この記事では、映画『スウェプト・アウェイ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『スウェプト・アウェイ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『スウェプト・アウェイ』の作品情報

上映時間:89分
ジャンル:ラブストーリー、コメディ
監督:ガイ・リッチー
キャスト:マドンナ、アドリアーノ・ジャンニーニ、ジーン・トリプルホーン、ブルース・グリーンウッド etc
映画『スウェプト・アウェイ』の登場人物(キャスト)
- アンバー(マドンナ)
- 製薬会社の社長を夫に持つ、高慢ちきで性格の悪い金持ち女。夫も含め、自分以外の全てを見下している。旅行先で手配された客船のクルーで漁師のジュゼッペを虐めて楽しむ。
- ジュゼッペ・“ペペ”・エスポジト(アドリアーノ・ジャンニーニ)
- イタリア人の漁師。船長に頼まれ客船のクルーとして働く。横暴なアンバーを憎んでいるが、船長や他のクルー達に宥められながら我慢している。
- トニー(ブルース・グリーンウッド)
- 製薬会社の社長。アンバーの夫。彼女のキツい性格や物言いに対し、特に注意をしようともしない。
映画『スウェプト・アウェイ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『スウェプト・アウェイ』のあらすじ【起】
トニーとアンバーの金持ち夫婦は、セレブな友人達と船上でのバケーションへ来ていた。ところが用意された客船は豪華なものでなく、船室も粗末でアンバーは不満ばかりを漏らした。クルー達はアンバーの世話を漁師のジュゼッペに押し付け、高額な報酬が貰えるからと我慢を強要した。金が無くとも幸せだったジュゼッペには、金持ち連中の気持ちが分からなかった。
アンバーは、友人らと資本主義のデメリットについて話し合った際「価格設定は売り手に委ねられ、モラルや倫理まで考慮する義務はない」と言い捨てた。それを聞いたジュゼッペは、彼女に更なる軽蔑の念を抱くのだった。
ジュゼッペが自分に逆らわないことを良いことに、アンバーは彼への暴言や侮辱をエスカレートさせていった。ジョゼッペの名をわざと呼び間違えたり、口笛一つで呼び出したりと、失礼の限りを尽くしたのだ。ターゲットにされてしまったジュゼッペは怒り心頭だったが、船長の面子を潰さないためにも必死に堪えた。
アンバーはジョゼッペの釣った魚の料理を口にすると、腐っていると言い作り直させた。もちろん新鮮な魚だったが、船長達は金持ちの遊びだと一蹴し再度料理をする。翌日アンバーが市場で仕入れてきた魚は目に見えて鮮度が悪く腐っていたが、彼女はそれを食わせろと喚く。船長がこっそりジュゼッペの魚を出すと、彼らは「やっぱり美味しいわ」「君は魚を見る目がある」などと知ったようなことを言いながら食べ進めていた。

映画『スウェプト・アウェイ』のあらすじ【承】
トニーら男性陣がボートで洞窟へ向かったと知ったアンバーは、ジュゼッペにボートを出すよう命令した。しかし、時間が遅いということと漁師の勘で彼は出発を渋る。それでもアンバーが折れないため無理やりボートを出した2人は、洞窟に着く前にエンジントラブルが起こり海の真ん中で漂流してしまう。
早くエンジンを直せと喚き散らすアンバーだったが、ついに嵐が発生してしまい、2人はとある島へと流れ着いた。
街を探して来いと命令されたジュゼッペは、文句を言いながらも島を一周、そこが無人島だとアンバーへ告げた。彼の言葉を頑なに信じようとしないアンバーは、ついにジュゼッペと別行動をとった。
