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映画『ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場』の概要:第二次世界大戦中、旧ソ連軍とドイツ軍の戦争が激化する中、本隊とはぐれたドイツ軍小隊が、敵地ウクライナの山奥にある寒村を占領する。村人たちは彼らを受け入れるが、あることをきっかけに双方へ悲劇が訪れる。

映画『ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場』の作品情報

ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場

製作年:2016年
上映時間:99分
ジャンル:アクション、戦争
監督:エド・エアレンベルク
キャスト:ラース・ドップラー、ジーモン・ハンガートナー、ドミニク・フェンスター、アンドレアス・ザーン etc

映画『ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場』の登場人物(キャスト)

マルクス(ラース・ドップラー)
小隊の兵士。手帳に日記を記すのが日課。村で起こったことも詳細に記している。最後まで正気を保ち、たった1人の生き残りである仲間のルディに真実を告げるよう遺言を残す。
ブートヴィッヒ(ジーモン・ハンガートナ)
ドイツ軍小隊を率いる少尉。4度も命の危機に遭いながらも、生き延びる。抑圧された欲望を内に秘めており、暴力によって性的興奮を得る。普段は紳士然としており、優秀な軍人。
マータ(クラリサ・モロシャー)
ソ連軍(赤軍)にドイツ軍がいることを知らせようと提案する。非情に好戦的で、保守的な姉に拘束される。少尉が村の娘を絞殺する場面に遭遇し、命を守るために少尉を殺害する。
ウルスラ(アントニア・ランゲノール)
幼い息子を育てる女性。年老いた母と3人で暮らしている。兵士の1人と良い雰囲気になるものの、少尉殺しの罪を被せられ処刑される。
ルディ(アンドレアス・ザーン)
最後に生き残ったナチス・ドイツ軍小隊の兵。軽口を叩くのが常でいつも冗談を口にしている。軽い雰囲気。マルクスの手帳を託されるも、山奥で証拠を焼き捨ててしまう。

映画『ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場』のあらすじ【起】

1941年10月、ウクライナ。ナチス・ドイツ軍とソ連軍の戦争が激化する中、本隊とはぐれたドイツ軍の小隊が、敵地の奥深い山中にある寒村へ辿り着いた。
第二次世界大戦当時、ウクライナはソ連を構成する共和国であったが、寒村にはロシア系ドイツ人が住み、味方であるはずのソ連軍(赤軍)からドイツの工作員の村だと疑われ、下手をすれば村ごと滅ぼされるという微妙な状況にあった。その上、男達は戦争へ根こそぎ駆り出され、村には老人や女子供しか残っていない。

村人たちは抵抗するよりも受け入れた方が被害は少ないだろうと判断し、ドイツ軍小隊の言う通りに従うことにした。小隊を率いる少尉ブートヴィッヒは、まず村から武器を全て回収。更に小隊が滞在する屋敷に村の子供達を全て集め、寝食を共にする。こうすることで、大人たちの抵抗力を奪った。

兵たちには若者が多く、対して村にも年頃の人妻が多い。年寄りは生き残って村を守るためなら、自らの体を差し出す覚悟をしろと言う。そこで、女たちはそれぞれ若い敵兵と交流を持ち、あからさまな好意を示した。そんな中、村の若い娘マータは、赤軍へこのことを知らせようと訴え、単独で村からの脱出を図ろうと画策。だが、そんなことをしたら、ただでさえ疑われているというのに、どちらの軍からも村を滅ぼされてしまうかもれない。
マータの姉は妹を眠らせ、納屋に拘束することにした。

翌日、少尉は村にあったトラクターを部下に修理させ、荷車を改造させる。修理が完了すると、翌日には村を出ることを告げた。
その日の夜、村人たちは小隊の元をこぞって訪ね、最後の夜を歓待。

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映画『ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場』のあらすじ【承】

同じ頃、宿舎から外へ散歩に出ていた少尉は、自分へ好意を寄せる女性と納屋で良い雰囲気になり、彼女を絞殺してしまう。そこへ、拘束から逃れ通りかかったマータ。少尉は彼女をも手にかけようとしたが、マータは近くにあったピッチフォークで相手を一突きにしてしまうのだった。

