映画『クラバート』の概要:ラウズィッツで放浪しながら暮らしている少年・クラバートは、言葉を喋るカラスによって水車小屋へといざなわれる。魔術を学びながら労働をさせられていたが、ある日美しい少女と運命的な出会いを果たす。
映画『クラバート』の作品情報
上映時間:73分
ジャンル:ファンタジー、ラブストーリー、アニメ
監督:カレル・ゼマン
キャスト:なし
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映画『クラバート』の登場人物(キャスト)
- クラバート
- ラウズィッツで放浪していた貧しい少年。ある日水車小屋の魔術学校に入ることになり、重労働と魔法を教え込まれる。
- 親方
- 水車小屋の親方。魔術学校の校長で、貧しい子供を集めてはこき使い、魔法を教えている。自分の元から子供が離れていくのを阻止する。
- 少女
- クラバートが出会った人間の少女。カラスの姿でやってくるクラバートに気づいてくれて、彼を愛するようになる。
- ユーロ
- 水車小屋でクラバートと同じく働く少年。馬鹿な振りをしている。クラバートの恋と脱走を手助けしてくれる。
映画『クラバート』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『クラバート』のあらすじ【起】
ラウズィッツほど美しく平和な場所はない。クラバートは身寄りがなく貧しいが、この国が好きだった。
ある日、恵んでもらったパンをリスに取られ、犬に追われ、飛び込んだ羊小屋で似たような境遇の子ども二人に出会う。快適に眠っていると、喋るカラスがやってきて水車小屋に来るように言った。二人を置いてこっそり抜け出すクラバート。
村はずれの老人に水車小屋への道を聞くと、悪魔の住処なのでやめろと止められる。猛吹雪が吹いて、人間の言葉に惑わされるなと言われたクラバートは水車小屋へと向かっていった。
小屋には、カラスと同じ声の老人がいた。彼は親方で、粉のひき方を教えてくれるのだと言う。そこには空のベッドが11個あった。親方と自分しかいないようだったが、誰かが住んでいたのだろうか?その日、クラバートは眠れなかった。
次の朝。一緒に働く11人の仲間と会わされた。クラバートは12人目だったのだ。掃除を担当することになったが、雨露をしのげて沢山食べられる環境は放浪よりも快適だった。
映画『クラバート』のあらすじ【承】
月日は流れて春が来た。いつも仕事を見張っている邪魔な猫をクラバートが追い払うと、頭から血を流した親方が出てきた。親方が怒っていることはすぐにわかった。親方はクラバートに無理難題を言いつけて、失敗すると鞭で打った。
クラバートは小屋を逃げ出すことにした。一晩中走り続けたが、親方の顔の生き物たちに追われて振り向くと水車小屋だった。ここは魔法の水車小屋なのだ。
3ヶ月が経ち、見習い期間が終了したクラバートは弟子へと昇格した。クラバートはカラスに変身できるようになり、ここは技を学ぶための魔術学校であることも知った。弟子の一人・トンダと町へ出て、牛に変身したクラバートが高額で売られる。人の声で話して買い手を驚かせ、逃げ出した。
ある復活祭の日、クラバートは歌を歌っている少女に出会う。彼女のことが忘れられなくなり、人間に戻りたいと思うようになった。
親方はトンダに試験を行うと言い、二人は鶏になって戦った。トンダが勝ったが、親方は猪に変身してトンダを殺す。空腹と寒さに震えた子供が、また補充されるのだ。
映画『クラバート』のあらすじ【転】
新しく来たのはヴィトコだった。また小屋は普通に戻り、やがて彼も魔術学校の一員となった。
クラバートは、松ぼっくりを高価な宝飾品に変える魔法を教えられた。売りつけても一時間で元に戻ってしまうが、時間を過ぎようとした際に親方が時を止め、一同は楽に逃げ出せたのだった。
前回の復活祭で会った少女にまた会えたクラバート。少女はまたも歌っていた。カラスのクラバートに少女は投げキッスを送り、手を振った。
帰るのが遅れたクラバートは墓穴を掘れと言われ、彼の手助けをしたユーロも馬として売られることになってしまう。彼の実力では馬から元に戻れないだろうと思ったクラバートはユーロと入れ替わり、自分が売られることにした。ところがユーロが馬を売った相手は親方だった。血が出るまで蹴られ、走り続けたクラバートが疲れ果てていると、二度とわしを欺くなと警告した親方が、彼を人間へと戻した。
親方が数日出かけることになり、少し自由な空気が流れた。クラバートは、彼女に会いにいくことにした。
映画『クラバート』の結末・ラスト(ネタバレ)
幸せな日だった。言葉はなくても、少女はクラバートだとわかってくれた。ところがユーロが呼びに来る。親方が戻ってきたのだった。
親方は鷲の姿で待っていた。あの少女は誰だ?お前は永遠にわしのものだ。と言われたクラバートは自由になれる方法を探した。ユーロと二人でネズミに変身し、親方の魔術の本をこっそりと読むことにした。
クラバートは嵐の夜、少女に会いに行った。親方は勘付いて彼の帰りを待ち構えていたが、ユーロの助けで事なきを得る。親方が毎日彼の外出を見張るようになったので、それを利用して親方の部屋に忍び込むのだった。
親方に命令されてハンガリーから元帥を取り戻す任務についたクラバートは、任務の中で親方の罠にはまり、ユーロを撃ってしまう。親方と一触即発のクラバートを救うため、ユーロは最終手段に出て、少女を連れてきた。
目隠しをした少女に弟子たちの前を歩かせる。どれがクラバートか?と聞かれて見事言い当てる少女。その瞬間親方は灰になって息絶え、燭台から魔道書に火が移った。水車小屋は灰になった。残された弟子たちは皆、普通の粉引きの道へと進むのだった。
映画『クラバート』の感想・評価・レビュー
独特な世界感を持つアニメーション映画。シンプルな大筋で、きちんとハッピーエンドでもあるものの、子供の頃に見てしまうとトラウマになりそうな癖の強さがある。
キャラクターたちは無表情だが、全体を通しての暗い色調から逃れられない苦しみと絶望の感情が伝わってくる。わかりやすく作りこまれたこのファンタジックな世界観が感性にハマる人には、きっといい意味でも忘れられない一作になることだろう。(MIHOシネマ編集部)
切り絵のような美しい映像と不思議な世界観で独特な雰囲気の作品でした。
言葉を話すカラスに誘われて行った先にあったのは「魔術学校」。貧しい暮らしをしていた主人公はそこで過酷な労働をしながら魔術を学ぶことになります。
テンポが良いので特に違和感はありませんが、既視感のあるストーリー。何かと考えてみると『千と千尋の神隠し』に似ているような気がします。湯婆婆の下で働きながら、大切なものや家族を取り戻す千尋の姿は今作の主人公に似ているものがありました。
最後の展開も良いので子供と一緒に見ても楽しめる作品です。(女性 30代)
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