ジュゼッペは生き延びるのに必要な道具を島にある物だけで作ることができたが、アンバーは、彼が調達した水や食料を金で買おうとした。何でも金で解決できると妄信するアンバーについに怒りを爆発させたジュゼッペは「価格設定は売り手に委ねられ、モラルや倫理まで考慮する義務はない」と反論。それでも尚コケにしてくるアンバーを殴ったジュゼッペは、無人島では無力な彼女へ「俺が主人だ!」とこれまでの非礼を反省させる。
映画『スウェプト・アウェイ』のあらすじ【転】
主従関係が完全に逆転した彼らは、歪な無人島生活を始めた。あくまでジュゼッペが獲った食料のため彼に従うアンバーだったが、怒鳴られたり、頬を叩かれたり、夜になっても小屋に入れて貰えなかったりと屈辱を受ける。ジュゼッペは横暴な態度を取り続けた彼女に「心を入れ替えろ」と厳しく当たったのだ。
ジュゼッペがアンバーに、船でしていたのと同じように裸になれと強要すると、彼女は抵抗し逃げ出そうとした。無理やり犯されそうになったアンバーが満更でもない素振りを見せると、ジュゼッペは、俺に気があったからコケにしたのだろうと問い詰める。そして、「憎いが好きなんだ」と自分の気持ちを告白したが、彼女の方から懇願するまでは抱かないと言い放つ。
冷静になったアンバーは思案するが、ついにはジュゼッペに身を委ね、2人はお互いの間にある本当の愛情に気が付いた。
そうして1ヶ月程の時を幸せに過ごした彼らだったが、ある時無人島の近辺に一層のクルーズ船を発見する。
映画『スウェプト・アウェイ』の結末・ラスト(ネタバレ)
船を見つけたジュゼッペは、救助を求めようとした。アンバーは、都会へ帰ればジュゼッペが若い女に走るかもしれないと不安を抱くと共に、元の生活に戻れば2人の愛は破綻してしまうのではないかと考えた。アンバーはずっと2人で島に暮らそうと泣きついたが、ジュゼッペは「これが本当の愛かどうか確かめる」と言い、街へ戻ることを決めた。
世間ではアンバーの失踪が一大ニュースになっており、彼らを助けた船の船長は、トニーが多額の報酬を用意しているとジュゼッペに教える。そもそも金に興味のないジュゼッペは、アンバーとトニーが抱きしめ合う姿を視界に入れぬよう港を去った。アンバーは彼を追おうとしたが、トニーの抱擁から抜けることはしなかった。
トニーはジュゼッペへ、妻を助けた礼として大金を届けた。ジュゼッペはその金で買えるだけの一番高い指輪を調達すると、アンバー宛ての伝言と共にホテルマンへ預けた。しかし、トニーは無人島での2人の関係を疑い、メッセージボックスに入ったジュゼッペの手紙を隠してしまう。
アンバーとトニーが帰国する日、アンバーはジュゼッペから音沙汰がないために放心状態だった。トニーはチップと一緒にジュゼッペの手紙を妻の手からボーイに渡すと、ボーイは手紙に書かれた場所へ赴く。そこで待っていたジュゼッペは慌てて飛び立つヘリを追ったが、2人の視線が交わることはなかった。
映画『スウェプト・アウェイ』の感想・評価・レビュー
アンバーの性格と口の悪さに、観ていて非常に心労を覚えた。金と権力がこうも人を変えてしまうのか、それともこういう人が金と権力を手にするのか、金はなくとも幸せだと言い切るジュゼッペに同調してしまい、彼の心変わりには共感できなかった。
ガイ・リッチーが監督したとは思えない程、見方がよく分からない映画だった。(MIHOシネマ編集部)
アンバーは絵に描いたような悪女で、今までどうやって生きてきたんだろうと思えるぐらい性格が破綻していた。無人島に漂流し、真実の愛に目覚めたところは良かったと思う。でも、物語のラストは意味が分からなかった。結局、アンバーとジュゼッペは離れ離れになってしまい、今までの物語は何だったんだろうと疑問に思った。どうせなら、ジュゼッペがアンバーをトニーから奪い、二人が幸せになったところで終わって欲しかったなと思う。消化不良のまま物語が終わってしまい、残念に思う。(女性 30代)