翌朝、兵達は出発の準備を整え宿舎の前で待機していたが、いつまで待っても少尉は現れない。そのうち、納屋の方から悲鳴が聞こえてきた。少尉に殺害された女性が発見されたためだ。更に、山奥の谷底から少尉の刺殺体が発見され、村人と小隊との間に不穏な空気が漂い始める。兵たちは少尉殺害の犯人を捜索し、怪しいと思われる人物を次々と拷問にかけた。

ところが、拷問に耐えかねた1人の女性が、咄嗟にウルスラが犯人だと口にしてしまう。しかも、ウルスラの幼い息子が興味本位で少尉の勲章を盗んでいたこともあり、彼女が犯人である線が濃厚となるのだった。

ウルスラが兵に連行された後、マータはトラクターを運転して来た兵を刺傷し、手投げ弾を爆発させて乗り物を破壊。このことで更に状況が悪化する。刺傷された兵にはまだ息があったため、治療ができる村人が呼ばれる。兵達は拘束したウルスラの首に縄を括り、公開処刑を行うことにした。

映画『ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場』のあらすじ【転】

だが、ウルスラの処刑を兵達は誰もやろうとしない。躊躇しているうち、マータが敵兵を狙撃。たちまちのうちに、広場では銃撃戦が繰り広げられる。更に老人たちまでもが、抵抗しては殺されていく。兵達は1人で奮闘するマータをすぐに追い詰め、武器を手放し降伏すると言っているにも関わらず、容赦なく射殺してしまうのだった。

同じ頃、刺傷された兵が息を引き取り、狙撃された兵も死亡。その間、ウルスラは泣き叫んでいたが、仲間を殺された兵は苛立ちを隠せず、彼女の足元にあった椅子を蹴り捨ててしまう。ウルスラは支えをなくし、宙づりとなって亡くなった。

すると、小隊の兵の中でも特に神経が細く潔癖な兵は緊迫した空気に耐えられず、狂気の沙汰に陥ってしまい誤って仲間をも射殺してしまう。
このことで、正気を取り戻した彼らは兵士のマルクスを筆頭に荷物をまとめ、急いで村から出て行こうと考えるのだった。

映画『ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場』の結末・ラスト(ネタバレ)

残された村人たちは、広場にて無残に転がる死体をそれぞれに確認し胸を痛める。
どうしてこうなってしまったのか。双方に手痛い犠牲を出しながら、それでも兵達を快く送り出そうとしてくれる娘もいる。彼女が出発前の腹ごしらえとしてスープを振る舞ってくれたが、それは殺鼠剤入りのスープで、食べた兵の1人と料理を出した娘も味見をさせられ泡を吹いて死んでしまう。

残った兵の3人と住民たちは更なる銃撃戦を開始。これで1人の兵が死亡。残りはマルクスとルディだけとなったが、村から出る際、マルクスが撃たれマータの姉も撃たれる。最後の1人ずつになったところで、手打ちとし村人は引いて行った。

その後、村からどうにか脱出したものの、撃たれたマルクスに限界がやってくる。通りをソ連軍のトラックが通り過ぎ、彼らは小屋の影に隠れた。マルクスは日記を書いた自分の手帳をルディへと渡し、自分達がやってしまった罪を世間に公表して欲しいと遺言を残して息を引き取った。

手帳を託されたルディは、たった1人で山へ戻り身を潜めながらマルクスの日記へと目を通す。そして、彼はそれを焚火へと投下してしまうのだった。

映画『ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場』の感想・評価・レビュー

ミュンヘン映画アカデミーの学生による卒業制作作品。登場人物はたくさんいたが、あまり名前が呼ばれないため、誰が誰だか分からなくなるというのが難点。小隊が占領した寒村にはロシア系ドイツ人が住んでいる。時代的には第二次世界大戦中で、旧ソ連とドイツが戦争をしているため、村人たちはどちらへも付くことができる。

だが、国としてはソ連の構成をしているので、実質ドイツ軍は敵兵となる。前半はかなり友好的で警戒心も薄れていくが、1人の村人と少尉が死んだことにより、後半は殺し合いが展開される。つまり、恨みの連鎖というやつで、どこかで堪えていれば助かる命もあっただろうと思う。結果的に村は廃村となってしまう。守るつもりでいたのなら、抵抗しなければ良かったのにと思わないでもない。(MIHOシネマ編集部)

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