売れない役者の大野和人は弟に誘われ、俳優事務所の「スペシャル・アクターズ」に所属することになった。そこは、「演じる」ことを使った何でも屋だった。ある日、詐欺団体から旅館を守って欲しいという依頼が舞い込む。
映画『スペシャルアクターズ』の作品情報
- タイトル
- スペシャルアクターズ
- 原題
- なし
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2019年10月18日(金)
- 上映時間
- 109分
- ジャンル
- コメディ
サスペンス - 監督
- 上田慎一郎
- 脚本
- 上田慎一郎
- 製作
- 井田寛
橋立聖史
小野仁史 - 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 大澤数人
河野宏紀
富士たくや
北浦愛
上田耀介
清瀬やえこ
仁後亜由美
淡梨 - 製作国
- 日本
- 配給
- 松竹
映画『スペシャルアクターズ』の作品概要
2017年に公開された映画『カメラを止めるな!』で一躍有名になった上田慎一郎監督作品。監督の他に、脚本・編集・宣伝プロデューサーを担当している。主要キャストの15人は、1500人を超える応募の中から選出された。そして、ほとんど演技経験のない俳優・大澤数人が主演に大抜擢されている。極度の緊張状態になると気絶してしまう主人公が、旅館を乗っ取ろうとしているカルト団体に「演技」で立ち向かう姿が描かれている。
映画『スペシャルアクターズ』の予告動画
映画『スペシャルアクターズ』の登場人物(キャスト)
- 大野和人(大澤数人)
- 売れない役者。極度の緊張状態になると、気絶してしまう。幼い頃から超能力ヒーロー映画『レスキューマン』が好き。
- 大野宏樹(河野宏紀)
- 役者。和人の弟。疎遠だった兄に、俳優事務所「スペシャル・アクターズ」へ入ることを勧める。
- 大和田多麿瑠(淡梨)
- カルト教団「ムスビル」の教祖。教団には父も所属している。旅館「めぶき」を乗っ取ろうとしている。
映画『スペシャルアクターズ』のあらすじ(ネタバレなし)
売れない役者の大野和人は、久しぶりに再会した弟の宏樹から誘われ俳優事務所の「スペシャル・アクターズ」に所属することになる。そこは、「演じる」ことを使った何でも屋だった。社員の田上陽介が依頼内容に沿ったシナリオを作り、社長の娘の富士松鮎が役者の演技指導を行っていた。
ある日、詐欺団体から旅館を守って欲しいという依頼が、「スペシャル・アクターズ」の元に舞い込む。その詐欺団体とは、カルト団体「ムスビル」だった。和人はこの依頼に関わることになり、中心メンバーとして稽古に励んだ。しかし、和人は周囲には秘密にしていたが、ある問題を抱えていた。それは、極度の緊張状態に達すると気絶してしまうことだった。果たして、和人はこの依頼を無事に解決することができるのだろうか!?
映画『スペシャルアクターズ』の感想・評価
上田慎一郎監督、劇場長編映画第二弾!
上田慎一郎が監督・脚本・編集・宣伝プロデューサーを務めた作品で、劇場長編映画第二弾目に当たる。劇場長編映画第一弾目の『カメラを止めるな!』は2017年に公開され、興行収入31億円を超える大ヒット作となった。
上田監督は中学生の頃から自主映画を撮り続け、高校2年生で演劇部に入部した。そして、役者としてではなく、脚本や演出を担当するようになる。紆余曲折を経て、2009年に映画製作団体「PANPOKOPINA」を結成し、短編映画の制作に乗り出した。国内外の映画祭で46の賞を受賞しており、インディペンデント映画業界で名前が広く知れ渡るようになった。そして、『カメラを止めるな!』の大ヒットで、世間にも名前が知れ渡るようになる。
1500人の中なら選ばれたキャスト
物語の中核を担う15人の俳優達は、1500人を超える応募の中からオーディションで選ばれた。上田監督は選んだ俳優の中から作品のキャラクターを生み出していくため、プロ・アマ問わずに選考を行った。
主人公の大野和人を演じた大澤数人は、俳優としての経験が浅く10年間で芝居を経験したのはたったの3回しかない。その他にも、会社員として働いている者など、異色の経歴を持つノンスター俳優が多数出演している。
脚本の執筆に行き詰まった上田監督は俳優達を集め、企画会議を行った。そして、超能力者がテロリストを倒すという当初の予定とは違い、「俳優」が「カルト集団」から旅館を守るという話が完成した。本作品は文字通り、スタッフやキャストが一丸となって制作された作品となっている。
「100年後に観てもおもしろい映画」
上田監督は「100年後に観てもおもしろい映画」を制作することをスローガンに掲げており、本作品でもそのスローガンが大切にされている。物語の主人公は売れない役者の大野和人。役者にも関わらず、極度の緊張状態に達すると気絶してしまう秘密を抱えている。
和人は弟に誘われ、俳優事務所「スペシャル・アクターズ」に所属することになる。そして、旅館を守って欲しいという依頼のため、カルト集団と対峙することになる。和人は秘密を抱えたまま、中心メンバーとして役を演じることになった。
主人公の和人だけではなく、強烈な個性を放つ人物が多数登場する。信者に向けてブロマイドを発売しているカルト集団の教祖の大和田多麿瑠、和人が好きな映画『レスキューマン』に登場する超能力を持ったヒーローなど。驚きやくすっと笑える要素がギュッと詰まった作品になっている。
映画『スペシャルアクターズ』の公開前に見ておきたい映画
カメラを止めるな!