誰も幸せにならないストーリーで見ていてとても疲れました。アンバーのような高慢な人間は他人から嫌われることをなんとも思わない強いメンタルを持っているんだと思います。そうでなければあんなにわがままで失礼な態度を取り続けることなんて出来ません。
無人島での出来事はアンバーにとっては「幸せ」を感じた出来事だったのでしょう。しかし、結局彼女は金持ちの夫を選んだ。本当にジュゼッペを愛していたら、夫の元を離れることは簡単に出来ただろうに…とアンバーの金への執着に本当にイライラしました。(女性 30代)
傲慢で嫌味な悪女が地元の猟師と無人島に漂着し、すったもんだする内容だが、まぁとにかくヒロインのアンバーが酷い。漁師が可哀想になってくる。無人島に漂着してからは漁師に反撃されるのでざまぁ感でちょっとすっきりするが、無人島から帰って来た後の展開にはがっかりさせられた。結局は金なのだな。ガイ・リッチー監督の三作目になる作品で、制作された当時はヒロインのマドンナと夫婦関係であったことから、公私混同ぶりが反感を呼び評価はかなり低かったらしい。納得の評価でもある。マドンナの演技もあまり良くなかったしね。無人島で男女2人きりというシチュエーションなら、疑似的な恋愛関係に陥っても仕方ないとも思うし。あまり良い作品とは思えないのは確か。(女性 40代)
裕福でわがままな女ラファエラと、船の下働きであるジュゼッペが無人島に流れ着く展開は、まさに「文明と野生」の対比そのもの。支配関係が逆転し、やがて愛が芽生えていく過程は人間の本能を突きつけてくるようでした。ラファエラが最初の傲慢さを失い、彼に惹かれていく姿は痛々しくも美しい。だが、社会に戻った瞬間、その愛が壊れてしまうラストには、現実の残酷さを突きつけられました。(30代 女性)
最初はただの階級逆転劇だと思っていたけれど、見終わった後は「愛とは何か」「自由とは何か」を深く考えさせられる作品でした。無人島ではすべてが純粋で、ラファエラとジュゼッペの関係が生き生きしていたのに、文明社会に戻った瞬間に全てが崩壊する。そのコントラストが強烈で切ない。マドンナの演技は賛否あるけど、彼女の存在感が作品全体を象徴していました。(40代 男性)
「愛の形」をここまで極端に描いた映画は珍しいと思いました。最初は憎み合っていた二人が、孤独と自然の中で惹かれ合うという展開はまさに“人間の原点”のよう。だが、最後にラファエラが迎えに行かない選択をすることで、この物語は単なるロマンスではなく“社会と欲望の檻”を描く悲劇として完成していると感じました。(20代 女性)
マドンナ主演ということで軽いラブストーリーを想像していたが、実際はかなり重く哲学的な作品でした。無人島での二人の関係は、一種のサバイバル的なロマンでありながら、同時に残酷。文明がない世界でこそ真の愛が芽生えるという皮肉が深い。社会に戻った途端に壊れてしまうその関係に、結局“愛は条件付きなのか”と考えさせられました。(50代 男性)
物語の中盤、ラファエラがジュゼッペに支配されるようになる展開は衝撃的でした。けれども、それが単なる暴力ではなく、互いの本音をさらけ出すプロセスとして描かれているのが印象的。二人の愛は決して純粋ではないけれど、人間的。ラストでラファエラが再会を拒むシーンは、愛よりも現実を選んだ苦い決断であり、深い余韻を残します。(30代 女性)
本作は、愛というより「人間の本能」を描いたドラマだと感じました。文明社会では権力と地位がすべてでも、孤島では生きる力が価値になる。ラファエラが変化していく姿は人間の原始性を思い出させます。ジュゼッペもまた、彼女を通して人間らしさを取り戻していく。ラストのすれ違いがあまりにも現実的で、希望と絶望が同時に胸を打ちました。(40代 男性)
映画『スウェプト・アウェイ』を見た人におすすめの映画5選
青い珊瑚礁(The Blue Lagoon)
この映画を一言で表すと?
