った。
ふみは中学の同級生だったさとみとたもつと会うことになった。中学生の頃、さとみはふみのことを好きだったのだが、たもつはそのことを知らずにいた。そして、中学生の頃、ふみはたもつに思いを寄せていた。おしゃれをしたかったふみは、二胡の助けを借りて出かける服を決めた。
映画『パンとバスと2度目のハツコイ』のあらすじ【転】
出かける予定の日、たもつが子供の面倒を見なければならなくなり、ふみはさとみと2人で会うことになった。さとみは結婚しており、子供を連れて来ていた。さとみは女性しか愛せないと思う時期もあったが、旦那のことが好きで幸せでいることを話した。ふみは嬉しそうにその話を聞いた。
ふみはさとみから、たもつの離婚原因について教えられる。元妻の浮気が原因だった。たもつは浮気されていても妻のことが好きだったため別れを拒んでいたが、結局妻の望むようにすることにしたのだった。たもつは今でも元妻との再婚を望んでいた。ふみはショックを受ける。
ふみはたもつに頼み、洗車中のバスの中に乗せてもらった。洗車終了後、たもつにプロポーズを断って恋人と別れたことを打ち明けた。ふみは人から好かれたとき、自分なんかと卑下する傾向があった。たもつがもしふみのことを好きになれば関係が終わってしまうため、ふみは冗談っぽく自分のことを好きにならないで欲しいと伝えた。たもつにはふみの気持ちが理解できなかった。
息子の誕生日のために、たもつはふみにパン作りを教えて欲しいと頼んだ。ふみは了承し、オーブンがあるさとみの家に集まることになった。パン作り当日、さとみは仕事に行っていて、家にいるのはふみとたもつの2人だけだった。2人は仲良くパン作りを行った。たもつが元妻にクッキーを渡したいと言い出したため、ふみはクッキー作りも手伝った。たもつは元妻の意思を汲んで別れたことを後悔しており、再婚を本気で望んでいた。
映画『パンとバスと2度目のハツコイ』の結末・ラスト(ネタバレ)
さとみはふみがたもつに惹かれつつあることに気がついた。たもつにふみの気持ちを話し、傷つけないためにもその気がないならそのことを伝えてあげて欲しいと頼んだ。たもつはさとみの話に困惑する。
たもつはふみと一緒に出かけ、中学生の頃ふみのことが好きだったことを明かした。再会した今もふみに惹かれつつあることを正直に話し、それでも元妻の方が好きなことを告げた。しかし、元妻は浮気相手と関係が続いており、再婚するつもりだった。その時、ふみはなぜたもつが1人の女性のことをずっと好きでいられたのか理由が分かった。たもつの片想いだからだった。元妻はたもつが思うほど、たもつのことが好きではないのだ。
ふみは「あるモノ」を見せるために、たもつを自宅に誘って泊めることにした。たもつは二胡が同居していることを知らず、驚く。二胡もたもつが突然来たことに困惑する。二胡はたもつが姉の初恋の相手だと知っていたため上手くいっているのかと思ったが、ふみからただの友達だと言われる。
夜明け前、ふみはたもつを連れて外に出た。そして、だんだん明るくなっていく空を見上げた。「あるモノ」とは空のことで、ふみはその空を見るのが日課だった。たもつは付き合おうとふみに告白した。ふみは承諾するが、絶対に好きにならないで欲しいと伝えた。たもつはそれなら止めると言って、2人で並んで歩いた。
映画『パンとバスと2度目のハツコイ』の感想・評価・レビュー
「好き」な気持ちを描いた作品なのだが、抽象的な表現が多くて何が言いたいのかよく分からなかった。唯一理解できたのは、片想いだから相手のことを嫌いになれずずっと好きでい続けているところだった。出演者達の演技も下手くそで、ちょっと物語には入り込めなかった。さとみがたもつにふみの思いを勝手に話した場面は、マナー違反だと感じてちょっと引いてしまった。たもつとふみは結局付き合うのか付き合わないのかはっきりせず、消化不良のまま物語が終わった感じがした。(MIHOシネマ編集部)
作品全体的に感情移入はしにくいと感じたが、主人公の恋愛観には共感するところがありました。あまり自分に自信がない、特に恋愛に苦手意識のある人は分かる場面も多いかと思います。目に病を抱えている設定は必要なのか疑問でしたが、絶望しているわけでもないが未来に期待をもって力強く生きているわけでもないような、主人公のふわふわした日常はすごく自分と近いような気がしました。セリフのせいか演技のせいか、自分にはあまり深く刺さる場面はなかったが、片思いをしている人には刺さるのかな、と思いました。(女性 20代)
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