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映画『カルメン(1948)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『カルメン(1948)』の概要:真面目でハンサムな竜騎兵の新人ホセは、何者にも囚われず自由奔放に生きるカルメンという妖艶な女と出会った。豪快な彼女に心奪われたホセは、出世が約束されたエリートコースから転落。人生の全てを彼女に捧げることを決める。

映画『カルメン』の作品情報

カルメン

製作年:1948年
上映時間:99分
ジャンル:ラブストーリー
監督:チャールズ・ヴィダー
キャスト:リタ・ヘイワース、グレン・フォード、ロン・ランデル、ヴィクター・ジョリイ etc

映画『カルメン』の登場人物(キャスト)

カルメン(リタ・ヘイワース)
定住を選ばず放浪の人生を生きるジプシー娘。妖艶な容姿と豪快な性格で、数多くの男を虜にしてきた。ホセにも他の男達と同じように取り入ろうとするが、これまでとは違う運命的な情熱を感じるのだった。
ドン・ホセ / ホセ・リザラベンゴア
新人の竜騎兵。真面目で正義感が強く、成績優秀。上官からは高い期待を持たれている。カルメンと出会ったことで人生が一変してしまう。
ガルシア(ヴィクター・ジョリイ)
刑務所に囚われた犯罪者。カルメンの夫。出所するやいなや、カルメンと共に再び犯罪を犯しながら街を去る。ホセがカルメンに惚れていると知っても動じない余裕がある。

映画『カルメン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『カルメン(1948)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『カルメン』のあらすじ【起】

19世紀初頭のスペインでは、ジプシー達が軽蔑の目を向けられていた。善良な市民に紛れて平然と盗みを働くジプシー達が暮らす街セビリアへ、新人の竜騎兵ホセ・リザラベンゴアが赴任してきた。ホセが街に着くと、連隊長から呼び出しがあった。連隊長のオフィスでホセは、他の兵隊より期待していると直接励ましの声を掛けられる。

ホセは連隊長から任命された仕事が始まるまで、街へ繰り出した。そこでジプシーのカルメンと出会う。妖艶で豪快なカルメンに一目で心奪われたホセは、その日からカルメンの姿を追うようになる。

翌日ホセは、煙草女工たちが帰宅する群れの中にカルメンを見つける。夜の8時に酒場で会う約束を取り付けたホセだったが、その直後に彼女が他の女工と流血沙汰の喧嘩を始めてしまう。騒ぎを聞きつけやってきた竜騎兵や警官は、カルメンを判事の元へと連行する。しかし、カルメンは自分を連行するホセに色仕掛けで迫り逃走に成功。ホセは犯罪者を逃がした罰として当直を増やされ、上官からはカルメンに関わるなと忠告されてしまった。

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映画『カルメン』のあらすじ【承】

カルメンにいいように騙されたホセは街中から冷やかされながらも、真面目に仕事に取り組んだ。彼女を逃がした翌日、上官主催のパーティーを警護するホセの前に美しく着飾ったカルメンが現れた。上官もカルメンとデキていたようで、無罪を認めてくれたと言うのだ。納得できないがそれ以上にカルメンを取られたくないホセは、警備の仕事が終わったら酒場で落ち合うよう話をつけた。

連隊長のパーティーを抜け出し酒場へとやって来たカルメンは、タロット占いに興じていた。タロットカードが示した彼女の未来は、運命の男を手繰り寄せるが同時に死も近づけてしまうという内容だった。少なからずホセに特別な感情を抱いていることや、近いうちに勾留されている夫ガルシアが釈放されること、朝から黒猫を見てしまったことなどがカルメンの頭をよぎり、彼女は不安に襲われた。そこへ仕事を抜け出したホセがやって来て、2人はついに身体を重ねたのだった。

カルメンとホセがベッドに横たわっていると、ホセの上官が部屋を訪れ嫉妬に狂った。上官は、ホセに対して軍法会議ものだと威嚇したがホセは剣を抜き応戦。カルメンがホセに迫る上官の足を引っ掛けたことで、ホセは図らずも上官を刺し殺してしまった。逮捕を恐れたホセとカルメンは、セビリアの街を後にする。

映画『カルメン』のあらすじ【転】

街を出て荒野の岩山に身を隠していたホセとカルメンの元へ、逃走を手助けする犯罪者仲間が駆けつけた。ホセは彼らと共に再び遠くの街へ逃げようとしたが、そこへ出所したカルメンの夫ガルシアも到着する。ガルシアはカルメンとの再会を喜び、ホセが妻に惚れていることを知ると尚喜んだ。ホセはガルシアからライバルとしては全く相手にされず、ホセだけがカルメンの不貞に納得できないようだった。そうこうしている内に、上官殺しで指名手配されているホセの懸賞金は上がっていった。