上田慎一郎監督の代表作。無名の新人監督だった上田監督を一躍有名にした作品。「第42回日本アカデミー賞・優秀作品賞」や「ブラジル ファンタスポア2018インターナショナルコンペ部門最優秀作品賞」を受賞するなど、国内外問わず高い評価を受けた。2019年3月にはスピンオフ作品として『カメラを止めるな!スピンオフ ハリウッド大作戦!』がインターネットテレビの「AbemaTV」で独占配信された。
これは、ゾンビ映画を撮った監督達の物語である。監督は今回手がけているゾンビ映画に賭けており、「本物」に拘っていた。そんな映画の撮影中、カメラマンが本物のゾンビになり周囲の人を襲い始めた。スタッフや俳優達が逃げ惑う中、監督はカメラを止めずに撮影を続けた。
詳細 カメラを止めるな!
心が叫びたがってるんだ。
河野宏紀出演作品。2015年に公開されたアニメーション映画を元に制作された。主演をジャニーズ所属のアイドルグループ「Sexy Zone」のメンバーである中島健人が務め、女優の芳根京子がヒロインを演じた。アニメ版の物語の舞台にもなっている埼玉県秩父市で実際に撮影が行われている。
幼い頃、成瀬順はある出来事をきっかけに、しゃべるとお腹が痛くなってしまう「卵の呪い」にかかってしまう。高校生になったある日、「地域ふれあい交流会」の実行委員の1人に選ばれる。成瀬は言葉は話せなくても、歌うことはできた。成瀬は他の実行委員である坂上拓実、田崎大樹、仁藤菜月と一緒に、クラス全員で行うミュージカル劇を成功させるために奮闘した。
詳細 心が叫びたがってるんだ。
アフタースクール
コメディ×サスペンス映画。『鍵泥棒のメソッド』(12)で「上海映画祭・最優秀脚本賞」を受賞した内田けんじ監督&脚本作品。大泉洋が主演を務め、佐々木蔵之介、堺雅人、田畑智子など豪華な俳優が脇を固めている。
中学教師の神野は、友人の美紀が産気づいたため病院へと向かった。親友の木村に連絡を取るが、なぜか繋がらなかった。その頃、木村は会社を無断で休み、若い女性と行方を眩ませていた。木村の会社の社長はそのことを知り、部下の唐沢に木村を探し出すよう命令した。唐沢は探偵業を営む北沢に捜索を依頼した。北沢は同級生に成りすまし、情報を得るために神野に接触した。そして、木村探しを強引に手伝わせることにした。果たして、木村の身に何があったのか?
詳細 アフタースクール
映画『スペシャルアクターズ』の評判・口コミ・レビュー
「スペシャルアクターズ」面白かった!「カメ止め」の成功が上田慎一郎監督の作家性の賜物だったことを堂々証明した第2作!リアリティないな…と思った段階で負けてしまう痛快な構成。岩下の新生姜ミュージアムにもサインを飾らせて頂いてる清瀬やえこさんが眼鏡の女優役で、思わず笑みが溢れる熱演! pic.twitter.com/ZHn66X0aJO
— 岩下 和了 (@shinshoga) 2019年10月23日
『#スペシャルアクターズ』
面白かったぁ。最後まで飽きさせず、モノ作りとチーム愛、家族愛に溢れた展開はさすが上田慎一郎監督。
この映画『見えない目撃者』に続いてまたしてもD.フィンチャー案件でしたね。タイトルは言わないけど、また観見返したくなりましたあの映画。#背骨映画 pic.twitter.com/D2RhzCUIzx— 背骨 (@sebone1126) 2019年10月26日
#スペシャルアクターズ 観てきた。
面白かった。
カメ止めに引き続き、上田監督の映画への愛、俳優への愛、人間への愛をひしひし感じる作品だった。
こういう作り手のガツンとまっすぐな愛を受け取ってしまうと、涙腺ゆるゆるの妙齢はすぐ泣いちゃう。
若い俳優達とエンドロールの歌が良すぎた。— ても (@c5inacar) 2019年10月23日
『スペシャルアクターズ』鑑賞。芝居でお悩みを解決する役者集団を描いた上田慎一郎監督作品。『カメ止め』『イソップ』に続く、どんでん返し三部作の最高傑作。これほど元気をもらった映画体験は久しぶり。私の推しメンはリチャード・キール似の教祖様と、困り顔がとてもキュートなガムのおばちゃん。 pic.twitter.com/Ocg0mrfQ0r
— だよしぃ (@purity_hair) 2019年10月24日
「スペシャルアクターズ」観た。
日常にも在る”演技”と”嘘”。
芝居というフィクションが作る救済の一手。
憧れや理想を実現することだけが重要なのではなく、その願望を持つことが時に力を発揮することもある。
自分を想ってくれる人、頼れる相手、そんな人たちへの感謝と愛、優しさの詰まった映画だ。 pic.twitter.com/ImEZogYNDX— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年10月23日
映画『スペシャルアクターズ』のまとめ
『カメラを止めるな!』で一躍有名になった上田慎一郎が監督・脚本・編集・宣伝プロデューサーを務めた作品。依頼を受けた俳優達が、カルト集団から旅館を守るために奮闘する様子が描かれているコメディ×サスペンス映画。極度の緊張状態に陥ると気絶してしまう主人公は無事にミッションを成し遂げ旅館を守ることができるのか、目が離せない展開が待っている。プロ・アマ問わず選ばれた役者達の演技に、注目してもらいたい。
みんなの感想・レビュー