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映画『ダブルミンツ』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『ダブルミンツ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ダブルミンツ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ダブルミンツ』の結末までのストーリー
  • 『ダブルミンツ』を見た感想・レビュー
  • 『ダブルミンツ』を見た人におすすめの映画5選

映画『ダブルミンツ』の作品情報

ダブルミンツ

製作年:2017年
上映時間:100分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:内田英治
キャスト:淵上泰史、田中俊介、須賀健太、川籠石駿平 etc

映画『ダブルミンツ』の登場人物(キャスト)

壱河光夫(大人:淵上泰史 / 高校時代:川籠石駿平)
システムエンジニア。優等生で非常に頭が切れる。弱腰ではあるものの、肝が据わっている。高校時代、光央にイジメられ犬扱いされていたが、光央に対し歪んだ愛情を抱くようになる。
市川光央(大人:田中俊介 / 高校時代:須賀健太)
ヤクザの組の下っ端。威勢はいいが、根性がない。高飛車で横柄だが、子供っぽくチャラい。高校時代、同姓同名の光夫を犬扱いしていた。
麻美(冨手麻妙)
光央の女だった女性。光央に殴られ山に埋められそうになるが、光夫に助けられる。

映画『ダブルミンツ』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『ダブルミンツ』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ダブルミンツ』のあらすじ【起】

システムエンジニアとして残業続きの壱河光夫に、ある男から久しぶりに電話がかかって来る。男は高校時代の同級生で同姓同名の市川光央だった。彼は電話口で女を殺したため、すぐに来いと言う。高飛車で横柄な態度も粗暴な仕草も昔と変わらず、光央は殺した女をどうにかしろと光夫に命令するのだった。

高校時代、光夫は光央から全裸にされて、体育準備室に閉じ込められたことがある。夜になり逃げ出そうとした光夫は、助けてもらう代わりに光央の犬になれと言われ承諾した。
女、麻美を乗せた車で山へ向かう。光夫が穴を掘って女を埋めた。大人になっても関係性は変わらず、扱いは犬のままだった。

夜が明けて、昼まで東京に戻るなと言う光夫に対し、急に弱腰になる光央。彼は泣き出して自首すると言い出す。そこで、光夫は彼へと強引に口づけた。すると、光央は殺すと威勢よく脅しつけてくる。だがこんな時、肝が据わっているのは光夫の方である。彼は車から降り、光央を置いて一人で去ってしまうのだった。

酔った勢いで口答えしてきた恋人の麻美を殴り殺してしまった光央。怖くなって翌早朝、警察へ自首してしまう。ところが、警察と共に山へ遺体を探しに向かったが、埋めたはずの遺体がどうしてか見つからなかった。

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映画『ダブルミンツ』のあらすじ【承】

やくざの下っ端として使いぱしりにされている光央。組長は血も涙もない冷酷な人物だが、光央にはなぜか優しく、一週間も仕事をサボっても許してくれるのだった。
一方、光夫の仕事場に警官が訪ねて来る。彼は非常に冷静で普段通りに警官に対応。光央の話を持ち掛けられても、奴はいつも酔っているからと呆れた態度をとるのだった。

翌日、組の事務所へ顔を出した光央。事務所に警官が来ており、組長とも堂々と会話を交わす。組長は部下を連れて事務所から退出。残された光央に警官が麻美とお揃いで購入した指輪を見せる。その瞬間、光央は血相を変えて事務所から逃げ出してしまう。

急いで光夫に電話をかけた光央だったが、電話の向こうから女の声が聞こえる。聞き覚えのある声だ。彼は慌てて光夫の部屋へ向かい、麻美といちゃつく光夫を殴りつけた。すると彼は、麻美は気絶していただけで、死んではいなかったと言う。光央と別れた後、山へ戻って女を掘り返したのだった。

