12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『スターシップ9』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『スターシップ9』の概要:たった1人で宇宙を旅していたヒロインの元へ、メンテナンスのためにエンジニアの青年が訪れる。彼へと心惹かれたヒロインは恋をするものの、この出会いは偶然ではなく実は人類を救うための重要な実験の一部であった。

映画『スターシップ9』の作品情報

スターシップ9

製作年:2016年
上映時間:95分
ジャンル:SF、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:アテム・クライチェ・ルイス=ソリヤ
キャスト:クララ・ラゴ、アレックス・ゴンサレス、ベレン・ルエダ、アンドレス・パラ etc

映画『スターシップ9』の登場人物(キャスト)

エレナ(クララ・ラゴ)
人類移住計画の実験体として、生まれてからずっとシャトルに閉じ込められた生活を送っている。セレステへ向かう旅をしていると思い込まされていた。黒髪の美人でアレックスに恋をする。実は人工的に作られたクローン。
アレックス(アレックス・ゴンザレス)
アンドロイド開発の技術者。開発したアンドロイドが宇宙船の操縦を行い、悲惨な事故を起こしたことで、計画への参加を求められる。エレナをずっと見守っていた。

映画『スターシップ9』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『スターシップ9』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『スターシップ9』のあらすじ【起】

酸素供給装置の故障により、両親と離れ宇宙船にたった1人で暮らすエレナ。あれから3年が経過し、ようやくエンジニアが到着した。両親以外で初めて会う他人の存在に密かに胸を躍らせる。エンジニアは若い男性でアレックスと名乗った。

エレナの両親は移民で、セレステという星へ向かっていた。だが、その途上での故障で救難信号を送り続けていたのだ。幸い、信号が受信されエンジニアが派遣されて来たというわけだ。

たった1人、孤独に暮らす彼女は、休むというアレックスの部屋へ向かい半ば無理矢理、彼と夜を共にする。エンジニアが仕事を終えて帰ってしまえば、また孤独な旅を続けなければならないからだ。そうして、仕事を終えたアレックスが宇宙船を去って行く。エレナは急いで、窓から宇宙を眺めた。

エレナの部屋から出たアレックスは、物々しい通路を通ってエレベーターへ乗り込む。到着した先のドアを開け外へ出た。すると、そこは宇宙かと思いきや何と森の中。彼は森の道を進み、宇宙服を脱いで車に乗り込んだ。

その場所は政府が秘密裏に進めているオービター計画の本部。アレックスはその計画に参加する職員だった。オービター計画とは、人類移住計画を成功させるための計画で、地下に埋められた10基の施設を宇宙船と見立て、長期に渡って管理し実験するためのものだった。エレナはそのうちのシャトル9に産まれた時から住んでいる。故に、彼女は一度も外の世界へ出たことがなく、施設の中で自給自足生活を送りつつたった1人で過ごしているのであった。

映画『スターシップ9』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『スターシップ9』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『スターシップ9』のあらすじ【承】

本部は政府管轄下にあり、軍が厳重に警備を行っている。アレックスは技術者で、かつてアンドロイドを作っていた。だが、彼が作ったアンドロイドを操縦士にした宇宙船が墜落し、207名という犠牲者を出してしまう。以降、アレックスは身を隠し、世間では行方不明となっていた。

エレナと会った瞬間から、彼女に惹かれていたアレックス。翌日はシャトル10の点検を終え夜に長年、付き合いのあるセラピストと面会した。エレナは俗に言うモルモットだ。政府は計画実現のために人体実験を行っている。アレックスはシャトルで過ごすエレナの姿を連日、見守り決心を固めた。

密かにシャトル9へ向かい、エレナに真実を告げる。そして、監視カメラの接続を切断、エレナの右手首に埋め込まれたバイオセンサーを取り除いた。更にアレックスは遠隔操作によって生命兆候を送る装置を取り付け、本部を欺く。怯えるエレナを説得して外へと連れ出した。

一度も外へ出たことのない彼女が、生まれて初めて外へ。明るさで目が眩み、大きな不安に苛まれアレックスの手に引かれて車へ。荷台に身を潜めゲートの検問をどうにか突破し、アレックスの自宅へと辿り着くのだった。

エレナが両親だと思っていた男女は、実は計画に参加していた科学者だった。彼女は見るもの触るもの全てに興味を示し、カミナリの音に驚き雨に濡れて喜んだ。

映画『スターシップ9』のあらすじ【転】

アレックスは唯一、エレナを連れ出した事実をセラピストだけに知らせる。すると、彼女は万が一の避難場所として、誰にも知られていない部屋の鍵をくれるのだった。

地球の自然環境は徐々に悪化している。海の酸性化も進み、じきに生き物が住めない死の海となるだろう。地球は徐々に死に始めていた。そのための移住計画なのである。アレックスとエレナは共に生活を送り、様々な体験を共有した。

