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映画『リング』あらすじとネタバレ感想

映画『リング』の概要:1998年に公開され、Jホラーブームのきっかけになった作品。鈴木光司の小説が原作で、「らせん」「リング2」「リング0 バースデイ」とシリーズ化された。「貞子3D」やハリウッドリメイク版も製作された。

映画『リング』 作品情報

リング

  • 製作年:1998年
  • 上映時間:95分
  • ジャンル:ホラー
  • 監督:中田秀夫
  • キャスト:松嶋菜々子、真田広之、中谷美紀、沼田曜一 etc

映画『リング』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

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映画『リング』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『リング』のあらすじを紹介します。

見ると1週間後に死んでしまうという呪いのビデオの噂があった。
テレビ局でディレクターをしているシングルマザーの浅川玲子は、その噂を追う番組に関わっていた。
姪である智子が突然亡くなって息子の陽一と共に葬儀に参列していた時、彼女と共に伊豆の別荘へ遊びに行った友人たち全員が怪死していたとわかる。
彼らの死に顔は見るに耐えないほど歪んでいた。

姪の智子がビデオを見たであろう伊豆のペンションに向かった玲子は、そこで「呪いのビデオ」を見てしまう。
彼女が助けを求めたのは、不思議な力を持っている元夫で陽一の父親の高山竜司だった。

2人はビデオの謎を追っていくうちに、大島の三原山の噴火を予知した超能力者、山村志津子という存在に目を付ける。
彼女には千里眼の力があり、伊熊平八郎という学者の研究対象となったが、マスコミにイカサマと罵られた末に自殺したという。
だが彼女には娘がいた。

残された時間の少ない玲子に陽一と過ごすよう告げる竜司だったが、陽一も「呪いのビデオ」を見てしまう。
玲子と竜司は大島へ赴き、山村志津子の親戚から真相を聞きだす。
志津子の娘、山村貞子は念じるだけで人を殺せる力を持っていた。

山村貞子が大きな鍵を握っていると考えた2人は、すでに亡くなっていると思われる貞子の行方を捜して供養すればいいと考えた。
伊豆の別荘にあたりを付けるが、玲子のタイムリミットは24時間を切っていた。

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映画『リング』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『リング』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

ブームとなったテレビから這い出す貞子

Jホラーブームの火付け役となった作品の中の1つで、クライマックスまでは断片的にしか姿を現さない幽霊や気味の悪いビデオ映像と音楽、それから不気味な動きでテレビから這い出す貞子といった、日本映画の幽霊像のひとつが形作られた作品でもある。
ほぼ同時期に有名になった「呪怨」では正反対に幽霊が全面に出ているが、本作では隠れるようにしか出てこない。
また、白い服に黒髪のロングヘアという出で立ちは、伝統的な日本の幽霊の姿を連想させる。

貞子がテレビ画面から這い出す有名なシーンも高山竜司のタイムリミットの1シーンだけで、表情は長い髪に隠れていてわからず、片目のアップが映されるだけになっているが、何度見ても恐怖を覚える映像だ。
ストーリーも幽霊の姿も、全体像が見えないからこその恐怖があり、それが終盤まで続くという嫌な終わり方も怖さを煽る。

今の時代にビデオは合わない

斬新なストーリーのようにも思えるが、ダビングして誰かに見せれば助かるという結末は不幸の手紙のビデオ版。
しかし無念の思いの中で命を落とした貞子の亡骸を見つけて弔えば助かる、と思わせておきながら、ダビングして誰かに見せれば助かるというオチに繋がるのは意外性がある。

伊熊平八郎や山村志津子のモデルとなった人物が実在する、という中途半端に現実に侵食している部分は、背筋が寒くなるようなリアリティを醸し出している。
だがビデオが使える場所がほとんど無くなりDVDやブルーレイディスク、インターネット配信が流通している現代では、ビデオと言われてもピンとこなくなってしまったという時代の差がある。

印象的なラストシーンで、息子のために実の親に「呪いのビデオ」を見せるという玲子の姿には狂気さえ感じられるが、続編「らせん」では救いの無い終わり方になっており、がっかりさせられる。


お化けが出てきて怖いというよりも設定が計算されていて恐怖を覚える、サスペンス要素の強いホラー作品です。
テレビやビデオなどこの時代の身近なものを使ったホラーなので、何でもない普通の場面でも怖くなります。また、音楽もここぞ!という所にだけ使われているので、音のあるシーンももれなく怖いです。
最もインパクトがあるのはラストに近い、貞子が出てくるシーンで、はっきり記憶に残ってしまい、しばらく頭から離れません。(女性 30代)

映画『リング』 まとめ

「着信アリ」、「呪怨」、そして本作「リング」が最も怖いJホラーと称されることもあり、また白い服に黒髪ロングという貞子の姿が典型的な日本の幽霊を連想させることから、何度見ても不気味な作品。
爪が全てはがれた女性が髪を振り乱しながらテレビ画面から這い出し、最後に目のアップを見せるという驚かせ方や、不幸のビデオといった斬新な設定も話題になった。

続編「らせん」は内容にまとまりがなく、パラレルワールドのような世界観の「リング2」は怖さが半減してしまい、「リング0 バースデイ」は貞子視点のために感情移入しにくいという難点が出てしまった。
ハリウッドリメイク版はアメリカ色が強く出ており、「貞子3D」と続編の「貞子3D2」は作品の方向性が定まっておらず、ドラマ化もされてはいるが、本作が最も怖いだろう。

関連作品

次作 らせん
次作 リング2

みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    確かに「リング」はあっちこっちの設定がパズルのようにぴったりはまったのが成功の理由だと思う。 演技でもない、撮影でもない、演出でもない、シナリオでもない、設定がうまくかみ合った結果の成功だと思う。(ただし、霊感がずば抜けて強いはずの高山が智子の霊には反応するのに怨念の塊であるはずのビデオには無反応とか致命的な破綻もある)

    その証拠に「らせん」「リング2」は怖くもないしおもしろくもない。 やっぱり「ビデオ」の時代だから面白いんだと感じます。 それは前編にわたり「ゆがみ」という演出があるから。 だから「ビデオ」と「写真」はどうしても外せないアイテム。 イメージが念写だからビデオ映像がゆがんでいるのだが、それがビデオ特有のトラッキングでのゆがみであるとミスリードさせてる辺りも怖い。

    残念なのが続編では完全に写真の顔がゆがむ設定が消えているし、電話の設定も消えている。(最近思ったが、「リング」は井戸の天井、のろいが回されリングする、の他に電話のベルの擬音の「りんりん」の「RING」にもひっかけているのでは?)