光夫を酷く殴りつけ足蹴にする光央。すると、光夫は光央が悪いのだと急に泣き出してしまう。すべては光央に近づきたいがため、触れたいがための行動だった。
2人の様子に麻美は気持ち悪いと言葉を残し、早々に部屋を出て行く。椅子に腰かけた光央は、犬に戻った光夫に口での奉仕を命令。犬はためらいもせず主人を喜ばせるため、最大限の奉仕をするのだった。

映画『ダブルミンツ』のあらすじ【転】

高校の頃、中学から付き合っていた彼女を光央に寝取られたことがあった。光央はわざわざ光夫を家に呼び、その光景を影から見せつけたのである。事後、光央が抱いた彼女を続けざまに抱いた光夫。主人と犬の関係は、高校時代に形勢されたものであるが、それはある種、親密を越えた異様なものだった。

口での奉仕以来、光夫の部屋に入り浸るようになった光央。体の関係になるのも時間の問題で、箍が外れるとあっという間だった。
そんなある日、光央の組に呼び出された光夫。事務所へ向かうと、組の金を横領していたという光央が酷く痛めつけられていた。気絶して使い物にならなくなった光央の代わりに、彼がやるはずだった運び屋の仕事を光夫がやる羽目に。

何気なさを装って荷物を入手した光夫。受け取りを待っていると、警官に声を掛けられてしまう。彼は咄嗟に逃げ出し、警官をやり過ごすことに成功。組長へと無事にブツを渡した。一般人でありながら、妙に肝が据わっていると組長に褒められる。特別報酬として無修正だというDVDを貰った。

帰宅して光央の様子を見た後、PC端末でDVDを再生。それは制裁目的なのか、光央が男達に薬を打たれ、輪姦された時のものだった。薬で朦朧とした光央は3人の男達から散々、嬲られ悲鳴を上げている。光夫はその映像を、桃を食べながら淡々と眺め、静かに涙を零した。

この記憶は光央にとっても相当、屈辱的なものだったに違いない。光央は過去の映像を光夫に見られたと知ると、絶望し自らの腹部を果物ナイフで刺し自殺を図った。

映画『ダブルミンツ』の結末・ラスト(ネタバレ)

幸い、命に別状はなく助かった光央。意識が戻った彼は、輪姦されたあの時に一度死んだのだと呟く。そして、光夫と再会して生き返ったのだと言った。
後日、光央は組長へとヤクザとの縁を切りたいと頼み込む。そもそも、彼は組員ではないため、別に義理立てする必要はない。だが、光央は光夫のために金輪際、関わりを持たなくてもいい方法を望んだ。すると、組長は最後に一仕事頼むと言って、拳銃を渡してくる。

光央は銃を手に敵対勢力の事務所へと殴り込みをかけ、発砲して逃げた。その際、反撃に遭い流れ弾が足に当たってしまう。ろくな処置もせず、痛みを堪えながら逃げ回る光央だったが、一番縋りたい光夫に助けを求めるわけにもいかない。

夜も更けた頃、警官が光央を発見し声をかけたが、怯えた彼は迫る警官をつい撃ってしまう。事件はすぐさま報道され、実名がニュースで流れた。居ても立っても居られなかった光夫は光央を探し回っていたが、交番前に差し掛かった際、組から連絡が入る。

闇医者の元へと向かった光夫は、意識を失い撃たれた足の処置をされる光央を目にする。傍には組長がいて、けじめをつけろと言われた。その日は闇医者の部屋で休むことが許される。
深夜、意識の戻った光央は光夫への思いを確固たるものにし、互いになくてはならない存在だと認識を改める。だが、光央は男同士で思いを通じ合わせたところで、どこへ行けばいいのかと不安を募らせるのだった。

翌日、光夫が目を覚ますと、すでに光央は姿を消していた。光夫が眠っていたベッドの柵には、彼がいつもつけていたネックレスだけが残されている。喪失の叫びをあげた光夫はふと、冷静になって組長へと電話をかける。彼は組長を脅し、光央の行方を聞き出した。

