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映画『ビューティフル・デイ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ビューティフル・デイ』の概要:ジョーは殺しや行方不明の少女の捜索を請け負っている。ある日、雇い主から持ちかけられたのは州上院議員の娘・ニーナの救出だった。ジョーはニーナを助け出すが、議員は死亡し、ニーナも何者かに連れ去られてしまい…。

映画『ビューティフル・デイ』の作品情報

ビューティフル・デイ

製作年:2017年
上映時間:90分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
監督:リン・ラムジー
キャスト:ホアキン・フェニックス、ジュディス・ロバーツ、エカテリーナ・サムソノフ、ジョン・ドーマン etc

映画『ビューティフル・デイ』の登場人物(キャスト)

ジョー(ホアキン・フェニックス)
少女の捜索などを請け負う雇われの殺し屋。かつては軍やFBIに所属していた。屈強な肉体を持ち、暴力的な行為も厭わない。過去の記憶のフラッシュバックやトラウマに悩まされている。
ニーナ(エカテリーナ・サムソノフ)
売春宿で働かされていた少女。父は州上院議員のヴォット。その境遇からか、抜け殻になってしまったかのように喜怒哀楽を表に出さない。
ジョン(ジョン・ドーマン)
ジョーの雇い主。ニーナの捜索をジョーに依頼し、後に殺害される。

映画『ビューティフル・デイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ビューティフル・デイ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ビューティフル・デイ』のあらすじ【起】

元軍人で元FBI捜査官のジョーは、PTSDや鎮静剤依存を理由に退職し、現在は行方不明の少女を捜し出す雇われの殺し屋として日々を過ごしていた。その日も仕事を終えたジョーは、依頼主のジョンに完了報告の留守電を残し、年老いた母が待つ家へ帰った。ベッドに横になり、ジョーは喉に刃物を落として自殺を図ろうとするが、寸前で母に呼ばれ未遂に終わった。

報酬を受け取りに仲介人エンジェルのもとを訪れたジョー。エンジェルは、ジョンが会いたがっているとジョーに伝えた。ジョンの用件は新しい仕事の依頼だった。州上院議員アルバート・ヴォットの娘、ニーナの捜索である。家出をしていたニーナとの連絡が途絶え、ヴォットはその身を案じていたが、現知事との選挙戦の最中のため警察沙汰にすることは避けたいのだった。手がかりは、ヴォットに届いたメールに記載されていた住所のみ。その住所はとある売春宿を指し示していた。ジョーはヴォットと接触してニーナの顔写真を預かり、引き渡し場所を決めて別れた。

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映画『ビューティフル・デイ』のあらすじ【承】

ジョーはハンマーやテープを用意し、ヴォットから聞いた住所へ向かった。道中、FBI時代に救えなかった少女たちのことや、戦場での記憶がフラッシュバックして苦しんだ。売春宿の前まで来ると、しばらく車内で張り込み、中から出てきた青年を捉えた。警備の人数と配置、少女たちがいる場所、電子錠の暗証番号などを聞き出す。中へ入ったジョーは警備員や客を始末し、ニーナを助け出した。

引き渡し場所であるホテルの一室へニーナを連れて行くが、ヴォットはなかなか現れなかった。ニーナがテレビをつけると、ヴォットが飛び降り自殺したとのニュースが飛び込んでくる。その直後、部屋のドアが開き2人の男が乱入してきた。そのうちの1人にニーナは連れ去られる。ジョーは部屋に残ったもう1人を殺害し、ホテルから逃げ出した。

何が起きているのかわからないジョーはジョンに電話をした。しかし、何度掛けても繋がらない。ジョンの家へ行くと、ジョンは椅子に腰掛けたままの体勢で殺害されていた。すぐにエンジェルに連絡をするが、エンジェルもまさに殺されようとしているところであった。

映画『ビューティフル・デイ』のあらすじ【転】

憔悴した状態で車を運転していると、幼少期に父から受けた虐待の記憶が頭に蘇ってきた。自宅に戻ったジョーは、母までもが犠牲になっているのを発見する。階下に誰かがいることに気がつき、ジョーは銃を構えてゆっくりと階段を降りた。そこにいた2人の男に向けて発砲し、まだ息のある方から事情を聞き出す。男によると、ニーナは現知事のウィリアムズのもとにいるということだった。ウィリアムズには少女を買う趣味があり、ニーナのことがお気に入りであった。

ジョーは母の遺体を車に乗せ、森の中にある湖へ向かった。そして、母の遺体を抱きかかえながら湖に入り、水葬に付した。そのまま自分も沈んでしまおうと思っていたが、ニーナのことが頭をよぎり岸へ戻った。

ニーナを救出するため、ジョーはウィリアムズが乗り込んだ車の後をつけた。知事と選挙戦を争っていたヴォットが、娘のニーナを利用したのではないかとジョーは疑っていた。車は郊外の屋敷に辿り着く。内部へ侵入しベッドルームへ行くと、首を切られたウィリアムズの遺体が横たわっていた。

映画『ビューティフル・デイ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ジョーはベッドに座り込み、自分は弱いと言って嗚咽を漏らす。まっすぐ立て、猫背は女々しい、などの父に言われた言葉が思い起こされていた。平静を取り戻してベッドルームを出ると、下の階から食器の音が聞こえてくる。再び始まったフラッシュバックに耐えながらその音を辿り、ジョーは血だらけの手で食事をしているニーナを発見した。側には血のついた刃物があった。ジョーは何も言わず、ニーナの肩に手を置いた。ニーナは心配しないで、と言った。

ジョーはニーナを車に乗せ、レストランへ向かった。向かい合って座っていると、ニーナはこれからどこへ行くのかと尋ねた。どこへ行きたいか聞くと、わからないと答える。ジョーは俺もわからないと続けた。ふいにニーナが席を立った。1人残ったジョーは涙を流し、顎の下に拳銃を当てて撃ち抜いた。しかしそれは夢で、戻ってきたニーナに起こされたジョーは少しの間茫然としていた。ニーナは微笑みながら、今日はいい天気よ、と言ってジョーを外に誘う。ジョーもいい天気だと返し、ニーナとともに店を後にした。

映画『ビューティフル・デイ』の感想・評価・レビュー

幼少期に父の虐待から母を救えなかったことに始まり、ジョーは軍やFBI時代にも「助けられなかった」という経験をしていて、その記憶に今も苛まれ続けている。一方で、生業としている少女の捜索の際には邪魔者を躊躇なく始末していく。繊細さと凶暴さを併せ持ち、さらにどことなく哀愁も漂っていて、とても印象に残る人物だった。原題の「You Were Never Really Here」の意味について色々と思いを巡らせたくなる作品である。(MIHOシネマ編集部)

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