計画に参加してから、エレナの姿をずっと見守ってきたアレックス。彼の家にはモニタールームがあり、シャトル9をハッキングして記録映像をコピーしている。これを流し続ければしばらくの間、見つかることはない。
ところが数日後、エレナの体に異変が発生。病院にて検査を受けることになった。

アレックスが大事な会議で出かけたため、家で留守番をしていたエレナは、彼のモニタールームにて記録を発見する。彼女はその記録に目を通し、モルモットとしてシャトルに閉じ込められている人間が、実はクローンであることを知ってしまう。当然、エレナもクローンであった。衝撃を受けた彼女は両親とされる科学者の元を訪れる。

クローンの遺伝子は、20年前のすでに亡くなった人物のものが使われる。故に、クローンとは言え、彼女はこの世にたった1人しかいないと言う。そこで、父がすぐに本部へと連絡を入れようとしたため、母は娘を思い逃がしてくれる。

逃げ帰ったエレナはアレックスの元へ帰り、一緒に逃亡することにした。計画の統括者はエレナの記録を消去し、切り捨てる判断を告げる。だが、現場責任を担う科学者は彼女を生かして連れ戻せと命令した。

映画『スターシップ9』の結末・ラスト(ネタバレ)

セラピストから助力を得て逃亡準備を整えたアレックス達だったが、そこへ現場責任者が現れる。彼はセラピストを脅して殺害し、逃亡を図ったアレックスとエレナを追った。ビルの屋上を渡って逃げていた2人だったが、エレナはアレックスを救うため、自ら残ることにするのだった。

その後、知り合いの医師からのメールを見たアレックスは、医師の元を訪れエレナの検査結果を聞く。彼女の皮膚は突然変異を起こしており、まるで無菌室で育てられた蝶のように弱いらしい。故に、外へ出た彼女は菌に抵抗できず不調をきたしたのだ。エレナはシャトル内でしか生きられない体だった。しかも、アレックスの子供を妊娠していると言う。

施設へと戻されたエレナは外の世界を知ってしまったため、もう役には立たない。責任者は彼女の扱いに困ってしまう。そこで、アレックスから交渉の電話がかかってくる。彼はエレナを助けるために本部へと突入したが、警備に銃撃されてしまう。
肩を負傷したアレックスだったが、責任者へと事実を明かしエレナと共にシャトルへ入ることにした。責任者はその事実を受け止め、統括者の説得を行う。そして、科学者としてではなく、人としての判断を求めた。

そうして、2人は特例としてシャトル9へ入ることになる。彼らはシャトル内で共に過ごし、子供を出産。育児を行った。そうして、数年後。シャトル9から2人の娘が外へと姿を現すのであった。

映画『スターシップ9』の感想・評価・レビュー

孤独な宇宙の旅をしていると思い込まされていたヒロインは、無菌室にて培養されて育てられた深窓の姫君と言ったところ。そこへ、年頃の青年がやって来たら当然、心を奪われるだろう。タイトルだけを見たら宇宙船でのSF映画と勘違いするが、実は全て地球上で行われていた壮大な実験だった。

序盤から後半までは繊細でち密なストーリー展開であったが、後半からラストシーンは駆け足で進み少々、もったいないと感じた。設定や背景も面白いのに、ヒロインが妊娠していることが判明すると、冷酷無情な統括者は消去を撤廃してしまう。そこで、もうひと踏ん張りあっても良かったかなと思う。(MIHOシネマ編集部)


宇宙にひとりぼっちになる作品は『ゼロ・グラビティ』や『オデッセイ』『パッセンジャー』など様々な描き方をされて嫌という程見ていますが、今作はかなり斬新で想像を大きく超えてきた作品でした。
とにかく世界観が美しくて、終始ノスタルジックな雰囲気なので1人で宇宙空間を漂う孤独やなんとも言えない不思議な感情がひしひしと感じられます。
青年との出会いにより恋愛モードに発展するのかと思いきや、想像していなかった展開に思わず、えっ?と声が出てしまいました。
できるだけネタバレやレビューを見ずに鑑賞するのをオススメします。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. だんごむし より:

    このサイトのラストのネタバレに「2人の娘」ってあったけど、何度見ても1人の娘と、振り返った高い肩のシルエットは父親であるアレックスなのでは?

    「条件がある」と言ったのは観察は出産と育成の過程のみで、その後は解放してくれという事だったのでは。

    2人という事は、母親は皮膚の突然変異で生きられなかったとすれば、娘も同じリスクがあるもどんな対策も打てたという事だろう。

    全体とすれば、宇宙船の外が地球だったシーンが山で、後は無理筋なラブストーリーと、ちょっとホッとするクロージングの中でサスペンスやアクションもあり、個人的にはそこまで悪くもないのでは。

    時々のまったりとした時間の使い方による映像美と心理描写は特徴かと。