その日の夜遅く、漁船に乗り込んで韓国へ逃亡する予定だった光央。そこへ、組長の車に乗った光夫が現れ、真っ先に光央へと駆け寄ると自らの顔をナイフで傷つけた。光夫は堅気に戻れなくなっても、光央と共にいることを選んだのだった。

船は一路、韓国へ向けて出港。乗組員は韓国人で、何を言っているかさっぱり分からなかったが、2人の心は凪いでいた。光央はもう一人の光夫に、自分と一緒に死ねるのかと問うのであった。

映画『ダブルミンツ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

原作は漫画家、中村明日美子。彼女の作品は奥深いものが多く、歪な愛を描くことがまるでテーマのようになっているところがある。今作は特にその歪性が際立った作品だ。序盤から女を殺したからどうにかしてくれという、もうすでに極まった状態から始まる。

ヤクザの下っ端とシステムエンジニアという反極にありながら、どこか繋がっていて同じところにいる。中盤以降、2人は共にいるのが当たり前のような状態となり、惰性のような面が見えたりするが、終盤では互いの思いが同じ重さとなり覚悟を決める。最終的には国外へ逃亡するが、そこまで行ったらもう一生ものだろう。ただの同性愛を描いた作品ではなく、特殊な絆で繋がった男同士の愛を描いている。(MIHOシネマ編集部)


かなり特殊な作品で、好き嫌いが大きく分かれそうだなと感じました。同じ名前の男が、歪んだ愛の形に目覚めていってしまう様子は2人のこれまでの関係を考えるとごく自然で、当たり前で、お互いがいなければ生きていけないのだろうと簡単にわかるでしょう。
同性愛を描いた作品ではありますが、描き方が独特で一緒に死ぬのも愛なのだと思い知らされました。少しずつ関係が変わっていくのも愛ゆえなのかなと考えさせられてしまいます。
力強さと儚さが共存する不思議な作品です。(女性 30代)


原作漫画の衝撃を知っていたつもりでしたが、映画で観るとより生々しく、狂気と執着の物語として強く迫ってきました。二人の“ミツオ”の歪んだ関係が、暴力と依存という形で描かれ、その息苦しさに目が離せませんでした。終盤、和仁が一度は離れようとしながらも再び道夫に引き寄せられていく展開には、どこか宿命めいたものを感じました。(20代 男性)


映画というよりも、“精神的な檻”を体験させられたような気分でした。道夫の圧倒的な支配性と、和仁の逃れられない心の鎖が、全編を通して重苦しい空気を作り出しています。ラストで再会を果たした2人の間に言葉以上の絆を感じ、救いなのか破滅なのか分からないまま、涙が出ました。観る側も覚悟が必要な作品です。(30代 女性)


暴力、性的な描写、支配と依存。一般的なラブストーリーとは真逆を行くような作品でしたが、だからこそ印象に残りました。道夫の狂気の裏に見える孤独や、和仁の曖昧な感情がリアルすぎて怖かった。人間の“弱さ”がむき出しになるような作品で、観ていて自分の価値観が揺さぶられました。(40代 男性)


あまりの濃密さに、正直一度観ただけでは消化しきれませんでした。和仁がどんどん感情を麻痺させていく様子が辛く、同時に自分も一緒に麻痺していくような感覚がありました。暴力も愛も区別がつかないままに進んでいくストーリーは、本当に“共依存”の恐ろしさを体現していると思います。(20代 女性)


BLという枠に収まらない、社会的にも心理的にも挑戦的な作品だと感じました。特に、和仁の中にある「抗えない愛」と「殺意のような感情」が同居しているのが見ていて苦しかったです。道夫がすべてを破壊していくようでありながら、最後には和仁に“戻って”くるところに、不思議な悲しみと安堵がありました。(50代 男性)


暴力的でグロテスクなシーンも多かったですが、そのすべてが感情の延長として描かれているのが印象的でした。道夫の一見すると理解不能な行動も、孤独や恐怖を抱えている人間の心理として見ると納得できてしまうから怖い。和仁の目の演技が素晴らしく、彼の心の揺れを感じ取ることができました。(30代 女性)


