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映画『おとうと(1960)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『おとうと(1960)』の概要:小説家で大らかな父と子供達を冷遇する継母を両親に持つ姉と弟。弟は反抗心で問題を起こしてばかり。姉はそんな弟を愛情深く諭し、一心に世話をしている。だがそんな時、弟が結核を患っていることが判明。病気をきっかけに家族の在り方を見直すヒューマンドラマ。

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映画『おとうと』の作品情報

おとうと

製作年:1960年
上映時間:98分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:市川崑
キャスト:岸恵子、川口浩、田中絹代、森雅之 etc

映画『おとうと』の登場人物(キャスト)

げん(岸恵子)
姉。負けん気が強く少々偏屈だが、深い愛情でもって弟の世話をしている。冷遇する母に対して言い返すこともあるが、言うことを聞くことの方が多い。数ある縁談を断り、弟を献身的に看病する。
碧郎(川口浩)
弟。両親に対して不満を強く抱いているが、姉のことは大切に思っている。不良仲間と付き合うことで反抗心を解消しているため、問題行動が多く困った少年。減らず口を叩いてばかりいたが、結核を患ってからは弱気になる。
母(田中絹代)
父の後妻で敬虔なクリスチャン。神の教えを厳格に守り、子供達にもそれを強要しようとする。リウマチを患っており片足が不自由であるため、家事のほとんどをげんにやらせている。
父(森雅之)
小説家として活躍しており、ファンもいる。大らかな人物であまり出掛けることはなく、大概は家にいて仕事をしている。声を荒げることはほとんどなく愛情深い人物。

映画『おとうと』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『おとうと(1960)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『おとうと』のあらすじ【起】

小説家の父と世間体を酷く気にする母を両親に持つ、姉のげんと弟の碧郎は仲の良い姉弟。弟は姉のことを慕い、姉は弟をいつも慮っていた。
ある日、百貨店へおつかいに向かったげんは、万引き犯と疑われ店員に捕まってしまう。別室へと場所を移した店員は高圧的に彼女へと迫り鞭で脅してくるが、げんは一歩も引かず母のメモと購入品、受取書を出して荷物を改めさせた。

結果、彼女が万引き犯ではないことが判明し、完全に冤罪と分かる。だが、店員は彼女へ謝罪もせず、百貨店の裏口からこっそり逃がすように送り出すのだった。
その帰り、川原道で碧郎と遭遇したげん。彼女は憤懣を弟へ吐き出し、自分の正当性を主張。すると、碧郎はさすがだと言い、続けて両親への不満を吐き出した。

そうして、帰宅したげんだったが、なぜか怒った様子の母に呼びつけられる。以前、知人の奥様とおつかいの途中で出会った時のことを責められた。母は敬虔なクリスチャンで、とても世間体を気にしている。加えてリウマチを患い家事も満足にできないため、大概はげんが代わりに行っていた。そんな娘を頭ごなしに叱る母。対してげんは気が強く、母とはいつも言い合いになる。家にはいつもぎすぎすした空気が漂い、父は我関せずで仲裁もしないのであった。

夏の頃から悪い友人たちと付き合い始めた碧郎。その問題行動が露見したのは、秋に入ってからだった。友人たちと碧郎が書店で盗みを働いたと言う。そのせいで碧郎は高等学校を退校処分となり、母は息子を盗賊と呼んで蔑んだ。弟は盗賊とかっぱらいは違うと言うが、げんはどちらにせよ、悪いことであるのは間違いないと断言し、碧郎を諫めるのであった。

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映画『おとうと』のあらすじ【承】

問題ばかりを起こす息子のせいで、母は辟易としている。血が繋がらない子供である故か、自分の名誉ばかりを守ろうとし、碧郎が悪いことばかりするのは父親が何も言わないせいだと責め立てる。母は自分の厳格な考えを子供達にも押し付けようとするが、父は実質的な家事をしないこと、弟の世話は全てげんが行っていることを取り上げ、母を責め返すのだった。

季節は巡り春。いつもの川原道で署の男に引き止められている碧郎と出会う。署の男は舐めるような視線と話し方で姉弟へと話しかけ、いつでも見ているぞと暗に匂わすのである。
しかも、げんの女学校前で待ち伏せまでして、碧郎のことを調べているのだった。そうなると、げんは弟のことを疑わずにいられなくなる。碧郎曰く、それが奴の策であるらしい。げんのように美人ではなく偏屈な女は、署の男が巡らせる罠にすぐに引っかかるだろうと言われ、姉は酷く憤慨し罠になど引っかかるものかと怒鳴るのであった。

その後も署の男はげんへと付きまとい、上手いことを言って彼女を近くの神社へ連れて行く。ところが、彼が持つ杖のイニシャルと名乗った名前のイニシャルが違うことに気付いたげん。指摘すると相手は巧妙に言い訳をしてくる。更に男は慣れ慣れしく彼女へと迫り、無理矢理関係を持とうとするのだ。げんが悲鳴を上げると突然、境内へとあひるの群れが迷い込んで来る。そのお陰でげんは無事に逃げることができるのだった。
どうやら、体育の時間にたまたま姉が連れ込まれるのを目にした碧郎が、友人達と協力して救ってくれたようだ。

翌日、川原道の側にある鉄工所の青年がげんの前に立ち塞がる。ラブレターをくれた人物らしいが、彼女を尾行していた碧郎と友人達が牽制。そのまま、玉屋まで碧郎達について行った。玉屋とは今で言うビリヤードである。少し体験した後、母の薬を受け取りに行こうとしたげんは、弟から店に借金をしていると告白される。姉を連れて来たのは、どうやら借金返済をさせるためだったようだ。げんは仕方なく支払いをしたものの、手持ちの現金では足りず。帰宅後に父へと助けを求めた。その後、母から見合いの話を聞かされたげん。相手は銀行家で立派な男性らしい。

