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映画『ダーケスト・ウォーター』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ダーケスト・ウォーター』の概要:1920年代、アイルランド。先祖伝来の古めかしい洋館に住む双子の姉弟は、3つの掟に縛られひっそりと暮らしていた。だが、退役軍人の青年と姉が出会ったことで、弟が掟を破ってしまう。先祖が脈々と繋いできた呪いから逃れようと足掻く様を描いたホラー映画。

映画『ダーケスト・ウォーター』の作品情報

ダーケスト・ウォーター

製作年:2017年
上映時間:94分
ジャンル:ホラー
監督:ブライアン・オマリー
キャスト:シャルロッテ・ベガ、ビル・ミルナー、ユージン・サイモン、ディードル・オケイン etc

映画『ダーケスト・ウォーター』の登場人物(キャスト)

レイチェル(シャルロッテ・ベガ)
エドワードの双子の姉。館の掟に縛られていることに嫌気が差し、自由になりたいと考えている。ショーンと共感し恋心を抱く。黒髪の美しい女性。
エドワード(ビル・ミルナー)
レイチェルの双子の弟。館の掟を勤勉に守ろうとしている。掟を破るならレイチェルであろうとも容赦しない。館の地下の亡霊に恐れを抱いている。黒髪の男性。
ショーン(ユージン・サイモン)
雑貨屋の息子で退役軍人。体格が良く実直で優しい青年。戦争により右足の膝より下を失い、義足を装着している。母親が館で家政婦をしていた頃、レイチェルに会ったことがあり、密かに恋焦がれていた。
バーミンガム(デヴィッド・ブラッドリー)
館の財政を管理する老齢な弁護士。財政難を回避するため、館を売るよう執拗に双子へと迫る。高価な物を見極める目を持ち、館の財宝を狙う。

映画『ダーケスト・ウォーター』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ダーケスト・ウォーター』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ダーケスト・ウォーター』のあらすじ【起】

1920年代、アイルランド。双子の姉弟であるレイチェルとエドワードは、たった2人で先祖伝来の古びた洋館に住んでいる。彼らは幼い頃から母親に聞かされた3つの掟を守って生活していた。1つ、0時の鐘が鳴る前にベッドへ入ること。2つ、よそ者を家に入れてはいけない。3つ、2人は離れてはいけない。母はこの3つの掟を守る限り、双子たちは守られると子守唄で唄って聞かせた。

その日は2人の誕生日だった。レイチェルは18歳の誕生日を祝い2人で出かけようと言ったが、エドワードは館から離れることを嫌がる。館の地下には何かがいて、彼らはそれの管理をする一族最後の2人なのだ。それは館のエントランスの床にある、引き上げ式の扉の下にいる。

エドワードはレイチェルがいつか掟を破るのではないかと危惧しており、もしもそうなることがあれば、強硬手段に出ることも厭わない。弟は姉をエントランスの床扉の前へ押さえつけ、子守唄を唄わせた。

エドワードの脅しに傷ついたレイチェルはその後、1人で買い物に出かけてしまう。雑貨屋へやって来た彼女は、必要な物を籠に入れてもらう。だが、雑貨屋の女将はつけが溜まっているため、支払いをして欲しいと言う。レイチェルは週末には払うと約束し、1週間前に届いていたという手紙を受け取って店を出た。ところがその直後、通りにたむろしていた男達に囲まれてしまう。雑貨屋の息子ショーンが助けてくれたので、助かった。

ショーンは戦争へ行っていたが、足を負傷して退役して来たらしい。声をかけられたが、レイチェルは礼もそこそこに逃げ帰った。帰宅後、手紙の内容をエドワードに明かす。家の財政管理をしている弁護士バーミンガムからで、信託財産が尽きたため、家を売れというものだった。だが、エドワードは猛反対。かつては繁栄を極めた一族であったが、双子の代では家も修理できないほどひっ迫している。レイチェルは自由を求めており、家を売ってしまいたかった。

