映画『聖なる酔っぱらいの伝説』の概要:人が好く誠実な元炭鉱夫の主人公。彼はとある事情でパリへ来たが、金もなく住所もない浮浪者。ある日、彼の前に不思議な紳士が現れ大金を貸してくれる。ただし、返済は聖テレーズ像がある教会に返せと言う。それ以降、主人公に次々と奇跡が舞い込むようになる。
映画『聖なる酔っぱらいの伝説』の作品情報
上映時間:120分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:エルマンノ・オルミ
キャスト:ルトガー・ハウアー、アンソニー・クエイル、サンドリーヌ・デュマ、ドミニク・ピノン etc
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映画『聖なる酔っぱらいの伝説』の登場人物(キャスト)
- アンドレアス(ルドガー・ハウアー)
- 元炭鉱夫の浮浪者。人が好く誠実で礼儀正しい。酒の誘惑に勝てず、金があるとパブへ入ってしまう。元恋人カロリーヌの婚約者を誤って刺殺し、国外追放された過去を持つ。
- 不思議な紳士(アンソニー・クェイル)
- 非常に上品で紳士。困っている人に200フラン渡し、聖テレーズへ返済するようにと言う。白髪の老人で金持ちだが、金を渡した人を覚えていない。
- カロリーヌ(ソフィー・セガレン)
- 同郷の元恋人。美しく純朴な女性であったが、現在はパリにて一人暮らしをしている。ダンスが上手で誘いを断らず、アンドレアスに未練がある。
- ヴォイテク(ドミニク・ピノン)
- 炭鉱時代のアンドレアスの悪友。人の好いアンドレアスから200フラン騙し取る。酒飲みで小柄な男性。口が上手く詐欺師。
- ギャビー(サンドリーヌ・デュマ)
- 劇場の踊り子。アンドレアスに近づいて散々、楽しんだ挙句、金を盗む。黒髪の可愛らしい女の子。
映画『聖なる酔っぱらいの伝説』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『聖なる酔っぱらいの伝説』のあらすじ【起】
元炭鉱夫のアンドレアスは金もなく宿無しで毎日、セーヌ川の橋の下で眠っている浮浪者だった。そんなある日、アンドレアスは橋の下で不思議な紳士に話しかけられ、200フランやると言われる。アンドレアスは浮浪者であっても、誇りと礼儀はあると言い、大金を貰っても返せないからと断ろうとする。
紳士は聖テレーズの本を読んでから、奇跡が起きるようになったと言う。そして、返済できるようになったらテレーズ像があるパブティニョル教会へ行き、日曜ミサに出席後、神父の手に借りた金を返してくれればいいと言うのだった。
不思議な紳士と別れた後、アンドレアスは橋の下へ向かい、今しがた紳士に言われた言葉を封筒にメモ。それから、近くの食堂へ行きワイン1本とスープを楽しんだ。残りの金は封筒へしまう。駅で捨てられた新聞を拾い布団代わりにして、橋の下で休んだ。
翌朝、お金が盗まれていないか確認後、新聞を購入。その日は木曜日で自分の誕生日だった。朝からやっているパブへ向かったものの、鏡に映る自分があまりにも汚らしかったため、散髪屋へ向かい身なりを整えた。それから、パブへ戻りラム入りのコーヒーを注文。すると、テーブル席に座っていた男性から、仕事をしないかと声をかけられる。手間賃は2日で200フラン。願ってもないことだ。アンドレアスはすぐさま了承。男性はテイラーを営んでいるらしいが、引っ越すらしくその手伝いに雇われたのだった。
アンドレアスはこれまで財布を持っておらず、お金をポケットに入れて歩いていた。今のままでは少々、不便だし紳士には程遠い。彼は新発売だという財布を購入。
