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映画『ブッチャー・ボーイ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ブッチャー・ボーイ』の概要:アイルランドを舞台に少年が精神のバランスを崩し、凶行に走る姿をコミニカルに描いたニール・ジョーダン監督作。ベルリン国際映画祭で銀熊賞に輝いたが、神戸市の連続児童殺傷事件の影響で日本では未公開となった。

映画『ブッチャー・ボーイ』の作品情報

ブッチャー・ボーイ

製作年:1998年
上映時間:110分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:ニール・ジョーダン
キャスト:イーモン・オーウェンズ、スティーヴン・レイ、フィオナ・ショウ、ショーン・マッギンレイ etc

映画『ブッチャー・ボーイ』の登場人物(キャスト)

フランシー(エイモン・オーウェンズ)
アイルランドの貧しい家庭で育った少年。母は精神を病んでおり、父は酒に溺れている。親友に距離を置かれ、ニュージェント夫人への逆恨みを強めてしまう。
ジョー(アラン・ボイル)
フランシーの親友。しかし、フランシーの凶行を見かねて段々距離を置くようになり、ニュージェント夫人の子供と親しくなる。
ニュージェント夫人(フィオナ・ショウ)
イギリス帰りの裕福な夫人で、フランシーから度重なる嫌がらせを受ける。フランシーやジョーと同年代の子供がいる。

映画『ブッチャー・ボーイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ブッチャー・ボーイ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ブッチャー・ボーイ』のあらすじ【起】

フランシーとジョーは森の中でジェロニモに扮して遊んでいた。そして、ニュージェント夫人の育てている林檎を盗む。怒ったニュージェント夫人はフランシーの家に文句を言いに来て。フランシーは酒に酔った父にお仕置きされる。精神が不安定だった母は自殺をしようとし、入院してしまう。フランシーと父の2人で暮らすことになり、フランシーは父のトランペットの演奏に合わせてテレビを楽しむ。しかし、途中でテレビが映らなくなると、父はテレビを壊してしまう。

母が元気になって戻って来る。そして、叔父さんが訪ねて来て、家は客人で溢れて賑やかになる。皆は父と母のなり染めを話して盛り上げる。しかし、父は不機嫌になり、客が帰った後に伯父や母のことを罵る。その様子にうんざりしたフランシーは家出をして、ダブリンまでやって来る。お店からお金を盗んだフランシーは映画を楽しむ。そして、母へのお土産を買って街に戻ってくる。すると町では母の葬式が執り行われていた。フランシーが家出をしたために、母は自殺をしたのだ。

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映画『ブッチャー・ボーイ』のあらすじ【承】

フランシーはニュージェント夫人の子供をいじめるが、ジョーが駆け付けて来てフランシーを静止する。そして、2度とニュージェント夫人の子供に近づかないと誓わせる。しかし、ニュージェント夫人は兄弟を使ってフランシーを懲らしめようとする。怒ったフランシーはニュージェント夫人の家に侵入して、夫人が焼いたケーキを散らかし、家中に豚と落書きする。

フランシーは警察に連行されて、更生施設に送られる。フランシーは労働作業に明け暮れる日々を送る。ジョーからの手紙が届くが、そこにはジョーがニュージェント夫人の子供と仲良くなったことが書かれていた。フランシーは落ち込んでしまう。そして、良い行いをして早く施設を出ようと決意する。フランシーは神父の手伝いするようになり、マリアの幻影を見るようになる。神父は変態癖がおり、フランシーに女装をさせる、神父は母について色々と質問し、怒ったフランシーは神父に襲いかかってしまう。フランシーは取り押さえられるが、口止めをしたい施設側はフランシーを施設から出してくれる。

映画『ブッチャー・ボーイ』のあらすじ【転】

町に戻ったフランシーは屠殺場で働くようになる。フランシーがジョーと遊んでいると、ニュージェント夫人の兄弟が再びフランシーを懲らしめにやって来る。しかし、フランシーは兄弟を石で殴り倒す。それを見ていたジョーはフランシーの元から逃げてしまう。フランシーは大量の金魚を手に入れてジョーに会いに行くが、玄関で追い返されてしまう。

フランシーの父は病気で衰弱し、身動きをしなくなる。フランシーは家事をこなすようになる。フランシーはジョーがニュージェント夫人の子供と一緒にいるところを目撃して、苛立つ。フランシーは父の死体と暮らしていたのが見付かり、警察に取り押さえられて予防接種を打たれる。気を失ったフランシーはジョーと終末世界を歩く幻想を見る。

フランシーは精神病院に送られ、電気ショックによる治療を受ける。しかし、フランシーは病院を脱走して町に戻って来る。ジョーに会いに行こうとするが、ジョーの家にはニュージェント夫人がいた。ジョーはニュージェント夫人の子供と一緒に寄宿学校に入ってしまったのだ。フランシーはニュージェント夫人のせいで全てを失った逆恨みする。

映画『ブッチャー・ボーイ』の結末・ラスト(ネタバレ)

フランシーは自転車に乗って父と母がハネムーンを過ごしたホテルを訪ねる。しかし、そこで父と母が幸せなカップルとして過ごしたのではなく、父が酔っぱらって母に酷い仕打ちをしていたことを知る。フランシーは寄宿学校までジョーを迎えに行き、学校に侵入して大騒ぎを起こす。愛想を尽かしたジョーはフランシーのことを友達ではないと言い放ち、フランシーは神父に取り押さえられる。

再び町に戻ったフランシーは、屠殺場にやって来る。そして、ニュージェント夫人の家に侵入すると、ニュージェント夫人を屠殺用の銃で殺してしまう。フランシーは遺体を腐った野菜の中に隠す。凄惨な事件に町中は騒然となってしまう。フランシーは警察に捕まるが、遺体の場所に案内する振りをして逃げ出してしまう。そして、は自宅に戻ると、家ごと火を放つ。

消防士に救助されたフランシーは、何年も施設で過ごすことになる。大人になったフランシーはようやく外に出てくる。しかし、フランシーは再びマリアの幻影を見てしまうが、フランシーは正気を保つ。そして、マリアから一輪の花を受け取る。

映画『ブッチャー・ボーイ』の感想・評価・レビュー

少年の凶器が痛々しい名作で、フランシーが精神を病んでいく過程が非常に説得力を持って描かれている。毒に満ちたコミニカルな演出のお陰で楽しく見ていることができる。少年の犯罪を描いた作品は数多くあるが、今作だけはタイミングが悪く未公開となってしまった。もし劇場公開されていればもっと注目されていたに違いない。ニール・ジョーダン監督の傑作の一つに挙げられるべき作品なのに、正当な評価を得られていないことが残念でならない。(MIHOシネマ編集部)

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