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映画『ダーケスト・ウォーター』のあらすじ【承】

翌日、館にバーミンガムが訪ねて来る。よそ者を入れてはいけないという掟に従い、レイチェルは戸口で対応した後、母の真珠の首飾りを持ち出して当座の資金に充てるよう頼む。館の相続者は男子であるエドワードで、本来なら彼が対応して然るべきある。だが、彼は外へ出ることができない。その時、例の床扉から声がして水が少量漏れ出ていることに気付く。手に付着した雫は重力を無視して天井へ向かう。
館の地下に潜むあれは、双子に囁き続ける。それは18歳の誕生日を過ぎてからより顕著になり、そろそろ行動に移せと言う。だが、レイチェルは飽くまでも抵抗を示していた。

翌日、館の敷地にショーンが迷い込む。実は弁護士が来た昨日も門の前まで来ていたのだが、レイチェルは相手にしなかった。だが、この日は彼を両親が亡くなった場所へ案内。両親は揃って湖へ投身自殺を図ったのだ。発見したのはエドワードで弟はそれ以来、館の外へ出ることができなくなった。両親の形見と言えば、レイチェルが首から下げている値打ちのあるロケットペンダントだけ。

レイチェルとショーンが湖のほとりで惹かれ合い触れ合っている頃、館にバーミンガムが押しかけて来る。館にはエドワードしかおらず、仕方なく対応。弁護士はレイチェルから預かった真珠の首飾りが館の敷地を出た途端、鳥の骨を繋いだガラクタに変わってしまったと文句を言う。バーミンガムが憤慨していたため、エドワードは掟を破って彼を館の中へ入れてしまうのだった。

映画『ダーケスト・ウォーター』のあらすじ【転】

ショーンとの行為に溺れ一線を越えてしまう寸前で、地下に潜むあれの気配に気づいたレイチェル。彼女はショーンに一族の歴史を話して聞かせた。一族の初代は逃走の果てにこの地へ辿り着き、館を建てて隠れ住んだ。ところが、過去が彼らを許すはずもなく、この地に繋ぎ止めてしまったと言う。繋ぎ止められた先祖の亡霊は館の地下に水と一体化して蓄積され、一族に呪いと守護を与えた。昼は双子の時間で掟を守る限り許される。だが、18歳を迎えたら、双子には更なる試練が待ち受けているのだ。双子は呪いで死ぬのではなく、むしろ生かされているのだった。

同じ頃、館内にバーミンガムを入れてしまったエドワードは、弁護士をナイフで刺殺してしまう。彼は遺体を地下へと投下し始末。亡霊によって掟を破ったことを指摘されるも、制裁は覚悟の上だった。
ショーンに別れを告げたレイチェルは、親族と両親が身を投げた湖を眺める。そこには裸で手を繋ぐ両親の後ろ姿が浮かんでいた。水は彼らに纏わりつき、決して離れない。

館へ帰ったレイチェルは思い立って旅立つ準備を始めたが、掟を破ったことを亡霊に咎められる。自分は掟を破っていないのになぜ、咎められなければならないのか。不審に思った彼女は、部屋の隅の椅子にバーミンガムの姿を目にする。弟が掟を破ったのだ。彼女は恐怖に身を竦め、自室のベッドに引きこもった。

翌朝、目覚めたレイチェルは室内が水浸しになっていることに気付く。部屋を出るとエドワードがいたため、弟がやったことを咎め館から出て行く。そして、その足で雑貨屋へ。ショーンはレイチェルから拒絶され、その帰りに町のごろつきに痛めつけられ酷い怪我を負っていた。雑貨屋の女将が対応したものの彼女は昔、館の家政婦をしていたことがあり、双子の秘密を知っていた。故に、レイチェルを穢れた存在と呼び、ショーンと会わせようとしない。その上、つけを払えと言われたレイチェルは、ロケットペンダントを投げつけ去って行くのだった。

ロケットペンダントには両親の肖像画が嵌め込んである。ショーンの妹がレイチェルを不憫に思い、ペンダントの返却に現れた。レイチェルは更なる秘密を明かす。両親は姉弟と同じように双子だった。両親の親も双子でそのまた上も双子だった。つまり、一族には双子しか生まれず代々、近親相姦を行って脈々と受け継がれてきたのだ。故に、レイチェルとエドワードも掟に従うならば、契って次の世代を宿さなければならない。それが、18歳になった2人の試練だったのである。アイルランドでは近親相姦は禁忌とされている。故に、一族は周囲との接触を断ち、掟を厳守してきたのだった。