夫ガルシアと恋人ホセ、逃走を助けてくれる仲間と共に旅を続けるカルメンは、ある時盗みを働くためコルドバの街を1人で訪れた。そこで闘牛士のルーカスと出会い恋仲になる。

カルメンが盗みを働くことを快く思えないホセは、自分の手配書が出回っていることもあり不満を抱えながらも彼女の帰りを待っていた。一方のカルメンは、盗みが終わったらガルシアと落ち合う約束をしていたがホセの元へと戻った。夫ではなく恋人のホセを選んだのだ。ガルシアはついに嫉妬心を露わにし、ホセへ剣を向ける。元竜騎兵のホセは苦戦しながらもガルシアを殺害、彼の死体を岩山に捨てると再び逃走の旅に出るのだった。

映画『カルメン』の結末・ラスト(ネタバレ)

旅を続ける間にホセの懸賞金はどんどんと跳ね上がり、巷ではドン・ホセと呼ばれるようになっていた。行きずりの盗みはホセが実行したが、街場での盗みはカルメンの仕事だった。次第にホセは、カルメンが自分の元を離れ町へ赴くことに不安を覚えはじめた。ホセは彼女を束縛しようとしたがかえってカルメンの気分を損ねることになり、今まで以上にカルメンがアジトへ戻る頻度を下げてしまった。

嫉妬と不安に狂ったホセは、仲間にカルメンの後を追わせた。偵察に行った仲間はカルメンがルーカスの豪邸で優雅に暮らしているところを目撃し、そのままホセへ申し伝えた。ホセは怒りに任せて、街中に自分の手配書が貼られているにも関わらずコルドバの街へと向かった。

カルメンはホセの束縛を嫌い、ルーカスの元で悠々自適な生活を送っていた。ところが新しい恋人のルーカスと共にタロット占いに興じる彼女のカードは、変化と死を予言していた。カルメンはタロット占いの結果に不安を感じながらも、翌日に控えたルーカスの闘牛を見に行くため準備を始める。

翌日、着飾ってルーカスの晴れ舞台を見に競技場を訪れたカルメンの前に、鬼気迫った表情のホセが現れた。ホセはカルメンへ、いい夫になるから自分の元へ帰ってきてくれと懇願する。カルメンは、私は誰のものにもならずに楽しく生きていきたいとホセの願い出を断った。逆上したホセがカルメンの胸をナイフで刺したと同時に、ホセの姿を確認した竜騎兵によって彼は射殺されてしまった。2人は互いを抱きしめるように倒れ込み、彼らの前を不吉な黒猫が走り去って悲恋は終了する。

映画『カルメン』の感想・評価・レビュー

カルメンを演じたリタ・ヘイワースの美しさに息を飲んだ。目元の妖艶さとしなやかなスタイル、どこをとっても美しい。同じ女性であっても、彼女の魅力へ釘付けになってしまった。

そんなカルメンに、面白いくらい骨抜きにされていく男どもの間抜けさよ。スペイン中の男が彼女の掌の上で踊らされているような、後腐れのない身のこなしも見ていて気持ちがいい。そんな自由奔放なカルメンがホセにだけは特別な感情を抱きつつ、自分でその恋心を認められない部分ももどかしくていいアクセントになっている。(MIHOシネマ編集部)


面白いほど男を虜にする魅惑の女「カルメン」。演じたのはリタ・ヘイワースです。彼女が本当に美しくて、可愛らしくて虜になってしまう男の気持ちも分かる気がしました。そんな美貌を持ちながらもやる事はかなり破天荒。盗みを働いたり、実は夫がいたり。「誰のものにもならないで自由に生きたいわ。」このカルメンの言葉はまさに彼女の全てを表していて、グッときました。
最終的には結ばれると思っていたカルメンとホセですが、彼女に全てを捧げてしまったばかりに「狂ってしまった」ホセのラストは何とも切ないものでした。(女性 30代)


『カルメン』といえば、数多く映画化されていることで有名です。今作は、割と原作に忠実な仕上がりといえましょう。リタ・ヘイワース演じる、カルメンの喜怒哀楽がかなり激しいです。その激しすぎる気性が、フラメンコに上手く昇華されており、一驚を喫しました。とにかく情緒豊かで情熱的、妖艶です。カスタネットの鳴らし方にも見惚れました。彼女を見ていると普段、知らず知らずの内に閉じ込めてきた怒りやあらゆる欲望が解放されていくような気がしました。(女性 30代)

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