映画『おとうと』のあらすじ【転】

碧郎はそれからも次々と借金を作っては、家に請求書を送り続けた。近頃の弟は遊び惚けてばかり。父はそんな息子を若いのだから良いのだと言って、げんの話をまともに聞こうとはしない。

母は碧郎の退校事件以来、余計な口出しはしないと決めた様子。父が承知しているのならば、それで良いと言う。そこで、げんは母からの見合い話を断ると告げた。すると、母は娘に皮肉を返すのである。
それから、げんは勝手なことばかりをする碧郎に口喧しく注意を促したが、弟は全く意に返さず。しかも、姉に対して早く嫁に出て行けとまで言う。姉弟は互いの言動に腹を立て、取っ組み合いの喧嘩を展開。父の仲裁でどうにか収まった。

ボートの次は乗馬へと趣味を変えた碧郎。彼は農場から借りた馬を乗り回し、誤って落馬してしまう。しかも、馬ごと土手へ転落したため、馬が酷い骨折をしてしまい安楽死させるしかないのだった。呼ばれて駆け付けたげんだったが、碧郎は馬の命を奪ってしまったことを酷く嘆き、その夜は気になる咳をしながらも、友人の元へ向かわなければならないと言って、一晩帰って来なかった。

咳が一向に止まらず、顔色も悪くなった碧郎。弟に付き添って病院へ行ったげんは、彼が肺病を患いすでに手遅れであることを医師から聞かされる。すぐに入院するように言われた。
碧郎もまた少なからずショックを受け、肺病を移すことを気にし始める。病院の帰り、姉弟は2人で記念写真を撮って帰るのだった。

碧郎が結核で入院することになり、げんが看病で病院へ泊まり込むようになる。父は入院費を稼ぐために仕事へと打ち込み、家の中のことは母がやらざるを得なくなった。姉弟がいなくなった家は閑散とし、静寂が満たしている。

映画『おとうと』の結末・ラスト(ネタバレ)

海辺の療養院へ入った碧郎の元へ友人たちが見舞いへと訪れた。こんな時にげんは、若い男性の迎えで出掛けている。弟はそのことをなぜ、知らせてくれないのだろうと寂しく思うのだ。その夜、体調を崩し発熱してしまった碧郎。

げんは弟の看病をしつつ、昼に会った男性のことを話した。どうやら母が見合いの相手を送り込んだらしい。だが、男性は病気の弟を心配するでもなく、自分のことばかりを話したため、げんの目には適わなかった。そんな時、碧郎が咳と共に吐血。以来、病気は悪化の一途を辿った。

喉にできものができ、いよいよ末期かと気を落とす碧郎だったが、院長は必ず治ると簡単に言う。その日は弟の希望で島田結をしてきたげんは、その姿を披露。碧郎は姉の髪型を目にして、結婚姿を想像し心残りはないと話すのだった。

げんは弟の肺病が移ることを気にしてはない。故に、弟と同じ食べ物を食べると断言するが、碧郎はそんな姉を心配し更に生きることすら諦めている様子だった。
そんなある日、父とリウマチで痛む体を押して母までもが見舞いに訪れる。母が桃の缶詰を差し入れてくれたので、一緒に食べようと言い出す碧郎。子供達を冷遇してきた母は義息の言葉に涙を零し、これまでの自分の行いを反省するのだった。

碧郎は生きる希望を失っているが、死への恐怖は抱いている。彼はこの頃、夜中の12時になると決まって目覚め少しの間、眠れなくなると言う。そこで、姉弟は夜中に看護師も含めて一緒に楽しくお茶を飲もうと考える。夜11時半に起きるため、姉弟は紐で互いの手首を繋ぎ休むことにした。ところが、紐が引っ張られげんが起きた時間はもうじき12時。碧郎の様子がおかしいと気付いた姉は急いで看護師を呼んだ。父へも連絡が入り、夜中にも関わらず母も一緒に駆け付けてくれる。どうにか、辛うじて今わの際に間に合ったが、すでに意識はなく。家族はまだ年若い碧郎の死を看取るのであった。

げんは弟の死を受け入れることができず、その場で卒倒してしまう。急いで仮眠室へ運び込まれたが、彼女はすぐに意識を取り戻し、エプロンをして動き出すのであった。

映画『おとうと』の感想・評価・レビュー

今作のために発明され映画初の銀残しという現像手法が使用された作品。コントラストが強い分、俳優達や風景が非常に美しく描かれている。現代では日本や海外のほとんどの映画で使用されている手法である。

大らかであまり怒らない父と子供達を冷遇する母。姉は反抗心から問題を起こしてばかりの弟を辛抱強く諭し、愛情を込めて世話をしている。対して、母親の言い分にはまるで愛情が感じられず、その対比バランスが良い。病気をきっかけに家族の関係が修復される様子が見事に描かれている。(MIHOシネマ編集部)


弟のことが大好きな私はこの作品を見て、物凄く切なく悲しい気持ちになったのと同時に、家族の「愛」は何物にも代えられないものなんだと感じました。
優しく穏やかな父と、リウマチを患いほとんど家事をしない継母、そして大好きな弟。嫌な継母が居ても優しい父と弟がいれば幸せだと思い、継母がやらない家事を1人でこなしていた主人公。そんな時に弟が結核にかかっている事が分かります。
大切な家族が病気になったら…。考えるだけで悲しくなりますが、諦めてしまうのでは無くそんな時こそ、助け合って愛し合える家族になりたいなと思いました。(女性 30代)

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