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映画『双葉荘の友人』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『双葉荘の友人』の概要:川村夫妻は高台のテラスハウス「双葉荘」に引っ越すことを決める。正治は舞台監督の仕事を辞め、ライター業を始めた。妻の美江は雑誌編集者の仕事が忙しくなり、正治とすれ違い始める。そんなある日、正治は家の中で人影を目撃する。

映画『双葉荘の友人』の作品情報

双葉荘の友人

製作年:2016年
上映時間:120分
ジャンル:ファンタジー、ミステリー
監督:平松恵美子
キャスト:市原隼人、臼田あさ美、中村倫也、陽月華 etc

映画『双葉荘の友人』の登場人物(キャスト)

川村正治(市原隼人)
32歳。元舞台監督。ライター業を行うようになる。マイペースで楽天的な性格。「双葉荘」に引っ越した後、人影を見るようになる。
川村美江(臼田あさ美)
雑誌編集者。正治の妻。正治とすれ違うようになり、不満を募らせていく。人影は見ておらず、正治の話を信じていない。
倉田誠司(中村倫也)
32歳。名古屋出身。ちらし広告のイラストカットを手がけている。妻のことを深く愛している。1974年の「双葉荘」に暮らしている。
八井沙季(陽月華)
川村夫妻の隣の家に暮らしている。夫は遠方におり、1人で生活している。おっとりとした優しい性格。

映画『双葉荘の友人』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『双葉荘の友人』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『双葉荘の友人』のあらすじ【起】

川村正治と妻の美江は高台のテラスハウス「双葉荘」に引っ越すことを決めるが、不動産会社の担当者から大家に会う必要があると言われる。形ばかりの面接だと言われ、川村夫妻は大家の寺田幸吉と妻の直子に会いに行った。寺田夫妻は高飛車な態度で、入居してもらうかどうか後日連絡すると話した。美江はそんな寺田夫妻の態度に腹を立てる。

直子から入居してくださいとの連絡が入り、川村夫妻は結局引っ越しすることにした。引っ越し後、隣の家に挨拶に行った。隣の家に住んでいるのは八井沙季という主婦で、夫は単身赴任でいなかった。川村夫妻は感じの良い沙季の態度に安堵する。その後、寺田夫妻の元にも挨拶に行った。すると、家賃を支払うための封筒を渡され、毎月持ってくるよう指示される。美江は古臭いやり方にウンザリした。

尊敬する先輩・熊谷節子が子供を作るために退職することを決めたため、美江が仕事を引き継ぐことになった。そのことで忙しくなるが、キャリアアップのために頑張ることにした。一方、正治は舞台監督の仕事に疑問を持つようになり、仕事を変えることを決める。美江は勝手に決めたことに腹を立てるが、正治の考えを尊重することにした。正治は美江の勧めもあり、ライター業を始めることにした。

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映画『双葉荘の友人』のあらすじ【承】

正治は家で人影を目撃する。始めは驚くが、なぜか恐怖は感じなかった。むしろ、どこか懐かしいような気持ちになった。正治は人影のことなど気にせず、家で仕事を行った。夜、美江に急な仕事が入り、一緒にご飯が食べられなくなる。そんな時、料理のおすそ分けを持って沙季が訪ねてきた。正治は沙季を家に招き、一緒に食事をすることにした。

正治は家の中で見た人影のことを沙季に話した。しかし、沙季からは見たことがないと言われる。夜、正治は再び家の中で人影を見る。挨拶をして握手を求めると、相手も手を差し出してきた。だが、触れ合うことはできなかった。人影は煙のように消えた。

正治は何度も家の中で人影を見るようになった。しかも、姿だけでなく、人影の生活空間までも見えるようになっていった。人影が住んでいる場所は、「双葉荘」で同居人までいた。同居人の姿は朧げで、顔までは分からなかった。

美江の口利きもあり、正治は美江の上司からライターとして仕事を任されることになった。3か月後。美江は節子とカフェを訪れた。節子は妊娠しており、幸せな日々を送っていた。美江は仕事も正治との関係も上手くいっておらず、節子のことを羨んだ。正治はライターとして働いていたが、美江の上司からダメ出しを多く出されていた。美江は職場で肩身の狭い思いをし、マイペースな正治に対して不満を募らせていた。

映画『双葉荘の友人』のあらすじ【転】

人影が紙に名前を書いて正治に見せてきた。名前は倉田誠司だった。正治も紙に名前を書いて誠司に見せた。2人は紙を使い、会話をした。誠司は1974年10月8日の「双葉荘」にいた。正治は驚き、現在2000年10月8日であることを教えた。誠司も正治も32歳の同い年で既婚者だった。

原稿に行き詰まっていた正治は、誠司との遭遇を待ち焦がれるようになった。正治は仕事が上手くいっていないことを誠司に話した。誠司もまた画家としてやっていきたいが、それでは生活に困るためちらし広告のイラストカットの仕事を行っていることを話した。しかし、誠司は正治とは違い、真摯に絵を描くことに向き合っていた。正治は誠司に触発され、仕事を頑張ることにした。