その後、約束の時間に家を訪ね、梱包のお手伝い。奥さんからチップを貰った。仕事終わりにパブへ立ち寄って帰った。
映画『聖なる酔っぱらいの伝説』のあらすじ【承】
翌日も約束の時間に家を訪ねる。いよいよ、荷物を運び出す。引っ越し先は歩いてすぐの場所だったが、テイラーの主人はお酒が大好きらしく何度も誘われる。だが、なかなかタイミングが合わず、結局飲みに行けずに仕事を終える。夕食時に曜日を聞くと土曜日だった。その日は奮発して安宿へ宿泊。
翌日は日曜日。教会の鐘の音で飛び起きる。不思議な紳士に言われた通り、パブティニョル教会へ。ところが、到着した時にはすでに午前のミサが終了していたため、近くのパブでワインを飲みながら午後のミサが始まるのを待った。
すいすいと杯を重ね、午後のミサが始まる時にはしたたかに酔っている。だが、約束は守らなければならない。アンドレアスは急いで教会へ向かおうとしたが、道端でばったり元恋人カロリーヌと遭遇してしまう。久方ぶりの再会であったため、アンドレアスは教会へ向かわずにカロリーヌの誘いに乗ってしまうのだった。
彼女と食事を共にし、積もる話をする。その後はダンスホールへ。アンドレアスはダンスが苦手だったため、カロリーヌのダンスを眺めつつ、昔の思い出を懐かしんだ。夜も更けた頃、誘われるままカロリーヌの自宅で一夜を明かした。
その昔、炭鉱夫として向かった先で親友と再会したアンドレアス。だが、親友から紹介された恋人というのが、カロリーヌだった。彼女はアンドレアスの親友と婚約中であったが、恋人から暴力を振るわれる毎日を送っていた。アンドレアスはカロリーヌに暴力を振るう親友を止めに入ったが、誤って彼を殺してしまう。そうして、アンドレアスは故郷を国外追放され、パリへとやって来たのだった。
翌日の夜、いつものパブへやって来たアンドレアスだったが、深酒で寝入ってしまい足りない分の酒代として荷物も取られてしまう。カロリーヌと過ごしたせいで返済もできず、返す予定だった200フランも使い切ってしまった。彼は再び無一文となり、いつものように橋の下で休んだ。
映画『聖なる酔っぱらいの伝説』のあらすじ【転】
すると、不思議な夢を見る。彼の前に少女が現れ、なぜ日曜日に会いに来なかったのかと咎められる。聖テレーズは次の日曜日に教会で待っているから、必ず来るようにと言うのだった。
朝、浮浪者仲間から髭を剃ってもらう。さっぱりしたところで、買ったけれど使っていなかった財布を開いてみる。すると、なんと中には1000フランが入っていた。驚愕したアンドレアスは、再びパブへ。ふと壁に貼られたポスターを目にし、同級生の親友がボクサーになっていることを知る。
伝手を辿って同級生の親友と再会。親友は大喜びで夕食に招いてくれ、スーツをプレゼントしてくれると言う。正直に浮浪者であることを明かすと、ホテルの部屋まで取ってくれた。そのお礼として親友に飲み代を驕る。帰り際、親友はスーツを2着くれると言ったが、アンドレアスは1着でいいと断った。
ホテルの部屋へ戻り豪華な内装を物色し、入浴ついでに汚れて黒ずんだ衣類を洗濯。小劇場で踊り子のギャビーに一目惚れしてしまったアンドレアスは、同じ階に彼女が宿泊していることに気付き、部屋を訪ねる。ギャビーはカジノのダンサーで、各地を興行で回っていると言う。アンドレアスはギャビーの色気に打ちのめされ、誘われるまま一夜を共にするのだった。
翌朝、自分の部屋へ戻ると親友からスーツが届いていた。仕立ての良い高級なスーツである。試着していると、ギャビーが部屋へやって来てその日はデートへ。可愛らしい女の子と良い仲になり、大金もあるしで絶好調である。
翌日は日曜日。アンドレアスはギャビーにテレーズへ会いに行ってくると告げ、部屋を出た。
