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映画『希望の灯り』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『希望の灯り』の概要:巨大スーパーマーケットで働くクリスティアンと、人は良いがどこか闇を抱えているような従業員たちの日常を描いた話。スーパーマーケットという狭い範囲で起こる人間関係に、登場人物達のそれぞれの人生に興味が湧いてくる作品。

映画『希望の灯り』の作品情報

希望の灯り

製作年:2018年
上映時間:125分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:トーマス・ステューバー
キャスト:フランツ・ロゴフスキ、ザンドラ・ヒュラー、ペーター・クルト、アンドレアス・ロイポルト etc

映画『希望の灯り』の登場人物(キャスト)

クリスティアン(フランツ・ロゴフスキ)
スーパーで働き始め、同じ従業員のマリオンに恋をする。敵わない恋に悩み、常に浮かない表情を浮かべている。過去に軽犯罪で刑務所に入っていたことがあり、寡黙な青年。
マリオン(ザンドラ・ヒュラー)
クリスティアンの気持ちを弄ぶかのように、親しくしたり冷たい態度を取ったりする。
ブルーノ(ペーター・クルト)
クリスティアンの上司で、クリスティアンに優しく仕事や恋のアドバイスをする。

映画『希望の灯り』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『希望の灯り』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『希望の灯り』のあらすじ【起】

クリスティアンは巨大スーパーマーケットで夜間に在庫担当として働き始める。クリスティアンは体にタトゥーのある、無口な青年である。スーパーの管理者のブルーノはクリスティアンを気にかけ、仕事の手順を丁寧に教えた。初日の仕事を終えたクリスティアンは、自宅でシャワーを浴びながら、1日が信じられない程長く感じたことを振り返った。

スーパーでは菓子部や冷凍食品部など、様々な部署があり、各部署に1台荷物を運ぶフォークリフトが宛がわれていた。ブルーノはクリスティアンにできるだけ早くフォークリフトの運転を覚えるように、と言った。クリスティアンはリフト置き場で、リフトの中に指輪が落ちているのを見つけ、暫くの間大切に持っていた。

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映画『希望の灯り』のあらすじ【承】

ある日、休憩室で飲み物を買おうとするクリスティアンに、マリオンが話しかけた。マリオンはクリスティアンよりも年上の、おしゃれで明るい女性だった。マリオンはクリスティアンのタトゥーに優しく触れ、無口なクリスティアンをからかい、微笑んだ。

クリスティアンが棚の在庫を足していると、向かい側の棚でマリオンも作業をしていた。2人は棚の隙間から視線を送り合う。クリスティアンがマリオンに何かを言いかけたところで、マリオンはお客に呼ばれて行ってしまった。

ブルーノは、クリスティアンがマリオンに好意を寄せていることに気付いていた。クリスティアンは素直に、マリオンのことを素敵だと思っていることを告白した。ブルーノはクリスティアンに、マリオンが誕生日であることを教えた。クリスティアンは休憩室にいたマリオンに、小さなケーキにろうそくを差して渡した。マリオンは喜び、2人でケーキを分け合って食べた。

映画『希望の灯り』のあらすじ【転】

ある日、クリスティアンは従業員からマリオンが既婚者であることを聞かされる。落ち込んだクリスティアンは、仕事に身が入らず、リフトの運転も上手くいかなかった。クリスティアンが落ち込んでいることに気付いたブルーノは、クリスティアンをトイレに呼び出して励ます。

クリスマスが近づき仕事が忙しくなると、従業員のシフトも不規則になり、クリスティアンはマリオンを見かけなくなった。従業員同士でのクリスマスパーティーで、久しぶりにクリスティアンはマリオンに会う。クリスティアンはマリオンに、スーパーで働く前は何をしていたのか聞かれ、建設現場で働いていて上司と揉めてクビになったことを打ち明けた。2人の距離は縮まるが、マリオンは夫の元へ帰り、クリスティアンは家でマリオンを想い続けた。

1月になりスーパーが落ち着くと、1度縮まったクリスティアンとマリオンの距離はなかったことのように、マリオンの態度は冷たかった。クリスティアンは自棄になり、昔の荒れている友人とつるむようになる。

映画『希望の灯り』の結末・ラスト(ネタバレ)

荒れていくクリスティアンを見たブルーノは、マリオンが夫に暴力を振るわれていることをクリスティアンに教えた。クリスティアンは居ても立っても居られなくなり、マリオンの家を訪ねる。呼び鈴を鳴らしても誰も出ないため、クリスティアンは空いていた扉からマリオンの家に入り込む。2階からマリオンの鼻歌が聞こえ、クリスティアンが階段を上るとマリオンが湯船に浸かっている姿が見えた。マリオンは物音に気付き慌てて扉を閉め、クリスティアンは逃げるように家を出た。

クリスティアンは、家で幸せそうに過ごすマリオンを見て複雑な心境であった。ブルーノはクリスティアンを自宅に招き、2人は酒を飲みながら過去を語り合った。しかし、翌日ブルーノはスーパーに姿を見せなかった。ブルーノは、誰にも打ち明けずに首を吊って自殺したのだ。従業員達は悲しみに暮れ、ブルーノを惜しんだ。

クリスティアンはブルーノの代わりに飲料部の責任者を任されることになった。クリスティアンがリフトを運転していると、マリオンがリフトに飛び乗ってきた。マリオンは、リフトを動かす音が波の音のようでしょう、とクリスティアンに言った。クリスティアンは同意し、2人は寄り添い合った。

映画『希望の灯り』の感想・評価・レビュー

舞台はスーパーマーケットで、様々な部署があるのと同じように従業員の個性も様々であった。一貫して全ての従業員が優しく、しかしどこか寂しそうな印象を受けた。スーパー以外の日常で感じる孤独や、プライベートの問題を紛らわすかのように、従業員達は寄り添い、淡々と仕事をこなしている。何もない日常の中で、仕事中に起こる些細なことが、従業員達の心を照らすのだろう。マリオンにとっても、クリスティアンは夫の暴力を忘れさせてくれる希望のような存在だったのかもしれない。(MIHOシネマ編集部)


何気ない日常の中に「幸せ」や「美しい」瞬間が散りばめられていることを教えてくれる作品でした。
スーパーマーケットで働く人達の人間関係を描いた今作は出てくる人が皆優しいんです。無口で無愛想なクリスティアンに対しても、とても優しく仕事を教えてくれる上司や同僚。そして思わせぶりな態度をとりつつも親しくしてくれる女性、マリオン。
序盤はその優しさには「裏」があるのでは無いかと疑って見ていましたが、終始優しさに溢れた作品で、その何気ない優しさこそが「幸せ」なのだと教えてくれました。(女性 30代)


大型スーパーの倉庫で働く人達を、このままずっと見ていたくなりました。最近はSNS等で、見映えするものばかり目にしていたので『希望の灯り』の空気感が、新鮮に感じました。誰に見せるでもなく淡々と働く人の姿は、こんなに人間臭くて温かいものかと、じわりと心に沁みます。仕事仲間が皆良い人達なので、ラストでブルーノが亡くなってしまうことにショックを受けました。フォークリフトの運転経験があったり、倉庫で仕事をしたことがある人には、堪らない映画でしょう。(女性 30代)

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