映画『ダーケスト・ウォーター』の結末・ラスト(ネタバレ)

ところが、レイチェルとショーンの妹の前に町のごろつきが現れる。レイチェルはかろうじて逃げ切り、館の敷地へ逃れることに成功。彼女はその足で湖のほとりへ。そこで、幼い頃にエドワードが目撃した両親の死を見た。父が母を引きずる形で湖へ身を沈めたのだ。母は双子に宿命から逃れて欲しかったに違いない。

館へ戻ったレイチェルはエドワードに説得を試みたが、弟はすでに亡霊に囚われ、姉の意識を奪ってしまう。そうして、先祖代々が契ってきたベッドにて姉を犯そうとする。だが、そこへショーンが訪れる。エドワードによって館へ入った彼は、弟と取っ組み合いを展開。しかし、もみ合いで転倒した折、エドワードは持っていたナイフで自らの腹部を刺してしまう。

息も絶え絶えにレイチェルが待つ部屋へ入ったエドワード。姉は意識を取り戻し、異変を察してショーンの安否を気にかける。奇しくも0時の鐘が鳴り響いている時だった。0時の鐘が鳴る前にベッドへ入ること。なぜなら、その時間は亡霊の時間だから。

地下の扉から水が溢れ出す。代々の先祖の霊が蓄積された呪いだ。ショーンはエドワードの一撃によって、ナイフで床に留められ逃げることができない。呪いから1人の女が姿を現し、ショーンへと迫る。レイチェルは咄嗟に部屋を飛び出しショーンを助けたが、玄関のドアは固く閉ざされたまま。この現象自体が罠だと気づいたレイチェルは一歩、一歩後ずさる。そうして、彼女は床扉の中へ落ちてしまうのだった。

ショーンは慌てて水で満たされた床扉の中へ。そこから下は別の世界。広大な空間の中、浮かぶレイチェルと手を取り合う。だが次の瞬間、ショーンは亡霊に捕まってしまい奈落の底へと沈められてしまう。亡霊たちはレイチェルを囲み、命をよこせと必死に乞う。彼女はその輪から逃げ出し、光が差し込む先を目指した。

そこは、湖の中。ほとりへ上がり館に戻る。辛うじて命を繋ぎ止めていたエドワードに許しを請い、弟の手からロケットペンダントを受け取る。そして、レイチェルは弟を置いて館の外へと旅に出るのだった。

映画『ダーケスト・ウォーター』の感想・評価・レビュー

ゴシックホラーであるため、作品全体のトーンは暗めのブルーグレーで統一されている。音楽も美しく設定も奇抜で面白いと感じた半面、演出の面で少々、もたつく感じがある。映像は非常に美しく、現存するオカルトスポットとして有名な屋敷を舞台に描かれている。

ジャンルはホラーとなっているが、どちらかと言うと映像美のせいかファンタジック。個人的な見解では、初代の双子が近親相姦をして永遠を願ったため、それが呪いになったのではないかと思う。掟は近親相姦の罪を隠すためと、呪いが解かれるのを防ぐためだろう。じっくり見るのに耐えられる人には、良い作品かもしれない。(MIHOシネマ編集部)


本作は、1920年代のアイルランドを舞台に、先祖代々受け継いできた呪いの伝統から逃れようとする双子の姉弟を描いたゴシックホラー作品。
実在の「世界一不気味な屋敷」と呼ばれる心霊スポットが撮影場所となっており、水を駆使した演出や映像の綺麗さといった作品の不気味な雰囲気が良かった。
ただ、掟の曖昧さや重要度が気になってあまり集中できなかった。
そこまでショッキングなホラーシーンはないので、ホラーが苦手な人でも観れる作品。(女性 20代)


美しくて幻想的な映像が印象的な今作。ホラー作品ということですが屋敷の外観や水の使い方など美しいと感じるシーンが多く、怖さはあまり感じませんでした。
実在する屋敷を舞台に、その屋敷に伝わる掟から逃れようとするストーリーなのですが、掟をそこまでして守り続けている理由がよく分かりませんでした。必死に掟を守ろうとする弟とは考え方が違うのかなと単純に考えて見ていましたが、謎は明かされないまま終わってしまいました。
ラストもはっきりせず、何が伝えたかったのかよく分からない作品です。(女性 30代)

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