映画『聖なる酔っぱらいの伝説』の結末・ラスト(ネタバレ)
ミサが始まるまで時間があったため、前の週にも来たパブへ寄ったが、財布を開いて驚愕。なんと、お金がほとんどないのである。恐らくはギャビーが掏ったものと思われる。幸い、返済用にと200フランを別に取っておいたため、そちらは無事だった。
アンドレアスは1杯だけ酒を飲み、教会へ向かおうと店を出る。すると、店先で小柄な悪友ヴォイテクと再会。アンドレアスは事情を話し、ヴォイテクとミサへ参加。ところが、中へ入ってすぐに、ヴォイテクが200フランを返さないと監獄へ入らなければならないと泣き出す。アンドレアスは彼に同情し、返済する予定だった200フランをヴォイテクに渡してしまうのだった。
すっからかんになってしまったアンドレアスは、聖テレーズの像を一目見て教会から出る。その頃、ヴォイテクはアンドレアスから騙し取った金で、駆け付け3杯を引っかけていた。再びヴォイテクと合流したアンドレアスは、悪友と共にひとしきり遊び惚ける。
数日後、橋の下へ戻ったアンドレアス。そこで、不思議な紳士と再会する。だが、紳士は彼に金を渡したことを覚えていなかった。アンドレアスはまたも紳士から200フラン受け取り、今度こそテレーズに金を返そうと考える。でも、その前に行きつけのパブから荷物を取り返し、酒を注文。外は土砂降りの雨で日曜日まで日にちもある。
雨宿りついでに酒を飲み続けたアンドレアス。雨が止んだ頃には、貰った200フランをほとんど使い果たしていた。
日曜日、ようやく教会へ。ところが、その日は酷い強風でやっと辿り着いたかと思ったら、警察に呼び止められる。過去の罪で逮捕されるかと思ったが、財布を落としたと渡される。自分のものではないが、ありがたく受け取ることにした。教会前のパブへ向かうとヴォイテクがいる。財布の中には200フラン。これで借金が返せる。そう思った矢先、パブにテレーズそっくりの少女がやって来る。
アンドレアスはおもむろに立ち上がり、少女へ金を返そうとしたが、少女は両親と待ち合わせしていると言う。その名もテレーズだった。彼は泣きながら、テレーズへと感謝を述べ借金を返そうとしたが、少女は受け取らずに去ってしまう。直後、アンドレアスは体調を崩し、呼吸困難に。教会へ運ばれた彼はテレーズへと金を差し伸べ、そのまま息を引き取るのだった。
映画『聖なる酔っぱらいの伝説』の感想・評価・レビュー
主人公は浮浪者でありながら、アルコール依存症を患っているのではないかと思うほど、時間に関係なくパブへ入り酒を浴びるように飲む。金があればとりあえずパブに入るといった具合だ。
余計なセリフはなく、演出と俳優の演技でストーリーが進むという高レベルの作品。わらしべ長者のごとく、金が舞い込む奇跡が連続する。展開が面白く飽きさせない上に、主人公が必要以上に落ち込まないので、悲劇であるはずが軽い感じで見ていられる。(MIHOシネマ編集部)
酔っぱらいのホームレスが体験する不思議なお話。どういうことなのかよく分からないまま見始めましたが、セリフがあまり多く無く、表情や雰囲気で感じ取るような作品なのですんなりと世界観に入り込むことが出来ました。
老人からもらった200フランを聖テレーズに返そうとするけどなかなか返せない主人公。最初は何をやってるのとイライラもしましたが、幸せそうに酒を飲み、思いのままにお金を使ってしまう姿は人間らしさそのものでした。
悲しいラストですが、そこまで悲劇っぽく無い雰囲気なのは、主人公のお人好しな性格のせいかもしれません。(女性 30代)
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