孤島で芽生える原始的な愛と生の衝動を描く、究極のサバイバル・ラブストーリー。
どんな話?
難破した少年と少女が無人島に漂着し、文明から切り離された環境で共に成長し、やがて恋に落ちていく。自然の中で生きる二人の姿を通じて、愛や性、そして人間の本能を描き出す。ブロoke・シールズの清純かつ大胆な演技が話題を呼んだ名作。
ここがおすすめ!
『スウェプト・アウェイ』のように、文明社会を離れた場所で芽生える“本能的な愛”を描く物語。自然の中で人間がどう変わっていくのかを美しい映像で魅せてくれる。禁断と純粋が同居する、時代を超えたラブストーリーです。
ある愛の詩(Love Story)
この映画を一言で表すと?
愛の儚さと永遠を描いた、世代を超えて涙を誘う名作ラブストーリー。
どんな話?
名門大学に通う富豪の息子オリバーと、庶民の娘ジェニー。身分の差を越えて愛し合う二人は結婚するが、幸せは長く続かず、ジェニーが重い病に倒れてしまう。愛の終わりを静かに見つめる二人の姿が心を打つ、不朽の恋愛映画。
ここがおすすめ!
『スウェプト・アウェイ』と同じく、愛と現実の狭間で苦悩する恋人たちを描く。社会的格差を背景に、愛がどこまで純粋でいられるのかを問う物語。音楽と映像の美しさも格別で、何度観ても涙を誘う究極のラブストーリーです。
イングリッシュ・ペイシェント(The English Patient)
この映画を一言で表すと?
戦火の中で交錯する禁断の愛と記憶の物語が、美しくも切なく胸を締めつける。
どんな話?
第二次世界大戦末期、重傷を負った“イングリッシュ・ペイシェント”と呼ばれる男の過去が明らかになる。砂漠での恋、裏切り、そして戦争に翻弄された人々の記憶が、静かに解き明かされていく。アカデミー賞9部門を受賞した壮大な愛の叙事詩。
ここがおすすめ!
『スウェプト・アウェイ』の持つ“激情と孤独”を、より深く壮大に描いた作品。映像、音楽、そして演技のすべてが芸術的。愛の痛みと救いの両方を感じさせる、時代を超えたロマンティックな名作です。
愛と青春の旅立ち(An Officer and a Gentleman)
この映画を一言で表すと?
孤独な青年が、愛と誇りを手に入れるまでの感動のヒューマン・ラブドラマ。
どんな話?
士官学校で厳しい訓練を受ける青年ザックは、工場で働く女性ポーラと出会い、次第に心を開いていく。愛と友情、そして自己成長を描く物語。軍の規律と人間の感情がぶつかり合う中で、ザックが掴む“真の強さ”とは何かを問いかける。
ここがおすすめ!
『スウェプト・アウェイ』のように、身分や立場を超えた恋愛を軸に、人間の成長と再生を描く。リチャード・ギアの魅力が全開で、ラストの名シーンは映画史に残る感動。愛の尊さと人生の意味を同時に感じさせてくれる一作です。
愛の嵐(The Night Porter)
この映画を一言で表すと?
愛と支配、快楽と苦痛――人間の闇を暴き出す衝撃のラブ・サスペンス。
どんな話?
元ナチ将校と、収容所で彼に支配されていた女性が、戦後ウィーンで再会する。互いに憎しみと依存の中で再び惹かれ合う二人の姿を描く、官能と狂気の物語。過去の罪と快楽に囚われた人間の哀しさが際立つ異色の恋愛映画。
ここがおすすめ!
『スウェプト・アウェイ』と同じく、“支配と愛”という相反する感情が絡み合う衝撃作。愛が理性を超え、破滅へと向かう姿は観る者を圧倒する。美しくも背徳的な世界観に、強烈な余韻が残る問題作です。






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