学生時代の憧れが、時間を経て歪んだ執着へと変わっていく過程がリアルで痛かったです。道夫が恐ろしくも魅力的で、和仁のように彼に惹かれてしまう気持ちが理解できるような気がしました。最終的に2人が再び一緒になるのが幸せなのかどうか、明確な答えが出せないところがこの映画の凄さだと思います。(20代 男性)


何も知らずに観始めましたが、あまりの衝撃に言葉を失いました。性的な表現が多いものの、単なる刺激ではなく、関係性の中にある支配と服従、痛みと快楽がしっかり描かれています。和仁の“壊れていく”過程と、それを止めるどころか煽っていく道夫の関係性に、ゾクゾクさせられました。(30代 女性)

映画『ダブルミンツ』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ダブルミンツ』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ヘルタースケルター

この映画を一言で表すと?

美に取り憑かれた女が崩壊していく、美しくも破滅的な愛憎劇。

どんな話?

完璧な美貌でトップモデルとして君臨するりりこ。しかしその美しさは全身整形によって作られたものであり、やがて心も身体も崩壊していく。欲望、支配、嫉妬が渦巻く中で、彼女が選ぶ運命とは──。

ここがおすすめ!

『ダブルミンツ』と同様に、表面的な美しさと裏に潜む狂気を描いた作品です。沢尻エリカの怪演は圧巻で、観る者の心を不安に揺さぶります。破滅と快楽の境界に引き込まれたい人におすすめです。

怒り

この映画を一言で表すと?

“信じる”という行為の重みを問う、重層的で心をえぐるヒューマンドラマ。

どんな話?

殺人事件の容疑者が逃亡した一年後、それぞれの地で素性の知れない男たちが現れる。彼らは果たして犯人なのか、ただの善人なのか。人々が抱く“怒り”と“疑念”が交差していく群像劇。

ここがおすすめ!

人間の善悪を一言で割り切れない描き方が、『ダブルミンツ』のような複雑な関係性とリンクします。過去や傷、秘密を抱えたキャラクターたちがぶつかる緊張感に引き込まれるはずです。

愛の渦

この映画を一言で表すと?

欲望と孤独が交錯する、現代人の本音と身体をあぶり出す異色の群像劇。

どんな話?

ある一夜限りの乱交パーティー。名前も知らない者同士が集まり、ルールの中で快楽に身を任せる。だが、その裏には寂しさや承認欲求、自己否定など、複雑な感情が渦巻いていた。

ここがおすすめ!

欲望を赤裸々に描きつつも、登場人物の心理を巧みに描いている点が魅力。『ダブルミンツ』のように、性を通して本質に迫る作品であり、人間の本音に触れたい人に強くおすすめします。

冷たい熱帯魚

この映画を一言で表すと?

平凡な男が地獄へ堕ちていく、実話ベースの狂気と暴力のサスペンス。

どんな話?

おとなしい熱帯魚店店主が、カリスマ的な男に巻き込まれ、次第に殺人や死体処理といった凶行に加担していく。暴力と支配の連鎖に飲まれながら、やがて“普通”が崩壊していく。

ここがおすすめ!

『ダブルミンツ』と同様に、暴力と精神的支配の中で人がどう壊れていくかを描いています。園子温監督の容赦ない描写と狂気の演出に圧倒されたい方はぜひ。

溺れるナイフ

この映画を一言で表すと?

恋というには激しすぎる、破滅と激情の青春ロマンス。

どんな話?

東京から田舎へ引っ越してきたモデルの少女・夏芽と、地元の少年・コウ。激しい気性を持つ2人は惹かれ合うが、次第に関係は暴走していく。恋と呼ぶには危うすぎる心のぶつかり合いが描かれる。

ここがおすすめ!

『ダブルミンツ』にも通じる、互いを求め合いながらも壊してしまう関係性が魅力。菅田将暉と小松菜奈の演技が爆発しており、美しさと危うさが共存する世界に没入できます。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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