映画『ディスコード』の概要:2012年に低予算で製作されたホラーサスペンス映画。2014年には続編が製作された。久しぶりに帰った実家で姿を消す姉やいとこ、そして幽霊の存在にひとりの女性が立ち向かう。
映画『ディスコード』 作品情報
- 製作年:2012年
- 上映時間:89分
- ジャンル:ホラー、サスペンス
- 監督:ニコラス・マッカーシー
- キャスト:ケイティ・ロッツ、キャスリーン・ローズ・パーキンス、ヘイリー・ハドソン、サム・ボール etc
映画『ディスコード』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『ディスコード』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ディスコード』のあらすじを紹介します。
折り合いの悪かった母が亡くなり、葬儀のために実家へ戻ったニコールが突然姿を消した。
妹のアニー・バーロウもまた母親とは折り合いが悪かったため実家へ戻ることを躊躇していたが、姉が心配で実家に帰ることを決意する。
しかし実家で不審な気配を感じ、ポルターガイスト現象にも遭遇したアニーは不安になっていく。
ニコールの娘エヴァを預かっていたいとこのリズは、連絡の無いニコールの代わりにエヴァを連れて葬儀に出席。
アニーは、リズとエヴァに実家に泊まらないかと声をかけるが、その夜、リズはベッドルームから突然姿を消す。
再びポルターガイスト現象に襲われたアニーはエヴァを連れ、慌てて家から逃げ出して警察に駆け込む。
だがアニーは変人扱いされただけで、エヴァはそのまま警察が預かることになる。
実家に帰るのが嫌でホテルに宿泊したアニーのスマートフォンに、突然ひとつの住所が表示された。
パソコンから衛星写真を使った地図検索をすると、そこにはありえないものが映っていた。
実家に隠し部屋があると知ったアニーは、唯一親身になってくれた警官のビルと共にその部屋の扉を開く。
記憶にないその部屋は覗き穴だらけで、家中が見渡せるようになっていた。
高校時代の同級生で不思議な力を持つスティーヴィーに助けを求めるが、彼女は“シューダス”という言葉を残して去ってしまう。
連続殺人鬼のジューダスと自分の関係を知ったアニーは、被害者との交霊術を行ってニコールとリズの居場所を聞き出そうとする。
映画『ディスコード』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ディスコード』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ありそうでなかった不気味なホラー映画
前半はありがちなホーンテッド・ホラーだが、中盤で隠し部屋の中の無数の覗き穴が見つかってから、そこに何がいたのか、まだ生きている何者かがいるのか、という別の恐怖がにじみ出てきて、死んでいるように生きてきた叔父でもある“殺人鬼ジューダス”との対決に変わっていくという異色のホラー。
パソコンでのビデオ通話中に「後ろにいるのは誰?」と言われたり、スマートフォンやパソコンのストリートビューを使って被害者の幽霊ジェニファー・グリッグがサインを出すなど、現代ならでは恐怖感が上手く作られている。
子供の頃から住んできた家の中に殺人鬼の潜む部屋が隠されてきたという不気味さや、その部屋の無数の覗き穴も気味の悪さを際立たせている。
設定の詰めの甘さが目立つ
ジェニファー・グリッグの遺品を持ち、彼女の幽霊から惜しみない協力を受けたアニーは何故そこまでして守られたのか。
そしてニコールとアニー姉妹が言う「ママから受けた仕打ち」とは一体何なのか、物語の全体像がぼやけすぎていてはっきりしない。
アニーの瞳がオッド・アイという点も、意味あり気に写しておきながら全く触れられておらずに手抜き感が見えてしまう。
見る側の想像に任せていい範囲をあきらかに超えていて、ストーリーの詰めの甘さが感じ取れる。
低予算だがその不気味さは一級品
低予算映画ということもあり、怖がらせるような効果音は少な目で、アニーがホテルに泊まった時の不気味な夢の他には凝った映像もあまり使われていない。
序盤の画質の悪さや、単調なストーリーの進み方につまらなさを感じるが、その淡々とした中で徐々に精神的に追い詰められていく主人公に感情移入しやすい作品。
生きた殺人鬼“ジューダス”なのか、それとも命を落としたジューダスが未だ住み着いているのか、もしくはジューダスの被害者女性が取り憑いているのかという謎が、ぎりぎりまでわからないのにも緊張感が出ている。
家の中に自分の知らない部屋があったら…、家族の中に自分の知らない存在がいたら…、そう考えながら鑑賞するとこの作品は何倍も怖く、何倍も面白く見られるでしょう。
久しぶりに帰った実家で起きる不可解な現象に、最初は亡くなった母親の霊や何かかなと軽く考えていましたが、自分の知らない部屋や殺人鬼との繋がりが明らかになっていくに連れて、リアルな恐怖を感じこの作品の世界観にドハマリしてしまいました。
理解しきれなかった謎もあるので、もう一度鑑賞してみようと思います。(女性 30代)
映画『ディスコード』 まとめ
出だしはオバケ屋敷ホラーですが、家の秘密を探るうちに、知らなかった殺人鬼の叔父に関する恐怖が襲ってくるという、今までありそうでなかった不気味なホラー映画です。
ほとんど効果音を使わず、淡々としたストーリーにも不気味さが漂ってくるという、低予算を逆手に取った作品になっています。
ジェットコースターのようなスピード感あふれる作品ではないのですが、徐々に早くなっていくストーリーには手に汗にぎるものがあります。
2014年公開の続編「ディスコード ジ・アフター」のレンタル、セルDVDどちらにも今作の「ディスコード」が入っていて、続編も気になる方にはもってこいの作品です。
また、続編には新しい主人公に協力する形で、アニーやスティーヴィーも登場します。
みんなの感想・レビュー
粗は確かにたくさんありましたが、なかなか見応えがありました。
アニーの瞳の色についてですが、終盤でジューダスの顔がアップされ、彼もオッドアイであることが印象づけられていました。
アニーが母子家庭で育ったと匂わせる発言が序盤にあったことから、アニーの父はジューダスだと示唆しているともとれると思います。
だからこそアニーは、続編の主人公ジューンの父もジューダスかもしれないと打ち明けられたとき、彼女に再び協力すると決めたのではないでしょうか。