仕事でトラブルがあった美江は、正治に愚痴を零した。しかし、正治は誠司に気を取られていて話を聞いていなかった。美江は誠司の態度にガッカリする。夜、誠司が深く落ち込んでいた。稼ぎが少なくて家賃が払えなくなったのだ。誠司は絵を諦めて仕事を探さなくてはいけないと悩んでいた。誠司の妻はパートと内職を増やし、夫を支えようとしていた。正治は誠司を励ますが、誠司の憂いはなくならなかった。

正治の仕事が認められるようになったが、美江は喜ぶことができなかった。美江は仕事も上手くいかず正治ともすれ違い、ストレスを溜めていた。美江は不満を正治にぶつけ、泣いてしまった。その時、誠司が現れ、正治は誠司の方を向いてしまう。美江は自分のことを見ていない正治の態度にショックを受ける。正治は誠司の存在を美江に話した。美江は幻覚を見ているのではないかと思い、話を信じることができなかった。

映画『双葉荘の友人』の結末・ラスト(ネタバレ)

美江は倉田誠司のことを調べるが、見つけることができなかった。正治の幻覚ではないかという疑いが増すだけだった。正治は美江にそう言われても、誠司のことをただの幻覚だと思うことができなかった。そんな時、誠司の妻が幸吉に襲われ、殺されるところを見てしまう。幸吉は自殺したように誠司の妻の死を偽装した。正治は止めたかったが、体がすり抜けてしまいどうすることもできなかった。正治は家に帰ってきた誠司に、今見たことを泣きながら話した。

正治は美江に、誠司の妻が殺されたことを話した。美江は半信半疑だったが、不動産会社に確認すると入居者の妻が自殺する事件があったと教えられる。美江は正治の見たものが真実だと知り、「双葉荘」にいるのが嫌になって実家に帰ることにした。正治はもう一度誠司に会うため、家に残った。

正治は幸吉に会いに行き、引っ越すことを伝えた。そして、誠司の妻を殺したときの様子を事細かく話し、自分が幻覚を見たことは言わずに事件を目撃した人がいると嘘を吐いた。正治は幸吉の不安感と罪悪感を煽り、時効が過ぎているため誰にも言うつもりがないことを告げて帰っていった。幸吉はただ茫然としていた。

正治は夫の元に行くと、沙季が別れを告げに来た夢を見る。美江は夫婦のことをゆっくり考えるため、正治と離れて暮らすことを決める。正治はそれを受け入れた。正治は誠司のことを気にしていたが、誠司の妻の死を目撃してから会えずにいた。

一年後、正治は仕事終わりに散歩し、直子と久しぶりの再会を果たす。幸吉のことを聞くと、正治達が引っ越した半年後に亡くなったことを教えられる。直子は幸吉が亡くなったことで、「双葉荘」を取り壊そうと思っていることを話した。正治は沙季のその後のことを尋ねた。直子は沙季の名前に驚き、古い写真を見せた。沙季が「双葉荘」で自殺した女性だった。つまり、沙季が誠司の妻だった。しかも、誠司の本名は八井誠司だった。

直子は妻を亡くし絵の仕事も上手くいっていない誠司を不憫に思い、家賃の支払いは要らないと伝えた。しかし、誠司は「双葉荘」を出て行く前、家賃を支払うことを約束して描いた絵を置いていっていた。正治はその絵を確認した。1点は正治が見たことがある絵で、もう1点は沙季の肖像画だった。

正治は沙季のことを美江に話した。美江は激しく動揺するが、誠司のことを調べることにした。その後、美江は誠司のことで分かったことを正治に話した。誠司はヨーロッパで有名になるほど凄い画家だった。無名時代は倉田誠司と名乗っていた。誠司は沙季以外の女性とは結婚せず、独身を貫いて既に亡くなっていた。美江は正治に、信じてあげられなかったことを謝罪した。

正治の母の話により、幼い頃に正治と誠司が出会っていたことが分かった。正治の家には、正治をモデルに誠司が描いた油絵があった。絵の裏には、「川村正治さんへ、双葉荘の友人より」とメッセージが書いてあった。美江は誠司を思って泣く正治を慰めた。

映画『双葉荘の友人』の感想・評価・レビュー

幽霊が登場するが、怖いというよりは友情や愛情を感じられる温かな物語だった。誠司の妻が殺されたことは悲しかったが、正治の言葉で幸吉が不安な日々を過ごしたのだろうと思うと胸がすく思いがした。「第8回WOWOWシナリオ大賞」を受賞した作品だけあり、他にはない設定の作品でおもしろかったと思う。出演者達の演技は、最初は大げさに感じたが物語が進むにつれてあまり気にならなくなった。一見の価値はある作品だと思う。(MIHOシネマ編集部)

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